安田浩一のレビュー一覧

  • 「右翼」の戦後史

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    地道に活動する日本会議が最も怖い右翼団体であることがよく分かった。ただ、戦前のテロを起こすような右翼団体よりはましか。
    本来の右翼はそれなりに理論があり、首尾一貫した主張もあったが、今の右翼にはそれはなく、単なるマイノリティ排斥しかなく、多くの既存団体もそこに近づいているようで情けない。
    声も大きい、強面の人にはみんな弱いから、なんとなく右翼の人達に引きずられていくことを恐れる。

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    2019年02月14日
  • 「右翼」の戦後史

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    ネタバレ

    戦後、右翼がどのように生き抜いてきたのか、筆者の丹念な取材によって明かされている。
    右翼という存在は画一的なものではない。国体護持を信念とする者、反共のためにはアメリカとも手を取り合う者、ヤクザのような街宣右翼、所謂ネット右翼と呼ばれる者など。
    僕は筆者の著書を初めて読んだ。僕がハッとさせられたのは、日本会議に関する内容についてだ。
    最近、日本会議という言葉は聞いたことがあったが、詳しくは知らなかった。今回、本書を読んで驚いた。
    日本会議のやり方がとてもサラリーマン的だからだ。筆者は「背広を着た右翼」と本文中では表している。
    街宣右翼のように、街中で演説はしない。コツコツと、ゆっくり、着実に自

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    2019年02月09日
  • 「右翼」の戦後史

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    十数年前に可愛らしい幼女が電話機に向かって「右翼さんは大嫌いです。でも、左翼さんはもーっと嫌いです」と嘯くCMがあり、私のメンタリティーも同一である。

    さて、本書はそんな戦後の「右翼さん」が生まれた歴史的経緯や様々なイデオローグたち、戦後自民党政権における右翼・暴力団との蜜月、60年代の新左翼のカウンターとして台頭した新右翼の登場、現在の日本会議に繋がる宗教右派、そしてネトウヨまで、戦後右翼の歴史が緻密な一次取材に基づいてまとめられている。

    本書を読むと、近年の民族差別的なヘイトスピーチに代表されるようなネトウヨと伝統的右翼の間には、「民族差別を許すか許さないか」という大きな分水嶺があるこ

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    2018年09月23日
  • ヘイトスピーチ 「愛国者」たちの憎悪と暴力

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    すべての差別を取り去るのはきっと難しい。そこに弱虫たちの悪意があるから。それでも声をあげるのならば、やはりきちんと学ばなければ。事実、歴史、ねじまげられた真実に踊らされて誰かを傷ける人には、私はなりたくないし、そんな社会はかなしい。

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    2017年06月01日
  • ネット私刑(リンチ)

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    ネットリンチの現状のレポ。運悪く誤爆されて、ありとあらゆる情報が晒されてしまった人には救いが全くないというのは恐ろしい。すごい昔は発言するのに必ず名前と所属を名乗ったものだけど、一見匿名社会は恐ろしい。ネットリンチは日本特有の現象なのかが気になる。誰か調べてくれないかな。

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    2017年05月21日
  • ヘイトスピーチ 「愛国者」たちの憎悪と暴力

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    テレビ・新聞等の主要メディアはヘイトスピーチを正確に報道できないのだろう、あまりに下劣な表現が多いから。そのせいで、国民はその中身を正確に知ることができない人も多いのではないか、私のこの本を読むまでこれほどひどいとは思っていなかった。

    ネット情報を丸呑みにしてそれを妄信する人もかなりの数に上るだろう。ヤフコメ等でも何でも中国・韓国にこじつける人が多いことにあきれてしまう。

    確かに国家としての韓国・中国には容認できないことも多く憤りを感じることもある。だが、ヘイトスピーチは手段として賛同できない。外国人だけではなく、何か攻撃対象を見つけては叩く、不寛容すぎてはいけないと思う。

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    2017年02月04日
  • ヘイトスピーチ 「愛国者」たちの憎悪と暴力

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    このひと、しゃべりにしても本にしても、めちゃくちゃわかりやすいな。かなり鍛えられてるひとやなと思いました。取材の幅広さ、深さも申し分ない。講演を聴いたことがあるからか、怖いぐらいの真剣みが伝わってくる本です。

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    2015年10月06日
  • ヘイトスピーチ 「愛国者」たちの憎悪と暴力

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    しっかり 見つめたい 現実
    しっかり 知っておきたい 事実
    しっかり 考えたい 事実

    きつちり 対象に向かって
    ルポルタージュをしておられる
    筆者に感服

    それにしても
    やはり わからない
    差別をしている側の論理が
    わからない

    それだからこそ
    もっと 読まれて欲しい
    一冊です

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    2015年08月20日
  • 戦争とバスタオル

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    ✩は3.5。

    これは…エッセイというのかな。分厚いのに読みやすかった。

    色んな国の色んなお風呂について紹介されるとともに、日本の「加害」の歴史も学べる一冊。

    この本を読んで、自分は「被害」の歴史より「加害」の歴史に興味があることが分かった。
    何が私をそこまで惹きつけるのかは分からないが、ある一定以上の条件が揃った時に発動される日本人や人間のもつ残忍性や、無意識に表に出てしまう排他的な行動や言動に、所謂「本能」や、消しきれない「獣」としての一端が垣間見えるからかもしれない。

    いずれにせよ「加害」の歴史から目を背けず、過去の過ちを過ちとして見つめ直すことは今後も続けていきたいと思った。

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    2025年11月03日
  • 戦争とバスタオル

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    想像したより政治的な話題にくっつけた様で、温泉の楽しさよりそれらが影の様にこびりついて複雑だった。こうした日常を送れるのは沢山の人達の犠牲の上にあるのは理解できる。単なるお気楽な紀行文ではなかった。

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    2025年10月30日
  • 団地と移民 課題最先端「空間」の闘い

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     急速に限界集落化し、多国籍化する団地は、高齢化時代における日本の課題が先鋭化する場所。芝園団地における中国人コミュニティなどの描写を通じ、団地が抱える課題と解決の糸口を探る。

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    2023年10月22日
  • 沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか

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    以前、沖縄の新聞は偏向しているとネットで見たことがありました。それほど関心がなかったので、詳しくは読みませんでしたが、本書を読んで「差別」の実態がわかりました。

    沖縄の米軍基地の問題は、沖縄だけの問題ではなく、日本全体に関わる問題です。地元の方々がどんな思いをして、そこに暮らしているのかを知り、どうあるのが日本にとってベストなのか、一人ひとりが考える必要があると思います。

    少なくとも、今の状態がベストではありません。

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    2023年06月25日
  • 「右翼」の戦後史

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    叙述が客観的で信頼出来る。
    国が右傾化してるというのは、なるほどそう思う。国が沈滞化してるのはそのせいかもしれない。

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    2023年04月11日
  • 外国人差別の現場

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    入管、外国人実習生という制度的な問題にフォーカスされてて、ちょっと勿体ないと思う。やや感情的。内容的には知らなかったことも多く、危機感にも繋がり、読んで良かったと思う。

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    2022年09月17日
  • 団地と移民 課題最先端「空間」の闘い

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    本社の取材が行われた2018年くらいと現在では、だいぶ変化もあるのではないかな。
    特に芝園とか、コロナ禍を経て(まだ終わってないけど)だいぶ変化したのでは。
    情報がアップデートされたものを読みたかった。
    文章は繰り返しの表現が多く少し冗長に感じた。

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    2022年06月07日
  • 団地と移民 課題最先端「空間」の闘い

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    金岡団地(公団団地第一号・大阪府堺市)、山崎団地(著者が住んでいた団地・東京都町田市)、常盤平団地(千葉県松戸市)、神代団地(映画『団地妻 昼下がりの情事』の舞台・東京都調布市)、芝園団地(ニューカマー中国人・埼玉県川口市)、ブランベニル団地(移民の街・フランス)、サルセル団地(90を超える国籍の人が住む団地・フランス)、チャイナ団地(中国系新移民の街・フランス)、広島市営基町高層アパート(原爆スラム、中国残留孤児・広島県広島市)、保見団地(日系ブラジル人・愛知県豊田市)、北青山三丁目住宅(東京都港区)、東新町団地(GREEN KIDS・静岡県磐田市)

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    2022年06月04日
  • 戦争とバスタオル

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    お風呂ってみんな無防備じゃないですか。言ってみれば究極の非武装。だからこそみえてくる風景もあると思ったんです。実際、今回の取材でもお風呂を切り口とすることで、人間の奥深さや戦争の罪科が見えてきました。(P371)付録対談・旅の途中で/より

    タイのジャングルの露天風呂、沖縄県唯一の銭湯、韓国の温泉そして日本。丁寧なイラスト、資料が配され、日本と戦争の関わりを考えさせられる一冊。

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    2022年03月20日
  • この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体

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    “もちろん沖縄を好きな人が多いとか、韓国文化を好きな人が多いというのは悪いことではないし、先ほど話したように、そこから新しい交流の回路が生まれてくることに僕は期待していますが、その前提として歴史的経緯への知識や人びとが現に置かれている状況への想像力を持たねばならない。でないと、おためごかしのきれいごとで現実から目を逸らし、差別などを黙認する風潮の背を押してしまうに等しい面がある。”(p.167)

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    2022年01月05日
  • ヘイトスピーチ 「愛国者」たちの憎悪と暴力

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    本書は「在日特権を許さない市民の会」(在特会)を中心としたヘイトスピーチの現状が書かれている。
    ヘイトスピーチとは「人種や民族、障害など本人が変えられないものを基に行う差別的、侮蔑的発言」を指し、2013年にはユーキャンの流行語にもノミネートされた。
    このような「人種差別主義」のことを「レイシズム」と言い、「人種差別主義者」のことを「レイシスト」と言う。
    FIFAでは「ゼロトレランス」(非寛容)の原則で、差別的な行動は例外なく罰している。例えば、2013年にギリシャでナチス式の敬礼のポーズをとった20歳のサッカー選手を永久追放にした。本人に差別的な意図があるにせよ、ないにせよ、例外なく罰するの

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    2017年06月18日
  • ヘイトスピーチ 「愛国者」たちの憎悪と暴力

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    在特会の活動を中心に、日本で広まっているヘイトスピーチの現状についてまとめたもの。日本のレイシストは、ネットの怪情報に流されやすい無知で不勉強なのが多いことがよくわかる。

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    2016年10月16日