堂場瞬一のレビュー一覧
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ネタバレ初 堂場瞬一作品。
ラグビーは、冬の屋外でのスポーツでした。かつては、冬は今よりもずっと寒かった。
だから、観客席の私たちは、選手のプレイと一緒になって声援をあげていた。寒さを吹き飛ばすかのように。
フォワード中心の「テンマンラグビー」チームが、いきなり「フィジアン・マジック」には、いかんせん無理がある。百歩引いて、名監督後の新チームの立て直し、前監督の”指導”からの脱皮ストーリーとして捉えた方が無難かもしれない。
ラグビーに限らず、大学スポーツは在任期間が長い名監督が多い。その監督の後、暫くチームが低迷する場面をみかける。監督が代われば、それもまた仕方がない事なのでしょうか。「もしかしたら、別の可能性も?」に至るには、時間がかかり、本人の決断が必須なのかも。と感じる。
七瀬新監督の「自分の頭で判断して変えるのと、人から命令されて変えるのとでは全然違う。君たちに、自分の頭で考えるように言っただけだ」が的を得ている。ただ、”考える”ことがチームに浸透するには、もっともっと時間がかかるハズ。その計算はしなかったのだろうかと、気になるところです。
大学選手権に間に合うかどうかは、時間的に何とも言えないけど、来年以降の常陽大ラグビー部に期待できそうです。
ちなみに、モデルになった大学は、明治?かな?
印象的なフレーズは:
★お前、あんまり物を考えてないだろう。悩み足りないんじゃないか?考えないラグビー選手は大成しないぞ
★選手たちは、同じような高揚感を感じることがあるのだろうか。勝つ以上の魂の昂ぶりを。
★監督の言葉が、俺たちに限界を作ってしまっていたんだ -
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コロナ禍で起きた女子児童の殺人事件。新聞記者が追っていくうちに過去の未解決事件と類似している事がわかる。その裏では、上からの圧力があったのではと疑惑が浮上する。そういった記事を載せた矢先、ある署長が自殺をする。殺人事件に隠された政治や警察の闇とは?
下巻では、新たなキャラクターが登場します。元警察官僚であった作家で、過去にどんな事が起きていたのか、なぜ辞めることになったのか、殺人事件と絡めながら、物語の鍵を握ります。
その他にも、二人の新聞記者それぞれの人脈を駆使して、真実へと導いていきます。上巻では、色々な事件を紹介したり、二人それぞれが抱える心境や苦悩が描かれたりと基礎部分をしっかりとしてから、下巻へと誘うような感じがしました。
二人の視点が交互に進行するのですが、リズム良く変わるわけではなかったので、じわじわと固めていっている印象でした。
その点、下巻ではリズムよく切り替わる印象がありました。一人が掴んだネタ。しかし、その先は自分の範囲では出来ないことなので、相手に委ねる。相手はそのネタを基に新たなネタをつかむが、範囲外なので、また相手に委ねる。はまらないピースを相手が交互に補っていきます。そういった二人のバディ感を楽しむことができました。そのあたりがトントン拍子で、リズム良く展開していくので、どんどんその世界観に惹き込まれました。
ネタを掴むために己の記者で培った「人」のネットワークを駆使していきます。真実へと導き出す過程は、やっぱり人脈って大切だと感じました。無理だと思っても、「人」を使うことによって、困難だったことが実現するかもしれません。
そういった過程が交互に見られるので、清々しく感じました。
そして掴んだ真実。公表しようにも大きな「壁」が立ちはだかるのですが、そういったところが、現実味を帯びていて、歯痒さを感じました。
組織や大物だからこそできる圧力や卑劣さで、世間に晒すことはできないまま終わりかと思いきや・・・最後の最後まで目が離せませんでした。
圧力に負けずに突き進む新聞記者としての熱量に胸が熱くなりました。週刊誌やゴシップ記者とは違った新聞記者ならではの志や真面目さが、二人の人物が放つ言葉から感じられました。
真っ当に生きている人たちが、最後には勝つような展開を現実でもあり続けてほしいなと切に願いたいです。 -
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自らの殺人嫌疑を晴らさんと突き進む了。
第4巻『孤狼』の事件ばかりか、第7巻『血烙』で対峙したチャイニーズマフィアまでが日本に来て、了を狙っているとは。
最終巻らしく、これまでのシリーズで了に関わったメンバーが次々と登場(オールスターの様)。
了のストッパー役を自負する藤田心。
新潟県警の“希望の星“大西海。
実家の寺の住職を継いだ今敬一郎。
そして、『破弾』でバディを組んだ小野寺冴。
会えば喧嘩ばかりするという今と冴の掛け合いも面白い。
さらに、『神の領域』の主人公で横浜地検の検事城戸南も登場。
彼と事務官の大沢との会話に、「お二人とも、漫才はその辺でいいですか?」と、了が割り込む場面にも思わずニヤリ。
まだまだ楽しみたい鳴沢了シリーズ。このシリーズの余韻を味わうために、シリーズを読む2年ほど前に読んでいた『七つの証言 刑事鳴沢了外伝』を再読しよう。
シリーズを読み終わった後では、一層味わい深いだろう。 -
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検証捜査の兄弟編とのレビューを見て読みました。
当然、検証捜査特命班メンバーの桜内が主役だと思っていたのに、なんと主役はその上司、若林。
部下に恵まれず、彼らの失態続きでほぼほぼ出世の道を絶たれてしまった気の毒な男です。
が、この若林、それでめげる様な男ではありませんでした。
空気を読まない、野心や情熱をたっぷり持ったウザいおじさん刑事だったのです。
前半は、若林一人が空回り・暴走している感じが好きになれず、読むのも停滞してしまいましたが、中盤から後半、特にラストにかけては流石の迫力とスピード感で、あっという間に読み終えてしまいました。
好きなれないキャラの主役若林でしたが、何故か憎めない、まぁしょうがないかと許せてしまう不思議な男で、終わり良ければすべて良しって事です。
桜内も控えめに活躍していたし、なんと神谷も登場したりで、こんな展開も有りですね。
言うの忘れてました。面白かったですよ!
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コロナ禍に起きた小学生の死亡事件。行方不明になってから遺体となって発見されたという。事件を追ううちに過去に似たような小学生の行方不明や死亡事件が周辺地域で相次いで起きていたことをつかむ。全て未解決で、警察は早めに打ち切っていた。隠蔽?犯人死亡?果たして真相とは?
2人の記者が真相を追う。
堂場さんの作品というと、警察をメインにした作品が多いですが、今回の主人公は新聞記者。定年間際のベテランと若手が、垣根をこえて殺人事件を追います。
記者ならではの洞察力や事件のネタを獲得するために奔走する記者の活躍を大いに楽しめました。ネタの裏どりや警察との交流など地道な取材である一方、遺族に強引に取材を申し込んだりと様々な記者の一面を伺うことができ、仕事のハードさも伺えました。
果たして事件の真相は?連続殺人?警察の隠蔽?といった色んな疑惑が登場しますが、前編では何もわからないままで終わります。取材を重ねるうちにそれまでの取材した結果を記事にするのですが、ある悲劇が発生します。
2人の記者の視点で物語は発展しますが、警察側の視点がありません。なので、事件の裏では警察はどんなやりとりが繰り広げられていたのか、気になるところはあります。
今回は、警察の闇を浮かび上がらせる感じで、表現されていますが、新聞は新聞で色んなことが渦巻いているかと思います。「知る」ためなら、なんでも良いというのもおかしな話です。被害者に土足で入ったり、勝手な解釈で他人を惑わせたりと記者の行動には、いささか疑問視するところもありました。
事件の真相が知りたい一方、こうした記者の行動を読んでみると、そっとしておいても良いんじゃないかと思ったりもしました。
これを書いている段階では、下巻は未読なので、どんな展開になるのか楽しみです。
連続殺人?それともそれぞれ単独の殺人事件?
警察はなぜ早々に切り上げたのか?
異動したり、がんになったりと状況は様々でしたが、下巻ではまた協力するのか?
下巻が楽しみです。 -
Posted by ブクログ
あと2話を残すばかりだった故、しばらくツン読だった鳴沢了シリーズの第9弾。
行方不明の日系ブラジル人の少年ウィンドウズを探すという導入部。刑事課の領域から少し外れたかのような話に、この後どのように進展するのかと頁を捲る。
彼と同い年である勇樹の面影を重ね、少年を探す了の行動に拍車がかかる。
了の行く先々で出くわす、かつての相棒で今は探偵業を営む小野寺冴。彼女の依頼主は?
やがて明らかになる真相・・・
日系ブラジル人のコミュニティーという社会派問題も加わる。
最終頁で、次巻へ繋がるかのような不気味な伝言が弁護士から寄せられる。次はいよいよ最終巻。 -
ネタバレ 購入済み
ラストライン4作目は、「警視庁犯罪被害者支援課」とのコラボレーション作品、いわゆる企画物です。
ラストラインは、今までも他作品の登場人物達が、名前だけのものも含めるとかなり登場していたので、お得感のある作品だなぁと思っていましたが、今回はガッツリとタックを組むわけですからね、岩倉と村野、2人の活躍がどういう展開を生むのか期待して読み始めました。
物語は、10年前の女子高生失踪事件を軸に、家族崩壊を描くというなかなかヘビーな内容ですが、期待どおり読み応えがあり十分楽しめました。
ラストラインは、西川・沖田コンビともコラボしているとのこと、そちらも早速読んでみようと思います。
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ネタバレ 購入済み
今回もなかなか厄介な事件、さすが事件付いているガンさんです。
しかも、自身(の脳)をつけ狙う組織に送り込まれたと思われるエージェントまで登場して、ややこしい事この上ない状況。
それでも、実里という恋人の存在に支えられて、精力的に捜査に邁進するガンさんの姿は、決してスマートではないけれど高感度大です。
毎回巻き起こる事件の内容もさることながら、実里との未来、川嶋との対決と今後のガンさんから目が離せません。
堂場さんのシリーズはこれで2つ目ですが、今回もあっと言う間に読み終えてしまいそうです。