あらすじ
人気アニメ『文豪ストレイドッグス』等にも登場し、知名度抜群の文豪「泉鏡花」だが、実際は、その(大変な美文ながらも)少々歯ごたえのある文体から、多くの挫折者を生み出してきたのもまた事実。
しかし、芥川龍之介らと同時代に大人気を博した、その文学の価値、人情噺の魅力は、現代においても比類がないものがある。
その泉鏡花作品が、本当に読みやすく、味わい深い、白水銀雪氏の現代語訳で、令和の現代に蘇った!
訳文は、秋山稔先生(金沢学院大学学長・泉鏡花記念館館長)が一文一文まで完全監修。
面白くてたまらない、そして切なく心に沁みる、泉鏡花の観念小説・人情噺の世界を、ストレス0で、お楽しみください。泉鏡花入門のための一つの大きな選択肢として――泉鏡花没後80周年記念企画・第二弾。
収録作品:外科室、歌行燈、琵琶伝、清心庵、義血侠血、婦人十一題、若菜のうち/作品解説:秋山稔
●秋山 稔:金沢学院大学学長・泉鏡花記念館館長
●白水銀雪:慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学)。システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事。現在、蓼科にて山暮らし
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Posted by ブクログ
幽霊や異界が出てくる夢幻能のような作品が集められた前作「怪奇・幻想」編と違い、本作「観念・人世」編は、人と人との関係性、恋愛や家族など現実世界を舞台にした現在能のようなものが集められた。
一番印象に残ったのはやはり「歌行燈」。構成が思ったよりも複雑で、前半部分で異なった場面に登場する人物が、空間を超えて集結し演能をする後半部分は、読書をしていることを忘れるほど広がりを感じ、没入していた。
他にも「琵琶伝」「義血侠血」が好きであった。