鈴木光司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
学生時代、初めて家にあったリングを何気なく読んだ。
ホラーを読むのはほぼ初めてだったが、怖がりな方でもなかったので、深く考えず手に取り、その頃マイブームだったお風呂での読書の共とした。衝撃を受けたのはいうまでもない。
ホラー漫画やホラー映画も見たりしていたけど、背筋がゾクゾクして振り返ることができなくなったのはその時が初めてだった。確か記憶では目を伏せるのが怖くて髪を洗うことができず、慌ててお風呂を出て、家族のいるリビングにいったのを覚えている。
それでも一度読んだら、自分の頭を通してしっかりと作られた想像は簡単に消えることなく、いつまでも怖かったことを覚えている。
細部まで見せられる像よりも、想像力というフィルターを通して作られる像がこんなひも怖いとは思わなかった。 -
Posted by ブクログ
6つのお話からなる短編集。
初出はいずれも文芸誌(小説新潮と別冊文藝春秋)。
「使者」と「奇跡」以外はどれもはっきりとした樹海の描写が出てきて、夜寝る前に読むにはまあまあ重すぎる感じでした。
でもなんか引き込まれて、結局結末まで読んでしまった(最後のお話だけ苦手な描写が多かったから途中離脱)。
『仄暗い水の底から』の時も思ったけど、鈴木光司さんって重い描写の中にたまにキラキラする何かを差し込んでこられるから、どんなにキラキラが小さくてもそれを手に取りたくなってしまう、そんな雰囲気があって…
結局読むのやめられなくなるよね。。
「偏在」と「娑婆」、「使者」と「奇跡」は繋がってることがはっきり分かる体裁。でも「偏在」の主人公は漂っている存在になっちゃったからかな、「使者」の中にもちらっと存在してたようにも思えました。
どのお話も重いしやりきれなさが漂っているけど、ほんの少しだけ光が見えたと感じる描写があったのが救いかな、ほんとにほんの少しだけだけど。
「報酬」で凄惨な目にあった彼が最期に見た景色がああいう形だったのがほんとに救いで、それが一晩経った今でも印象に残っています。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ全然ホラーじゃなかった…。
ホラー小説読むつもりで読んだから、戸惑いました。
『らせん』で最悪の状態まで進んでたので、ここからどう繋げるのかを期待してたのですが、良い意味でも悪い意味でも、この手があったかと感心してしまいました。
でも、SF小説と認識してからは、しっかり楽しませてもらいました。これ最後に記載されている参考文献の数からも分かる通り、かなり科学的な知見が盛り込まれていて読み応えがありました。
主人公が苛まれていた視線の件、結局、現実もさらに上位の存在の仮想空間だよ、神という存在に見られてるんだよ、という意味と解釈したのですが、それで合ってるのかなぁ。この件が他の要素に絡んでなかったように思ったので、そういうことかなぁと解釈しました。
『リング』の続きの『らせん』を書いたときもそうだと思うのですが、今回の『らせん』の続きを書くって、相当大変だったのではないでしょうか。前2作ともよくできた話だったので。
なんでここまでして続編を作ったのかなぁ。『リング』シリーズを追いかけてる読者層ってほとんどがホラーを期待してたと思うんですよね。それをジャンルを変えてまで続けたのは、作者の意向?出版社の要望?どっちなんでしょう。個人的には出版社の要望なんじゃないかと思っています。勝手な想像ですが…。
とにかく、SF小説として楽しめましたし、最後の主人公の心情を考えると胸に来るものがありました。
これってさらに続編があるんですよね。
どうなっちゃうのでしょうか。ジャンルが変わるぐらいのことがありえるシリーズなので、俄然楽しみになってきました。続きも必ず読みます。 -
Posted by ブクログ
現代Jホラー興隆の立役者・鈴木光司氏、逝去(享年68)。SNSでこの報を見た時、息が詰まってしまった。「映画『リング』がなければ、ホラーを愛好する自分はいなかったのではないだろうか」、そう言っても過言ではないくらいだ。昨年、久しぶりの長編『ユビキタス』が刊行され、これからも氏の新作を楽しみに出来るものだと思っていたが・・・もうそれは叶わない。これからは氏の遺した作品を順々に手に取っていくだけだ。
ということで、とりあえず手元にあってまだ読めていなかった本書、『アイズ』を読むことに。
「偶然にしては出来過ぎているが、心霊/怪奇現象とも言い切れない」、そんな日常と非日常の狭間にあるような恐怖を描いた短編集。(「櫓」など、明らかに心霊/怪奇現象な例外もあり。)作品のコンセプト上、因果関係をはっきりとさせない感じとなっている。それが「得も言われぬ恐怖」を感じさせるものであれば良いのだが、どの作品も「で?」と言いたくなるような不完全燃焼感の方が強く、読後の満足感はイマイチ。短編集であればどれか一編くらいは楽しめる作品があるのだが、本書に関してはどれもあまり楽しめなかった。残念ながら、これは外れ作品。
(収録作品)「鍵穴」/「クライ・アイズ」/「夜光虫」/「しるし」/「檜」/「杭打ち」/「タクシー」/「櫓」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『リング』の続編として、映画の記憶が薄い状態で初見感覚で読んだ。
前作『リング』よりもホラー要素がかなり抑えられ、ミステリー・SF寄りの印象が強くなった。
物語はリングの主人公・浅川から新たな主人公にバトンタッチする形で進む。
全てが遺伝子によって決められている、という壮大で衝撃的な設定が明かされ、世界観が一気に広がった。
ただ、前作より論理的・科学的な説明が増えたことで、少し難解に感じる部分もあった。
それでもストーリーのスケール感と謎の深まりに引き込まれ、すぐに次作『ループ』を読まなければ、という気持ちになった。
シリーズとしての繋がりと世界観の拡張が楽しめた一冊