深町秋生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
深町秋生『スリーアミーゴス バッドカンパニー III』集英社文庫。
シリーズ第3弾。4話構成の連作形式。
毒も無ければ、華も無い。パワーダウンしたのか、ドラマの無い暴力描写の連続に嫌気が差したのか、どうにも心に響くものが無かった。
美人社長の野宮が率いる人材派遣会社『NASヒューマンサービス』の武闘派の有道、元エリート公安刑事の柴、無敵の美桜の3人が、持ち込まれる様々な依頼を手段を選ばずに解決していく。
外国人労働者への差別や搾取、特殊詐欺グループによる広域強盗事件、政治家の裏金問題と時事ネタをぶっ込んだ割りには消化しきれていないのが残念。
本体価格850円
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Posted by ブクログ
深町秋生『ファズイーター 組織犯罪対策課 八神瑛子』幻冬舎文庫。
久し振りの深町秋生作品。アマゾネスタイプの女性刑事・八神瑛子を主人公にしたシリーズ第5作。
警官殺しを意味するタイトルの『ファズイーター』を徹底的に描けば良いものを狂ったヤクザを登場させたことで、ヤクザの方が主役になってしまったような感じで不満足な作品だった。
警察に強い恨みを持ちながら警官殺しを続ける元自衛官の男と形振り構わず荒稼ぎを始めた頭の狂ったヤクザの親分と事件解決のためならルールをも逸脱する八神瑛子が、殺戮の嵐を呼び起こす。そして、スッキリしない形でいつの間にか結末を迎えてしまう。
幹部の事故死や失踪が続き、 -
Posted by ブクログ
王道探偵モノでありながら「あるエッセンス」を入れる事で他との差別化がされた良い作品。
本作は短編集となっており、
探偵で主人公の椎名留美が様々な事件の依頼を受けて解決をしていくものとなっている。
他の探偵モノと一線を画すポイントは、舞台が山形であるという点がある。
主人公の留美含め登場する人物全員との会話が「強い訛りの東北弁」で行われるのである。
「おう、留美ちゃん。おはようさん。えらい天気だなっす」
「ホントだず。ついてねえべ。」
たったこれだけの要素によって作品全体の印象がとてもマイルドになり、人物にも愛着がわく。
事件自体はふざけたものでも無いにもかかわらず、会話するだけでこれ