泉鏡花のレビュー一覧

  • 絵本の春

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    ネタバレ

    怪奇幻想ホラーは古典の方が怖いと改めて実感する。屋敷町の荒れ果てた裏小路、十歳くらいの「私」が土塀の一ヶ所にくっついて庭の中を覗いていた。占い師をしている小母さんがやってきて、恐ろしい伝説を聞かせてくれた。「あの組屋敷の侍が巳巳巳巳、巳の年月の揃った若い女の生肝で治るというので、侍は人買いから若い女を手に入れ、雨戸をまな板代わりに、女の裸を鎹で打ちつけ、真っ白な腹をずぶずぶと割く。そして蛇は美女に化け、洪水を起こしたのだ。」すべては蛇の怨念だった。口語体ゆえに怖さが倍増した。④

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    2024年04月13日
  • 外科室・天守物語(新潮文庫)

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    抒情的な言葉の並びがリズミカルで流麗
    独り言のような語り口調が笑いを誘うところもある
    赤蜻蛉の唄が印象的で刹那
    怪異な物語の情景がありありと浮かぶ

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    2023年11月30日
  • おばけずき 鏡花怪異小品集

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    『言葉に艶(つや)がある』
    これに尽きます。

    短編やエッセイなど、小品を集めたアンソロジーですがどれもが美しく幻想的。"湿っぽい不気味さ"が味わえるのが日本ならではの怪談の特徴なのでしょう。今では滅多に使わない語句も多いのですが、きちんとルビが振ってあるので入門編としてもお薦めです。
    人間の抱える深い闇。それが古語を交えた流れるように鮮やかな文体で語られると、色も匂いも、そして肌触りまで伝わってくるように感じられ、中毒性が高いこと請け合いです。

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    2023年09月25日
  • おばけずき

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    『言葉に艶(つや)がある』
    これに尽きます。

    短編やエッセイなど、小品を集めたアンソロジーですがどれもが美しく幻想的。"湿っぽい不気味さ"が味わえるのが日本ならではの怪談の特徴なのでしょう。今では滅多に使わない語句も多いのですが、きちんとルビが振ってあるので入門編としてもお薦めです。
    人間の抱える深い闇。それが古語を交えた流れるように鮮やかな文体で語られると、色も匂いも、そして肌触りまで伝わってくるように感じられ、中毒性が高いこと請け合いです。

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    2023年09月25日
  • 龍潭譚/白鬼女物語

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     本年2023年は泉鏡花の生誕150年とのこと。ちくま文庫の種村季弘編『泉鏡花集成』が品切れになって久しく、『高野聖』等の代表作を除いては、文庫本で手軽に読むことが難しくなっていたが、近年、アンソロジスト東雅夫氏により鏡花の必ずしも有名でない作品まで読むことができるようになり、嬉しい限り。
     本書は、生誕150年に合わせて、鏡花作品を特色づける<幻想と怪奇>の物語を、膨大な小品群の中から新たに拾い蒐めることを編纂の眼目としたとのことで、初めて読む作品が多く、大変ありがたい。

     解説でも引用されているが、鏡花の魅力を伝えるには三島由紀夫の評が何よりであろう。「日本語のもっとも奔放な、もっとも高い可能性を開拓し、講談や人情話などの民衆の話法を採用しながら、海のように豊富な語彙で金石の文を成し、高度な神秘主義と象徴主義の密林へほとんど素手で分け入った」
     本書には、あたかも異界のような世界で、魅力ある女に巡り会う少年を描いた「龍潭譚」を始め、隠れ里幻想や魔界の女を描いた作品などが収められている。

     ついつい文章の流れや語彙の気持ち良さに紛れて、ときどき何を語っているのか意味が分からなくなってしまうこともあるが、そこがまた鏡花の魅力かと思われる。大体の作品にルビが付いているので、今となっては使われない漢字や単語でもよどみなく読むことができる。

     鏡花メモリアルイアーの記念として、お勧めしたい一冊です。

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    2023年09月13日
  • 歌行燈・高野聖

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    高野聖と歌行燈。
    文語体が拙者には難しかった。しかし、この唯一無二の文体は、文語体でしか表せない。読後、持っていた文庫本が少し重くなった気がした。

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    2023年08月21日
  • 夜叉ヶ池(乙女の本棚)

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     乙女の本棚シリーズから、泉鏡花さんとしきみさんのコラボ作品「夜叉ヶ池」です。しきみさんのイラストは、「夜叉ヶ池」らしく青緑を基調としたもので雰囲気出てます。が…戯曲??何??しかも、今回も難しい…ってところから(^-^;)

     竜神が住むといわれる夜叉ヶ池。1日3回鐘を撞かなければ、池から津波が起こり、村は水の底に沈んでしまうという言い伝えがあった…それを守るのが萩原晃・百合夫婦だった。一方その言い伝えがあるために剣ヶ峰に行けない夜叉ケ池に住む白雪姫…この2つの恋の行方を戯曲で表現しているのがこの作品…でいいかな(汗)。

     ラストがまた息をのむ展開で…さすが泉鏡花さんです!!難しい…読めるかなぁ…と思わせておいて、気が付くとこの世界に引きずり込まれてしまったような…そんな感じなんです。深い深い作品でした。

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    2023年07月27日
  • 乙女の本棚9 外科室

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    あらすじは聞いたことがあったけど、読むのは初めて。古典が苦手な私にはハードル高いかぁ…とか思ってましたが読み出したら意外といけました。
    挿絵も美しいし、全方位におすすめします!

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    2023年07月20日
  • 乙女の本棚9 外科室

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    ネタバレ

     乙女の本棚シリーズから、泉鏡花さんとホノジロトヲジさんのコラボ作品「外科室」です。イラストは前に息子がこの表紙が好きと言った、ホノジロトヲジさん…これは期待大っ!!でも、読み始めてすぐに、あれ?難しいじゃない(;・∀・)!ハードルがめっちゃ高め…目が点になっちゃったけど、とにかく読んでみよう!!

     ストーリーは、伯爵夫人の手術を外科医の高峰が担当することになり、術前準備を勧める中、うわごとを他人に聞かれたくないので麻酔はされたくないと伯爵夫人が拒否することからはじまる…。どんな説得にも応じず頑なまでに麻酔を拒否する夫人…それならば、と覚悟を決めた高峰は麻酔をせずに手術を決行するが、夫人は最期の力をふり絞って高峰に向けて「でも、貴下は、貴下は、私を知りますまい!」と…。それを受けて高峰は「忘れません」と…。なんとまぁ…すごい展開!ふたりは、9年前に偶然知り合っていて今まで秘めた思いを口にお互いがしたことがなかった…。

     あぁ…完全にネタばれしてます(^-^;)でも、こんな解釈でいいのか…それにも自信が持てないのです…。何しろ普通に読めず難しくって…でも、なんとか読んでみて、自分なりに理解できて、あまりのドラマチックな展開に泉鏡花さん、スゴイやって思いました!ホノジロトヲジさんのイラストも神秘的に感じられました。

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    2023年07月16日
  • 夜叉ヶ池(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    幻惑幻想。
    浮世離れした幻想に片足をいれたような夫婦と、下界といっていい現実世界に蠢く村人や権力者。
    それに夜叉ヶ池の幻想そのものの住人たち。
    この世ならざる夜叉ヶ池の住人たちとは直接関係はなく話が進むが、最後には幻想幻惑がすべてを飲み込む。
    池の堰が切れたように。
    さすが、泉鏡花先生。戯曲では天守物語が名高いけれど、それと比べても幻想の度合いと、美しさが際立つ。

    冒頭の場面描写に「水辺の菖蒲」があったけれど、「妖剣紀聞」で菖蒲を好んでいた旨が書かれていたので、あわせて読むと、水辺の描写の美しさ・菖蒲の描くことへのこだわりがわかる…かも?

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    2023年05月15日
  • 乙女の本棚9 外科室

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    ネタバレ

    はじめて泉鏡花作品を読んだけど、読みづらい。自分の不勉強を思い知った。それでもなんとか読んだ。絵の力。真の美の人に出会ってみたい。或いはわたしがそうなりたい。

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    2023年04月27日
  • 絵本の春

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    ★新坊や、可恐い処だ、あすこは可恐い処だよ。
     絵が凄い。それだけでも持っておきたくなる。
     あやしい小路があり逢魔が時なは貸本屋の札が貼られているのが見えたりするのだが占いをやってる小母さんは一度死んで甦ったことがあり身体も大きくなかば魔に近い存在なので平気でそのせいか少年だった頃の「私」もなんとなく親しみを感じていたりしてひっそりと覗いてみたりするのだった。

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    2023年04月26日
  • 文豪怪奇コレクション 耽美と憧憬の泉鏡花 〈小説篇〉

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    文庫化されていない作品を本の形で読めるのはよかったが、注釈がないスタイルはよくないのではないかと思いました。鏡花好きな人だとしても、全部の単語がわかっているわけでもないだろうし、鏡花はじめあの時代の本・文化は初めて手に取りますといった人にはだいぶ分かりづらい本になっている。

    作品の内容自体は、鳥肌が立つような怖い話から、ゾワゾワ不気味な話までより取り見取りで、美しさより怖さが勝る鏡花集として新鮮でした。

    収録作品は、
    ・高桟敷
    ・浅茅生
    ・幻往来
    ・紫障子
    ・尼ヶ紅
    ・菊あわせ
    ・霰ふる
    ・甲乙
    ・黒壁
    ・遺稿
    ・幼い頃の記憶

    タイトルからして美しいものも多いですね。特に好きだったのは、
    『高桟敷』:ホラーのビジュアル全面出し
    『幻往来』:医学生の話…こわい…
    『尼ヶ紅』:蝮…殺して飲むから…イケメンっぽいけど…
    『霰ふる』:可愛いし、美しい
    『黒壁』:こういう文体の鏡花、久しぶりに見ました。美少年じゃないと成り立ちません
    『幼い頃の記憶』好き…
    「私は、その時、その光景や、女の姿など、ハッキリとした記憶をまざまざと目に浮べて見ながら、それが本当にあったことか、また、生れぬ先にでも見たことか、或は幼い時分に見た夢を、何かの拍子に偶と思い出したのか、どうにも判断が付かなかった。今でも矢張り分らない。或は夢かも知れぬ。けれども、私は実際に見たような気がしている。その場の光景でも、その女の姿でも、実際に見た記憶のように、ハッキリと今でも目に見えるから本当だと思っている。
     夢に見たのか、生れぬ前に見たのか、或は本当に見たのか、若し、人間に前世の約束と云うようなことがあり、仏説などに云う深い因縁があるものなれば、私は、その女と切るに切り難い何等かの因縁の下に生れて来たような気がする。
     それで、道を歩いていても、偶と私の記憶に残ったそう云う姿、そう云う顔立ちの女を見ると、若しや、と思って胸を躍らすことがある。
     若し、その女を本当に私が見たものとすれば、私は十年後か、二十年後か、それは分らないけれども、兎とに角かくその女にもう一度、何所かで会うような気がしている。確かに会えると信じている。」

    本短編集に収録されている作品のいくつもで、二人組の女性たちが出てきたけれど、最後にこのエッセイを読んで、そういうことなのだと繋がりました。この配置はよい笑

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    2023年02月12日
  • 乙女の本棚9 外科室

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    江戸川乱歩とか谷崎潤一郎にくらべて文体が古くて読むのに少し苦戦したけど、短編なのですぐ読めた。

    なんというか言葉選びがすごく綺麗で繊細。また読んで自分の文章の参考にもしたい

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    2022年10月03日
  • 歌行燈・高野聖

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    初めての泉鏡花、めちゃくちゃ良かったです。全体的に構成力が凄いと感じました。高野聖は語りが多層化していて、読み進めて気がついたら幻想世界に踏み込んでいます。また、歌行燈では複数ある物語が、少しずつ重なっていき、最後のシーンで一体になる構成は読み進める手が止まらなくなるほど面白いです。文語体や時代背景の知識はあるに越したことはないですが、最初に軽くあらすじをなぞっておくだけでかなり読みやすくなりました。個人的には歌行燈の鼓を取り出すシーンが震えるほどカッコよかったのと、売色鴨南蛮のラストの衝撃がハイライトです。

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    2021年12月06日
  • 乙女の本棚9 外科室

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    星4.5
    文章はとても綺麗だと思うが
    慣れるのに少し手こずった

    それでも伯爵夫人の壮絶な決意と秘めた思いは痛いほど伝わった
    一瞬の2人だけの世界も

    「絵本」を上手く使った色やページの使い方、そして絵もとても素晴らしい
    読む時はこの本で読んで欲しいです

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    2021年11月28日
  • 乙女の本棚9 外科室

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    すっかりお気に入りになった乙女の本棚シリーズ。
    ずっと読んでみたいと思っては、文章が難解で挫折して…を繰り返してた泉鏡花作品。
    それが魅力溢れるイラストと一緒だとこんなにもするする読めるようになるとは。文字フォントも組み方もとても工夫が凝らされていて、印象深いセリフがいっそう際立つようになっている。

    重篤な病を抱えた伯爵夫人は、うわ言を話してしまうのが嫌だからと手術直前で麻酔を拒否する。誰にも聞かれたくない秘密があるのだと、断固として譲らない様子に、困り果てる夫や腰元。
    執刀医・高峰が、そこまで言うならとメスを取り胸を割き、刃が骨にまで届かんとするとき、夫人は「あ。」と声を上げた。

    もう、そこからの展開がロマンチックなのなんなのって!
    伯爵夫人と高峰は、お互いが9年前に街ですれちがい一目惚れしあった者同士だと、そこで、外科室で気がついたのだ。彼女の秘密はこれだったのだ。この時代ではきっと絶対に口にしてはならない罪深い想い。

    「でも、貴方は、貴方は、私を知りますまい!」という叫びの、それを受けて後につづける高峰の「忘れません。」という一言がもうね。
    自分だけが一目惚れしたのだと思いながら、ずっと想い続けてきた相手が、なんと同じように自分に一目惚れしていて、それを「忘れません。」だなんて。死の間際にして初めて想いが通じ合ったのね。
    ロマンチックに魂を売った私としてはたまらない憧れのシチュエーションだわ。

    文章は相変わらず難解な言い回しも多かったのだけれど、それすら気にならないほど幻想的な世界に入り込んでしまった。
    乙女の本棚シリーズ、泉鏡花作品もっともっとおかわりお願いします……!

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    2021年10月22日
  • 乙女の本棚9 外科室

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    「でも、貴下は、貴下は、私を知りますまい!」すごく印象深い台詞です。
    いくらか話は省略されてるかと思います。(違ってたら申し訳ありません)
    理解がなかなかできない場面もありましたが、普通にこの本を読んでみたいでと思いました(^-^)
    当時の様子が知れるのでこういった物語は本当に面白い。イラストも美麗で満足です(*^^*)

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    2021年03月16日
  • 歌行燈・高野聖

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    以前、高野聖を読んだことがある。
    それ以外には、三尺角。
    それくらいのお付き合いしかない文豪。

    高野聖は、蛭の林や山家でのことは記憶に残っていたが…。
    こんなに本編に入るまでの語りが長かったっけ?
    まずここに驚いた。

    そう考えてみれば、どれも独特な語りのリズムを持つ。
    たらたらと雫が滴るように文が続き、終わったのか、続くのか、定かではない。
    古語なのか、方言なのか、見知らぬ言い回しは、逝って戻らぬ過去の世を思わせる。

    何か、江戸の建物にランプが置いてあるような、江戸のにおいがする明治の町中に迷い込んだ感じがする。
    そうして、語りに導かれ、町の路地をそこここと、どこへ向かっているかわからない気持ちで歩いていると、急転直下、思いがけないところにやってくる。
    表からは隠されている住人の生活の秘密を見てしまったかのような感覚に襲われる。

    吉田精一解説、三好行雄注。
    戦後直後の注釈とすれば、今はもう少し丁寧な注も出ているのかな?

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    2020年07月26日
  • 絵草紙 月夜遊女

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    鏡花読み慣れてるけどちょっと時系列わかんなくなる時あった。人間の弱い部分、怖いもの見たさ、そして純粋さ。最後は、試されていたのは誰か?というお話。

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    2018年05月13日