坂口恭平のレビュー一覧

  • 徘徊タクシー(新潮文庫)

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     エッセーだと思って読み進めていたら、途中で世界がぐにゃりと曲がる。
     どこまでがエッセーで、どこからが小説なのかの境界があいまいだ。

     しかし、一歩立ち止まって考えてみると、エッセーと小説の境界を厳密に定義しようとするのは一義的な見方だ。
     本作の筆者の主張は「認知症の徘徊老人には常人とは違った世界が見えているはずだ」というもの。
     ならば、エッセーと小説の境界線は常人の見方に過ぎず、筆者にとってはエッセーも小説も共存可能な世界の見方なのではないか。
     躁鬱病を公言する筆者には、また別の世界が見えているのだろう。

     また、徘徊老人に対してスポットが当たる。
     ベッドに縛りつけておくだけで

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    2017年04月04日
  • 家族の哲学

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    ネタバレ

    聞き流す。それは無視することではない。
    聞き流す。それは意味ではなく、音楽として受けるということだ。
    聞き流すという行為には、積極性がまったくない。判断せず、決断せず、ただ受け入れるのみだ。

    P.214

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    2017年03月26日
  • 発光

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    超大作。躁鬱病をこれだけ前向きに分析して、情報として発信できることはすごい。頭がおかしい以上のものがあります。
    しかし、電話番号をこれだけ公開してるのも驚きですね。

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    2017年03月08日
  • 家族の哲学

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    初めてこの著者の本を読んだ。家族という共同体について悶々と考えていた時に読んでしまったもんで、震えた。心の奥底にあった感情を思い出したような感覚だった。ビックリしたな。自分にとって大切な一冊。

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    2016年06月25日
  • TOKYO0円ハウス0円生活

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    自分で考え、自分で決めて、自分で作る暮らし。
    自分が主導権(もちろん権利も責任も)を持つ「ホーム」があることに、憧れを感じました。

    「自分もやってみたい」という感想を多く見ましたが、普段、自分の意思が反映されないことが多いことに、違和感を感じているのかもしれません。
    そういう気持ちは、忘れない方が良いのかなと思いました。

    そして自分に必要なものは何か、常に考えるのを止めないようにしたいです。

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    2015年01月16日
  • 現実脱出論

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    はっきり言って十年に一度読めるかどうかの傑作。空間論、時間論ともに、ここまでオリジナルの言葉で語れる人は今の日本にいないのではないだろうか?

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    2014年10月28日
  • 現実脱出論

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    著者・坂口恭平さんの体験をもとに、「現実」と「思考」について考える本。難解な部分も、読みやすくて楽しめる部分もあるけど、色々なことを考えさせられた。「現実は一つ、思考は無限」と考えると面白いかもしれない。

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    2014年10月11日
  • 現実脱出論

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    ネタバレ

    東京0円ハウス、独立国家のつくり方など、一見して何もない空間から、別の新しい空間を生み出し、その視点から新しい社会を築こうという作者の最新作である。

    今作では、目に見える現実のみが唯一の世界なのか。その常識を疑う。


    ぬいぐるみ王国のトヨちゃんの話を読みながら、忘れていた記憶がよみがえってきた。

    中学生の頃まで、俺もトヨちゃんと同じくぬいぐるみと話すことができていたことを。

    小学生の頃、札幌への家族旅行で何故かどうしても買ってほしいと駄々をこねた。

    雪印パーラーのお土産の棚に並んでいた、フクロウのぬいぐるみ。ホースケと名付けた。俺のハンドルネームの由来だ。

    そのうちフクロウのぬいぐ

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    2014年10月05日
  • モバイルハウス  三万円で家をつくる

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    車輪を付ければ家にならない!発想からして凄い(鈴木さんの影響があるにせよ)が河川敷で作成してソーラー付きの家を作って駐車場に設置まで確保する件はワクワクする。
    小難しい理屈ではなく行動でカネ中心の社会に一石を投じているところは革命家と呼んで差し支えないと思う。

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    2014年09月18日
  • TOKYO0円ハウス0円生活

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    おもしろい。
    今の自分がどれだけ無駄なものに囲まれて生きているのか気付かされます。
    0円ハウスとまではいかなくても、自分自身の生活を見直そうと思いました。
    文章も読み易くて、作者の坂口さんにもとても興味をもちました。
    他の作品も読もうと思います。

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    2014年07月26日
  • ゼロから始める都市型狩猟採集生活

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    一気読みした。
    都会で(?)ホームレスとして生きるための色々な知恵を書いた本。
    作者は色々なホームレスの人に話を聞いていて、どの話もかなり面白い!!!

    しかも読めばホームレスになってしまっても大丈夫と確信するどころか、やってみたい…と思えるほど。
    仕事なくしても生きてけんだな、とかなり本気で思えるので、お仕事に疲れてる人は読んでみるといいかも。

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    2014年03月19日
  • 隅田川のエジソン

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    「ゼロからはじめる都市型狩猟採集生活」→「TOKYO 0円ハウス0円生活」と読み進め、この考え方、生き方にハマって読んだ。隅田川沿いに住む「スーさん」が主役の自伝的小説となっている。ドロドロせずあっさり味な感じになっているのは、この生活自体がドロドロせずあっさり味なせいもあるかもしれない。

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    2014年01月26日
  • TOKYO0円ハウス0円生活

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    大げさかもしれないが、坂口さんの著書のおかげで「生き方の許容上下幅が倍になった」くらいの感覚が生まれた。ある日突然お金が無くなっても生きていけるかもしれない。都会で、あるものを集めてきて自分で家を建てて生活をする人を「ホームレス」とはもう呼べない。

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    2014年01月12日
  • ゼロから始める都市型狩猟採集生活

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    読み切ってしまうのが惜しいくらいの素晴らしい本だった。
    「最高の欠如は最高のもたらす」「私は0円で生きていけるのよ。だからお金はいらないわけ」など、心と頭をガンと打たれる文章が並ぶ。ある意味、社会の仕組みから完全に離れ、独自のシステムを作り上げている人たちを徹底的に取材した記録である。

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    2014年01月02日
  • TOKYO0円ハウス0円生活

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    すっかりはまってしまって坂口恭平の本、2冊目。
    とても読みやすく、すらすら読める。中身も非常に面白い。
    ホームレスの方に対する偏見を飛び越えて、都市で生きるという中の固定観念に挑戦していく姿勢は非常に痛快。
    様々な活動に及ぶ筆者だが、根本にある面白みはものごとを捉える目線と、行動力。
    しなやかなアーティストだと感じることが出来る良書。

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    2013年11月26日
  • TOKYO0円ハウス0円生活

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    隅田川のホームレスは”ホームレス”ではなく、自分らしい生き方をしてホームを自らの手で作り生活を楽しんでいる人なのだ。金融に、財産になってしまっている現在の住宅、私たちの住まい方、生き方に?を提供し、新しく解放された暮らし方への問いかけをしている。

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    2013年11月11日
  • モバイルハウス  三万円で家をつくる

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     非常に啓発された。考え方の突拍子なさも、前に読んだ0円ハウスで慣れていたせいか、すんなりと。これはぜひともやってみたいと思い、早速設計を開始・・・。で、いくつかの課題を
    ①食事関係はどうするか?ここも色んな手があるので発想を共有できればと思う
    ②既婚、家族もちはどうか?これも手はあるが、なんとも表現しにくい「壁」は存在するので。
    ま、こういう現実もあるため、自分の場合はまずは自室で予行演習をすることになりそう。モバイルハウスだけどロフトあり、とか色んなレイアウトが考えられる。これをスケッチしたりLEGOでモデル化したりと、これだけでも楽しい。リアルなシミュレータ?ゲームにもなりそうだし。軽ト

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    2013年10月15日
  • ゼロから始める都市型狩猟採集生活

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    初めて知りました!
    ダンボールハウスの作り方!

    ダンボールってすごいんですね。
    断熱性バツグンだし、丈夫。
    好きなように作りやすいというのもいい点です。
    そんなダンボールでできたダンボールハウス。
    自分好みのダンボールハウス。
    住んだらさぞかし、快適なんだろうなーと思います。


    だからと言って、現実のところ、本当に住もうとは思いませんが、著者の主張することは一理あると思います。

    「ぼくがここで紹介している路上の家は、当然、すべてが許されているものではないし、誰もが簡単にできるものでもない。しかし一方で、ぼくらが住んでいる現在の家には、人間が住むための巣としての本質がやはり欠けていると感じ

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    2013年10月07日
  • TOKYO0円ハウス0円生活

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    0円ハウスという本を出版した筆者は 隅田川に 本当に0円(拾ったものだけ)で家を作った鈴木さんと出会う。
    鈴木さんは アルミ缶を売って得た月収5万円の殆どを 食費に充て自炊生活をおくっていた!
    0円ハウスの人々の生活から、肥大化しすぎた現代社会の中にいるとわからなくなる、
    本当に身の丈にあった住まいと生活って何か、気づかさせてくれる。

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    2013年01月16日
  • ゼロから始める都市型狩猟採集生活

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    河川敷でほぼ完全な循環型農業を営む多摩川のロビンソン・クルーソーと、一日に必要な電気量やガス、水すべてメーター使用量からしか判断できない我々。生物学的に正しいのはどちらか?
    こんなラディカルな問いに悩んでいる方への回答となるかもしれません。これぞ名著。

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    2012年12月18日