泉鏡花のレビュー一覧
-
幻惑幻想。
浮世離れした幻想に片足をいれたような夫婦と、下界といっていい現実世界に蠢く村人や権力者。
それに夜叉ヶ池の幻想そのものの住人たち。
この世ならざる夜叉ヶ池の住人たちとは直接関係はなく話が進むが、最後には幻想幻惑がすべてを飲み込む。
池の堰が切れたように。
さすが、泉鏡花先生。戯曲では天守...続きを読むPosted by ブクログ -
童話。
赤とんぼとかあいいおじょうちゃんのほのぼのとした童話。
赤とんぼをかわいがるおじょうちゃんと彼女を気に入る赤とんぼの交流がかわいらしかった。
それとねこ助さんの挿絵が本当に素敵。Posted by ブクログ -
はじめて泉鏡花作品を読んだけど、読みづらい。自分の不勉強を思い知った。それでもなんとか読んだ。絵の力。真の美の人に出会ってみたい。或いはわたしがそうなりたい。Posted by ブクログ
-
島根の城下町に暮らす姉妹。
病気の妹はある秘密を抱えていた。
姉妹の苦悩が美しく描かれていた。
太宰の人間描写が潔癖な乙女のように清らかで憂いに満ちていた。好き。
紗久楽さんの絵が太宰の文と絶妙に合っていて艶やかで美麗だった。Posted by ブクログ -
文庫化されていない作品を本の形で読めるのはよかったが、注釈がないスタイルはよくないのではないかと思いました。鏡花好きな人だとしても、全部の単語がわかっているわけでもないだろうし、鏡花はじめあの時代の本・文化は初めて手に取りますといった人にはだいぶ分かりづらい本になっている。
作品の内容自体は、鳥肌...続きを読むPosted by ブクログ -
学生時代の教科書に載ってるもの以外読んだことがないけど、この歳になって文豪触れてみたい…と思いこのシリーズで最近文豪を読み始めました。
その中でも一夜の話に惹き込まれ購入し、そのままあとの話もスラスラ読めました。
綺麗なイラストと共に読めるのは、今まで海外文庫ばかり読んでいて、文庫本のあらすじなど...続きを読むPosted by ブクログ -
江戸川乱歩とか谷崎潤一郎にくらべて文体が古くて読むのに少し苦戦したけど、短編なのですぐ読めた。
なんというか言葉選びがすごく綺麗で繊細。また読んで自分の文章の参考にもしたいPosted by ブクログ -
一番最初の「とおぼえ」を読んだときに、ぞくぞくと肌がひりつくような世界観に一気に引き込まれた。
特に好きだったのは「映像」。狂気が滲む不気味なラストは、いっそ美しいのかもしれない。Posted by ブクログ -
正直話の意味はわからんよ、全然。でも、うっかり仰向けで寝てしまってうなされて目が覚めて、目が覚めたことに気づくまでの不安定で重くてとらえきれない感覚が、理性働いてる端正な文章で立ち上ってくるところが、まともじゃなくて好き。映像とゆうべの雲は普通に怖いよ…Posted by ブクログ
-
大正2年、愛知県生まれ、結核により29歳で没、新美南吉・作&ねこ助・絵「赤とんぼ」、2019.2発行。<初出、1928年> 夏の間、別荘に来た娘と赤とんぼの楽しいひととき、別れた後のさびしさと思い出を描いたものです。Posted by ブクログ
-
星4.5
文章はとても綺麗だと思うが
慣れるのに少し手こずった
それでも伯爵夫人の壮絶な決意と秘めた思いは痛いほど伝わった
一瞬の2人だけの世界も
「絵本」を上手く使った色やページの使い方、そして絵もとても素晴らしい
読む時はこの本で読んで欲しいですPosted by ブクログ