あらすじ
ネットに吹き荒れる誹謗中傷、国民を見殺しにする政府や権力者、強気を助け、弱気を挫くメディアの病巣、日本の歪な現実の病巣を、いまもっとも硬派な論客2人が語り尽くした。
「排他と不寛容の風潮の背後に漂う時代の深層をさらに重層的に解析し、多角的に浮かびあがらせることができるのではないか」
(青木理「まえがき」より)
まえがき 「自己責任論」と切り捨ての時代を招いたものとは
第一章 対韓感情悪化の源流とそれをもたらした日本社会の構造的変化
第二章 友好から対立へ 日韓それぞれの事情
第三章 恫喝と狡猾の政治が生む嫌な空気
第四章 社会を蝕む憎悪の病理 ヘイトクライムを呼ぶ確信犯的無責任と無知
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Posted by ブクログ
都合の悪い過去や歴史に歪曲や捏造を流布する、そんな愚挙に無頓着な自己愛傾倒者は、安易な分断を扇動しマイノリティを排他しようと罵倒する。だがその対立は限られた範疇での喧騒であり、疎ましく距離を置く無関心層が多数を占めている。心地良さを優先するマジョリティにとっては、どうでもいいとノンポリを気取る、もしくは日々の生活に追われて無知な生活で安穏とする。しかし、無関心は決して有益ではない、深刻な事態へと緩やかに変貌する。その速度は真綿で首を締めるように進行する。そのまま放置して瓦解の一途をたどる社会でいいのか。青木理と安田浩一は様々な言葉で救いの場を内包する社会を模索する。そこに加害・被害という区分けはない。自他を隔てるのではなく相手を思いやる心、競争ではなく助け合いが生活を支えるのだ。
Posted by ブクログ
国の在りようが何かおかしい、権力者が権力を濫用しているのではないかというような、漠然とした疑念や不安を拠って来たるところを、きちんと言葉にしてくれている。二人のジャーナリストとしての矜持が感じられる。
Posted by ブクログ
今年は沖縄返還50周年だけど、沖縄について自分が無関心に生きてきたことを恥ずかしく思っている。韓国のことだって、私は映画「タクシー運転手」を見るまでは知らないことが多すぎた。恥ずかしいけどこれから学ぶしかない。青木さん安田さん応援してます。
Posted by ブクログ
青木理と安田浩一ならだいたい読まずとも中身は予想できた。
思ったとおりの内容だったが、自分にはなかった視点や気付きもあった。
タイトルが仰々しいが、この濁流に抗おうとする二人はこれからも応援していきたい。