泉鏡花のレビュー一覧

  • 泉鏡花 現代語訳集 別巻1 外科室・夜行巡査、他4編
    オリジナルの文章はちょっと難しいのでこういう現代語訳はとてもいいですね!泉鏡花の素晴らしい世界が読みやすくて嬉しいです!
  • 乙女の本棚 女生徒
    美しい文章に今井キラの繊細な絵がぴったりで、この先ずっと本棚に並べておこうと思った。原作となった有明淑の感性には厭というほど共感を覚えた。文章越しに垣間見える彼女には憧れずにはいられない。
  • 乙女の本棚3 葉桜と魔笛
    『名作は、かわいい。』という帯のキャッチコピーに違わず、とても可愛い、甘酸っぱい話でした。太宰治独特の、胸がきゅっとなるような話に、美しくて可愛い挿絵を付けることによって、よりこのお話が引き立つ気がします。とても良い本でした。
  • 化鳥・三尺角 他六篇
    ずっと愛読していたのに未登録だったので。いまは「泉鏡花集成」を読んでいるが、その前は(いや、もしかしたらいまでも)鏡花作品の中で1冊しか持てないならこの本と決めていた。『化鳥』の生物観、『三尺角』や『木霊』の幽幻と悲しみと神秘、『清心庵』にあらわれる一種の納得と驚き、『第二蒟蒻本』のせつないいとしさ...続きを読む
  • 乙女の本棚2 猫町
    異世界に行って、帰って来たような気がする。
    おもしろかった。
    いけないお薬はいけないと思います。
    散歩しよって思いました。

    以前仕事帰りのいつもの道で大きな山に見える雲が正面にあって方向感覚がおかしくなったり知らない場所に来たみたいな心細さと焦りを感じたことを思い出した。

    初めて読んだ乙女の本棚...続きを読む
  • 乙女の本棚4 檸檬
    一目惚れして購入した、乙女の本棚の「檸檬」。暗闇に浮かぶ清冽なレモンイエローと温かみのあるオレンジ色を基調とした絵が、梶井基次郎の作品の世界観ととても合っていて素敵。ただ、ラストの爆破シーンの得意げな表情と飛び散る本にはどうしても笑ってしまう。
  • 乙女の本棚 女生徒
    ゾクゾクしていた。
    あんまり素晴らしいから。

    視覚の効果が大きいと思う。
    よくこんな文句のつけられないようなものが出来上がったなって。

    が、
    原作を知らないまま読んだため、
    今から原作読んでも、この絵を知らなかったときには戻れない。
    たぶんイメージは先行してしまうだろうなって。
    先に読んでおきた...続きを読む
  • 乙女の本棚6 瓶詰地獄
    夢野久作さんがすき!
    ホノジロトヲジさんのイラストも好き!
    な、私にとってこんなにも嬉しい本はないです。
    ありがとうございます…!!



    挿絵は20枚ほど収録されていて、全て描き下ろしです。
    見開きページの迫力、美しさは息を呑むほど…。
    各ページによって文字や紙の色に違いがあって、ページをめくる...続きを読む
  • 高野聖
    これは……なんで今まで読まずにいたのだろう。
    こんな幻想的な小説を書く人が、ずっと昔に存在していたんだ。
    素晴らしすぎて、言葉にならない。
    美しい文章に流れるようなペースで読んでしまった。
  • 歌行燈・高野聖
    瞼(まぶた)に颯(さっ)と薄紅(うすくれない)。

    CMのコピーのような文章がさらっと出てくる。でも嫌味でなく自然。自由自在な言葉使いにノックアウトされました。天才肌の人なんでしょう。カメラのカット割を考えたかのような場面の切り替わりが印象的。
  • 歌行燈・高野聖
    個性的な温泉の気分です。一回漬かって気持ちいいと、何度でも漬かりたくなる。
    独特の言葉遣いと節回し。これは、洋楽のウタ物を、言葉の意味だけではなくて、音やリズムでも愉しむ感覚に似ています。の、ような気がします。
    一方で。
    成程、こういう日本語の使い方は、確実に江戸時代や中世からの日本語を、現代に架け...続きを読む
  • 化鳥・三尺角 他六篇
    やっぱり鏡花の書くお化けは佳い。美人だし可愛い。

    人が鳥や魚に見えるあどげない少年の一人称の表題作「化鳥」を筆頭に、切り出された材木から立ち上る凄まじい幻想の「三尺角」、物の怪が跳躍しひたすら赤のイメージが綴られる「朱日記」、しっぽりと恐ろしい「第二菎蒻本」「木霊」、狂乱かつ艶なら「茸の舞姫」、そ...続きを読む
  • 歌行燈・高野聖
    『歌行燈』が素晴らしい。
    解説にもある通り、映画的であり能楽的。2つのストーリーを同時展開しながら、徐々に急迫な調を帯びつつ、クライマックスに向けてストーリーを統合しながら盛り上げていく、その演出力とリズム感。
    文章自体のリズム感、というか詩的表現力(言葉遣い)も素晴らしい。
    一言でいえば、センスが...続きを読む
  • 歌行燈・高野聖
    折々再読します。あらすじを知っていても読みたくなるのは、幻想世界への誘いが強烈だからでしょう。イマジネーションに身を委ねると、ひりつく暑さの中での匂い立つような淫蕩さが五感を刺激します。これぞエロチズムです。
  • 歌行燈・高野聖
    この新潮社版収められている全ての短編がすばらしい。ことに「女客」が好き。舞台は家の2階。明治時代。お互いに我が身の不運を感じながらも生きている書生と、乳飲み子を抱えた親戚の女。火ばちで手をあぶりながら身の上話をするふたり。階下の子の泣き声にはっと現実に帰る。
  • おばけずき 鏡花怪異小品集
    初泉鏡花デス。たまたま手にしたのが初心者向けの小品集だったので、耳慣れない言葉も何とかついていくことができた…のかな?という感じです。とにかく言葉が綺麗。難しいけどテンポ良く、ユーモアがあってもっと色々と読んでみたくなりました。特に関東大震災の三部作、被災体験記は今も参考にしたいところがちらほらでし...続きを読む
  • おばけずき
    初泉鏡花デス。たまたま手にしたのが初心者向けの小品集だったので、耳慣れない言葉も何とかついていくことができた…のかな?という感じです。とにかく言葉が綺麗。難しいけどテンポ良く、ユーモアがあってもっと色々と読んでみたくなりました。特に関東大震災の三部作、被災体験記は今も参考にしたいところがちらほらでし...続きを読む
  • 歌行燈・高野聖
    NHKのテレビ番組のJブンガクを見ています。
    2010年の8月に 高野聖を紹介していたので読み直しました。

    日の光を遮って昼もなお暗い大木が切々に1つ一つ蛭になって了(しま)うのに相違ないと,いや,全くの事で。

    というくだりを

    Each of the trees here, any of th...続きを読む
  • 歌行燈・高野聖
    『高野聖』の官能的な描写は素晴らしいと感じた。ただ単に肉体の官能を文章にするような局部的な官能ではなく、文章全体の流れから官能を呼び起こす総体的な官能であり、幻想的という言葉がよく合う小説であると感じた。

    『歌行燈』は、泉鏡花が芸術に対して持っている愛のようなものさえ感じる小説。装飾品の美しい描写...続きを読む
  • 歌行燈・高野聖
    さすがとしか言いようのない筆力。

    「歌行燈」は鏡花の芸能への知識の豊富さと、その知識を作品に散りばめる巧みさが際立つ一作です。
    プロットが些か複雑ですが、「草迷宮」よりはましかと。

    「高野聖」は言うまでもなく、傑作。森のシーンの迫力ある描写が個人的に好きです。謎を残したまま寸断されたように終わる...続きを読む