鈴木光司のレビュー一覧
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【2024年10冊目】
ホラー小説のアンソロジー!1作目から怖くて、「どうしよう寝れない怖い」となりましたが、いろんな作家さんのホラー小説が味わえて、結果オーライでした!
1番怖かったのは、やはり「浮遊する水」でしょうか。「仄暗い水の底から」も拝読したことがあるので、多分読んでるはずなんですが、当然のように覚えてなくて、恐怖再来でした。今でもCM覚えてます、蛇口から髪の毛出てくるやつ。あれようお茶の間に向けて流してたな。
「猿祈願」もぎょっとする話で、あんまり想像しないようにして読みました。因果応報なのだろうか、でも子どもに罪はないのに…。
「影牢」はさすがの宮部みゆきさん!といった文体と、ただでは済まさないぞという結末が素晴らしかったです。本当に何読んでも外れない方ですね。
読んだことのない作家さんの話も読めて楽しかったです。でも、怖かったんで話の内容はなるべく記憶から消すようにしたいと思います! -
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ネタバレカバーイラストは濱口真央。
■綾辻行人 「再生」 (『亀裂』、『眼球綺譚』)
中高生の頃に既読。再読。
思った以上に・・・・の「・・」で笑ってしまった。
■鈴木光司 「夢の島クルーズ」 (『仄暗い水の底から』)
中高生の頃に既読。再読。
当時はすごい大人の話だと思っていたが、マルチ勧誘というしょぼさとヨットという対比が、実に大人っぽい。
またヨット好きの作者らしい描写(専門用語)もきりっとしている。
■井上雅彦 「よけいなものが」 (『怪奇幻想短編集 異形博覧会』)★
面白いアイデア。
よく会話文が連続するときに陥りがちな混乱を逆手にとって。巧み。
■福澤徹三 「五月の陥穽」 (『怪談歳時記 12か月の悪夢』)★
こ……、これは実に嫌な小説!
というのも子供の頃、こういう夢をよく見た。
天井裏の筒状の通路に入ったはいいがつっかえてしまうとか。
あるいは今も時々見ているかもしれない。
いやないやな描写だ。
純・物理的ホラー描写に、笑うしかない。
とってつけたような怨みも笑ってしまった。
■今邑彩 「鳥の巣」 (『惨劇で祝う五つの記念日 かなわぬ想い』)
正統なホラーで、巧い。
映画「・・・・・・・・」あたりを思い出すが、その公開より早い。
■岩井志麻子 「依って件の如し」 (『ぼっけえ、きょうてえ』)
最近既読。
■小池真理子 「ゾフィーの手袋」 (『異形のものたち』)
解説に森鷗外「舞姫」を彷彿とさせるとあり、なるほど。
単著としては「恋」を読んだのみで、あとは「アイロンのある風景 日本文学100年の名作」「平成怪奇小説傑作集1」や「家が呼ぶー物件ホラー傑作選」で知るだけの作家だが、かなり怪奇小説を手掛けているな。
皆川博子の推薦もあるし、この作家には手を伸ばしてみたいかも。
■澤村伊智 「学校は死の匂い」 (『などらきの首』)
最近既読。
◇解説 朝宮運河 -
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都井邦彦著「遊びの時間は終らない」とそれにちなんだ作品のアンソロジーだそうで表題作は確かに楽しかったのですが他の作品はそれほどの爽快感がありませんでした。
■心覚えのための簡単なメモ
[▽]鈴木光司「生きる時間は終わらない」/脚本家、スランプ、樹海取材、自殺者、遺留品、ラブドール。
[△]天祢涼「遊びの時間は終わっても」/炎上、特定厨、連続殺人者、モザイクアプローチ、記号化。
[△]嶋中潤「遊びの時間が凍りつく」/ロシア、宇宙開発、モスクワ、蚤の市、ブランのタイル、詐欺に引っ掛かりやすいオーラ、地下鉄駅。
[○]都井邦彦「遊びの時間は終わらない」/銀行強盗対策訓練、犯人役刑事の予定外の行動、解決できない警察の焦り、大にぎわいの吉祥寺、日本中にテレビ中継、終われない訓練。 -
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1890年に起きた「エルトゥールル号遭難事故」をベースに現代と1890年二つの時代の物語が並行して語られる海洋小説。
現代の主人公は串本のダイビングショップでインストラクターとして働く若い女性・高畑水輝。彼女のもとへトルコ人青年・ギュスカンが訪れるが、彼の祖先はエルトゥールル号遭難の際、生き残ったムスタファだった。高畑家もルーツを遡ると遭難したトルコ人たちの世話をしており、二人は数奇な運命で結びつけられていたという設定。
海底に沈んだ祖先の恩人の遺品を見つけたいギュスカンは水輝とともにダイビングするがアクシデントが起きる。
二人がアクシデントに立ち向かう様子とエルトゥールル号の遭難シーンが交互に描かれるが、それがこの小説の心臓部といえるほど力強く迫力に満ちている。というのも著者は自らヨットを所有し、豊富な航海経験を持っているからだ。
逆にいうと、そこに力点が置かれているため、ストーリーは単純で深みはない。
エルトゥールル号の日本訪問が皇族小松親王のトルコ訪問への返礼だけでなく、海軍士官学校卒業生の練習航海、イスラム教の威厳喧伝を兼ねていたという史実は勉強になった。
エルトゥールル号はトルコの国家財政の悪化で老朽化への対応ができていない上に、推進力にも乏しく、長い航海に不安が持たれていたそうだ。台風への脅威、コレラ禍もあり、乗組員のモチベーションが下がる中でも後戻りできず、起こるべくして起こった事故ともいえることがわかった。
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ネタバレ見ると死ぬと言われる「呪いの動画」。茜の勤める女子高でもその噂が流れており、どう噂の流布を食い止めるか苦心していた。同時期に黒い手形の痣を持つ不審死が複数出現し、警察は調査に乗り出すが、次第に事態はあり得ない方向に向かっていく。
「リング」で誕生した貞子はもはや伝説的。はじめに貞子が生まれ、社会現象を巻き起こした「リング」から12年の時を経て再び別の作品として映画化されるというのは本当にすごい。そして、こちらの小説はその映画のノベライズ版。さて、ビデオの時代から飛躍的に映像技術が進歩している現代が舞台のため、貞子もよりハイテクになっていた。ビデオを媒介として呪いの動画を拡散していた時が懐かしい。今日はネット時代。動画配信サイトを利用して呪いを拡散する貞子。(もちろん、貞子がパソコンを繰って呪いの動画を拡散するわけではないが)うまく自分の怨念に共鳴する人物を探し出しその人間を操って呪いを拡散する。何のために、というのはネタバレになるので割愛するが、読み進めていくと明るみになる貞子目的にニヤリ。というか尋常じゃない執念に感服する。さすが、とある意味で彼女を称えたい。しかし、映画版貞子は原作版貞子よりも悲劇性を含んだ人生を歩んでいるため、そこまでして世界を呪い続けたいというのは納得できる。 貞子3D2に続けるためか、尾を引くような不穏さを残して終了。続けて2を読もうと思うが、こちらはどのような結末を迎えるのか、今から楽しみである。 -
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「鋼鉄の叫び」鈴木光司
ヒューマンドラマ。彩度の高い光景。
すこしSFが入る日本軍兵士物語かと思っていたら、あにはからんや骨太のヒューマンドラマでした。
登場人物ひとりひとりが、濃いなあ。
なぜ、この物語が描かれなければならなかったのか、についてはかなり気になりながら読んでいました。
鈴木光司がこうしたえげつないほどに男女のエゴを書き出していることも他作に比べて特筆だし、最終的な結末が選択して選んだ愛、という点も、読む人によっては嫌悪感を覚える向きもあろうかと思う。
何が鈴木光司をそれに駆り立てたのか、これを読まれることで何を読者に感じられると思ったのか?
ただし、少なくとも、鮮烈な生への渇望、という、いつものモチーフは一貫されていて、読んだ印象は安定していました。
果たして、このあと社会に対して男たちは何を影響することができたのか?気になる終わりかたです。(3)