【感想・ネタバレ】独立国家のつくりかたのレビュー

あらすじ

現政府に文句があるなら、勝手につくっちゃえばいい! 東日本大震災後に熊本に新政府を設立し、初代内閣総理大臣に就任した男が明かす、いまを生きのびるための技術とは? 何も壊す必要などない。ただ、あらゆる常識を根底から疑い、歩きかたを変えてみる。視点を変えてみる。そして、思考しつづける。それだけで世界はまったく別の相貌を見せ始める。ここには希望しかない!

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Posted by ブクログ

生きる事について、著者が考えついた1つの哲学を体験できた。
家や食事など生きる上で必要なものが、なぜお金が必要なのか。お金がないとこれらが得られない社会はおかしいのではないか。
そんな疑問に向き合った結果、自分で独裁国家を作ろうと思いつた著者の考えに興味が出たし、面白い視点なので読み進めるのが楽しかった。

社会について、レイヤーという見方を変える方法をとる事で、ホームレスでもレイヤーを変えると、ホールレスに対する印象も変わったのが、目から鱗だった。

自分についても「生きるとは」という事に、今一度考えてみて、生きているという行動と思考を実践したいと思える一冊だった。

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2025年11月11日

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すごい衝撃を受けた

多分躁状態なんだと思う。思うけど、しっかり理性的に理論的に構築しているからこの人はすごいなと思う。確かに躁状態とうつ状態を行き来することでしか味わえないものがあると思い、自分の感覚と共通項を感じた。

0円政府、実現するなら移住したいが、ここまで極端にならずとも金が自然に流れてくる仕組みを作ってさえすれば、実現可能な話なのではないだろうか。

ただ、シンプルに資本主義社会の残り物を貰って生きるというのは画期的だし、自分もその割合を増やしていきたいと思った。

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2025年10月19日

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行動力がすごい。常識は常識だか正しいのかと考えてみるとおかしいと思うものもある。かといって常識を作り変えようとは言わず、違う見方を持って社会を広く見ようという考え。なんだかんだその常識の中で生活はしているからね…。とにかくふと生まれた問いを考えてみることが大事だ…!

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2024年07月21日

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名著。後々、読書ノート作成。

こういうマッチョな社会活動家のマインドって好きじゃない(例えば多様性を重視するのに、妻や子供に自分の価値観を受け入れることを当然視する傾向とか)けど、ある種の解放区の思想として秀逸。

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2024年05月03日

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ネタバレ

自分のやりたいことなんてどうでもいい
自分がしたいことは社会に必要ない。今すぐ帰って家でやれ、と僕は言ってしまう。
自分がやらないと誰がやる、というようなことをやらないといけない。

断定が、思考。

もう一回読まなきゃ。

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2023年09月16日

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COURRIER JAPON
著名人の本棚
成田悠輔さんの推薦図書より

疑問をもって。
考えて。行動して。生き延びて。創造して。
使命を果たさないと。

「態度経済」という言葉が良い。
自身の考えや生き方を断定をもって、表明していきたい。
責任を持つために。

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2023年02月14日

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世の中には、ちゃんと疑問を感じて行動している人がいる。私は疑問を感じつつ、社会の仕組みに埋もれている。書いてあることは、ひとつひとつ頷ける内容。でも、何も感じていない人が読むときっとつまらないんだろうと思う。世の中に少しでも疑問を持っている人には読んでほしい。別の視点もあることがわかると思う。

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2022年09月18日

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松岡修造lv.10000、みたいな本。
やる or 超やる、みたいな本。
地球温暖化はこの人が引き起こしているのではないか、という感じの本。

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2022年09月11日

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考え方が違う。一般人とはかけ離れた坂口さんの思考をのぞくことができる。彼はお金がなくても生き抜くヒントをくれるかもしれない。

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2022年02月05日

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坂口さんが幼い頃に抱いていた社会への疑問を投げかけるところから始まる。誰も応えてくれないその質問を前にすると、坂口さんがいかに思考をして生きてきたかが明らかだ。彼は躁鬱病を患った過去があり、死と隣り合わせの人生。死と向き合うことがどのように生きるかへと拡がり、現在では同じように苦しむ自殺志願者を減らすために自らの電話番号を公開し、相談に乗り続けている。社会状況を国のせいにする人が多いなか、彼は不満を言うのではなく別角度から問題に取り組む。自分のためではなく、人のために。

私にはやりたいことがある一方、その一歩がなかなか踏みだせずにいた。金銭面や失敗への不安が頭につきまとっていたからだ。しかし本書を読み終わると考えが変わってきた。何をしたいかではなく、なぜしたいのか。自分を深掘りしてみたら根本的な想いへ辿り着いた。結局のところお金ではなかった。やりたいことがカタチになるまで考え続けよう。生きているだけで希望だよ。

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2020年08月13日

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ネタバレ

おもしろかった!
最初の河川敷のホームレスの話に引き込まれた。
途中方法論など頭に入ってこないところがあったけど、それでもずっと新鮮におもしろがりながら読めた。

メモ
・憲法25条、生存権とホームレスの矛盾
・本当の意味でのパブリックとは?アイディアの実現、共有
・態度を示す、交易をする
・何をしたいかではなく、何ができるかで社会に貢献する
・社会の疑問を持ち、それに答えを出し行動すること
・鬱期は審美眼の解像度が上がる期間

新しい知見を得た気がする
経済のあり方、生活や自分を見直すこと、考えを放棄しないこと、行動すること

本当にこの世界の矛盾、理不尽なこと、横暴さに絶望してたのだけど、私にできることから少しずつ変えていこう。

まずは自分の生活を見直して、これだけあれば足りる、足る分を得るための労働について考えたい。

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2020年06月04日

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とても面白い人だ。
まあ、世界をどのように捉えて、どう生きるかは自分次第、ということなのだが、国家への帰属おも否定しているところに、新しさがあるように思う。いずれにせよ、いい刺激をたくさんもらう。

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2020年04月03日

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こんな気概のある人いるんだ。子供のころからの質問を持ち続けそれに自分で答えを見つけようとしているのはすごい。生理的に受けつけないものを考える。公立ではできないから自分でやるとそれが結果的にパブリックになる。「情報の服の脱がせ方」、考えると問題だから考えてないこと、たくさんの無視、差別、階級の存在。そんなことをちまちま考えている自分に嫌気がさした。鬱状態の自分のことも「俯瞰してみることができる状態」と書いていたのは目から鱗だった。世界のレイヤーは単層ではなく、多層でできていること。そして自分の価値観を拡大していこう。

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2019年07月03日

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"読み進めるうちにだんだん著者の言っていることがわかってきた。世の中をいろいろな角度から見つめていくと、まるで地層のように入り組んだ社会が見えてくる。
読み進めていくうちに、著者の言わんとすることが理解できてきた。

共感できた言葉は、「自分にしかできないことを仕事にしろ」坂口さんのコメントに今後も注目したい。"

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2018年10月27日

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ネタバレ

哲学寄り。
ちょっと ? な部分はあったけれど、新鮮な視点はあるかと思う。

払ってもいい金額:600円
貼った付箋の数:7

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2025年08月17日

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視点がおもしろく、新鮮な感覚だった。
例)自分と路上生活者の視点から見た浅草、など違うレイヤーから物事を見てみる、
「なぜ人は家賃を払わないと生きていけないのか?」という疑問を掘り下げるなど

本の出版の下り、著者の行動力が凄い…
行動すれば、お互いのウィンウィンに繋がることもある、だから自然と結果が出るってこういうことか、と感じた。

「こうしなきゃいけない、生活とはこうあるべきもの」から脱却したら、人生もっと自由に生きられるんだろうな、と。


自分に刺さった言葉↓
・人は試すことをしない、すぐに思い込む
・常識というのは文句を言わないようにというおまじない
・生理的におかしいと思うものに対して疑問をぶつける
・好きなことではなく、自分がやるべきこと、使命は何か?

ナイロビ感覚…良い流れが来たと思えばお金のことを気にせずに動くことを
忘れずに自分感覚を大切に生きたいと思った。

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2025年07月07日

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こういうタイプの人の躁状態になった時の行動力は、もの凄いパワーだと改めて感じる。
常識論から見ると色々ツッコミどころはあるのだろうけど、そういう視点を軽々と超えてくるパワーは素晴らしい。
パフォーマンス含めて、アートとしての理解は海外の方が間口が広く理解も深いので、日本の評価なんて気にせず、色々発表してもらいたい。

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2023年11月19日

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圧倒される。
アジテーションってこんな感じか。
紙一重的な人物による人間讃歌、のように感じた。
震災直後ってこういう感じだったよなあ、とあの時の空気感を思い出す。
本に載ってたリンクを踏んだらアラビア語?みたいな文字が踊っていて、ぶっ飛び加減はご健在かと嬉しく思った。
と思ったら翻訳したらめちゃくちゃな内容でそっ閉じw
今はどんな活動をされているのかな。
クーリエで成田氏が推薦してたのも趣深い。

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2023年02月24日

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「何かを変えることが革命ではない。むしろ革命が起きていることを思考の転換によって見出すことができる」と、冒頭に書かれているが、読み進めることで、著者が経済や住まいや生き方について、思考を重ねることでいかようにでもなることを、自ら実証している。かなり面白い。成田悠輔氏が推薦するだけある。

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2023年02月07日

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ネタバレ

TwitterやNoteのコラム(生きのびるための事務はとくにおもしろい)は読んでいたが、本は初めて読んだ。おもしろい。

0円ハウスの話に始まり、新政府樹立とその具体について書かれてある。2012年発行なので少し古いが、坂口恭平がどんな人か、その感じはだいたいつかめる。

ざっくり言ってしまえば、人生を考え続けろ、という内容。と言いつつ、ざっくり言っては元も子もない内容やな。何をどのように考えるべきか、誰が何を考えないようになっているか、そのあたりの話が重要で、おもしろい。

坂口恭平は、誰もやらなそうなことを本気でやっている。ただ特異なわけではなく、理由を聞けば納得がいくものだが、すごいのは行動力だけではない。芸術や哲学分野における、氏の知識や視点を、自分の活動に見事に使いこなしている。
要所要所で芸術家や小説家の名前が出てくる。「〇〇が言ったように」「××と同じことで」と言った具合に引用されるのだが、坂口恭平はすでにそれらの芸術家の視点を持っている、あるいは知識だけでも頭に入っているため、流用・援用して、自分の思考を拡張することができるのだと思う。
何が言いたいかと言うと、芸術や哲学は生きる上でめちゃくちゃ役に立つなぁということで、同時に、そういった素養がまったくなかったら、彼のようには動けないだろうな、と。

新政府を勝手に立ち上げる、なんてそれだけ聞くとアホかと言われそうだが、著者は具体的な成果を出している。使われていないフロアがあるから使ってくれ、と銀行が言ってきたのでもらった。福島の子どもたちを熊本に招く活動をやっているうちに、自治体から援助の申し出が来る。などなど。


※もうちょっと書きたいけど、あとでやる気出れば更新する。

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2021年10月28日

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ネタバレ

事象→解像度の明瞭化→疑問→問い→創造

疑問を問いにすることを「創造」と呼ぶ。

障害を障害と思うのではなく、障害をベースにした生き方を考えればそれは障害ではなくなる。
それは自分独自の思考を具現化する方法論である。

高い解像度で、起こっている事象を解析すれば生きるための大きなヒントになる。
れを怠ってしまうとイズム(主義)、生きる信条になってしまう。
それだと自分の思考は存在しなくなり、ただ取り込まれるだけになる。
だから、事象に対して解像度を上げて行く行為をすると、疑問、問いがでてくる。以下ループ。

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2021年10月11日

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とにかく思考停止せずに自らの頭で考えよう、というメッセージ。今の社会の常識やルール、周りのみんながやっていることが唯一の正解ではなく、見方を変えると(別のレイヤーから見ると)違った世界を生きられる。我々が無思考で暮らしている社会は匿名レイヤーであり、効率的だが万能ではなく、こぼれ落ちる人が出てくる。そこに自分独自のレイヤーを重ねて世界を見ると、それぞれが自分の価値を持って他者と交易して生きていくことができる。世界のあり方を変えるのではなく、思考し、見方を変え、世界を反転させる。
自分自身は割と「匿名レイヤー」にそれなりの居心地の良さを感じ、効率的で生きやすいと思うタイプの人間だと思う。また、本書で述べられている0円生活については多くの部分に実現性の疑問を感じた。
しかし、「経済」や「社会」といったものが本来なんなのかというのはもっと自覚的に考えたいと思った。あるいは「家」とは、「生きる」とは何か。

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2021年01月02日

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社会に疑問を持ち考え動く事の大切さを教えられる。 新政府活動で0円生活特区を作ったり自殺者ゼロの世の中を目指す活動を実動レベルで行ってうる。 同じ社会を1つ見るにしても色んな見方と考え方があるんだなと感心させられる

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2020年11月22日

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この本が出版されてから8年。昨年、参院選後に見つけた著者と山本太郎さんの対談の動画に、ご本人が「そんなこともありましたね」とコメントされてたけど、もうここに書かれていることは、坂口恭平さんにとっては過去のものなのかな?
タイトルは『独立国家のつくりかた』だけど、「坂口恭平ができるまで」という感じでもある。「新政府総理大臣」ということは知ってたけど、具体的なことはこの本を読んでようやくわかった。私の知らない人の名前(有名な方でも)や本のタイトルがたくさん出てきて、この方の頭の中はホントどうなってるんだろうと・・。つまんない言い方しかできないけど、頭の良い方であるのは間違いないよね。
最後の方、鬱との付き合い方については、このころのこういう経験が今につながってるんだろうなあ・・と思った。
時代の変わり目には特異な人やものの考え方が現れてくるもののような気がするけど、きっとそういう時代に求められる才能なのだろうと思う。思想家なのか革命家なのか芸術家なのかわからないけど、こういう人と同じ時代に生きあわせてることってとても有難いことだと思う。もう少し、著作を読み進めてみたい。

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2020年08月25日

Posted by ブクログ

かなり危なく、ぎりぎり面白い。
そういった印象だった。

今の国家を否定し、新しい国家をつくるということ。
それは、坂口さんが考えて考えて考えた結果の、行為だ。

“こんなんじゃ駄目だ”と思った事柄に対し、向き合い必死に考える。

何が必要なのか。
何をすべきなのか。
どうしたら世界が変わっていくのか。
その行動力や態度に対しては、尊敬を覚えるし、
思考の広がりや組み立てかたには、面白さを覚える。

考え自体には、かなりギリギリな印象を覚えつつも、それでも惹き込まされる。
読んでよかった本であるし、考え方の幅を広げてくれる意味で非常にいい本だと感じた。

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2019年01月04日

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ネタバレ

*印象に残った言葉※
・歩き方を変える。視点を変える。思考を変える。それだけで世界は一変するのである。自分に無数の「生」の可能性があることを知る。
どんな退屈な世界に身を浸していても、冒険を見つけ出すことができるようになった。何かを「帰る」ことが革命なのではない。むしろ、革命がすでに起きていることを、思考の転換によって見つけだすことができる。それは「変える」というよりも「拡げる」方法論である。生き方は無数にあるという事を気づく技術

・「考える」とは何か。
これはつまり「どう生き延びるか」の対策を練るという事である。「生きるとはどういうことか」を内省し、外部の環境を把握し、考察することである。
僕はいつも、頭で考えない。生理的な反応を元に思考していく。生理的にだめだと思ったときに、「考える」ことを始める。
情報には「服を着た情報」と「裸の情報」がある。「高校を卒業したら大学に行く」「大学は東大が一番、京大が二番」「大学に行くために入試を受ける」といったものが、服を着た情報である。社会とはそういうものであるという既成概念によって、みんなの無意識によって構築された強い構造体を持っているように思えてしまう幻である。それらを一枚一枚考えながら、裸にしていく。

・人生はやり直すことができない
僕は人生はやり直すことができないと思っている。だからこそ、今、本当に何をやるのかが問われている。この緊張する現場で、どんな行動をするのか。まわりに同調せず、徹底した独立者でいられるか。

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2018年03月25日

購入済み

新総理誕生!!?

「なぜ人間だけがお金がないと生きのびることができないのか。そして、それは本当なのか」

この本の冒頭に立てられた問い。

この問いに少しでも心が反応したならば、読んでみてはいかがでしょうか?

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2012年07月25日

購入済み

新しい時代のオピニオンリーダー

新しい時代のオピニオンリーダーの誕生―
社会でシステム化したものに対しての見方・行動の仕方・思考方法を変えなさい(=異なる「レイヤー」で捉える)と著者は説きます。
同様な思考方法のスイッチ論は様々な自己啓発書でも語られますが、著者は0円生活であり新しい国家宣言など、大胆に実践している点に説得力を感じます。「疑問」を「問い」に持っていき行動にうつす、このことが「創造」であり現代の社会で生きていく上で重要なことである、との指摘が日々のルーチンに忙殺される自分に深く浸透します。
著者は様々な媒体での露出も増えているようですが、今後の発言力にも期待をします。
星を1つ減らしたのはタイトル名からは内容が類推しにくい点を勘案しました。「独立国家のつくりかた」からは一見大仰な国家論かと感じますが、生きかた・考え方について肩の力を抜いて読める良書です。

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2012年07月10日

Posted by ブクログ

タイトルが絶妙。
タイトルだけでどんな本か気になる。

内容は、まぁ、なるほどなーといったところ。
実際に電話番号が書いてあったことに驚く。

行動力の大切さ。

しかし、期待していたほど楽しめなかった。

刺さる人には刺さると思う。

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2025年04月09日

Posted by ブクログ

社会という匿名レイヤーと迎合せず、
自己レイヤーを研鑽し、バランスをとって「生きて」いく。

「生きる」芸術家の思考技術を記録し贈与した作品。

プラトン、カント、サルトル、
レヴィ=ストロース、デリタ、
コンセプチュアルアート、デュシャンなどの
様々な思想の香りも感じた書籍だった。

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2022年05月26日

Posted by ブクログ

路上生活者が体現する世界の在り方を称賛しながら、一方で路上生活者がいること自体が生存権が守られておらず憲法違反だと主張している。こんな感じの細かいロジカルのズレを気にせず読み進められれば、著者の世界の捉え方・動かし方に新鮮さを感じ、自分の暮らし方を見つめ直すきっかけになるような内容。私はとりあえず中古キャンピングカーの値段を検索し、なんだどこでも生きられるじゃないかとだけ思い、安心して元の日常に戻った。

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2020年10月20日

Posted by ブクログ

独立国家のつくりかた
坂口恭平が述べることの多くは、価値観のシフトに関するものだ。
だから、率直に言うと僕が彼の著作を最初に読んだ感想は
「それは単なる言葉遊びだ。本当に悩んでいる人間をこうした言葉で煙に巻くのは不誠実だ。」というものだった。
だが、前段は今でも変わらないが、後段については後に認識を改めた。
少なくとも彼は、世界に対する疑問を持ちながらオルタナティブに生きてるクリエーターであり、躁鬱病の当事者である。そうした意味で、彼がしているのは誠実な言葉遊びである。
それは確かに多くの気づきを与えてくれる

ボラティリティと摩擦への敏感さ
例えば、坂口は「ギターを持って路上で弾き語りをしたら1日で1万円稼げた。これで僕は一生飢え死にしない。」という。
それに対して「そんなボラティリティが高い生き方はいかん。稼げなくなったらどうする。」と水を差すのが大人だ。このリスク回避的姿勢は人間の本能に根ざしたものなので馬鹿にするべきではない。だが、会社勤めでもボラティリティからは解放されない。また、ボラティリティ回避のための解雇規制ゆえの矛盾で疲弊する人もいる。
ボラティリティと摩擦による疲弊に対する感度が人によって異なる。他者の感度とそれゆえに構築された制度や仕組みの体系がある。これもまた著者の言う「レイヤー」の一つだろう。

キーワード
ホームレスのダンボールハウスは「寝室」にすぎない
別のレイヤーに気づかないと、その実態がわからない。
法律も多層的だ。
生活費がゼロになれば労働に縛られることはない。自分で人生を選ぶことができる。
私人が土地を所有することは適当なのか、家賃を取るとしてももっとパブリックな主体であるべきではないか。
常識とは文句を言われないようにするおまじない。考える事をやめさせる。
基礎を打つと面積がはっきりする。登記と課税の基準になる。法隆寺には基礎がない。
社会を変える=他人の領域を侵すことではなく、レイヤーを広げる

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2019年07月31日

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