泉鏡花のレビュー一覧

  • 乙女の本棚8 夢十夜
    「乙女の本棚」シリーズ。夏目漱石『夢十夜』とイラストレーター・しきみ、編。
    もともと『夢十夜』が好きなのだけど、改めて、この企画には、ピッタリの作品だと思った。
    しきみさんの絵も素敵で、小説の雰囲気と合っているな、と。
  • 乙女の本棚9 外科室
    今風の言葉で感想を述べるならば「エモい」の一言に尽きますが、とてもそんな言葉では語り切れないものがこの物語にはあります。
    挿絵がまた大変に美しいのですが、それが更に物語の良さを引き立てています。
    昔の文体で書かれているので、現代語訳をネットで調べながら読むのがおすすめ……。
  • 乙女の本棚7 蜜柑
    黒色の景色がラストで一気に橙色に変わる、色の変化が美しい作品でした。読後感が心地よく、蜜柑のいい匂いまでしそうな気がした。
    著者である、芥川龍之介さん曰く「文章の中にある言葉は、辞書の中にある時よりも美しくなければならない」
    文章の中に、その人がいる。
  • 乙女の本棚6 瓶詰地獄
    美しい絵を添えて描かれる悲劇の一端。
    純粋に敬虔であったからこそ罪の大きさをより一層、彼は感じたに違いない。
    手紙形式で展開される物語のため、その手紙を書く間にどんな葛藤があったのか、想像力が掻き立てられる作品だった。

    全て密閉された状態で海洋研究所に送られたのに気づいて、関係者には読まれなかった...続きを読む
  • 乙女の本棚 女生徒
    自分しか知らないと思っていた感覚が沢山描かれていて、恥ずかしくなった。今井キラさんのイラストが可愛くてページをめくるのが楽しかった。心に残る一冊。
  • 小説集 吉原の面影
    あなた、私の心が見えましょう

    鏡花目的で購入したけれど、この編集考えた人天才。永井荷風の随筆と、そこで紹介された3作品を収録している。
    でもやっぱり鏡花が最高。
    同じテーマでも圧倒的に美しく、優しく、悲しくて幻想的。
    江戸っ子言葉も読んでいてたのしい。

    たけくらべは川上未映子の新訳がでているから...続きを読む
  • 乙女の本棚7 蜜柑
    『蜜柑』
    この短編は学生時代にも授業で取り上げられていたし、大人になってからも何度か読み直す機会があったのですが、歳を重ねるにつれ、娘が投げた蜜柑の色鮮やかさに切ないものがこみ上げてきます。

    疲労と倦怠、退屈な人生に辟易している「私」の目に飛び込んできた、心が踊るような暖かな色。走り去る汽車で起き...続きを読む
  • 文豪怪奇コレクション 恐怖と哀愁の内田百閒
    今までいろいろ怪談モノ読んできましたが、この本が一番読んでる最中にゾワゾワとしてくると言いますか、読者のメンタルが不安定になっていくような恐怖を感じさせてくれて、とても面白かった。

    目が覚めた後に振り返ると理論の展開がおかしいことに気づく夢物語と言えばいいか……夢を見ている最中は変な展開になっても...続きを読む
  • 乙女の本棚 女生徒
    今も昔も思春期の子というのは変わらないのですね。
    冒頭から最後に向けて少女が大人になっていくようなそんな感覚がこの一冊に詰まってます。
    少女の気持ち何となく自分も10代に感じていた気持ちのような気がして自分に置き換えながら読みました。もっとこの少女の気持ちを知りたい。ご縁があれば元の本読もうと思いま...続きを読む
  • 乙女の本棚7 蜜柑
    夕陽と蜜柑の色が鮮やかで、深く心に残る話。
    芥川龍之介はほぼ全作品読んでいて、
    「蜜柑」は好きな作品。
    こんなに素敵なイラストをつけてくれて、げみさんありがとう。
  • 黒百合

    超長編

    すごく長いです。「黒百合」を求めて滝太郎が富山に赴く話。滝太郎は序盤は華族の関係者だけれど、実は…という生い立ちがあります。
  • 乙女の本棚7 蜜柑
    心が暖かくなるお話でした(^-^)
    げみさんのイラストがいい感じにお話とマッチしててとても読みやすかったです♪
    このシリーズ読みやすくて本当におすすめです♪
  • 乙女の本棚5 押絵と旅する男
    当時のファンタジー小説みたいなものでしょうか。
    江戸川乱歩発想がすごいですね(^-^)
    イラストも綺麗ですし読みやすかったです(^_^)
  • 文豪怪奇コレクション 猟奇と妖美の江戸川乱歩
    あー面白かった。
    乱歩のこーゆー系は河出文庫の『不気味な話1江戸川乱歩』読んでたから中身はほとんど知っとる話やったけど、なんべん読んでもおもしろーーい。
    もうこんなんばっかり読むせいで、例えば「人でなしの恋」とか、いやまあまあ変態じみとるけどまああるわいそういうこと、とか思ってしまっとる。
    読んだこ...続きを読む
  • 乙女の本棚4 檸檬
    げみさんの描くイラストが好きで手に取りました(*^^*)
    もうどのページも素敵です。(*^^*)
    檸檬一つでこんなにも物語が繰り広げられるなんてすごいです。
    私の掌が誰のよりも熱かった。その熱い故だったのだろう、握っている掌から身内に浸み透ってゆくようなその冷たさは快いものだった。この表現が好きです...続きを読む
  • 乙女の本棚4 檸檬
    高校生のころ、初めて「檸檬」に出会い、それからこの作品の虜になりました。
    そこに美しい挿絵が加わり、私の宝物になりました。
    文学作品に抵抗があるが、ご興味のある方、イラスト好きの方、「乙女の本棚シリーズ」は大変、おすすめでございます。
    集めたくなってしまいます。
  • 乙女の本棚9 外科室
    あまりにも月並みな言葉になってしまうが、「エモい」とはこういうことか……みたいな気持ちになります。

    お互いにお互いのことなど知らぬまま続くはずだったろう人生が、思いがけない再会により覆ってしまうのは運命的で素敵だけれど、だからと言って何を望むことも出来るはずもなく。
    「忘れません」という言葉が、彼...続きを読む
  • 歌行燈・高野聖
    明治期は、近代化が急速に進む中で、変わりつつある世界を肯定的に捉えるところと、否定的に捉えるところがあり、泉鏡花のこれら短編小説には、それが、女性観、恋愛観、義などのテーマとして描かれている。

    「歌行燈」では、芸に対する真摯な姿勢、義理人情、そして内面の強さがうまく描かれていて、それらは人間の美し...続きを読む
  • 乙女の本棚6 瓶詰地獄
    過不足の無かったはずの楽園が、時を経て性徴という魔力を前にじわじわと崩壊していく様の、うつくしさと残酷さ。
    そして、神の目から逃れるように、救いを投げ出すように目印を倒し聖書を焼いたのに、瓶の中に残されていた手紙に綴られていたのはひたすらに懺悔だった。
    そういう歪さに、ただただ感服させられたというか...続きを読む
  • 歌行燈・高野聖
    泉鏡花を読んだことがなかったがとても面白い。
    聞き手が臆病で甘えたがりで、それでいて気の良い人なのが分かって、もう泉鏡花のことが好きになった。
    話としてはそう珍しいものでもないが、もしかしたらこういう怪奇系の話の走りが、「高野聖」だったのかなと思った。
    しかし親仁はなぜ無事なのか?あの人の狂言かもし...続きを読む