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Posted by ブクログ
前作である『子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本』に引き続き、こちらも素晴らしかった。
フィリッパ・ペリーの温かくも、厳しい、そして厳しくも思いやりのある文体が素敵だ。
本書はかなり自分の振舞い、思考を反省する点が多かった。
「あなたは○○だ」「あるいはあなたが○○してくれない」。こうした言い方は主語が他者になっている。
これに対し、自分がコントロール出来るのは自分だけという観点から、言いたいことは自分を主語にした”I Statement”にするべきだと示している。
「私は○○だと思う」という意見であれば、相手を非難したり、相手に強制しようとしたりということがなくなって、やり取りが一気にマイルドになる。
これは本当にその通りだと納得した。
一方で、釈然としない部分もいくつかあった。
多くの相談者の文が紹介されているが、一つ一つにやや厳しい指摘をしていく。
そうした紹介文の中には、共感するものが少なくないのだ。
例えば奥さんに対して、自分は相手へ思いやりを持って対応していて、相手を尊重し、セックスレスであっても相手の都合に合わせて我慢しています、といった相談。
あるいは、パートナーが性的に自分を見てくれない、このまま人生を終えるのは耐えられないから離婚を考えているという70代女性からの相談など。
こうした内容には、パートナーとの愛のある接触があるのであれば、必ずしもその接触が性的な物である必要はないし、そこに拘って相手を下に見たり、雑に扱ったり、離婚をしたりという選択肢を選ぶことは薦めない、という厳しい指摘をする。
これらについては、納得できる部分もあるが、一貫して、性的な欲望を充足させること行動のトリガーとすることを著者は肯定しない。(強く否定もしない。)
欲望や他者との関係を密にしたいと思うことは自然であるし、スキンシップ自体は人間関係を充足させ、それが人生を幸福に導くことは疑いようがない。
しかし性欲自体は、愛情とはまた別で、特に性欲自体が衰える人生の後半においては、それ以上にオキシトシンによる穏やかな愛情の方が重要であるという考えからだろう。
著者フィリッパは、良い部分、悪い部分を分けて考え、問題を特定し、対応案を提示してくれる。
それは必ずしも自分自身のケースとぴったりハマるピースではないが、それぞれのケースと、それらへの対応の応用でかなりの人間関係のベースがカバーされるように思う。
より具体に入り込めば当然漏れる部分も出て来ようが、高い視点から他者に対する思考法を敷衍すれば汎用的なシチュエーションに対応できるはずだ。
あとがきにある言葉が、まさに核心を突いてくる。
本書は他者に読ませたい。大事な人、自分が「こうなってほしいな」と思う人に読ませたい、と思わせて、実際には自分自身が一番読むべきだというレトリックだ。
他者は変えられない。如何にこうした日々の対人関係の積み重ねで自分自身を整えてゆくか。そこが一番の教えに違いない。
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