泉鏡花のレビュー一覧

  • 化鳥・三尺角 他六篇

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    久々に鏡花の短編小説集。
    ちくま文庫版「集成」を持っているので重複は多いが、楽しめた。
    ちくま文庫「集成」は見開き左ページの左端に脚注がついており、難しい(時代の古い)語句をぱっと見られて便利だったが、そこに載っていない語句も多くて、完全に親切とは言えなかった。この岩波文庫のは、巻末に脚注を並べてあるタイプで、いちいちずっと後ろの方をめくるのは面倒なのだが、かなり親切に語句を解説しており、鏡花の江戸趣味による昔の髪の結い方とかもよくわかった。

    冒頭の「化鳥」には、鏡花初期の他の短編小説にもよく現れていた強いマザコン傾向が露出している。「お母様」とやたらに甘える坊やがえがかれ、それが奇妙な神話

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    2014年01月13日
  • 歌行燈・高野聖

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    泉鏡花の高野聖、歌行燈など5つの短編を収録しています。ここに収録されている作品群も鏡花の持つミステリアスさとエロティシズムにあふれています。また、鏡花の作品はどれも文章を読むというよりも映像を見ているような錯覚に陥ることがあります。特に上記2作品は鏡花の作品の中でも特に有名なもので、どちらも映画化までされています。この短篇集の中では"高野聖"と"売色鴨南蛮"がとても気に入りました。明治から大正にかけての作品で読みにくい部分、理解しづらい部分もありますが、たまには気合を入れて挑戦するのも良いかもしれません。

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    2013年05月08日
  • 歌行燈・高野聖

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    夜叉ケ池を読んで著者の幻想描写に惚れ、購読。高野聖以外には怪異的なものは登場しなくて、意外だった。しかし、やはり難解な文面には浅学にして五割理解できたのか微妙なところで、精々雰囲気を何とか感じているという有様。印象的なのは、高野聖の孤屋の怪異である女性。粗野であるのに、上品でどこか艶かしく、とても魅了された。同じ境遇であれば、やはり彼の様に引き返えしたい心地になるだろうと思った。

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    2012年06月16日
  • 歌行燈・高野聖

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    高野聖より
    (茫然してると、木精が攫うぜ、昼間だって容赦はねえよ。)


    風景描写と感情表現の境目が霧懸かっている。
    なんだこりゃ?白昼夢だったのか?
    でも自分いつ寝ていつ起きたのか解んねぇ…!

    って感じた怪しい本。いいね。ニヤッとしちゃう。

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    2012年04月06日
  • 夜叉ヶ池(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    何の知識もなく読んだけど、これって舞台の台本的なもの?そういう体?
    しきみさんのキレイでかわいいイラストのおかげで最後まで読めた。なかなか読み慣れず、状況把握するのも難しかった…。

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    2025年10月26日
  • 歌行燈・高野聖

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    初めて読みました。高野聖、女客、国貞えがく、売色鴨南蛮、歌行燈。とにかく読むのが難しくて苦労しながら読み進めましたが、自然と情景が想像できるようになってきました。絶妙な切なさ儚さ妖しさが好き

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    2025年10月17日
  • 乙女の本棚9 外科室

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    乙女の本棚シリーズ。
    外科室は中学生の頃に一度読んだことがありましたが、大人になってから読んでも中々衝撃的。悲恋といえばそれまでですが、何でそこまで?!という感じ。それを決断する、2人の情熱がすごい。

    文体が昔のままだったので、雰囲気があるけれど、なかなか読みづらく、細部まで理解できたかは謎です。ホノジロトヲジさんのイラストが、見れば見るほど妖しく、今回も素敵でした。

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    2025年10月07日
  • 縊死体 乙女の本棚作品集

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    乙女の本棚シリーズでイラストを手掛けているホノジロトヲジさんのイラスト作品集。
    「瓶詰地獄」「外科室」「死後の恋」「人間椅子」「春の心臓」「縊死体」が収録。
    縊死体は書き下ろし全文収録で新聞の様な表現が素晴らしい!美麗イラストを堪能できる一冊。

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    2025年09月16日
  • 絵本の春

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    絵が素敵で、手にとってみたけれど⋯、む、難しい(汗)流れるような文だけど、上手く掴めない、そんな本でした。

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    2025年09月07日
  • 本当にさらさら読める!現代語訳版 泉鏡花 [観念・人世]傑作選

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    幽霊や異界が出てくる夢幻能のような作品が集められた前作「怪奇・幻想」編と違い、本作「観念・人世」編は、人と人との関係性、恋愛や家族など現実世界を舞台にした現在能のようなものが集められた。

    一番印象に残ったのはやはり「歌行燈」。構成が思ったよりも複雑で、前半部分で異なった場面に登場する人物が、空間を超えて集結し演能をする後半部分は、読書をしていることを忘れるほど広がりを感じ、没入していた。

    他にも「琵琶伝」「義血侠血」が好きであった。

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    2025年07月29日
  • 本当にさらさら読める!現代語訳版 泉鏡花 [怪異・幻想]傑作選

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    現代語訳が読みやすく有り難い。異界に滑り込んでしまったような泉鏡花の世界観にストレスなく浸れた。

    「観念・人世」編もあり「歌行燈」の現代語訳が読めるので、楽しみである。

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    2025年07月11日
  • 疵(きず)の迷楼 耽美幻想セレクション

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    ネタバレ

    ■江戸川乱歩「鏡地獄」
    既読を再読。

    ■谷崎潤一郎「人魚の嘆き」
    未読のまま。
    水島爾保布の挿画ありの中公文庫で読みたいので。

    ■小栗虫太郎「方子と末起」 ★
    初読。まさことまき。
    百合、スール、手紙のやり取りという少女小説、にして不思議の国のアリスモチーフ。
    推理小説<恋愛小説。

    ■泉鏡花「妙の宮」 ★
    初読。
    たった4ページだが、なんでこんな風景を思い描いたのだろう? と。

    ■木下杢太郎「少年の死」
    高原英理・編「少年愛文学選」で既読。

    ■坂口安吾「蝉―あるミザントロープの話―」
    初読だが、混乱をそのまんま文章にした風情で、よくわからなかった。
    Misanthrope はフランス

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    2025年07月08日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    総題の漢字よし。
    収集箱じゃつまらない、蒐集函なのだ。
    カバーイラストも素敵。
    新潮文庫nexというレーベルで、ヤングアダルトにこの作品たちを差し出した編集部、GJ!

    ■坂口安吾 桜の森の満開の下
    既読を再読。

    ■芥川龍之介 影 ★
    初読。
    芥川といいえばドッペルゲンガーなのでそういうことかと中盤で思わせておいて、ラストなんと映画だった? 夢だった? というオチ!
    しかもそれすら真実かどうか不明な放り出し方。凄い。
    しかし、「歯車」でも感じたことだが、狂気に飲み込まれそうな感覚を、それでも作品化「しちゃえる」ことが、逆に悲劇だったのかもしれないと考えたりもした。

    ■江戸川乱歩 芋虫
    既読

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    2025年06月24日
  • 夜叉ヶ池(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズの一冊。
    泉鏡花の戯曲に、今風のイラストをつける。
    いくらかは読みやすくなっているのかな。大人が普通に読んでも、わかりにくいからな。イラストでもないと、このシリーズのターゲットである乙女にはかなり読みづらいだろう。
    このシリーズは多分、注釈はつけないことにしているんだと思うけど、解説くらいはあってもいいのかもしれない。

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    2025年06月01日
  • 絵本の春

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    金井田英津子さんの画にひかれて初めて泉鏡花の本を読みました。独特の雰囲気の怪異譚が、明治の金沢の街と最近の文章にはない美文と、そしてその雰囲気にぴったりの版画とに溶け合って、不思議な世界でした。

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    2025年06月01日
  • 乙女の本棚9 外科室

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    乙女の本棚シリーズの一冊。
    泉鏡花まで来ると、現代語訳が必要かもしれない。文体を直接味わうことが大事なのはわかるが、このままでは意味がわからないところがあるのではないかな。
    あと、この絵は小説の鑑賞に役立っているのか心配。なぜ登場人物はベネチアンマスクをつけているのだろう。小説の中でもベネチアンマスクをつけていると読者は誤解しないだろうか。そういう読み方をするのも読者の自由ということなのだろうか。
    乙女でない自分にはちょっと違和感を感じてしまうが、余計なお世話か。

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    2025年05月17日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

     耽美とは何なのか未だ理解できていないが、収録作から思うに愛憎、背徳、情念、倒錯、フェティシズム、幻想、狂気etcが入り混じったものか。そこにタナトス≒死への衝動が加味された、名だたる文豪らによる10編。

    「桜の森の満開の下」(坂口安吾)や「瓶詰地獄」(夢野久作)は本書のコンセプトをまさに体現している作品か。作家のフェチ全開「刺青」(谷崎潤一郎)、美しくニューロティックな幻想「夢十夜」(夏目漱石)、サスペンスからの意外な結末「影」(芥川龍之介)もそこに沿ったものかと。
    "美"という点では泉鏡花の「浮舟」、折口信夫「身毒丸」なのだろうが、個人的には独特の文体含め作品世界にハ

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    2025年04月25日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    なかなか手を出すのを躊躇ってしまう、私にとってはハードルが高いと思ってしまう文豪たち。
    こういったテーマに沿ったアンソロジーは、手を出しやすく助かります。
    江戸川乱歩の「芋虫」と、太宰治の「駆込み訴え」が好きでした。

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    2025年04月15日
  • 夜叉ヶ池(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ。読みにくくてビックリ。戯曲風の構成と昔の文体のおかげで、読むのが大変でした。
    それでもかわいらしい絵のおかげで、少し理解しやすくなっています。特に白雪の眷属達の姿が描かれていたのがありがたかったです。

    それにしても、こんなお話だったとは。村人の身勝手さに呆れ、展開に驚きました。
    原典で読むのは難しそうなので、このシリーズで読めて良かったです。

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    2025年04月13日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    好きな作品集まってて、その中で泉鏡花、小栗虫太郎、折口信夫の話は未読だったので多分これらも好きだろうとウキウキで読んだけど結局これら全部ななめ読みで終わってしまった。むずいまだオレには
    夢十夜、第一夜だけ一人歩きしているから第二夜以降新鮮な気持ちで読めた。
    芋虫が本当に好きで何度も読み返しているのでここでも読めてよかった。

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    2024年11月30日