安田浩一のレビュー一覧
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右翼の流れがわかりやすい。
右翼は歴史と伝統を重んじた保守であり、異なる他者に対しては排他的で、復古主義であり、理念というよりも情念に近い。
日本右翼の源流は、江戸時代末期の水戸学にあるとされる。儒学を基盤に、神話や道徳を尊重し、身分や社会の安定を説くもの。吉田松陰や西郷隆盛らの幕末の志士に大きな影響を与え、倒幕運動や尊王攘夷思想が生まれた。
大正時代には、大正デモクラシーによって人々が権利意識に芽生え、大正6年にはロシア革命が成功して日本の支配層に大きな恐怖を与えた。政治家や企業経営者は、労働争議や小作争議を弾圧しなければならないものとみなし、その先兵として右翼団体が利用された。
昭 -
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安田浩一『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』光文社未来ライブラリー。
夢を抱いて日本に働きに来る中国人研修生、日系ブラジル人の過酷な実態を描いたルポルタージュ。
貧困に喘ぐ外国人労働者の実態は今や日本人労働者にも当てはまる。容易く解雇出来る非正規社員の増加、天井知らずの物価高、増税、社会保障費の削減と日本人労働者を取り巻く環境も悪化の一途を辿っている。
リーマンショック前後のルポルタージュなので、現在は少し状況が変わっているかも知れないが、日本の非正規労働者の状況を見ても、外国人労働者を巡る環境は少しも改善されていないと思う。
ブローカーにより莫大な借金を背負わされ、夢を求めて日本に来た -
Posted by ブクログ
スリランカ女性を衰弱死させた入管の問題や、ベトナム人技能実習生のリンチ事件、孤立出産の問題など、文字通り人を人とも思わないような事件の数々。
そこにあるのは外国人への差別意識と、人権感覚の欠如である。
日本の農業や製造、漁業、インフラにサービス業と、多くの外国人労働者の姿が散見される。日本はもう外国人の労働力なしには社会を回し続けることが出来ないところにまで来ている。にも関わらず、その問題に向き合おうともせず目を瞑り、外国人労働者を奴隷のように扱っている。
外国人の労働力の世話で維持されている社会で生活しながら、「日本から出て行け」と声高に叫ぶ人たちはまったく現実を見ようとしていない。
昨 -
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都合の悪い過去や歴史に歪曲や捏造を流布する、そんな愚挙に無頓着な自己愛傾倒者は、安易な分断を扇動しマイノリティを排他しようと罵倒する。だがその対立は限られた範疇での喧騒であり、疎ましく距離を置く無関心層が多数を占めている。心地良さを優先するマジョリティにとっては、どうでもいいとノンポリを気取る、もしくは日々の生活に追われて無知な生活で安穏とする。しかし、無関心は決して有益ではない、深刻な事態へと緩やかに変貌する。その速度は真綿で首を締めるように進行する。そのまま放置して瓦解の一途をたどる社会でいいのか。青木理と安田浩一は様々な言葉で救いの場を内包する社会を模索する。そこに加害・被害という区分け
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裸で入る暖かいお風呂では、リラックスし心理的にも打ち解けて話しができる と言う考えの中、アジア太平洋戦争で、とかく隠されがちな日本の加害者的側面を調べ、関係ありそうな人にお風呂でも浸かりながら聞いていくと言うもの。
1.ジャングル風呂と旧泰緬鉄道
有名な映画「戦場にかける橋」で、鉄道施設の最大の難関として描かれるのが、タイ クウェー·ヤイ川に橋をかける大工事。この橋の横にあるプレートには、泰緬鉄道で命を落とした人の数が刻まれている。最多のマレーシア人42000人を筆頭に、旧ビルマ40000人、イギリス人6904人等日本人や韓国人を除いて10万人近く。戦争博物館にはその過酷な状況も展示されている -
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「お風呂は究極の非武装」。温泉、銭湯を通して訪れる日本の加害の歴史。
日本の負の歴史だろう加害の歴史。原爆など被害者としての側面に比べあまり話題にならない。本書はタブーに近いだろう加害の歴史を訪ね歩く旅。
泰緬鉄道のタイ、沖縄、韓国と神奈川県寒川町の旧海軍工廠と毒ガスで知られる大久野島。
ある程度予測はしていたが、本書の立ち位置は賛否別れるところだろう。個人的には、やたらと「歴史修正主義」という言葉であったり今の政府、行政を完全に疑ってかかるような姿勢に違和感。加害の歴史を探るだけでも十分な内容になり得ただろう。
加害と被害は表裏一体。現在の価値観で過去を評価するところに無理があるよう -
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ネタバレ読んでよかった、の一言。
右翼というと、自分のなかでヘイトスピーチをしてる差別主義者なのか?という印象が特に、在特会の影響であった。
だけど、日本らしさ、日本の伝統を愛する民族主義が右翼の源流であり軸なのだとすると、賛同はできないが考え方の一つとして理解できる。
その中で、右翼のなかでも民族主義的な人は、民族差別を認めるわけではなく、日本として独立して強くあることを考えているのだとすると、それも一理あると思う。
でも、結局日本らしさってなんだろうって考えたときにそれって言語化できるものなのだろうか?教科書を変えて加害の歴史をないものにしようとしてる人もいるけど、「愛国」なのだとすると、愛は -
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ネタバレ世の中のことにとても疎いので読んでよかった。
印象に残ったワード「全体主義」「差別」「ファシズム」「水道法改正」「種苗法改定」「カジノ」「歴史修正主義」
コロナ禍だからこそ伝えたい「自由」と「権利」と「多様性」
p19「自由や多様性を守る」ということは、(コロナ禍で)マスクをしない人も、バーベキューをする人も、同じ社会で暮らす仲間として尊重するということ…せめて糾弾したり排除したりしないということ…自分たちの安全のためにどうしても行動を変えてもらう必要があるならば、その人の人権や生活が損なわれないよう、民主的な手続きを守りながら、理性的にお願いするということ
p17〜18 社会を民主的