【感想・ネタバレ】探偵は田園をゆく~シングルマザー探偵の事件日誌~のレビュー

あらすじ

元刑事の私立探偵、椎名留美。山形で娘と二人暮らし、どんな依頼も断らない。ある日、知り合ったホテル従業員に、行方不明の息子の捜索を依頼される。住まいに残された物を調べた留美は、ある女性に辿り着く。地域に密着した活動で知名度を上げた彼女は、市議会選への出馬が噂されていた。誰が失踪人の手がかりを握っているのか。タフなシングルマザー探偵が、再び立ち上がる。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

元警察官であり探偵(便利屋)の留美の元に失踪した息子翼を探す依頼を受ける
失踪の原因が借金?その先には市議選などにも絡む事件に

勿論、逸平と最強妻、麗をアシスタントに
痛快ハードボイルドアクション!
でも最後は…
前作を超える展開に!次回も留美の活躍を期待したい

0
2025年11月28日

Posted by ブクログ

山形というローカルのリアリティ(訛りの描写が一つひとつ細かかったり、東北の冬風景、田舎の家の雰囲気など)がよく描き込まれていたように感じた。
面白かったのはヘルドッグスシリーズと同様、理不尽な激昂と暴力描写。グロテスクな暴力ともまた違って、一種の爽快感がある。特に今作は女性が男性をコテンパンにするシーンがハイライトの一つなので、良いなと思った。それでいてなんでもかんでも暴力で解決するわけでもなく、リアリティを保ちつつなのが良いバランス。でも麗さんのキレっぷりと暴れ方は面白かった。
主人公留美の母としての自覚はだいぶ薄い。倫理的にというよりは、テーマとして「母と子」の関係性が複層的に関わってきているように思うので、その中で「つい子どもより仕事を優先してしまいそうになる」という旧来父性的なキャラクターであるのはプロットに合っているのかそうでないのかちょっと悩ましい気がした。もう少し、子育ての悩みを抱えている方が、「母と子」テーマが分厚くなったのではという気がする。ラストも、もっと留美が自分と重ね合わせるような葛藤があった方が良かったのでは?という気もしないでもないが・・・それよりは、「シングルマザー探偵だが、本格ハードボイルド」的な路線をシンプルに出したかったのかもしれない。それはそれで良いだろう。

0
2025年10月14日

Posted by ブクログ

深町秋生『探偵は田園をゆく シングルマザー探偵の事件日誌』光文社文庫。

山形弁丸出しの女性私立探偵が活躍するシリーズ第2弾。

山形弁ハードボイルド小説という新たなジャンルか。東北地方で生まれた自分には山形弁には違和感は無いのだが、都会の方々には馴染めないかも知れない。

元刑事でシングルマザーの私立探偵、椎名留美に舞い込んだ人捜しの依頼というオーソドックスなテーマであるが、如何せん結末が物足りない。巨悪をコテンパンに叩きのめしてこそのシングルマザー探偵なのに。それと、留美が東京に調査に行くという中弛みの原因になった描写は必要だったのだろうか。


山形で10歳になる娘と2人暮らしをしながら私立探偵を続ける椎名留美は、本業の依頼が少なく、糊口を凌ぐために仕方無くデリヘルのドライバーを行っていた。

ある日、人気デリ嬢をラブホテルに送り届けると中年男性が斧でホテルの1室の扉を破壊し、暴れている場面に遭遇する。留美はデリ嬢とホテル従業員の中年女性の協力で男性を確保し、警察に引き渡す。しかし、人気デリ嬢の予約が吹っ飛び、留美はデリヘル経営者から解雇される。

次の仕事を探していた留美にラブホテル従業員の中年女性から行方不明になった息子の捜索を依頼される。地元のコミュニティFMで働いていた息子は先輩や友人などから借金を重ね、風俗遊びにのめり込んだ挙げ句に失踪したようだ。

留美は、失踪した息子の部屋に残された物から地域に密着した活動で知名度を上げ、市議会議員選挙への出馬が噂される女性に辿り着く。

本体価格860円
★★★

0
2025年08月26日

「小説」ランキング