深町秋生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『小説 野性時代』
2015年7月号~2017年3月号
タイトルは 『地獄の犬たち』から 文庫化の際に 『ヘルドッグス 地獄の犬たち』へ改題
2022年岡田准一主役で映画化
コミカライズもされています
警察から裏組織への潜入捜査、その際どさを緊張感の中で書き続けています。
作品の70%くらいは闘争シーンかと思うほどでありまーす。
もう、指が折れる音や、嘔吐や血の匂いが、本から溢れてきまーす。
さて、警察組織に詳しくない私としては、
こんな人道的でない捜査が本当に存在するのか、というところに興味があります。
もちろん小説としての演出なのでしょうが、
読んでいると、日本の平和も、私たちが見えているところだけのものなのかもしれない……なんてことまで考えてしまいます。 -
Posted by ブクログ
大好きな深町秋生のヤクザもの。もっとハードなアクションを期待したが、それでも充分に楽しめた。
母親に亡くなられた15歳の不破隆次は、上京し、歌舞伎町の王と言われる父親に会いにきた。相手にされなかった隆次は、近藤というヤクザに拾われる。
近藤もまた王の息子だった。
近藤を慕う隆次は、ヤクザになり、王一族を守ると誓うが・・・。
深町秋生はこうしたヤクザものを描かせると本当に上手く、血生臭いシーンが苦手な人にはおススメできないが、今回はアクションシーンだけでなく、『血』を巡る切ない物語となっている。
隆次はもちろんのこと、近藤がとにかくカッコ良かった。 -
Posted by ブクログ
新宿歌舞伎町の台湾系大立者王大偉の私生児として生まれた不破隆次は、山形の温泉地で同居していた生母を亡くし、父親を頼って昭和45年、15歳で上京する。
異母兄の近藤傑志を慕って暴力団岡谷組に入り、度胸と腕力と頭脳で成り上がっていく。
敵対する暴力団や中華系武闘組織との血を血で洗う抗争。
暴力シーンどれも凄惨で容赦ないが、理由のない場面はなく、不破の悲壮な覚悟が伝わってどこかもの悲しい。
私生児であるが故に血統を大切にする不破が最も大切にする家族を失わせたのも血統だった。
傑志、歩美、雄也たち近藤家への一途な思いの半面、他者への猜疑心は激しい。
バブル期には地上げで懐を膨らませた岡谷組も、暴対法や暴力排除条例などの施行で勢いを失っていく。
最後には「狂王」と呼ばれた不破が歌舞伎町で生きた50余年は、そのまま彼の地での暴力団の歴史だった。 -
Posted by ブクログ
感想
熱い物語だな。龍が如くみたい。
そして最後は因果応報?悲しい話だな。
あらすじ
不破隆次は裁判にかけられ、死刑目前かと思われていた。
時は遡り、昭和45年。隆次は15歳。ストリッパーとして山形にいた母親を癌で亡くした。自分が亡くなったら、新宿の王大偉を頼れと言われ、新宿にやってきた。王がやる歌舞伎町の会社を訪れ、王の息子兄弟に会うも追い返される。その時、腹違いの兄弟のヤクザの近藤に拾われる。
隆次は王の息子の智文のボーリング場で、朝から晩まで働く。ある日、鞭馬会の新井が嫌がらせに来たところ、隆次は立ち向かってボーリング場を守る。そのことが大偉に知れて、親子の対面を果たす。その席で隆次は近藤が所属する岡谷組に入りたいと懇願し、認められる。
隆次は20代になっていた身体を鍛え、債券回収の仕事にも限界を感じつつあった。大偉も年を取り、病院に入退院を繰り返していた。弱みを見せなかった大黒柱の王英輝が議員の杉森と美人局にあい、近藤と不破で解決に乗り出す。チンピラを使い、裏で糸を引いていたのは出所した新井だった。岡谷組は、近藤の知り合いで台湾の石国豪を雇って、新井を始末する。不破は大怪我を負い、生死を彷徨うが一命を取り留める。血液型で大偉と血が繋がっていないことが分かる。
昭和63年、近藤は若頭、不破は若頭補佐となり、金貸しと地上げで稼いでいた。そんな中、台湾から逃げてきて糖尿病を患った石が新宿に逃げてくる。石は岡谷組が禁忌としている覚醒剤を新宿で捌いていた。石は近藤の家族を襲う。駆けつけた近藤と不破で対応するが、近藤と石は相討ちで死ぬ。
時は平成になり、バブルが崩壊して、ブライトネスも青息吐息。不破は岡谷組の二代目を襲名する。親戚とも仲良く過ごす。新宿に中国の東北から来たグループに釘を刺す。近藤の息子の雄也はブライトネスで働いていたが、ある日中国人に刺されて亡くなる。岡谷が自分の父親であることが分かる。雄也を殺したのは東北帮の任だった。不破たちは丸腰ながらも任たちを返り討ちにする。任の死に際に真犯人の名前を聞く。
不破は6年の刑務所生活を経て出所した。彼が向かったのは王心賢のところ。心賢が大偉の血を引き継いでいないことを餌におびき寄せる。舎弟頭の南場と共に、心賢を殺す。
不破は、死刑判決を受けて、投獄中に病死する。近藤の妻の歩美と若頭だった土居が訪れたのは変わり果てた新宿だった。