泉鏡花のレビュー一覧

  • 乙女の本棚4 檸檬
    〈乙女の本棚シリーズ〉
    梶井基次郎+げみ

    表紙の絵に釘付け…。
    美しい青年と檸檬のバックに浮かぶ色彩のレトロ感に惚れ惚れする。

    何に憂いているのか…この青年には孤独が似合う。
    身体の辛さか借金なのか、街を浮浪し続けては、見すぼらしくて美しいものに強くひきつけられた。

    檸檬を買った。レモンエロウ...続きを読む
  • 乙女の本棚 女生徒
    〈乙女の本棚シリーズ〉
    太宰治+今井キラ

    あさ、目をさますときの気持ちは、面白い。の書き出しで始まる女生徒。
    1日の出来事で感じたことを言葉にしている。
    その言葉ひとつひとつが音符のようでリズムを感じる。

    女生徒ならではの女に関する言葉も鋭い。

    草をむしっては、形はちっとも違っていないのに、い...続きを読む
  • 乙女の本棚2 猫町
    〈乙女の本棚シリーズ〉
    萩原朔太郎+しきみ

    まず驚いたのは「刀剣乱舞』のキャラクターで知られるイラストレーターしきみさんの絵がアニメを観ているようで今にも動きだすのでは…と感じるほど魅力的だった。
    萩原朔太郎の小説も現代版のように感じてSFの世界へ入り込んだような気分だった。

    旅は、単なる同一空...続きを読む
  • 乙女の本棚5 押絵と旅する男
    話は勿論、挿絵が美しい。
    この乙女の本棚シリーズは、
    どのイラストレーターさんも
    ストーリーにあった素晴らしい絵を描いてて好き。
  • 龍潭譚/白鬼女物語
     本年2023年は泉鏡花の生誕150年とのこと。ちくま文庫の種村季弘編『泉鏡花集成』が品切れになって久しく、『高野聖』等の代表作を除いては、文庫本で手軽に読むことが難しくなっていたが、近年、アンソロジスト東雅夫氏により鏡花の必ずしも有名でない作品まで読むことができるようになり、嬉しい限り。
     本書は...続きを読む
  • 乙女の本棚10 赤とんぼ
    乙女の本棚八冊目

    う〜ん、素晴らしい
    ねこ助さんのイラストが素晴らしい

    だけど…
    『乙女の本棚』シリーズ、読めば読むほどこのシリーズ良いのか?悪いのか?って疑問が大きく膨らんできている
    そして、あんまり良くないかもって考えに傾きつつある

    例えばこの『赤とんぼ』新美南吉さんが赤とんぼに何を乗っけ...続きを読む
  • 乙女の本棚4 檸檬
    乙女の本棚5冊目は梶井基次郎!

    いやーなんだか甘やかされてる
    おじさんたちが若い頃はなーもっと苦労して苦労して一人前になっていったもんだ
    こんなことだから最近の若いヤツは軟弱ですぐ泣きごと言うんだわ!
    と飲み会の席で最も嫌われるおじさん代表的な考えもなくはないんよ

    梶井基次郎なんてほぼ詩やからね...続きを読む
  • 歌行燈・高野聖
    高野聖と歌行燈。
    文語体が拙者には難しかった。しかし、この唯一無二の文体は、文語体でしか表せない。読後、持っていた文庫本が少し重くなった気がした。
  • 乙女の本棚2 猫町
    萩原朔太郎 × しきみさんコラボ作品
    「猫町」読みました。

    東京から北越の温泉に出かけた詩人である「私」がこの物語の主人公。
    温泉場からひとり山道を歩き迷いながらも麓に到着するとそこに「繁華な美しい町」を発見した。
    こんなに辺鄙(へんぴ)な山の中に…と容易に信じられない思いを持ち、美しい町の為に緊...続きを読む
  • 乙女の本棚6 瓶詰地獄
    最近ブク友さんたちの間で話題になっている『乙女の本棚シリーズ』
    色々気になる本がある中で私が選んだ一冊は『瓶詰地獄』
    この漢字四文字の並びからして、もう期待しかありません。
    浜辺に流れ着いた瓶詰。その中には無人島に取り残された兄妹からの手紙が。
    このあらすじを読んで、私の脳内はすっかり『人魚とビスケ...続きを読む
  • 夜叉ヶ池(乙女の本棚)
     乙女の本棚シリーズから、泉鏡花さんとしきみさんのコラボ作品「夜叉ヶ池」です。しきみさんのイラストは、「夜叉ヶ池」らしく青緑を基調としたもので雰囲気出てます。が…戯曲??何??しかも、今回も難しい…ってところから(^-^;)

     竜神が住むといわれる夜叉ヶ池。1日3回鐘を撞かなければ、池から津波が起...続きを読む
  • 乙女の本棚9 外科室
    先日読んだ『人でなしの恋』の中での文章キッカケで読みました。
    自分の夫のまだ分からぬ不倫相手に対して、
    「丁度、泉鏡花さんの小説に出てくる様な夢のように美しい方に違いない…。」
    と思い悩むところがありました。
    男性作家さんで素敵なお名前の泉鏡花さん
    (女性作家さんだと思ってました…)
    この作家さんの...続きを読む
  • 乙女の本棚9 外科室
    あらすじは聞いたことがあったけど、読むのは初めて。古典が苦手な私にはハードル高いかぁ…とか思ってましたが読み出したら意外といけました。
    挿絵も美しいし、全方位におすすめします!
  • 乙女の本棚10 赤とんぼ
     乙女の本棚シリーズから、新見南吉さんとねこ助さんのコラボ作品「赤とんぼ」です。きれいな表紙…古き良き日本の姿が描かれているようで、すごく気になってました(*^-^*)

     深い緑に囲まれた山里の別荘でのお話…赤とんぼの視点から描かれており、ある初夏の日、赤とんぼが羽を休めていた別荘に、赤いリボンの...続きを読む
  • 乙女の本棚9 外科室
     乙女の本棚シリーズから、泉鏡花さんとホノジロトヲジさんのコラボ作品「外科室」です。イラストは前に息子がこの表紙が好きと言った、ホノジロトヲジさん…これは期待大っ!!でも、読み始めてすぐに、あれ?難しいじゃない(;・∀・)!ハードルがめっちゃ高め…目が点になっちゃったけど、とにかく読んでみよう!!
    ...続きを読む
  • 乙女の本棚5 押絵と旅する男
     乙女の本棚シリーズから、江戸川乱歩さんとしきみさんのコラボ作品「押絵と旅する男」です。表紙からは、なんとも言えない違和感を感じてしまったけれど、読み進めるとその訳もわかってきます。

     蜃気楼を見に行った帰りの汽車の中で、押絵を持った男性と出会う…。男性は押絵を車窓にむけて、押絵に外の景色を見せて...続きを読む
  • 乙女の本棚3 葉桜と魔笛
     乙女の本棚シリーズから、太宰治さんと紗久楽さわさんのコラボ作品の「葉桜と魔笛」です。鮮やかな表紙で、少女漫画から抜け出してきたような姉妹が描かれていますね♪って、いうか…お姉さんなのって、彼かと思っちゃった(^-^;)

     桜が散って、このように
     葉桜のころになれば、
     私は、きっと思い出します...続きを読む
  • 乙女の本棚2 猫町
     乙女の本棚シリーズから、萩原朔太郎さんとしきみさんのコラボ作品の「猫町」です。このなんとも不思議な印象を抱かせる表紙、これもまた期待できそうっ♪

     主人公は、耳の三半規管の疾病によるものか、薬物による影響か、よく道に迷う私…。迷い込んだ先には別世界が広がる…。ある日、温泉場に逗留していた私は、...続きを読む
  • 乙女の本棚 女生徒
    乙女の本棚シリーズ、記念すべき第一作目。
    少女の朝目覚めてから眠るまでの一日、その心象を描いた作品。
    少女というには時間が経ちすぎたけれど、「ああこんなこと考えていたな」と懐かしく思う箇所もあれば「今もこんなことで悩んでるな」と成長してない自分に辟易したりする、それくらい人の心に丁寧で気持ちに寄り添...続きを読む
  • 乙女の本棚6 瓶詰地獄
    最後の手紙で二人の関係性がわかって、冒頭の手紙の犯した罪の意味がわかり、こちらまで苦しくなるようだった。幸せが不幸せに転じる楽園。守りたいのに加害してしまいたくなる葛藤。助けが来た絶望。