苫野一徳のレビュー一覧
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〈自分だけの「グーグルマップ」をつくろう!〉
哲学者・教育学者である筆者が、自身の経験を混じえながら、(主に専門書や実用書の)読書の良さや読書術について記している一冊。
筆者は、膨大な量の読書量によって、自分の中に「グーグルマップ」をつくることができると言っています。つまり、知識や物事を上から見下ろし、目的地までの道順を知ることができるようになるということです。
そして「クモの巣電流流し」が起こる瞬間があると。
「クモの巣電流流し」とは何でしょうか?このことについて、以下のように書いています。
"クモの巣電流流し?
聞きなれない言葉だと思いますが、これは文字どおり、頭の中に&qu -
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哲学
と思って構えてしまったが
後半は読む手が止まらず
ふむふむと
一気に読み終えた
世界は常に僕たちの欲望の色を帯びている
欲望を知ることで自分と折り合う
不幸だと生きづらいと思うのは
欲望とのギャップによる感情
確かにその通りかもしれない
哲学について考える
価値観や感受性を刺激するものに触れることで
自分を見つめること
自分の内面に気づくこと
これもまた哲学の一歩
じゃあ
わたしは
時々哲学できているのかしら?
モノごとを
すべし!という命令思想で捉えるのではなくて
条件解明思考
どのような条件が、どのような条件で
そんな風に捉え考えられた方が
世界は広がって見えるかもね -
Posted by ブクログ
人間がもとめる「自由」というものをぐっと深く考えた末に得られる社会の根本原理から立ちあげた教育論でした。そもそも教育はどうして必要なのか。それは各人の自由を担保するためなのだと著者は論じます。
古代、農業の勃興によって蓄財が生まれたのち、人々はそれを奪い合うようになります。そのような争い、戦争は、「生きたいように生きたい」という種類の「自由」によって起きている、と二百数十年前の哲学者たちは見抜きました。つまり「自由」への欲望が、争いを生んでいるのだ、と。そこで考えられたのが公教育でした。ヘーゲルのよると、「自由」でありたければ、お互いの「自由」を認めあわなければならない。これを「自由の相互承 -
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「探究」的なものを学校教育の核にするという発想は、戦後何度も説かれてきた。問題解決学習、ゆとり教育、アクティブラーニング…。しかしそれらはいずれも学校教育の現場に定着しなかった。教育予算をケチり、そのツケを現場教員に押しつけ、それでも教員が言う事をきくように教員管理を強くしてきた。そうした政治の力に抗えないできた文科省が、人手のかかる「探究」を上位下達で唱えても、疲弊した現場は日々を乗り切るために「探究」をも「スタンダード化」してしまう。「探究」を提唱するならば、それ以上の熱量で学校予算・人手の大幅増を唱え、そちらを先ず実現しなければ、結局これまでのムーブメントと同様、いくつかの「成功例」を残
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著者は自分と同世代の教育哲学者。
就学時の子供を持つ親にとって考えさせられる内容。
自分たちが当たり前のように受けてきた、画一的・一斉型の学びから、「個別化」「協同化」「プロジェクト化」を基軸とした学びへの転換を提唱する。
ドイツの哲学者ヘーゲルが考えた〈自由の相互承認〉の原理が根底にある。これは自分が〈自由〉になるためには、他者の〈自由〉も承認し合う必要があるというもの。自分の〈自由〉ばかりを主張し続けても終わりのない闘争が続くだけで。
この〈自由の相互承認〉を教育を通して子どもたちに育ませることが著者の教育の理想である。
教育現場の慣習や様々なコストをあり実現するには容易ではないのは見てと -
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ネタバレ■ひとことで言うと?
子どもたちの「探求する力」を伸ばす学校をつくる
■キーポイント
・画一的な学習スタイルからの脱却
→スタンダード化は「自分で考える力」を奪う
・「探求する力」の育成
→自分なりに問いを立て、自分なりの方法で、自分なりの答えにたどり着く力
→子どもたちの学びたい欲求を活かす
→教師は探求をサポートする「共同探究者」「探究支援者」
・探究型教育
→学びの個別化・協同化・プロジェクト化の融合を核とする
→探究の方法論
→1.テーマ:探求するテーマを決める
→2.問い:解決したい問いを立てる
→3.方法:問いの解決方法を検討 -
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ネタバレ■ひとことで言うと?
自由に生きられる力=「学ぶ力」を養う学校教育を
■キーポイント
・教育の目的
→1.自由に生きるための力を育む
→2.自由の相互承認の土台をつくる
・これからの時代の「よい」教育
→学力=「学ぶ力」を育む教育
→自分に必要な知識・情報を自ら学ぶ能力
→「よい」教育は時代によって変わる
・「よい」教育の実践
→1.学びの個別化:各人の興味に沿った内容・スケジュールで学ぶ
→2.学びの協同化:生徒どうしが互いに教え合う
→3.学びのプロジェクト化:プロジェクト遂行の過程で学び方を学ぶ
→3つの学びを融合させ、生徒の「学ぶ力」を -
Posted by ブクログ
哲学とは本質を捉えるためのものであり、そのための思考法を書いている書籍。
・一般化のワナに気をつけること
・問い方のマジックに引っ掛からず共通了解を得られるような問い方に問いを直すこと
・帰謬法とその対策
・欲望相関性の原理
・生きづらさを乗り越えるには
→①能力を上げる ②欲望を下げる ③欲望を変えるのどれか
→欲望がないなら ①価値観や感受性を刺激するものにたくさん触れて(映画、小説、音楽)心が動く瞬間を知る ②キッチン掃除メソッド
・哲学対話の意義 ①自分自身をよく知る ②他者了解も深まる ③価値観・感受性の交換対話
哲学の考え方の基礎的なことが列挙されているため、勉強になる。