高山真由美のレビュー一覧

  • ブルーバード、ブルーバード
    この不穏な終わり方、次回作があるとしたら、ドキドキ。英米ミステリの主人公って音楽好きが多いな。リーバスのロック、ボッシュのジャズ、モースのオペラ。ジェニーヴァの言葉を借りれば「失われた愛」の物語。
  • ブルーバード、ブルーバード
    主人公が黒人(カラード)のテキサスレンジャーというだけで既に異色では?
    南部の田舎町で起きた連続の殺人事件に巻き込まれる、事件の謎を丹念に捜査していく。
    話しが全体的に地味だけど、比喩や暗喩に富んだ文章が抜群に上手いうえに、キャラの設定も見事。

    そのせいか、さほどのストーリーでもないのにラストまで...続きを読む
  • ブルーバード、ブルーバード
    面白かった。が、まだ尚進行している人種偏見への認識を共有していないので感じ方はどうなのか疑問だが。
    文中の彼らは大きな家族。黒人を憎んでいることが強迫観念となり逆に縛られている様子は印象に残る。
    海外のミステリーが好きなせいもあるが、最近読んだ本も映画も人種間、男女の偏見、差別が基になる話ばっかりや...続きを読む
  • 成功する子 失敗する子 ― 何が「その後の人生」を決めるのか
    勉強、スポーツ…どんな分野でも、成功は、家庭環境、経済力、学校や先生との相性、いろいろなことが複雑に絡んでいて、一概にどうすれば成功するとは言えないという、当たり前といえば当たり前のことを再認識した。
    経済力がある子がいろいろな理由で成功する確率が高いという身もふたもない結果が出たりする一方、もちろ...続きを読む
  • ブルーバード、ブルーバード
    テキサス州のハイウェイ沿いの田舎町で、ふたつの死体があいついで発見された。都会から訪れていた黒人男性弁護士と、地元の白人女性の遺体だ。停職処分中の黒人テキサス・レンジャー、ダレンは、FBIに所属する友人から、事件の周辺を探ってほしいと頼まれて現地に赴くが―。愛と憎悪、正義の在り方を卓越した力量で描き...続きを読む
  • ブルーバード、ブルーバード
    主人公の黒人レンジャーを揶揄するように「夜の大走査線(In the heat of the night)」の名が本文中に使われる。同作が映画化されてから半世紀以上経つとゆうのに人種間の分断は相変らず社会に暗い影を落としている。なぜ同じ悲劇が繰り返されるのか、本作はアメリカの病巣を描く凡百のノンフィク...続きを読む
  • ブルーバード、ブルーバード
    「ジョーがまずギターを取り出した。沢山の人々の--ジョーの、次いでマイケルの、そして今やランディとダレンの--運命を変えたギブソン・レスポール」

     伝説のギターマン、ジョー・スウィート。彼のギターをシカゴから追いけかけてきたマイケル・ライトの遺体がバイユーで発見された。ついで白人女性の死体が同じバ...続きを読む
  • サイレント・スクリーム
    ミステリーだが、犯人捜し謎解きというよりは、女警部主人公のタフネスっぷりを存分に楽しむ小説。

    かつて存在した児童保護施設に勤務していた元職員が殺害された、とほぼ同時期に火災で空き地となったその施設跡の地面から白骨死体が発見される。過去の殺人事件と現在の殺人事件の両方を並行して追う主人公キムたちウェ...続きを読む
  • ブルーバード、ブルーバード
    シカゴから来た男が運んできたのは、ギブソンのレスポールだった。

    輸入盤で手に入れたミシシッピ・ジョン・ハートのレコードを擦り切れるまで聴いてフィンガー・ピッキングをコピーしていた頃を思い出した。『ブルーバード、ブルーバード』というタイトルは、ブルースの名曲から採られている。事実、文中にはライトニン...続きを読む
  • ブルーバード、ブルーバード
    アメリカ南部が舞台で、根深い黒人差別問題が全面に押し出しされるという、題材としては個人的にとても苦手な分野なのですが、三冠受賞作品なので読まないという選択肢はない。
    結果、読んでよかった。正義とは?と考えさせられる作品が最近は多い気がするが、捻りが効いてなかなかなもの。
    しかし、南部は濃い!
  • 紳士と猟犬
    舞台は1800年代のインド。さっぱり知識がありません。
    東インド会社 アヘン戦争 インドからアヘンを輸出
    当時のアヘンは違法薬物ではなく高級嗜好品の位置づけだった。
    くらいをざっと予習して読み始めました。

    主人公はなにも知らされず、状況がよくわからないまま混沌のインドをさまようことになります。
    ...続きを読む
  • 日曜の午後はミステリ作家とお茶を
    最初の1-2篇を読むと意外性が足りない気がするが、読み進むにつれ、控えめなユーモアとそこはかとない品のよさを感じるようになる。
  • 日曜の午後はミステリ作家とお茶を
     ミステリ作家が事件に出会ったらというシチュエーションでの短編集。
     シャンクスが偏屈で頭が良くて皮肉屋で楽しい。
     そしてミステリ要素満載で、短編なのに気を抜いて読むと伏線がわからなくなるほどである。短いのに濃密だ。

     解説で「黒後家蜘蛛の会が好きなら」というくだりがあり笑った。ああ、好きだよ。
  • 日曜の午後はミステリ作家とお茶を
    作家が探偵になる(わたしは探偵ではないといいながら)日常の謎系の連作短編集。ユーモアたっぷりでほのぼのしてて、でも作品によっては殺人もあったりして、ミステリらしさもたっぷり。とても読みごごちがよかった。
  • その罪のゆくえ
    なんとこれがデビュー作だそうな…! 非常に重厚な…物語でしたねぇ、読みごたえがありました!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    ハヤカワミステリ…つまりはミステリ作品なんでしょうけれども、実際にあった事件とかも参考にしている? と解説には書かれてありましたが…その影響か知りませんけれども、単なる謎解きミステ...続きを読む
  • サイレント・スクリーム
    私立校の校長が何者かに溺死させられる事件が発生。現場の傍の木々には犯人によるものと思われる不可解な放火が。型破りな女性警部キム・ストーンは、被害者がある荒れ地の発掘調査に関心を示していたことを突き止める。その土地の一画には被害者がかつて勤めていた児童養護施設が残されていた。十年前に火災で閉鎖された施...続きを読む
  • 成功する子 失敗する子 ― 何が「その後の人生」を決めるのか
    以前読んだ「全員経営」の中で経営メソッドの流れで紹介されていた。
    タイトルだけ読むと「子育て」というイメージを持ってしまうが、「子育て」と「部下教育」には共通点があるということを改めて実感。ちょうど新卒も配属されたりと読むにはちょうど良いタイミングだった気がする。
  • 紳士と猟犬
    カルカッタの暑さと環境にうんざりしていた東インド会社の軍人エイブリーは、会社のはみだし者ブレイクと、消えた詩人を探すよう命じられる。

    主人公と同じ視線で、何も分からないまま進んでいくとこが面白いです。
    有能な謎の付き人ミル・アジズや、初めは理解できないブレイクに段々依存していってるとこやらがもえ。...続きを読む
  • 成功する子 失敗する子 ― 何が「その後の人生」を決めるのか
    やはり認知スキルや知能スキルよりも非認知スキル、例えば集中力だったりかんじょうのコントロールだったり考えを整理するスキルだったり、の方が大事だ。大事というか、将来的にはその方がより伸びる。認知スキルも含めて。
  • ガール・セヴン
    セブンという仇名でハーフの清美が主人公。両親と妹を惨殺されロンドンのアンダーグラウンドという店で働いていた。そこに客として殺し屋のマークがやって来る。彼は両親が殺された事件を調査してくれるという。さらにロシア人とオーナーの問題に巻き込まれ殺されそうになる。
    面白い。特にダークな雰囲気が良い。体は鍛え...続きを読む