深町秋生のレビュー一覧
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山形というローカルのリアリティ(訛りの描写が一つひとつ細かかったり、東北の冬風景、田舎の家の雰囲気など)がよく描き込まれていたように感じた。
面白かったのはヘルドッグスシリーズと同様、理不尽な激昂と暴力描写。グロテスクな暴力ともまた違って、一種の爽快感がある。特に今作は女性が男性をコテンパンにするシーンがハイライトの一つなので、良いなと思った。それでいてなんでもかんでも暴力で解決するわけでもなく、リアリティを保ちつつなのが良いバランス。でも麗さんのキレっぷりと暴れ方は面白かった。
主人公留美の母としての自覚はだいぶ薄い。倫理的にというよりは、テーマとして「母と子」の関係性が複層的に関わってきて -
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感想
サクッと読めて面白かった。
トクリュウ案件とか、大元まで辿り着いて解決するには本当は大変だろうな。このシリーズはやたら技能実習生の犯罪が出てくるな。
あらすじ
バッドカンパニーのシリーズ3。有道は東北の建設会社への潜入を命ぜられる。そこでは外国人の技能研修生を奴隷のように働かせていた。有道はベトナム人研修生のミンを救う。
柴の警察時代の仲間の近藤よりエスが失踪したと連絡を受ける。柴は消えたエスの茉里の行方を追う。茉里の行方を追うと警察OBのするグレーな探偵社に辿り着き、NASは殴り込みをかける。
新人の美桜が、トクリュウの一団の一掃を命ぜられる。トクリュウの実態を追うと、美桜の -
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ダークヒロイン八神瑛子のシリーズ2作目。
今回の敵はヤバい。ヤバすぎる。何せコロンビア麻薬組織が日本に送り込んだ殺人マシーンとでも言うべきプロの殺し屋"グラニソ"なのだから。もはや一刑事が対峙するような相手ではない。それでも八神は対決する。何故なら自らの大きな目的を達成するためにはやらねばならないからだ。八神の最終的な目的は3年前に奥多摩で遺体となって発見され自殺と片付けられた夫の死の真の理由を暴くこと。その情報を得るために必要な戦いなのだ。
前作よりも更にダークな感じが増し、アクション要素が強くなってきた。本作で真実への足掛かりを手に入れた八神は、次作以降で更に深みにはま -
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感想
これ系の警察の上層部は暗い部分がある小説をよく目にするが本当だったら怖いなぁ。
官僚は足の引っ張り合いばかり!?真面目に働いてる人は報われないのかな。
あらすじ
ドッグ・メーカーこと黒滝と相馬美貴は警察庁の監察官だ。数ヶ月前に波木巡査が自殺した。その原因は、同僚の伊豆倉による強姦だ。波木は強姦を訴えたが、警察庁次官を父に持つ伊豆倉は素知らぬ顔で同僚も見て見ぬフリ。それに絶望し、自殺した。
美貴は上司の白幡からの命令でその事実を追う。伊豆倉陽一を追うと派手な金遣いが明らかになり、医師の弟にタカっていることがわかる。
その後、陽一が入れ上げているホステスを尾行し、彼女が中国のスパイ -
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恐るべきダークヒロインが誕生したものだ。この手の作品で主人公が女性刑事の場合は美人でタフというのは相場が決まっているが、本作の八神瑛子はそれに加えてダークサイドの住人だ。多くの警察官に金を貸して飼い慣らす。住居侵入や暴力行為も平然とやってのけ、ヤクザと密な情報交換を行う。これだけ見ると悪徳警官にしか思えないが、犯人逮捕のためにその情報を駆使し、1日に2時間程度しか睡眠をとらず活動し続けている。全ては自分の大きな目的を達成するため。ダークでバイオレンス満載だが、痛快にさえ思えるのは彼女が全くブレないからだろう。
彼女を追い落とそうとする警察内部の相手がキャリアで上野署長である富永なのがまた良い。