あらすじ
そこは、外国人、高齢者をネトウヨが襲う「空間」と化していた。
団地は、この国の“未来”である。テロ後のパリ郊外も取材した、地べたからの最前線ルポ!!
団地はこの国の課題最先端「空間」となっていた。
団地。そこは、かつて「夢と希望の地」だった。
しかし、いまは都会の限界集落と化している。高齢者と外国人労働者が居住者の大半を占め、さらにそこへ“非居住者”のネトウヨはじめ排外主義者が群がる。
排外主義的なナショナリズムに世代間の軋轢、都市のスラム化、そして外国人居住者との共存共栄……。
厳しい現実に負けずに、“一緒に生き続けること”を実践している各団地の取り組みを、私たちは“日本の未来”に出来るのか?
外国人実習生や排外主義者の問題を追い続ける著者が、日本各地に加えてテロ直後のパリ郊外も取材し、日本に問う。
■団地は差別と偏見の触覚だ
■孤独死に国籍は関係ない
■九〇を超える国籍の人が住むパリの団地
■「人種間というよりは、世代間のギャップなんですよ」
■きっかけはほとんど“ごみ問題”
■日系人は合法的労働者供給源だった
■ヘイトスピーチを昇華する
※本書は2019年3月の小社より刊行した単行本を加筆修正したものです。
目次
まえがき――団地は「世界」そのものだった
第一章 都会の限界集落――孤独死と闘う
第二章 コンクリートの箱――興亡をたどる
第三章 排外主義の最前線――ヘイトへ抵抗する
第四章 パリ、移民たちの郊外――レッテルを塗りつぶす
第五章 残留孤児の街――歴史の中に立つ
第六章 「日本人」の境界――差別と分断に屈しない
あとがき
新書版あとがき
参考文献一覧
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Posted by ブクログ
団地と移民 課題最先端「空間」の闘い。安田 浩一先生の著書。高齢者と外国人労働者が居住者の大半を占める団地。高齢者と外国人労働者が居住者の大半を占める団地は日本の将来の縮図。排外主義的なナショナリズムを掲げる無関係の人たちの存在。排外主義的なナショナリズムを掲げる無関係の人たちは主義主張があるなら政治家になって社会のルールを変えればいいのに。団地と移民 課題最先端「空間」の闘いは日本における移民問題を正しく理解して考えるための良書。安田 浩一先生の取材力に尊敬。
Posted by ブクログ
団地を舞台に、日本の超高齢社会と移民についてのルポルタージュ。
ただこの現状より恐ろしいのは、現在移民として一くくりにされる人々の移住先としての選択肢から日本が外れる事。移住する程の魅力を金銭面や住環境から感じなくなる事。要は移民に見捨てられる事。長年のデフレに加え閉鎖的な社会、こうした未来に日本は確実に近づいていると思う。
ブックファーストなんばウォーク店にて購入。
Posted by ブクログ
急速に限界集落化し、多国籍化する団地は、高齢化時代における日本の課題が先鋭化する場所。芝園団地における中国人コミュニティなどの描写を通じ、団地が抱える課題と解決の糸口を探る。
Posted by ブクログ
本社の取材が行われた2018年くらいと現在では、だいぶ変化もあるのではないかな。
特に芝園とか、コロナ禍を経て(まだ終わってないけど)だいぶ変化したのでは。
情報がアップデートされたものを読みたかった。
文章は繰り返しの表現が多く少し冗長に感じた。
Posted by ブクログ
金岡団地(公団団地第一号・大阪府堺市)、山崎団地(著者が住んでいた団地・東京都町田市)、常盤平団地(千葉県松戸市)、神代団地(映画『団地妻 昼下がりの情事』の舞台・東京都調布市)、芝園団地(ニューカマー中国人・埼玉県川口市)、ブランベニル団地(移民の街・フランス)、サルセル団地(90を超える国籍の人が住む団地・フランス)、チャイナ団地(中国系新移民の街・フランス)、広島市営基町高層アパート(原爆スラム、中国残留孤児・広島県広島市)、保見団地(日系ブラジル人・愛知県豊田市)、北青山三丁目住宅(東京都港区)、東新町団地(GREEN KIDS・静岡県磐田市)