深町秋生のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
山形県を舞台にした、シングルマザー探偵、椎名留美が主人公の探偵ものの第2弾。
このシリーズの前作を読んだ際に、長編で読んでみたいという感想を持ったのですが、第二弾の本作は私の希望通りで、長編物でした。嬉しい~!!
内容は、前作からぶれていないと思うのですが、衰退していく地方ならではの背景・・・・高齢化だったり、人手不足だったり、不景気だったり、地方に住んでいたら大なり小なり共感できる事情をベースとした人探しをする内容でした。
前作でも登場した元ヤン夫婦も健在で大活躍で満足、満足。
結末は、色々伏線には気付いてたんですが、ああいう結末になるとは思いませんでした。
違和感には気付いてたのに、なんか悔しい気分。
今回も、ハードボイルドだなぁと、読んだ一冊でした。
次回作も期待です。
・・・ここで、改めて思ったのですが、ハードボイルドの定義って何なんでしょうね?
Wikipediaによると
「ハードボイルド」は元来、ゆで卵などが固くゆでられた状態を指す。転じて感傷や恐怖などの感情に流されない、冷酷非情、精神的・肉体的に強靭、妥協しないなどの人間の性格を表す。ミステリの分野では、従来あった思索型の探偵に対して、行動的でタフな性格の探偵を登場させ、そういった探偵役の行動を描くことを主眼とした作風を表す用語として定着した。また、主人公は私立探偵とするものが一般的だが、必ずしも主人公が私立探偵であることがハードボイルドの条件ではない。(Wikipedia抜粋)
・・・だそうです。
冷酷非情ではなかったと思いますが、私立探偵で、感情に流されず、精神肉体的に強靭、妥協しない(いや、娘の事が気になって捜査打ち切った場面あったな(笑))、そして何よりも行動的でタフな性格ってのは主人公に全て該当しましたね。
うん、やっぱりハードボイルド小説だ(笑) -
Posted by ブクログ
山形というローカルのリアリティ(訛りの描写が一つひとつ細かかったり、東北の冬風景、田舎の家の雰囲気など)がよく描き込まれていたように感じた。
面白かったのはヘルドッグスシリーズと同様、理不尽な激昂と暴力描写。グロテスクな暴力ともまた違って、一種の爽快感がある。特に今作は女性が男性をコテンパンにするシーンがハイライトの一つなので、良いなと思った。それでいてなんでもかんでも暴力で解決するわけでもなく、リアリティを保ちつつなのが良いバランス。でも麗さんのキレっぷりと暴れ方は面白かった。
主人公留美の母としての自覚はだいぶ薄い。倫理的にというよりは、テーマとして「母と子」の関係性が複層的に関わってきているように思うので、その中で「つい子どもより仕事を優先してしまいそうになる」という旧来父性的なキャラクターであるのはプロットに合っているのかそうでないのかちょっと悩ましい気がした。もう少し、子育ての悩みを抱えている方が、「母と子」テーマが分厚くなったのではという気がする。ラストも、もっと留美が自分と重ね合わせるような葛藤があった方が良かったのでは?という気もしないでもないが・・・それよりは、「シングルマザー探偵だが、本格ハードボイルド」的な路線をシンプルに出したかったのかもしれない。それはそれで良いだろう。 -
Posted by ブクログ
感想
サクッと読めて面白かった。
トクリュウ案件とか、大元まで辿り着いて解決するには本当は大変だろうな。このシリーズはやたら技能実習生の犯罪が出てくるな。
あらすじ
バッドカンパニーのシリーズ3。有道は東北の建設会社への潜入を命ぜられる。そこでは外国人の技能研修生を奴隷のように働かせていた。有道はベトナム人研修生のミンを救う。
柴の警察時代の仲間の近藤よりエスが失踪したと連絡を受ける。柴は消えたエスの茉里の行方を追う。茉里の行方を追うと警察OBのするグレーな探偵社に辿り着き、NASは殴り込みをかける。
新人の美桜が、トクリュウの一団の一掃を命ぜられる。トクリュウの実態を追うと、美桜の知り合いの仁科が操る組織だった。
美桜の師匠のヤクザの息子が、ヤクザ絡みのトラブルに巻き込まれて、それを救う話。 -
Posted by ブクログ
ダークヒロイン八神瑛子のシリーズ2作目。
今回の敵はヤバい。ヤバすぎる。何せコロンビア麻薬組織が日本に送り込んだ殺人マシーンとでも言うべきプロの殺し屋"グラニソ"なのだから。もはや一刑事が対峙するような相手ではない。それでも八神は対決する。何故なら自らの大きな目的を達成するためにはやらねばならないからだ。八神の最終的な目的は3年前に奥多摩で遺体となって発見され自殺と片付けられた夫の死の真の理由を暴くこと。その情報を得るために必要な戦いなのだ。
前作よりも更にダークな感じが増し、アクション要素が強くなってきた。本作で真実への足掛かりを手に入れた八神は、次作以降で更に深みにはまっていくことだろう。 -
Posted by ブクログ
感想
これ系の警察の上層部は暗い部分がある小説をよく目にするが本当だったら怖いなぁ。
官僚は足の引っ張り合いばかり!?真面目に働いてる人は報われないのかな。
あらすじ
ドッグ・メーカーこと黒滝と相馬美貴は警察庁の監察官だ。数ヶ月前に波木巡査が自殺した。その原因は、同僚の伊豆倉による強姦だ。波木は強姦を訴えたが、警察庁次官を父に持つ伊豆倉は素知らぬ顔で同僚も見て見ぬフリ。それに絶望し、自殺した。
美貴は上司の白幡からの命令でその事実を追う。伊豆倉陽一を追うと派手な金遣いが明らかになり、医師の弟にタカっていることがわかる。
その後、陽一が入れ上げているホステスを尾行し、彼女が中国のスパイと会っていたことが分かる。そこには陽一が所属している公安の外事二課がはっており、黒滝たちは外事二課とことを構えることになる。黒滝は二課が放った右翼を退け、ホステスを助ける。
白幡は、美貴と一緒に伊豆倉次長と公安の永守と対峙する。白幡は伊豆倉と出世を土産に手打ちしようとする。永守の指令で右翼が動き、黒滝とホステスを襲撃するが、失敗する。黒滝は、永守が確保している陽一の在り方を聞き出し、助けに入る。
伊豆倉親子は警察を去るが、お咎めなしだった。 -
Posted by ブクログ
恐るべきダークヒロインが誕生したものだ。この手の作品で主人公が女性刑事の場合は美人でタフというのは相場が決まっているが、本作の八神瑛子はそれに加えてダークサイドの住人だ。多くの警察官に金を貸して飼い慣らす。住居侵入や暴力行為も平然とやってのけ、ヤクザと密な情報交換を行う。これだけ見ると悪徳警官にしか思えないが、犯人逮捕のためにその情報を駆使し、1日に2時間程度しか睡眠をとらず活動し続けている。全ては自分の大きな目的を達成するため。ダークでバイオレンス満載だが、痛快にさえ思えるのは彼女が全くブレないからだろう。
彼女を追い落とそうとする警察内部の相手がキャリアで上野署長である富永なのがまた良い。キャリアの所轄署長は数年平穏無事に済ませようとするボンクラとこれまた相場が決まっているが、この富永は頭が切れるだけでなく積極的に事件解決に関与しようとする。八神を何とか排除しようとあの手この手で暗闘するが、その正義の味方である富永署長が八神に出し抜かれ臍を嚙むのがまた面白く痛快だ。
今までにないキャラクターに今後のシリーズも期待が膨らむ。