泉鏡花のレビュー一覧

  • 龍潭譚/白鬼女物語

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    今時珍しい新版の文語体の作品が入っていて飛びついて呼んでいます。
    華麗な漢字を多用した鏡花の霊幻な怪異作品は読んでも素晴らしく、そしてその音楽的表現が頭の中でも音声としても心地よい。そしてもっと言うなら書き様がとてもビジュアルです。細かな描写が多く読み終えると映像で見たような気がするほど。今途中だがまだまだ楽しませてもらいます。

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    2025年12月13日
  • 文豪死す

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    表紙や作者の紹介ページで使われるイラストがとても美しい。適度に服装、髪型は本人の雰囲気を残しつつ、完璧に美化されていてイラストレーターの腕の良さにたまげる。

    文豪たちの最後の作品を集めた本で、まとめて読むとその文豪らしさがよく感じられて良い。
    芥川の「歯車」 私も偏頭痛持ちだからこの現象(閃輝暗点)よくわかる!と共感するとともに、精神病になりやすい家系の人なんじゃないかと邪推してしまった。

    太宰の「グッド・バイ」 女性関係の華やかな作者の理想の別れ方を描こうとして、結末までいかなかったのは収集つかなかったのかな、と思った。

    梶井「のんきな患者」 若い頃から結核を患ってたから、今回の主人公

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    2025年11月30日
  • 高野聖

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    泉鏡花の『外科室』に魅力を感じ、それならばと『高野聖』も手に取ってみました。
    こちらも面白い。
    原文・文語体ですが、読みにくさが却って一層話を怪しくしています。
    ミステリーではないですが読み終えてから、思わず読み返しました。

    旅先で出会った、二人の僧侶が、道中暇なればと世間話を交わします。
    昼に開いた弁当をきっかけにやあやあと行先を伴にします。一晩宿に泊まり、片方の旅僧が話を始めます。

     飛騨から信州へ。山を超えようと、途中分かれ道に当たる。先を歩く薬売りが旧道を選び「こちらが正しい」というも、どうにも怪しい廃れた様子。そのまま別れてもよかったが、やはり気になり追いかけます。途中に蛇は出る

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    2025年11月16日
  • 乙女の本棚9 外科室

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    2025/10/28
    p.43
     その声、その呼吸、その姿、その声、その呼吸、その姿。伯爵夫人は嬉しげに、いとあどけなき微笑を含みて高峰の手より手をはなし、ばつたり、枕に伏すとぞ見えし、唇の色変りたり。
     その時の二人が状、あたかも二人の身辺には、天なく、地なく、社会なく、全く人なきが如くなりし。

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    2025年10月28日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    豪華すぎやろがい。この一冊でいろんな文豪の文章に触れられて楽しかった〜!百年ぶりに読んだ谷崎潤一郎が良すぎて大興奮。そしてはじめて読んだ泉鏡花が激ムズすぎてひっくり返った。文章が独特でわけわからんくなりながら、描写がきれいなことだけは伝わってくるのが不思議でなおさらわけわからんくなっていたような。いや、でも、でも、やっぱり江戸川乱歩すきですァ〜!しかも「芋虫」って。何回読んでもウワァ…ってなる。たまらない。

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    2025年08月12日
  • 乙女の本棚9 外科室

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    おたがいにひとめぼれだったのに、両思いだと気づかなかったがための悲しい結末。麻酔をして、うわごとをいうのがやだ、意中のひとのことを口走るかもしれない。わたし気持ちわかるよ。乙女のこころは、とても透明で純粋だから、グロテスクなんだ。医者は、彼女の意中の人という人が、自分だと気づかなかったのだろう。自分がまさか想われてるなんて、と。彼女、最期は、好きな人の手で死にたかったんだよな、だって愛よりももっと深い感情がそこにあるから。

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    2025年08月04日
  • 日本橋

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    言葉のひとつ一つを必死に受け止めて頭が痛くなります
    そこが気持ちよくて中毒になります
    鏡花の作品は戯曲もあり舞台にかけられると
    その言葉が立ち上がります
    机の上でそれを想像できる偉大な作家だと感じます

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    2025年01月12日
  • 高野聖

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    美しい文章と精緻なストーリー、独特な世界観と人間観、後の文豪たちが鏡花を崇拝する理由がわかりました。文語体で読むのは骨が折れましたが、それをする価値がありました。

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    2024年12月27日
  • 乙女の本棚9 外科室

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    ずっと大好きな話です!
    難点は時代が古く日本語が難しいところ、初めはなんにも理解できなかった笑、何度も読んで少しずつ理解が追いてきたときは美しい話だと感動した、私的には内容はわかっていても何度でも読みたくなる話のひとつ。

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    2024年12月09日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    とても良い!!!!!!!
    読んだことあるやつもあったけど、乱歩の芋虫、坂口安吾の桜の森の満開の下、太宰治の駆込み訴え、辺りが気になっていたので読めてよかった。

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    2024年10月01日
  • 乙女の本棚9 外科室

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    絵だけの評価。内容は何となく理解するも意味が?ストーリーは分かるが理解できない??流れはわかるが文章がわからない?今なんで夫人の気持ちも外科医の執刀も分かるのに、理解できてないと思うのかわからない状態におちいっている。
    難しい文章に惑わされているのか、内容を理解したつもりでいて本当はもっと深い内容なのか??レビューみて理解したつもりになっているのか。
    昨日、ドラマの番宣で出演した芦田愛菜さんと西島秀俊さんのバラエティー番組で芦田愛菜さんのお店に電話交渉しているのを観て受け答えや店員の気遣い、すごくハッキリと最後をにごすことなく話す姿を観て大人顔負けの発言や教養が溢れ出ている日本の誇る令和の女優

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    2024年03月31日
  • 乙女の本棚9 外科室

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    好きなイラストレーターさんだったので購入。泉鏡花先生の作品はあまり買わなかったけど、外科室は凄く好みな内容だったので迷わず買い物かごに入れました。全巻揃えたいけど、私の給料ではなかなか手を出せないから、紙の本で揃えられなかったら電子書籍で買おうとも思っています。乙女の本棚のファンとしては、紙の本で揃えたいのが本音。これからも応援しています。

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    2024年03月20日
  • 夜叉ヶ池(乙女の本棚)

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    夜叉ヶ池には龍神が封じ込められている。自由を求める龍神は、遠い昔に人と約定を交わした。麓の鐘を必ず日に三度、撞き鳴らすこと。一度でも忘れたら、夜叉ヶ池から津波が起こり、村も里も水底に沈むであろう。

    文学士で僧の山沢学円は越前琴弾谷で旧友の萩原晃に再会する。晃は、妻の百合と共に鐘楼守をしていた。
    夜叉ヶ池の主•白雪は、白山千蛇ヶ池の主が思い人で、会いたくてたまらない。

    "義理も仁義も心得て、長生きしたくば勝手におし。…生命のために恋は棄てない"

    しかし、家を留守にした晃を慕い歌う百合の子守唄を聞いて約定を思い出す。
    折しも旱魃続きの夏。村の人々は、夜叉ヶ池の雨乞いに、村

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    2024年03月09日
  • 日本橋

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    巡査がやたらに (良い意味で) キザすぎて、鳥肌がたつ。「同じく妻。」と書いた職質手帳の一ページを破りとってお孝に渡す場面とか、ゆりかもめで読みながら一人で鳥肌ぶわーってなった。残念なのはゆりかもめの始発が新橋で、最近まで日本橋と新橋をごっちゃにしていた自分のいい加減さ。
    しかしあれはどこの方言なのか、どうでもよいがとても気になった。西日本だろうということしかわからん。少なくとも作者の出身地である北陸の言葉ではなかった。

    泉鏡花の作品は本当に「序盤の」敷居が高い。大概の小説は、何となしに読んでいても表層だけは少なくとも理解できるのに、泉鏡花の作品は表層すら理解できない。何度同じところを読み返

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    2023年12月29日
  • 高野聖

    購入済み

    初めて

    初めて、筆者の作品をまともに読んだ。とても面白く、今まで読まなかったことを悔やむと同時に、独特のリズム、語り口調、構成の匠を理解するにはそれなりの人生経験が必要なのかもとも思った。

    #ドキドキハラハラ

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    2023年08月21日
  • 乙女の本棚9 外科室

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    「でも、貴下は、貴下は、私を知りますまい!」
    「忘れません」

    主人公である「私」は友人の髙峰医師の手術の様子を見学することになる。そこで彼が目にしたものは……

    あなたはこの結末をどう捉える?

    小説としても画集としても楽しめる「乙女の本棚」シリーズ

    純愛ですね

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    2023年08月10日
  • 歌行燈・高野聖

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    ネタバレ

    高野聖だけ完読。5月の感想会。あれ?最近読んだドグラ・マグラと雰囲気が似ていた!と思う。さらに現代文ではないので読みにくさもあった。男は東京から敦賀に向かう電車で僧と知り合い、僧は若い頃の飛騨の山を旅した体験を話す。若い僧は、信州・松本へ向う道で怖ろしい蛇に出くわし、気味悪い山蛭の降ってくる森をなんとか切り抜けた。そこで妖しい美女の住む家に着く。その家には肥った少年もいた。僧の汚れた体を女が全裸になって奇麗にし、癒してくれる。そこから一気にクライマックス!この森にいる動物というのは実は。。。怖いお話し!⑤

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    2023年05月07日
  • 高野聖

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    ネタバレ

    目次
    ・義血侠血
    ・夜行巡査
    ・外科室
    ・高野聖
    ・眉かくしの霊

    泉鏡花の代表的な作品が収録されていますが、どれも初読みです。
    泉鏡花といえば耽美的な作品(「高野聖」「眉かくしの霊」が有名ですが、どちらかというと私は思いがけない純情がほとばしる「義血侠血」や「外科室」が好みでした。
    永井荷風が好きそう。

    「外科室」は読んだことがなくてもどんな作品か、ということは知っていました。
    手術の麻酔で朦朧としたまま秘密を口走ることを恐れて、麻酔を拒否する貴族の女性。
    この設定で想像していたのは、医師や看護師の白衣や、手術台の上に灯されている無影灯、血の気の失せた青白い患者の顔など、白く冷たい光景。

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    2023年04月28日
  • 文豪怪奇コレクション 耽美と憧憬の泉鏡花 〈小説篇〉

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    怖かったです。
    これまで鏡花を読む時は、悲しくて悔しくてしゃくりあげるほど泣いたり、気持ち悪すぎて読むのをやめたりすることもありましたが、これはそういうものだ、と腹をくくって距離をとって読んだので読めました。高野聖読める人すごいよな。私まだ無理かも。
    狸が子供を化かすくだりと蟹が美味しい話が可愛らしくて好き。
    一目惚れで惚れ抜くのもよいですが、時間をかけて愛しくなる夫婦もよいですね。
    そして幽霊はやっぱり女の人でなくちゃ。
    呪いも恨みも女のものです。
    そして恐怖に叫ぶのは男なればこそ、現実世界の強い者と弱い者の立場が逆転する、という爽快感があると思う。
    ホラー映画ってなんで女の子が叫ぶんでしょ

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    2022年12月26日
  • 乙女の本棚9 外科室

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    この作品は好きなため手に取った。テキストはあまり状況説明するタイプの文章では無いため、テキストに忠実なイラストよりもイラスト単体で表現する情報が増えているタイプになっている。それ込みで楽しめる。

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    2022年11月29日