堂場瞬一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
競泳選手としての限界が見えてきた今岡に「まだやるんですか?」と言い放つ小泉。
孤高の王者もいいだろうが、ここまで不遜な態度だと嫌われ度も半端ではない。
選手仲間からは孤立し、監督からは腫れ物扱い。
誰も小泉に手を差し伸べる者はいない。
それでも、好記録を叩きだす間は小泉を問題視する声がどこからもあがらない。
競泳というのは本来個人スポーツだ。
勝敗もタイムという誰が見てもわかる数字によって決定する。
リレーというのは競泳選手にとって特殊な競技なのだろう。
ロンドンオリンピック男子400mメドレーリレーでの銀メダル獲得が記憶に新しい。
入江・北島・松田・藤井の4名によるチームだった。
どんなに -
Posted by ブクログ
引きこもりともいえないような状態で暮らしていた将。
突然現れた祖父・和馬によって拉致され母の実家に連れてこられた。
二人だけの奇妙な同居生活が始まり、将はこれまでの生活では考えられなかった出来事に遭遇していく。
老人介護がひとつの大きなポイントになっている。
将や健太の祖母への思いは、そのまま両親との希薄な関係のうえに成り立っている。
互いに理解することを諦めてしまったのか、それとも最初から寄り添う気持ちがなかったのか。
精神的にいっぱいいっぱいだとなかなか周囲にまで気が回らない。
それほどまでに介護とは大変なものなのだろう。
引きこもりっぽい生活を送りながら将は何を考えていたのだろう。
読み -
Posted by ブクログ
都内と神奈川県内で同時期に起きていた連続婦女暴行殺人事件。
手口は非常に似かよっていたため、特捜班にいた神谷は当時から神奈川での事件に注目していた。
しかし、取調べの過程で不祥事をおこし伊豆大島に左遷。
何かを諦め、何かを誤魔化すように、大島での生活を送っていた。
突然に下された特命に戸惑う神谷。
北海道、本庁、大阪、福岡などからバラバラに召集された刑事たち。そして畑違いの管理官。
寄せ集めの検証チームが編成された。
彼らは徐々に予想も出来なかった真実に迫っていく。
勇気ある人間の残した遺書が突き刺さる。
一部は判別できないほどに乱れた字が伝えてくる怖れ・・・。
本人が書いたとわかるようにDN -
Posted by ブクログ
巻を追うごとに大友が刑事に戻っていく感じがする。
もしそうならば、福原の思う壺なのだけれど・・・。
罪を償った犯罪者のその後を気にかける刑事は、きっとものすごく良い刑事なのだろう。
でも、大友が言うようにすべてを知りうるわけではない。
中には信頼してくれている刑事を裏切る者だっているだろうし、悪事がバレないように上手く立ち回る者だっているだろう。
刑事だって人間だ。
裏切られれば心は傷つくし落ち込むのは当然だ。
感情的になったりするのも・・・。
大友が抑制の効いたキャラクターなので、余計に感情に走りがちな彼らに人間臭さを感じてしまう。
そこがこの物語の魅力のひとつでもある。
「阿呆のくせに、 -
Posted by ブクログ
今回の事件の発端は、大学理事長の失踪(?)。
シリーズものを読むというのは、安心感と安定感で、まるで旧友と会うかのような感覚かもしれない。
一定のリピーターを確保でき、作家、出版社とも営業上欠かせない戦略ともいえる。
「訳アリの人間ばかり集まった」という失踪課シリーズも、主人公はじめそれぞれ魅力的な脇役がそろっており、また次の巻へと手が出てしまう。
高城の今回の相棒は、明神愛美。異動当初から比べ、大分たくましくなって、そういう成長の足跡を見られるのも、シリーズものの魅力。
7年前から行方不明になっているという、高城の娘綾奈の動向も気になり、最終巻まで付き合ってしまいそう。 -
Posted by ブクログ
スポーツ大国を目指す(おそらく)近未来の日本を舞台としたスポーツ小説。メダル倍増を目標に設置されたスポーツ省が国家プロジェクトとして有望なアスリートの強化を管轄している状況下、陸上長距離の仲島は最もランクの高いS指定選手に選ばれます。恵まれた強化環境、練習メニューだけでなく食生活までも管理される競技環境に「籠の中の鳥」のようだと違和感を感じ始める仲島。オリンピック金メダルを至上目標に掲げるスポーツ省の方針に対し、スポンサーの利権など様々なライセンスに絡む拝金主義に傾倒する強化方針に疑問を感じ始めた仲島は、ついにその籠を自ら飛び出す行動に出る。そしてその結末は…。
現代のオリンピックが最早様々な -
Posted by ブクログ
神奈川県警が引き起こした誤認捜査を、各地から寄せ集めた特命チームで検証していくというちょっと変わった(非現実な?)ストーリー。
話が進むに従って、非常に意外な真相が明らかになってかなり読み応えがある。主人公の神谷が過去に引き起こした失敗(僻地に左遷される原因になった)を中々詳しく説明しなくてジリジリさせられるが、これが真相に深く結びついているわけね。
前に読んだ複合捜査はこの話の続編だけど、話は全然別。特命チームの一員だった桜内(印象は物凄く薄かったが)が、複合のほうでは主人公の部下になってやたら振り回されるのと、神谷が最後のほうでちょっと出てくるくらいだったかな。あと、永井も出てくるんだっけ