高山真由美のレビュー一覧
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ネタバレ2作目が出たので読んでみた。
初っ端に殺人事件が起きるのが早くて良い、そこから評判は聞いてたけど、じっくりゆっくり事件解明。出てくる人達の描写が丁寧。
内容にショッキングな所が少ないので全体的に落ち着いてる。
ラスト近くにようやく走り出すけど、ラストはスッキリしない感じ。
マシューの性格が落ち着いてるからだろうけど、ストーリーの熱もマシューみたい。何処かで冷静に出来事を眺めてるような気分だった。
ただルーシーが可愛いくて、解説でも取り上げてたけど両手でグーサインするの最高ですね。他にも好きな台詞があって
「彼は個人的な好き嫌いを道徳規範と混同するタイプの人間だった。」とかよかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作の自分の親に読んでもらいたい本を読んでいたこともあり気になったので読んでみました。
このシリーズのタイトルの衝撃。
期待通りでした。結論から言うと、本書の本当に伝えたいことは、決して大切な人(自分以外の誰か)に読んでもらいたい本ということではなく、自分自身に読んでもらいたい本といいますか、生きづらい世の中を生きていく中で、いろんな人の悩みがメールで来ていて回答されていきます。
それは、解決策というわけではないです。
そういうものや事柄をきっかけに自分自身の人間関係と向き合い方を今一度考えるきっかけになる。そんな本でした。
人間関係は難しいです。相手も生きてますし、自我があります。そういう中で、相手に変わってもらうなんてことは不可能ですから、自分自身が変わっていくしかない。これはわかっていてもできるかと聞かれると大変難しいことだと思います。一朝一夕で変われることはないです。常に継続。
そういう自分自身の変化と向き合うために力になってくれる本だと思います。 -
Posted by ブクログ
楽しみにしていたマシュー・ヴェン警部シリーズの第二弾。
あ〜、やっぱりアン・クリーヴスが好きだ!
ストーリーも人間模様の絡み方も
相変わらず聞こえてくる心の声も、十二分に楽しめた。
特に今回はラストの種明かしもすごく良かった。
取ってつけた感もなく、終わってみればこの人しかいない、と言う事実。(もちろんノーマーク)
前作ともリンクする部分も多く、また読み返したくなった。
今回、マシューとその部下であるジェン(シングルマザー、いつも疲れている)とロス(マシューとは微妙な関係、愛する妻と最近すれ違い)のエピソードも良かった。
それぞれにかかえているものがあり、それがストーリーに厚みを持たせている。
チームとしての3人の噛み合わない感じもおもしろく、
今後それがどう変わっていくのかにも注目したい。
巻末の解説でうれしいニュースも。 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルで損してる素晴らしい教育の本。「失敗・成功」って書かれると、まるで融通の効かない教育ママの発言みたいだけど、全然違う。タイトルどうにかできないかと思う。
そしてこの本での「失敗」は、例えば志望校に合格できないとかではなく、犯罪や自死等、起こってしまえば簡単には人生を取り戻せないほどの恐ろしい出来事を指す。
中身は、アメリカの教育格差とその改善策や、貧困層の子どもがなぜ「失敗」するのかの詳しいメカニズムを書いている。
メカニズムについては、貧困層の子どもは家庭内暴力に晒される傾向があり、その被害(間接的にでも)を受けたときには脳内でストレスホルモンが分泌される。これが頻回となるにつれ、ストレスホルモンを分泌する回路が強化されてしまい、アロスタシスという慢性的なストレスホルモンの曝露状態になる。
今日よく早期教育で使われる「非認知能力」についても、このアロスタシスが悪影響を及ぼすことが指摘される。「非認知能力」について、今までしっくり来てなかったんだけど、この本の解説はとてもわかり易かった。例えば、紹介されてた「非認知能力」の一例が、赤字で書かれた「緑」の文字を「この文字は何色ですか」と聞かれたときに、少し立ち止まって考える力というもの。かんたんに言えば、問題に対して冷静に多角的な面で考える力ということで、犯罪の抑止力にもなるし、ペーパーテストではこの力があると優位に点を取れるように出来ている。
話を戻すと、アロスタシスが発達してしまった子どもは、常にストレスホルモンに晒され、情緒が安定せず、いつもビクビクして、上記の非認知能力を発揮することが難しくなる。そしてテストで落伍し、就職が不利になり、衝動的な気持ちに任せて危険な人生を歩んでしまう…
本書では実際にアロスタシスが発達せざるを得なかった子どものエピソードが紹介され、そしてそこに寄り添い導こうとする教育者の方法論も具体的に記されている。
いわゆる「普通」の家庭には関係ないな、と思うかもだけど、これは複数あるエピソードの中のほんの一部。
他にはチェスのコーチの女性の方法論に焦点を当てたものも面白かった。
彼女は端から見ると可哀想になるくらい容赦がないやり方で教え子のミスを詰める。「褒める子育て」に全振りしてる人なら卒倒するんじゃないかってくらいの冷たさで。
じゃあ教え子たちは彼女を嫌いになるかというと、その中の一人の子は人間関係での問題が起こったときに彼女に意見を聞きにくる。そこで彼女はものすごく残酷なくらいに冷静に第三者としての意見を述べるんだけど、その子は「もういいです」とプイッと居なくなり、しかしまた同じことが起こったときに聞きにくる。それは、彼女が冷たくても的確なアドバイスを、そして一番重要なのは忖度なしに教えてくれることを子どもが理解しているから。
勿論このコーチを嫌う子もいるだろうけど、子どもは実は厳しい意見も飲み込んで血肉にする力を持つことがわかる。そして重要なのは、コーチが親ではなく子どもにとって第三者であるということ。親は子どもが傷ついたときに受け止めるための安全基地として機能することが重要というエピソードもある(全肯定するべきという話ではなく)。
子育てで嬉しいけど悲しいことはいつか社会に出るということ。社会では親は守ってやれない。だから華々しい成功とまではいかなくても、危ない道に行かず、自分のための人生を歩んでほしい。そのための参考書としてとても有意義な本だった。