泉鏡花のレビュー一覧

  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    耽美幻想文学のアンソロジー。いくつか読んだことのあるものもあり、名前はよく聞くものの実際読んだことのなかったものもある。
    やはり、桜の森の満開の下は断トツで好きなのでこれが冒頭に来てしまうと後がちょっと弱い気がする。いや、あくまで個人的にはだが。江戸川乱歩は「蟲」の方が好きだしな~。みたいな個人的にこのテーマで耽美幻想文学を編むなら何を入れるかみたいなのを考えるのも楽しいかもしれない。あと太宰治の「駈込み訴え」がガチ恋同担拒否反転アンチの詰んでるヲタク描写すぎて解像度高ぇ~ってなった。

    0
    2024年11月03日
  • 夜叉ヶ池(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    泉鏡花文学忌、死因は肺腫瘍

    泉鏡花の戯曲 1913年
    戯曲を読むのは難しく

    夜叉ヶ池の龍神との約束の鐘
    日に三度鳴らす役目を負った青年と美しき妻
    夜叉ヶ池の主、白雪姫は人間との約束を守り池を守るが剣ケ峰の恋人の所に行きたくて仕方ない
    激しい日照りに村人は、雨乞いの生贄に美しい妻を選ぶ
    それを知った夫と友人は命をかけて抵抗する
    妻は自死、夫は後を追い池の中へ
    約束は守られずつかれる事のなくなった鐘
    白雪姫は恋人の元へ
    村は大洪水となり、愚かな村人は魚となる
    姫と妻 ふたりの女の物語

    しきみさん、このイラストは大変でした
    さすがに乙女の本棚にならなければ戯曲は読まなかったので、ありがとうござ

    0
    2024年09月07日
  • 泉鏡花きのこ文学集成

    Posted by ブクログ

    泉鏡花は、教科書以来はじめて読みました。わりと、ホラーな感じの短編でした。ほぼ、古典で、ルビがないと漢字すら読めませんでした。昔の日本人すごい!こんな文章読み書きできるなんてと、違う意味でも感心しました。

    0
    2024年08月09日
  • 夜叉ヶ池(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    線がくっきりしているからか、キャラクターの顔が今どきすぎるからか、私の中の泉鏡花作品のイメージとは合わなかった。蟹と鯉は可愛い。

    話の内容もなんとなく分かるのだが、やはり昔の書き方のままなのでいくらか読みにくく、解説のあった方がありがたい。

    雨乞いの生贄として美女の裸体というのが如何にもだが、私が代わりに脱いで生贄になりますとも!と、夫や僧らが言うのは面白かった。
    そこからの展開があっという間で、気づくとサラッとした一文で主要人物が死んでいく。
    〆が白雪が百合に子守唄を頼もうというのが、ブラックな絵本みがあって良い。

    0
    2024年07月12日
  • 夜叉ヶ池(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    舞台の台本のような書き方で、読み慣れていないからか、場面転換についていけず、疑問ばかり浮かび、よくわからないところが多かった。

    伝承に縛られるって、すごく息苦しい。
    ウソかホントかも分からないことに、人生を捧げて、他の人の命を楯に、自分の自由を奪われてしまっている鐘守の感じは、憐れな気がした。
    他人のために生きるというのも、度を越すと辛くなる。自分が満たされたからこそ、他人に優しくする。そういう順番が大切だと思った。

    大事な約束だと皆が思うのなら、一人に押しつけずに、皆で分担すればいいのに。一人の犠牲の上にあぐらをかいて生きようとするのは、生贄のようで気持ちの良いものではない。
    皆が気持ち

    0
    2024年06月27日
  • 化鳥・三尺角 他六篇

    Posted by ブクログ

    短編8篇収録。基本的には解説の手助けなしに理解がしきれず、面白いはずの作品も十二分に楽しめていないなと思う。

    0
    2024年04月14日
  • 夜叉ヶ池(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    知らなかったから無意識なのだが、似たような話を続けて読んだのは……これもシンクロニシティというのだろうか。

    きれいなイラストではあるのだが、この物語には現代的すぎる気がする。

    結末は、正直いい気味である。約束を守る、池に棲む姫と鐘撞守夫婦の対極にいる、こういう村人みたいな集団はほんとに嫌い。もっともらしい顔した宗教者や教育者がいるのが情けないし、虫唾が走る。

    0
    2024年04月13日
  • 乙女の本棚9 外科室

    Posted by ブクログ

    うーん、外科室での顛末はなんか察することができたんだが、後半がマジで全く筋が読めず、解説ググって理解した感じ。 私には難易度が高かった。

    2024.1.2
    3

    0
    2024年01月02日
  • 日本橋

    Posted by ブクログ

    BSの「ぶらぶら美術館」で小村雪岱を知った。日本画家でデザイナー的な事もこなし、資生堂書体を作った人。(番組終わってしまって哀しい。五郎さんの博識案内をもっと聞きたかった。)
    番組の中で紹介されたのが、泉鏡花のこの本。
    正直、難しいかなと躊躇した。天守物語とか読んでいるけど、世話物というか現実の話は敷居が高いと感じていた。
    (引用)
    この声に、清らかな耳許、果敢なげな胸のあたりを飛廻られて、日向に悩む花がある。盛りの牡丹の妙齢ながら、島田髷の縺れに影が映す‥肩揚を除ったばかりらしい、姿も大柄に見えるほど荒い絣の、聊か身幅も広いのに、黒繻子の襟の掛かった縞御召の一枚着、友禅の前垂、同一で青い帯。

    0
    2023年12月24日
  • 明治深刻悲惨小説集

    Posted by ブクログ

    現代語訳みたいなラジオ聞いて原話読んでみたくてがんばったけど
    なんで・・・?ってゆうくらい最後に救いのないの小説集?なのかな。

    『なんだったんだろう』と思うものが多くて一回読んだだけじゃ、どういう心情とか話の深さがあまり理解できてないかも。。
    ラストに趣を置くものじゃないのかもしれない..。
    時代の文章からかなかなか読みづらい。

    0
    2023年11月15日
  • 龍潭譚/白鬼女物語

    Posted by ブクログ

    泉鏡花生誕150年ということで出版された本であろう。怪異はあるもののそれほどでもなく、高野聖などの有名な作品の方が読みやすくわかりやすい。解説には高野聖などの小説の原型となったと記載されていた。これを読むのだったら、高野聖を再読した方がいいかもしれない。
     文字は細くなったので、活字色が灰色で紙がクリーム色とコントラストが低いので老眼者には読みづらい本となった。

    0
    2023年10月06日
  • 夜叉ヶ池(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    幻想的かつ涼やかな印象で、夏に読もうと思っていたらぴったりだった。
    越前にある「夜叉ヶ池」には、水害をもたらす竜神が封じ込められているという言い伝えがあった。そしてその竜神を鎮めておくためには、日に三度の鐘を鳴らし続けなければならず、今では土地に移り住んだ若夫婦がその役目を担っていた。
    しかし未曾有の日照りがつづいていたとある夜、旧友と再会した夫が、夜叉ヶ池を案内しようと留守にしたところ、妻の百合を雨乞いの生贄にしようと企んだ町の者が捕らえにやってきて——

    という戯曲。竜神こと夜叉ヶ池の主人は、白雪姫という名のキュートなプリンセス。好きな人がいるのに、封じ込められているせいで会いにゆけず日々

    0
    2023年08月25日
  • 高野聖

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    自己の信念を貫く人物を描く「義血侠血」「夜行巡査」「外科室」、幻想的な「高野聖」「眉かくしの霊」の計5編を収録。

    泉鏡花の文章は、言葉づかいこそ難しいが、講談のようなリズム感が気持ちいい。

    どれも面白かったが、強盗に所持金を奪われて窮した滝の白糸が、豪邸に押し入り夫人を殺害する場面の凄惨さが特に印象的だった。(「義血侠血」)

    0
    2023年07月25日
  • 夜叉ヶ池(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    越前国鹿見村の琴弾谷、旱が続く盛夏。

    萩原晃が日に三度鐘を撞くことで夜叉ケ池の竜神から村を守っていた……。

    作中の晃の台詞「神にも仏にも恋は売らん」に胸をつかれた。

    鹿見村の村人の身勝手さに腹が立った。

    0
    2023年06月29日
  • 乙女の本棚9 外科室

    Posted by ブクログ

    外科室での手術で麻酔を拒否する貴船伯爵夫人。
    彼女の視線の先には、外科医・高峰がいた。

    夫人と高峰の心の機微が私の読解力ではうまく汲み取れなかった。
    泉鏡花は難解だった。

    0
    2023年04月19日
  • 歌行燈・高野聖

    Posted by ブクログ

    文章が綺麗だからと人に薦められて読んだ一冊。確かに艶かしく、寒気がする場面もあったりと、一気に読み進めてしまう魅力がありました。

    0
    2023年02月18日
  • 絵本の春

    Posted by ブクログ

    なんて美しい画本だろう。
    鏡花の名文から立ち現れたような絵が誘う、奇しくも美しい世界。
    "…鏡花はまるで物語というものの永続性を言祝ぐかのようなタイトルにふさわしく、作品の舞台を花咲き誇る爛漫の春に置き換えた"…。

    0
    2022年01月23日
  • 外科室

    匿名

    購入済み

    開胸手術を麻酔なしでと懇願する、伯爵夫人の秘めし恋心とは。耽美と醶みとが見事に同居するこの掌編。ぜひ一度は通読してほしい。

    0
    2022年09月28日
  • 小説集 吉原の面影

    Posted by ブクログ

    単純に4名の文豪の吉原をテーマの作品を揃えただけかと思いきや、これはこの文庫を企画編集された人のアイディアが面白い。
    まず最初に荷風の「里の今昔」という随筆を持ってきて、その中で江戸の情緒が残る明治期の吉原の思い出を語らせます。
    そしてその随筆内で荷風が推す「当時の吉原が上手く作品に描かれている」として、樋口一葉の「たけくらべ」、広津柳浪「今戸心中」、泉鏡花「註文帳」の3作品を挙げており、それを続けて掲載した一冊という体裁になっています。
    ですので、読み方によっては「永井荷風セレクト吉原アンソロジー」って感じで楽しめる仕上がりです。
    巻末解説(川本さん)に詳しく述べられていますが、3作品それぞ

    0
    2021年07月05日
  • 化鳥・三尺角 他六篇

    Posted by ブクログ

    泉鏡花 短編集

    注解と解説が充実。表題2編が 非現実から現実を読むスタイルが明確でわかりやすい。他は普通で物足りない


    化鳥
    *テーマは「人間の傲慢さや差別〜虐げられた者(被差別民)の怒り」
    *鳥は 被差別民の比喩と捉えた
    *橋が 人間世界と別世界(被差別民)の境界線を意図していると思う
    *母(被差別民)への思慕、差別する側(人間)の自分という目線〜母と同じ側になるために化鳥となる

    三尺角
    *テーマは 自然信仰の福音性〜木に神が宿る思想
    *木を礼拝する如く挽く与吉の福音が柳の絶望を救う
    *幻想や自然信仰から 福音(現実の滅びから救われる)を見出している

    木精
    *三尺角の続編。工学士=近

    0
    2021年06月12日