高山真由美のレビュー一覧

  • ハーレム・チルドレンズ・ゾーンの挑戦――貧乏人は教育で抜け出せるのか?

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    どこに生まれたかで、その先の人生が決まってしまうような不合理。これを甘受してしまうような人間にはなりたくない。何か出来るとかではなくとも、それを認識していたい。

    何もしなければ、貧困層に居続けることになるような子どもとその親に、継続的な支援を。家庭での教育、家庭環境の重要性。だからこそ、親へのフォローも大切にする。親といえども、まだ10代。

    幼少期の親からの愛情と関心、声掛けで認知能力に差が出る。適切な声掛け、博物館や水族館などへの知的活動、本の読み聞かせの重要性。

    ミドルスクールの一時閉鎖は、決断が早い気がしたし、子供達が見捨てられたと思うんじゃないかと、苦しくなった。投資者や、学校の評判を意識せざるを得ないと、子供の教育のための最適な判断が難しいのではないだろうか。

    難しいことだけど、結果が伴ってきているのに安心する。先の未来を楽しめる子どもが増えてほしい。

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    2025年02月09日
  • 寡黙な同居人

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    ミステリー 犯罪小説でもなく探偵も登場しない
    一人称でもなく 三人称ではない 3人の視点が 組み合わさった不思議な小説

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    2025年01月26日
  • デュアルキャリア・カップル――仕事と人生の3つの転換期を対話で乗り越える

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    カップル双方がキャリアを発展させたいと考えている時に直面する3つの壁を各国のさまざまなカップルの事例を用いて活き活きと論じている良著。
    結局のところ、様々な人生の難所において、パートナーとの関係が安心できるものであり、オープンな会話ができる状態を保つため、たとえ夫婦であっても関係構築の労力を割くことが必要であるということを述べているのだと感じた。
    仕事や子供に対して労力を割くことは皆違和感なく受け入れているが、自分の最も近くにいる人にしっかり労力をさけているか?それが問題である。
    夫婦関係も決して「何も話さなくても安心できる関係」がベストなわけではない。夫婦といえども2人とも変化していく人間である以上、その変化をお互いによく認識するために、相手を知る労力を割き続ける必要があるのだ。
    そういうことを本書を通じて再確認した気がする

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    2025年01月20日
  • 成功する子 失敗する子 ― 何が「その後の人生」を決めるのか

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    アメリカで話題となっている教育理論について書かれている。
    子どもたちが「成功」するためには、何が必要なのかに迫っている。

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    2025年01月19日
  • デュアルキャリア・カップル――仕事と人生の3つの転換期を対話で乗り越える

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    ネタバレ

    自身のキャリアや子育てで悩み、家族としてどうありたいかわからなくなった時に読みたい本でした。

    私は今結婚して2年目で、そろそろ子供が欲しいけど、仕事も成長を感じていて楽しいと感じています。また夫婦仲は非常に良く、お互いしたい仕事ができています。そんな中子供がほしいと思った時に、環境の変化によって2人の関係が変わってしまったら、どうしようと不安に感じました。だからこの本を読むことで、これからどんな不安が訪れるのかを経験者の事例を見ながら想定し、未来へ向けて備えたいと思いました。

    この本は具体的な例をあげながら、どんな試練がどんなことをきっかけに2人に訪れるのかを説明してくれます。それだけでなく、上手くいった例と上手くいかなかった例をあげて、今どうすべきなのかを教えてくれます。特に素敵だと思ったところは、どれもこうすべきであるという押し付けがましいアドバイスではなく、あくまでこれを知ってどのようにするかはあなた次第(夫婦次第)であるとううところです。

    この本を読み、新たな発見だったことは、第一の転機を経て夫婦は、2人の独立した人生やキャリアから2人の依存した一つのものになるということです。
    それはゼロサムの限られた資源を2人で奪い合うという意味ではなく、2人あわせればもっと良いものになれるというポジティブサムの考え方で捉えられるかも大切であることもあわせて発見でした。

    この本を読む前は、私は自身のキャリアが大切で、子育てによって停滞することを危惧していました。しかし読み終わってみて、この5年で成し遂げたいキャリアはあるか?考えたときに、私はただ自分が大好きな人たちにすごいと認められる人でありたいだけであり、こんなキャリアを歩みたいとかこんなポジションでいたいという明確な目標はないことに気がつきました。加えて大好きな夫と、子育てを通してたくさんの思い出を作りたい、これが私にとって人生で一番大切なことだと思いました。これをヒントに私はこの後夫と第一の転機を乗り越えるために、夫と話し合いをしていきたいです。

    これからの人生、2人や家族にどんな危機が訪れても、話し合うことを放棄しないで、向き合っていくことを大切にしていきたいです。

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    2024年11月15日
  • デュアルキャリア・カップル――仕事と人生の3つの転換期を対話で乗り越える

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    これから結婚するけど、とっても参考になった。
    わたしが第3変換期くらいのときには日本も進んでるといいな。もちろん進んでなくても自分の道を作りたい。

    オーディブルもいいけど紙もいいよね

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    2024年11月09日
  • 寡黙な同居人

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    登場人物の紹介はなく、あなた、彼、私、と主語が代名詞のが続く。突然エイダンと名前が表れ主人公の1人だとわかる。あなたと呼称されてるのは軟禁された被害者。この2人がメインで取囲む周りの人達の生活が詳しく描かれる。
    心理的な場面が多いので好き嫌いが別れると思うが名前さえ取られた怖さがひしひしと感じられた。

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    2024年10月17日
  • 哀惜

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    ネタバレ

    アン・クリーヴスの新シリーズ!
    「凄く好き」と「星4つ」が同居する不思議。
    派手さや尖ったところがないので星4つにせざるを得ない。
    けれども脳内にはこの上なくしっくりくる。

    シェトランド諸島とは打って変わって今度はイングランド南部のノース・デヴォンのスモールコミュニティが舞台。
    マシュー・ヴェンはこの地を担うバーンスタプル署にとってまだ新顔の警部。
    かつて家族内の信仰に背を向けたことにより堂々と参列出来ない事情のある父の葬儀。
    物悲しさと共に遠目で見やった余韻もままならぬ中、自宅付近の海岸で刺殺体が発見される。

    身元を辿っていくと夫のジョナサンが運営するケア・センターとの繋がりが。
    被害者の同居人、次いで発生する誘拐事件の被害者、関係者がことごとくケア・センターに通じていく中、ジョナサンの夫であるマシューは利害関係があり過ぎると悩みつつ捜査を指揮していく。。。

    そう、マシュー・ヴェンは同性愛者。
    これまで同性愛者の登場する物語はそこそこ出会ってきた気がするけど、主人公かつ警部ってのはなかなかない気がする。
    なのに自然体。
    嫌味やこれみよがしさが全くない。
    ジミー・ペレスとはまた違った善良さ、生真面目さも持ち合わせていて好き。

    松恋さんの解説によればあと2作程は邦訳待ちになりそうで待ち遠しい!
    Wikipediaによれば、御年69歳の著者。
    凄いなー。

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    2024年09月22日
  • 成長を支援するということ――深いつながりを築き、「ありたい姿」から変化を生むコーチングの原則

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    『成長を支援するということ』

    【購読動機】
    戦略の達成が目的でその手段が組織とした場合、組織の構成要素である「ひと」(ひとりひとりの働き方・貢献のあり方)が、戦略達成を左右するひとつの原因となります。

    「コーンチング」「1on1」なる言葉が流通しだして、相当の年月が経過しました。その期間に、組織の「エンゲージメント」(会社と従業員の距離、つながり)を計測するクラウドサービスを観察する機会が増えました。
    おそらく、どの企業も共通して「人が採用できなくてこまっている。」「若くて優秀な社員が離職する」という課題があるから「エンゲージメント」を導入するのでしょう。

    では、「エンゲージメント」を導入した後、採用そして離職の課題は解決しているのでしょうか?
    ほとんどの企業の回答は「NO」なのではないでしょうか?

    そんなことを考えている私は、自然にこの書籍を手に取ったのでした。

    【当書籍を選択した理由】
    すばり「タイトル」です。ひとりひとりが成長すれば、それは結果として組織の成長につながります。
    では、一人一人の成長はどのように実現するのでしょうか?
    そんなときに、この書籍に出会ったのでした。

    【読みおえて】
    コーチングって何だ?という疑問をもっている方にお薦めです。
    組織が目的、目標に対してパフォーマンスを発揮するためには、下記の3つの認識が必要であることです。
    1)コーチングも1on1も手段である認識すること。
    2)チーム長・組織長のマネジメントスキルだけではチームは機能しないと認識すること。
    3)メンバー・構成員が「理想の自分」と「現状の自分」を整理、認識できる機会が必要であること。
     そして、その機会は、企業・組織側で制度的に設計・運用するのが望ましいということです。

    この書籍は、事例と理論の行き交いが多いです。そのため、私にとっては読みづらい部類に入りました。ただし、理論を先に抽出し、そのあと事例で解釈を添えるという順序で購読すると内容に対する解像度があがります。

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    2024年08月31日
  • 哀惜

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    ネタバレ

    海沿いの街でおきた殺人事件、その一つの事件に対し冗長とも思える、周りの人々のひとりひとりの人物紹介に加え、施設の意義、案内を含め生まれつきの病気を持つ女性たちのことも丁寧に。尚且つ受け持つ警察の人たちの過去や現在抱えている悩みや状況まで。
    丁寧すぎると言えばそれまでだけどようやく解決させるまでの長かったこと。
    この作家さんの前のシリーズと共通するのはその丁寧さで読者の感情移入までさせてくれて、理詰めに緻密に事件を解決する整った感。読む人を選ぶのかもしれない。私は嫌いじゃないけれど。
    このシリーズの警部は配偶者に対してかつてない愛情の深さを示してくれてその点でも、作家さんの本を書く丁寧さが伝わってきて、いろんな意味で好感が持てる。

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    2024年08月02日
  • 死の10パーセント フレドリック・ブラウン短編傑作選

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    目次
    ・5セントのお月さま
    ・へま
    ・女が男を殺すとき
    ・消えた役者
    ・どうしてなんだベニー、いったいどうして
    ・球形の食屍鬼(グール)
    ・フルートと短機関銃のための組曲
    ・死の警告
    ・愛しのラム
    ・殺しのプレミアショー
    ・殺意のジャズソング
    ・死の10パーセント
    ・最終列車

    『5セントのお月さま』『フルートと短機関銃のための組曲』『死の警告』が初訳。

    フレドリック・ブラウンのSF短編全集が出たとき、どうしてSF限定なのだろうと思った。
    ミステリの短編もそこそこあるのに。
    『最終列車』が収録されたアンソロジーには、これが最後のアンソロジー未収録作品とあったような気がするけれど、その後にこれが出たということは、つまりまだ未訳の作品が眠っている可能性があるというわけか。
    『真っ白な嘘』とか好きだったので、なんとか頑張って全集を刊行してほしい。
    買うから。

    エド・ハンターシリーズは長編のイメージが強かったけど、短編もあったなあと懐かしく思い出した。
    今の作品に比べると、テンポがゆったりとして、必要なことはすべて書いてあるけれど、最後に大きく話が動くという展開は、まどろっこしく感じるかもしれない。
    だけどこのテンポに慣れ親しんで育った私には、久しぶりに大きく呼吸ができるような気持ちで作品を読んだ。
    ドキドキはしたけども。

    『球形の食屍鬼』と『殺意のジャズソング』が特に好きかな。
    落としどころの意外性が。
    読後感は全然違うけど。

    とにかく東京創元社さま、短編全集完全版をぜひ出版していただきたいのです。
    お願いします。

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    2024年06月03日
  • デュアルキャリア・カップル――仕事と人生の3つの転換期を対話で乗り越える

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    3つの転換期
    ①キャリアや個人の生活から生じる人生のビッグイベント(地理的な移動を必要とするような昇進や解雇、子供の誕生、年老いた親の介護、家族の健康問題)
    ②自分のありようへの疑問や、自分は一体誰のために生きているのかという疑念
    ③役割の変化-アイデンティティの空白や、残された時間とエネルギーで何ができるかという疑念

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    2024年05月21日
  • デュアルキャリア・カップル――仕事と人生の3つの転換期を対話で乗り越える

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    共働きのカップルがお互いの仕事と愛情を犠牲にせずに、キャリアとパートナーとの関係性をどのように良好に保つか、面白い視点で書かれています。

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    2024年05月04日
  • 死の10パーセント フレドリック・ブラウン短編傑作選

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    フレドリック・ブラウンのミステリ短編を集めた日本独自の短編集。
    好きでいえば表題にもなってる「死の10パーセント」は如何にもフレドリック・ブラウンという感じで好みだが、これってミステリ?という気がしないでもない。まぁ、面白ければどうでも良いことだが。
    巻頭の「5セントのお月さま」はちょっとO・ヘンリーとかの短編を思わせるテイスト。「殺しのプレミアショー」なんかは割と本格なミステリといった感じでバラエティ豊かな短編集。

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    2024年04月05日
  • 哀惜

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    初読みの作家さん。しかも新シリーズらしい。
    登場人物たちの描写、背景が丁寧に書かれていることもあってとても長い小説だった。
    マシューの穏やかさ知的さ、自信のなさや自分を過小評価しすぎるところが、今まで読んできた刑事像と違って、新鮮で好感が持てた。
    次回作が出るなら楽しみです。

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    2024年04月01日
  • デュアルキャリア・カップル――仕事と人生の3つの転換期を対話で乗り越える

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    キャリアの両立のさせかたにとどまらず、人生自体について考え直すきっかけとなる本

    二人のキャリアを考えるときにどう分担するか、何を妥協するかというゼロサム的な思考になっていたことに気付かされた
    転換期のたびに読み返したい

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    2024年03月28日
  • 哀惜

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    シェトランドシリーズのアン・クリーヴスの新作。
    もしかして新シリーズになるのかな?
    (本国ではシリーズ3作が刊行されている様子)

    今回も主要な登場人物たちの心の声、ダダ漏れ。
    これによってその人となりが理解できるのがうれしい。
    主役の警部、マシュー・ヴェンは見た目冷静で、できる男な雰囲気なのだけど、内面はナイーブで繊細。
    家族関係に問題を抱えていて、
    同性婚をしているという設定も新鮮。

    今作は事件の真相自体にはさほど目新しさはないものの、描かれるキャラクターがとても魅力的。
    マシューとその部下たち、
    マシューとパートナーのジョナサンとの関係性など、
    まだまだこの先変化していきそうで楽しみ。
    ダウン症の女性たちの描かれ方も胸に迫るものがあり、
    彼女たちの笑顔や仕草が思い浮かび切なくなった。

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    2024年02月16日
  • 終わらない週末

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    スッキリはしないけれど、現実的な恐怖が少しずつ重なって、下手なホラーより遥かに怖い話だった。昔住んでいたロングアイランドが舞台。後書きにあるようにそこに流れる差別感などがリアル。

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    2024年01月07日
  • 哀惜

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    ネタバレ

    殺人事件はすぐに起きるのだけど、少し前までホームレスだったアルコール依存症の男が、なぜ殺されなければならなかったのか、が全然わからない。
    そこがわからないので、もちろん容疑者なども全然絞れない。

    捜査責任者のマシューの生い立ちや、部下たちの生い立ちも交えて描かれるこの作品は、ともすればまだるっこしく感じられるかもしれない。
    しかし、親や夫の言葉や肉体への暴力にされされてきた捜査員たちは、被害者がボランティアとして働いていた複合施設で接していた、学習障害のある人々(社会的弱者)が被る偏見や、彼らの持つ優しさ・素直さなどから、徐々に事件の本質に迫っていく。

    そしてそれは殺人事件の解決だけではなく、捜査員たちの抱えるトラウマ(とりあえず今回はマシューの家族問題)をも徐々に解いていく。

    多分これ、シリーズ物になると思うだよなあ。
    マシューの部下のジェンやロスの成長や家族問題、今回出て来たルーシーなど、もっと読みたいと思った。

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    2024年01月03日
  • 哀惜

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    イギリス南西部の町ノース・デヴォンの海岸で死体が発見された。捜査を行うマシュー・ヴェンは、被害者は近頃町へやってきたサイモンというアルコール依存症の男で、マシューの夫が運営する複合施設でボランティアをしていたことを知る。交通事故により子供を死なせたことで心に病を抱えながらも、立ち直ろうとしていた彼を殺したのは何者なのか?

    新シリーズ開幕。ジミー・ペレス警部の連作は未読が多いまま、こちらを先に読む。めったにないことなのだが、マシュー・ヴェン警部のある人物への感情に同化していた。

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    2023年12月10日