泉鏡花のレビュー一覧

  • 乙女の本棚7 蜜柑
    昔の話ではあるけど、読んで何だかホッとした。

    イライラした気持ちだと周りにあるもの全てが気に食わない。

    でもそんな主人公の気持ちは、たまたま同じ車両に乗り合わせた女の子の行動を目の当たりにする事で穏やかなものになった。

    自分1人の力で暗い気持ちを変える事は難しい。

    自分ではない何かに触れる事...続きを読む
  • 高野聖
    角川の夏フェア本。かわまぬカバーにひかれて。泉鏡花賞は存じ上げていたが大元の泉鏡花作品は初。世間は不条理にあふれているが、その不条理の中で生きるのが人の業というもので。人には様々な事情がつきまとうものだが、どこかに肩入れするでもなく、フェアネスにあふれた描写がよかった。漫画「秘密」で青木が言ってた外...続きを読む
  • 乙女の本棚7 蜜柑
    芥川龍之介の蜜柑をげみの絵と併せて絵本仕立てになっている。奉公に行く姉が見送りの弟たちに汽車から蜜柑を投げたという短編であるが、芥川の情景描写とげみの絵がうまくマッチしている。
  • 乙女の本棚7 蜜柑
    「乙女の本棚」シリーズ。
    文豪の名作短編×人気イラストレーターによる絵本仕立て、よいコンセプトだなー。
    ほかにも
    泉鏡花「外科室」/夏目漱石「夢十夜」/夢野久作「瓶詰地獄」/江戸川乱歩「押絵と旅する男」/梶井基次郎「檸檬」/太宰治「葉桜と魔笛」/萩原朔太郎「猫町」/太宰治「女生徒」
    HPには全9作。...続きを読む
  • 高野聖
    全体に歯切れ良くリズミカルな文章。擬音語の差し込み方が印象的で好き。最後までぐいぐい読まされてしまう。

    初めの収録作品は、まず怒涛のように押し寄せる見慣れない漢字や古い文法に面食らったけれど、分かり易い展開と心情描写のお陰で、慣れてしまえばすいすい読めた。高野聖、眉かくしの霊になると、大仰な表現は...続きを読む
  • 乙女の本棚2 猫町
    「乙女の本棚シリーズ」の一冊。萩原朔太郎といえば、詩人のイメージが強いが、小説も書いているんだ。ただ、これは薬物中毒者の幻覚のような話だ。
  • 乙女の本棚5 押絵と旅する男
    汽車の中での奇妙な出会いからグイグイ話に引き込まれた。例えるなら、世にも奇妙な物語。イラストも合っていて新鮮だった。
  • 乙女の本棚7 蜜柑
    乙女の本棚シリーズ。
    芥川龍之介の短編。
    げみさんのイラストで。
    絵がつくと印象に残りやすいですね。
  • 化鳥・三尺角 他六篇
    「化鳥」だけ。子どもの純粋な問いと教師の答えにモヤモヤする。人間はどの動物よりも偉い、なぜならば言葉を話せるからという事に対して、動物だって囀ったりして会話をしていると言う。それを全否定出来ない。とてもいい感性だから。
    お母様はただ笑っているだけではあるけど、いろいろな思いを抱えてるに違いない。それ...続きを読む
  • 乙女の本棚4 檸檬
    イラストが、自分の読む世界とちょっとズレがあって
    一緒に楽しめなかったけど
    げみさんの描く絵は本当に美しい!!夕焼けの絵が秀悦!
    学生時代を京都で過ごした、げみさんだから描ける(^^)
    編集さんナイス!
  • 歌行燈・高野聖
    初めましての作家さん。
    たぶん、読んだことがない。
    っていうか清く正しい怪談といえば泉鏡花と思っていた
    読んだこともないのに(^◇^;)
    しかし、悲しいかな旧仮名遣いは苦手なんです。
    なんとか理解できたのは、最初の高野聖のみ
    これは、非常に読みずらかったけど、
    一応頭の中で景色が動いたんだよねぇ
    ...続きを読む
  • 乙女の本棚4 檸檬
    梶井基次郎の『檸檬』と言えば---「京都が舞台」「丸善ってあの丸善らしい」「檸檬が爆発?」と、作品のイメージは浮かぶけれど内容は説明しにくい本なのでは?本の装画やCDジャケットで人気のイラストレーター、げみ氏のイラストとコラボしたこの本を読むと、主人公が歩いた街の風景や、今よりももっと暗い夜の中で店...続きを読む
  • 絵草紙 月夜遊女
    原作は明治37年発表
    アダム・カバットにより現代仮名遣いにされ、台詞に話者名が付記され、山村浩二によって挿絵がほどこされて読みやすくなっている。

    若者が大鮟鱇を売るため天秤棒に掛けて月夜に歩いていて、肝を食べようと口に手を入れて引き出したところ、妖しい美女が現れて同道し、殿様(侯爵)に取り入ってお...続きを読む
  • おばけずき
    講談、小唄を彷彿とさせるリズムのある文章は泉鏡花ならでは。小説、随筆、百物語…とカテゴリ分けはされてても、何を描いても鏡花の世界になるのは流石。
    印象に残ったのは以下の三点

    関東大震災の被災記録である「露宿」「十六夜」「間引菜」。先日、井伏鱒二の被災記録(荻窪風土記)を読んだのだが、筆者の性格の違...続きを読む
  • おばけずき 鏡花怪異小品集
    講談、小唄を彷彿とさせるリズムのある文章は泉鏡花ならでは。小説、随筆、百物語…とカテゴリ分けはされてても、何を描いても鏡花の世界になるのは流石。
    印象に残ったのは以下の三点

    関東大震災の被災記録である「露宿」「十六夜」「間引菜」。先日、井伏鱒二の被災記録(荻窪風土記)を読んだのだが、筆者の性格の違...続きを読む
  • おばけずき 鏡花怪異小品集
    文語体の読みづらさよ。しかし、不惑も近くなっているのに、読書好きであるのに、文語体苦手というのはいかがなものか。精進が足りません。文語体でもさらりと読み進める、というのに年少の頃ほのかに憧れていたりしたものです。
    とはいえ、怪しげな雰囲気を醸し出すのに、ひと役もふた役も担っているのは事実。もちろん、...続きを読む
  • おばけずき
    文語体の読みづらさよ。しかし、不惑も近くなっているのに、読書好きであるのに、文語体苦手というのはいかがなものか。精進が足りません。文語体でもさらりと読み進める、というのに年少の頃ほのかに憧れていたりしたものです。
    とはいえ、怪しげな雰囲気を醸し出すのに、ひと役もふた役も担っているのは事実。もちろん、...続きを読む
  • 化鳥・三尺角 他六篇
    鏡花の文章は美しいですが難解。
    思ったよりも全部読むのに時間が掛かってしまった一冊でした。
    今回も妖しくも美しい妖怪が登場する話が多く楽しい。
    特に「朱日記」。
    火事の炎の恐ろしげな美しさと相まったからということもあると思いますが。この話に登場する女性からは不気味なまでの美しさと妖艶さを感じました。...続きを読む
  • 歌行燈・高野聖
    僧が飛騨山中で迷った先にたどり着いた家にいた女は、邪悪な心を持った男を虫や獣に変える妖怪だった。僧はなぜ化身されずにすんだのか。明治の作品であとの作品はほとんど理解できなかった。もはや口語訳本が必要。2017.1.20
  • 歌行燈・高野聖
    難しい...なんなんでしょう、この文体。
    擬古文というやつですね。平野啓一郎さんの「日蝕」を思い出しました。(当然、泉鏡花の方が先なのですが)

    とても素敵なことが書かれているのだとは思うけれど、なんとなく文を読んでいって、後で色んな人の解説を読んで納得!といった感じでした。お恥ずかしい。

    収めら...続きを読む