あらすじ
黒滝誠治警部補、非合法な手段を辞さず、数々の事件を解決してきた元凄腕刑事。現在は人事一課に所属している。ひと月前、赤坂署の悪徳刑事を内偵中の同僚が何者かに殺害された。黒滝は、希代の“寝業師”白幡警務部長、美しくも苛烈なキャリア相馬美貴の命を受け、捜査を開始する。その行く手は修羅道へと繋がっていた。猛毒を以て巨悪を倒す。最も危険な監察が警察小説の新たな扉を開く。
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キャラがよい!善悪入り混じったキャラクターたちがそれぞれ魅力的…。特に黒滝は40代の男性キャラで見目が良いわけでもなさそう、そして悪いこともできるアクの強さだが、決して「悪徳」ではない。あくまで「猟犬」としての研ぎ澄まされたキャラクターがひどく魅力的でした。
相馬美貴はブラッディ・ファミリーのほうがよかったかなー。正直、「美人」でキャリアで…って米倉涼子が演じそうなよくあるキャラだとわかって残念。モッサイ女性キャリアでガリ勉だけど正義感にギラギラしてて汚い手段も覚えてく…みたいなほうが女性キャラとしては際立つんじゃないか。ちょっと萎えた瞬間でした
深夜、武蔵村山。警視庁人事一課監察係の黒滝誠二は、とある警察官の家の前で、その秘密を暴かんと待っていた。不祥事から全庁への綱紀粛正の機運が高まる中、監察係の一人が何者かに殺される。脛に傷のある警察官たちが「サクラの威光を守る」という大義名分を掲げて隠蔽を図ろうとするが、"ドッグ・メーカー"と呼ばれる暴力とアウトローの色が濃い警察官である黒滝が、「警察の中の警察」監察係として、サクラの代紋の裏に隠された闇を暴く。
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こういう話すごい好き(^ω^)
警察の裏みたいな
ハードボイルドなオッサンと
キツめの女上司。
タヌキなじぃさん。
ただ一つだけ言うなら
羽場がどうしてそこまで行ったかを
もう少しだけ丁寧にして欲しい
羽場のAnother Story出て欲しい。
是非買うのに。
最後やっばりたぬきジジィ
なんかあると思った。
井筒のAnother Storyもみたいな
何をやらされてるんか
ちょっとだけ。
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最初はまるでヒール役かと思われた黒滝が 話が進むにつれ 実はそうでもないことがわかったり。
どこかで折れてしまうのかと思われた美貴が 信念を貫き通したり。
黒滝のいい相棒と思われた羽場が 実はいつのまにかヒールになってたり。
ほんとに味方なのか最後まで判断つかなかった白幡も。
どの方向に話が進むのか ハラハラして 一気に読ませる。
白幡が回してきた井筒だけど なんかこの人だけは一貫して信頼できると思えた。山形弁の威力かなぁ。方言ってなぜかいい人に見せる。でも こんなやり手がただのいい人なわけないか…笑。
今回久しぶりに手にした深町秋生の3作品は それぞれほんと面白くて どれも一気読みさせる。
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なかなかの迫力もの、黒滝の追求と、上司の美貴コンビがさえる。警視庁のトップの派閥争いと、警官の堕落の責任のなすり合い。どろどろの中でどう立ち回るか。これは結構一気に読めてしまう。良かった。
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中盤から鳥肌が立つほど面白くてあっという間に読み切った。ドッグメーカー・黒滝が『果てなき渇き』の主人公と分からなくなる瞬間があって、鎖を繋ぐまでの過程は非道だが真実究明に対しては真っ直ぐでクソ野郎でなくて良かった笑。
それぞれのキャラがしっかりしているので魅力的に映る。最初は警視・相馬の女性という所には違和感はあったが信念は誰よりも熱くて自己犠牲も強くてキャリア組でのし上がったのは理解できた。
終盤に相馬が攫われて、「はいはい、クッパにピーチ姫を攫われて助けに行く構図ね…」と一瞬冷めた感じもあったが何のその、そこからがまた面白かった。次作を匂わせる心地良いもやもや感を残し、いい終わり方でした。
ちらほら下ネタ的なワードが出てくる意図は不明 笑。中でも相馬が上司の吹越の禿げた頭をそびえ立つアレに感じたのはどうかと思う…
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感想
この手の小説にはいつも飛び切り美人な女性キャリア上司が出てくる気がする。自分にもそんな上司がいたらなぁ。
ドック・メーカー黒滝はダークヒーロー。最後で逆転が起き、裏切り者は抹殺されたが、真相は闇の中。というか仲間と思っていた人が絵図を描いていた可能性を匂わせる最後に戦慄した。続きが気になる。
あらすじ
警視庁人事一課は警察のための警察、いわゆる警官の不正を暴く監察官だ。刑事・公安畑を歩んできた黒滝は、非合法なやり方でエスをしたて上げて情報を独り占めし、これまで手柄を上げてきた。ドッグ・メーカーと呼ばれていた。しかし、そのやり方をよく思わない上層部によって閑職に追いやられていたところを、キャリアの相馬美貴に拾い上げられる。
美貴が調べていたのは部下だった監察官の日下が何者かに殺された事件だ。黒滝は田所の妻の弱みを握り、部屋を捜査して、覚醒剤を見つける。さらに田所が暴力団と会い、覚醒剤の仕入れを共謀していたことを突き止める。
しかし、警察官の不正を隠蔽し、自身を保身したい警察上層部は、田所を糾弾。本人を自殺に追い込み、事件を闇に葬り去ろうとする。
黒滝は田所のPCから真相を掴み、一発逆転を狙う。監察官と不正刑事の闘いはやがて警察上層部の闘争に発展していく。
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大変面白く読ませていただきました 警察小説は公安や監察関係らしい流れで すきっとは終わりませんが この分野はしょうがない所です。できれば続編に期待したいです
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警察内部の腐敗を描く作品は珍しくないものの、本書では良い者も悪者も言動が振り切れているので読み物として面白かった。
シリーズ化できそうなキャラクター設定なので、続編が出るのを期待しよう。
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警察の警察と言われる監察係は、内部から嫌われる部署だ。所轄の不正を探っていた監察係の巡査部長が何者かに殺害された。警察内部の出世を賭けた派閥争いと、不祥事によって失脚を恐れ、真実を隠蔽しようとする本庁の黒幕、方面本部や所轄の上層部と、組織犯罪対策部をスピンアウトし人事一課にリクルートされた黒滝との闘いで読ませる警察小説。漫画『クロコーチ』を思い出した。決して勧善懲悪ではないが、リアルで面白い警察小説だった。
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目を付けた者は、手段を選ばずに自分の情報提供者に仕立て上げ、同僚からも敬遠されている元敏腕刑事が主人公。
けっして感情移入できるキャラではないが、不退転で警察の闇を暴くその姿勢は評価できるかも。
彼を全面的に援助するキャリアの苛烈な美人上司。
キャリアとして無難に過ごすことなく、強大な警察組織に抗し、真相究明に執念を燃やす彼女のバックボーンは何なんだろう?
アウトバーンの八神瑛の場合は夫の死の真相究明だったが。
この作品、続編がありそうなので、そこら辺も期待しよう。
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評価は4.
内容(BOOKデーターベース)
黒滝誠治警部補、非合法な手段を辞さず、数々の事件を解決してきた元凄腕刑事。現在は人事一課に所属している。ひと月前、赤坂署の悪徳刑事を内偵中の同僚が何者かに殺害された。黒滝は、希代の“寝業師”白幡警務部長、美しくも苛烈なキャリア相馬美貴の命を受け、捜査を開始する。その行く手は修羅道へと繋がっていた。猛毒を以て巨悪を倒す。最も危険な監察が警察小説の新たな扉を開く。
正しいことを貫くには心だけでなく頭脳も必要・・・私に無い頭脳を持った相馬美貴に心の中でエールを送り続けてしまった。
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新鮮な切り口の警察小説で面白かった。ただ説明や繰り返しが多く緊迫感が若干薄れているのが残念。3分の2の分量で丁度良いと思った。続編がありそうなエンディングなので楽しみです。
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誰が敵で誰が味方か、最後の最後まで気を抜けないまま読み進めなくてはならない。主人公の黒滝は決して褒められた警察官ではないし、むしろ嫌悪感さえ覚えそうなやり口でエスを甚振り、情報を得ようとするが、警察内部の隠蔽体質連中の腐り具合がさらに上回るので、結果、毒を以て毒を制すかな。黒滝のえげつなさに多少後ろめたさを感じつつも、爽快・痛快感は得られマス。
深町さんが描く女性警察官は今作も素敵。怯えるどころか、自身が着火点になりそうな苛烈キャラの相馬が格好いいのなんのって。一向に食えないキャラの警務部長の白幡と、山形弁の元公安探偵・井筒など、脇キャラがいい味出していて、読んでいて楽しい。また、このメンバーで続きがあるといいな。
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悪とは、正義とは、なんて、考える暇がないほど、ワルがグイグイ迫ってくる。
凄い迫力である。
「警察の警察」と呼ばれる監察の物語。
そうすると、警察内部の不正や、ワナ…と、重た~くなりそうな予感だったが、正義なんてそっちのけで、ワルばかりが闊歩し、その迫力が気持ちいいほどだ。
警察官だろうと、欲にまみれる。
保身に走る。
そんな腐ったヤツらを相手に、実に生き生きと、主人公は動き回る。
凄腕刑事として公安、組対と渡り歩いた黒滝。
凄腕なのだが、そのやり口は、「まともな」警察官が見れば真っ青になるほどダーティーなもの。
エス(情報屋)を作るため、弱みを穿り出し、身動きできないようにする。
弱みという首輪をはめられた犬を生み出すということで、ついたあだ名が「ドッグ・メーカー」。
ある事件で部下をボコボコにして交番勤務へと追いやられた。
そんな黒滝を、人事の相馬美貴が監察係に引っこ抜く。
監察係では、ある告発を受けて、赤坂署の悪徳刑事を内偵していた同僚が何者かに殺害される。
黒滝は、相馬の命を受け、捜査を開始する。
警務部長の白幡、相馬、黒滝の三人は、腐った警察を相手にした戦いを挑むのだが…。
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初読み作者
警察の中の警察、監察に属する黒滝が腐敗した警察に対峙する、相手の弱みを握り首輪をつけ自分の犬に仕立てるドッグメーカー、その黒滝もスレスレ。
一気読みできて一見敵味方が分かりにくいようではっきりしていて読みやすい。
警察物といっても暴力、権力、違法、不道徳ばかり。
しかし終わり方が含みすぎていて…闇は深く何が正義か分からないっていうのは分かるが。
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さすが深町秋生、今回も読ませてくれました。
深町作品に登場する刑事はやることは犯罪スレスレ(いや、犯罪か(笑))でも気骨があり、思わず応援してしまいます。
今回は、ドッグ・メーカーと呼ばれる男、黒滝が上司の命を受け暗躍します。
ドッグ・メーカーとは、警察やヤクザたちを自分のエス(犬)にし、様々な情報を得ること。そして、数多くの事件を解決してきました。
ある悪徳警官を追っていたある監察官が、何者かにより滅多刺しにされ殺された。その捜査を引き続き黒滝が請け負った。
悪徳警官の部下を飼い慣らし、妻を犬にし、不正を暴き真相に近づきかけた黒滝の前に様々な壁が立ちはだかり・・・。
次から次へと襲いかかる壁。二転三転する事実。本当に息もつかせぬ展開に一気読みすること間違いなし。
本当のドッグ・メーカーは・・・。
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これは面白かった。やり口がかなり汚いので人によっては嫌悪感を持つかも知れない。それでも、非情な手段を用いながらも巨悪を許さないとする正義感を感じるので、不思議と清々しさも感じます。
それなりにボリュームのある小説ですが、冒頭から緊張感が途切れないので、結構一気に読めます。
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文庫だと思って甘く見てたら600ページ越えの大作だった。冒頭からいきなり引き込ませる展開でこれまで読んだ監察モノとは一線を画していた。対決相手と見られたものが比較的あっさり消え、実質的に裏で仕切っていた者も消され良い意味で裏切られた感がある。実行犯も逃げ真の黒幕も現れなかったので続編に期待したい。
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登場人物のキャラクターが、みな立っている。
生き生きしていて、映像が頭に浮かぶ。
ストーリーも巧み。何かが見えてきそうになると予期せぬ次の展開が。
緊迫感が続き、ドキドキしながら読み進められる。
黒滝誠治と相馬美貴の名コンビ、続編期待。
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深町秋生『ドッグ・メーカー 警視庁人事一課監察係 黒滝誠治』新潮文庫。
警察の身内でさえも飼い犬に仕立て上げるドッグ・メーカーと恐れられる黒滝誠治を主人公にした、かなりハードな警察小説。深町秋生らしい警察小説であり、なかなか面白い。
腐敗し切った警察組織の中で非合法な手段も辞さず、徹底的に正義を追求する黒滝のアウトローぶりが良い。
凄腕刑事の黒滝は左遷され、煮え湯を飲まされた揚げ句に人事一課に引き上げられる。赤坂署の悪徳刑事を内偵中に何者かに殺害された同僚の背後に一体何があったのか、黒滝は身内にも疑いの眼を向け、単身危険な場所に足を踏み入れる…
Posted by ブクログ
この作家の作品が好きで多く読んできたせいか、テーマ・ストーリー・キャラクターに既視感があって斬新さが感じられなかった。同じ人間が書くのだから仕方がないのだろう。
Posted by ブクログ
★3.5
面白かったけど、文章が長くて途中で何度も集中力切れそうになった…
バイオレンスなハードボイルド。
警察組織に蔓延る悪徳警官、エスを飼いながらも自分の正義を貫くドッグメーカー、きつい敏腕女上司。
キャラがみんな濃くてストーリーとして面白かった。
もうちょい簡潔でもよかった!
ラストの感じ、続編出てもおかしくない
Posted by ブクログ
星3.5
手段を選ばず、俗に言うハイエナのような主人公。 アウトローな監察官(警察)の話。 物語的に闇が深く、主要なキャラクターも魅力的なので続編が出ることを切に願う。 新宿鮫が好きならオススメできると思います。
Posted by ブクログ
公安、組織犯罪対策課を渡り、監察係へやってきた悪徳刑事。
暴力団と悪徳刑事という、一見手垢のついたネタだが、そこは著者の辣腕が存分に発揮される。
情報提供者(エス)を量産してゆく非合法手段が痛快。
深町作品のノワールものは外れがないな。
読み応え抜群の一冊でした。
Posted by ブクログ
警察を調べる警察として非人道的に闘う黒滝の持つ猛毒。重量感はあるけれど滑らかな文章で負担にならない。冷たい炎を思わせる黒滝の嗜好的振舞いも冷徹で嫌悪感に傾かない。その分、入り込むというよりはやんわりとした受け取りになったけれど、苛烈なキャリア上司の美貴の危機はしっかり痛くてひやひやして引き込まれた。