苫野一徳のレビュー一覧

  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    「知る」ことで「知らない」では感じられなかった物事が立体的に色彩を持って立ち上がってくる。
    ニュースを見て感想を抱くだけといった姿勢では流れに逆らうことはできないが、思考し行動することは人を新たな場所へ連れて行ってくれる。
    本書では各分野の著名人が各々の視点から考えを述べており、他人の視点、思考、背景等を感じながら読み進められるという点で対話的な(厳密には違うが)一冊になっている。
    自由を重んじる立場の方々の考えに多く触れることができて心地良さすら覚えるが、逆に反論する立場の人の意見にも触れたい気持ちになった。

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    2022年06月01日
  • はじめての哲学的思考

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    哲学とは何か。
    ただ、哲学者達が出してきた答えを知識として並べるのではなく、そこからさらに思考を展開させていく。社会や時代によって答えは変わっていくかもしれない。絶対的な真理なんてない。だから、自分達で考えて答えを出していく。
    その思考の奥義を惜しみなく伝えてくれている。繰り返し、繰り返し、自身に相手に問う。一般化のワナにはまっていないか、問い方のマジックに引っかかっていないか。信念とは、欲望とは。検索すれば簡単に答えのようなものを見つけられる時代。だからこそ、自分で考えることを大事に思う。

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    2022年05月23日
  • はじめての哲学的思考

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    二項対立という安易な立ち回り方がはびこる今、自分と、そして自分と違う考えの人と第三の答えを探すことの大切さを学んだ。考える機会が失われる昨今、今一度まわりにはびこる二項対立に自分が甘えていないか考え、自分の確信を言葉にすることを習慣化しようと思う。

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    2022年05月18日
  • 愛

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    自分が語っていた愛をより解像度高く言語化している

    未だ自分の恋愛関係は合一感情→存在意味の合一まで育て上げられていないのだと理解した。

    絶対分離的尊重には自由と責任を理解するだけの人格的な発達が必要

    弁証法の考え方っていいねなんかパズルみたいで面白い

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    2022年03月23日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    第二章 文化芸術の自由は誰のためにあるのか
    から読み始めました

    「芸術」の周辺にいらっしゃる
    人たちの 肌感覚による発言が
    そのままストレートに伝わってきます

    いつの世でも
    どの国でも
    「弾圧」「排除」は
    ピンポイントで行われる

    危うい この国では
    よほど意識しておかなければ
    いつのまにやら 加害者側に取り残されている
    ことになってしまうことが多いように思う

    本書を(肯定的に)読んでいる人たちとは
    どこかで しっかり つながっておきたい

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    2022年03月08日
  • 未来のきみを変える読書術 ──なぜ本を読むのか?

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    〈自分だけの「グーグルマップ」をつくろう!〉

    哲学者・教育学者である筆者が、自身の経験を混じえながら、(主に専門書や実用書の)読書の良さや読書術について記している一冊。

    筆者は、膨大な量の読書量によって、自分の中に「グーグルマップ」をつくることができると言っています。つまり、知識や物事を上から見下ろし、目的地までの道順を知ることができるようになるということです。
    そして「クモの巣電流流し」が起こる瞬間があると。
    「クモの巣電流流し」とは何でしょうか?このことについて、以下のように書いています。
    "クモの巣電流流し?
    聞きなれない言葉だと思いますが、これは文字どおり、頭の中に&qu

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    2022年03月07日
  • はじめての哲学的思考

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    哲学
    と思って構えてしまったが

    後半は読む手が止まらず
    ふむふむと
    一気に読み終えた

    世界は常に僕たちの欲望の色を帯びている
    欲望を知ることで自分と折り合う

    不幸だと生きづらいと思うのは
    欲望とのギャップによる感情
    確かにその通りかもしれない


    哲学について考える
    価値観や感受性を刺激するものに触れることで
    自分を見つめること
    自分の内面に気づくこと
    これもまた哲学の一歩
    じゃあ
    わたしは
    時々哲学できているのかしら?


    モノごとを
    すべし!という命令思想で捉えるのではなくて
    条件解明思考
    どのような条件が、どのような条件で
    そんな風に捉え考えられた方が
    世界は広がって見えるかもね

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    2022年03月06日
  • 教育の力

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    人間がもとめる「自由」というものをぐっと深く考えた末に得られる社会の根本原理から立ちあげた教育論でした。そもそも教育はどうして必要なのか。それは各人の自由を担保するためなのだと著者は論じます。

    古代、農業の勃興によって蓄財が生まれたのち、人々はそれを奪い合うようになります。そのような争い、戦争は、「生きたいように生きたい」という種類の「自由」によって起きている、と二百数十年前の哲学者たちは見抜きました。つまり「自由」への欲望が、争いを生んでいるのだ、と。そこで考えられたのが公教育でした。ヘーゲルのよると、「自由」でありたければ、お互いの「自由」を認めあわなければならない。これを「自由の相互承

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    2022年03月05日
  • 子どもの頃から哲学者

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    躁鬱と戦いながら、苫野さんが哲学者になるまでの半生を綴った一冊。章ごとにコンパクトにまとめられた偉人たちの哲学が平易でかつ本質的。高校生とか大学生が読むと、受け取れるインスピレーションが多そう。「知らぬが仏」ではあるんだけど、深く考えることでしか得られない発想の境地はある。

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    2022年03月01日
  • 「学校」をつくり直す

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    「探究」的なものを学校教育の核にするという発想は、戦後何度も説かれてきた。問題解決学習、ゆとり教育、アクティブラーニング…。しかしそれらはいずれも学校教育の現場に定着しなかった。教育予算をケチり、そのツケを現場教員に押しつけ、それでも教員が言う事をきくように教員管理を強くしてきた。そうした政治の力に抗えないできた文科省が、人手のかかる「探究」を上位下達で唱えても、疲弊した現場は日々を乗り切るために「探究」をも「スタンダード化」してしまう。「探究」を提唱するならば、それ以上の熱量で学校予算・人手の大幅増を唱え、そちらを先ず実現しなければ、結局これまでのムーブメントと同様、いくつかの「成功例」を残

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    2022年01月15日
  • 未来のきみを変える読書術 ──なぜ本を読むのか?

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    読みやすかったです。
    電流蜘蛛の巣流し、確かにあるなぁと思いました。今後、それがまた起きるような読書を続けていきます。

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    2022年01月05日
  • 別冊NHK100分de名著 読書の学校 苫野一徳 特別授業『社会契約論』

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    ルソー「社会契約論」を通して、高校生向けの講義録と(自由学園の)高校生との対話録などで、あっという間にルソー哲学のエッセンスが学べてしまう良書。

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    2021年12月06日
  • 未来のきみを変える読書術 ──なぜ本を読むのか?

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    中高生にこの本を読ませるのは勿体無い!
    むしろもっと対象を広げて大人でも、社会人でも本を読まない事を自慢している全ての方に読んでもらいたい!

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    2021年10月12日
  • 未来のきみを変える読書術 ──なぜ本を読むのか?

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    知のグーグルマップを手に入れるための、最短最速の方法は、特別なテクニックではなかった。まさに「学問に王道なし」

    著者の師匠である竹田青嗣先生の
    「哲学、経済学、社会学、人類学、歴史学、その他諸々、とにかく、全部読むんだ。」
    という言葉が全てを語っている。

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    2021年09月27日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    初めて読む方の文章が新鮮で特に印象に残った。山田和樹さん、永井愛さん等。既によく読んでいる方の名前につられて本を手に取り、新しい方のご研究などに興味が広がっていくのがうれしい。
    この本を読んで逆に「自由」という言葉を簡単に定義し使うことが難しくなったが。
    自由を手放したくないし、奪われそうなら戦う!新たな自由をつかみ取りたい!そして次の世代に手渡したい。

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    2021年09月20日
  • 教育の力

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    著者は自分と同世代の教育哲学者。
    就学時の子供を持つ親にとって考えさせられる内容。
    自分たちが当たり前のように受けてきた、画一的・一斉型の学びから、「個別化」「協同化」「プロジェクト化」を基軸とした学びへの転換を提唱する。
    ドイツの哲学者ヘーゲルが考えた〈自由の相互承認〉の原理が根底にある。これは自分が〈自由〉になるためには、他者の〈自由〉も承認し合う必要があるというもの。自分の〈自由〉ばかりを主張し続けても終わりのない闘争が続くだけで。
    この〈自由の相互承認〉を教育を通して子どもたちに育ませることが著者の教育の理想である。
    教育現場の慣習や様々なコストをあり実現するには容易ではないのは見てと

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    2021年06月19日
  • 「学校」をつくり直す

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    ネタバレ

    ■ひとことで言うと?
     子どもたちの「探求する力」を伸ばす学校をつくる

    ■キーポイント
     ・画一的な学習スタイルからの脱却
      →スタンダード化は「自分で考える力」を奪う
     ・「探求する力」の育成
      →自分なりに問いを立て、自分なりの方法で、自分なりの答えにたどり着く力
       →子どもたちの学びたい欲求を活かす
       →教師は探求をサポートする「共同探究者」「探究支援者」
     ・探究型教育
      →学びの個別化・協同化・プロジェクト化の融合を核とする
      →探究の方法論
       →1.テーマ:探求するテーマを決める
       →2.問い:解決したい問いを立てる
       →3.方法:問いの解決方法を検討

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    2021年06月18日
  • 教育の力

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    ネタバレ

    ■ひとことで言うと?
     自由に生きられる力=「学ぶ力」を養う学校教育を

    ■キーポイント
     ・教育の目的
      →1.自由に生きるための力を育む
      →2.自由の相互承認の土台をつくる
     ・これからの時代の「よい」教育
      →学力=「学ぶ力」を育む教育
       →自分に必要な知識・情報を自ら学ぶ能力
      →「よい」教育は時代によって変わる
     ・「よい」教育の実践
      →1.学びの個別化:各人の興味に沿った内容・スケジュールで学ぶ
      →2.学びの協同化:生徒どうしが互いに教え合う
      →3.学びのプロジェクト化:プロジェクト遂行の過程で学び方を学ぶ
       →3つの学びを融合させ、生徒の「学ぶ力」を

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    2021年06月16日
  • はじめての哲学的思考

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    哲学とは本質を捉えるためのものであり、そのための思考法を書いている書籍。

    ・一般化のワナに気をつけること
    ・問い方のマジックに引っ掛からず共通了解を得られるような問い方に問いを直すこと
    ・帰謬法とその対策
    ・欲望相関性の原理
    ・生きづらさを乗り越えるには
    →①能力を上げる ②欲望を下げる ③欲望を変えるのどれか
    →欲望がないなら ①価値観や感受性を刺激するものにたくさん触れて(映画、小説、音楽)心が動く瞬間を知る ②キッチン掃除メソッド
    ・哲学対話の意義 ①自分自身をよく知る ②他者了解も深まる ③価値観・感受性の交換対話

    哲学の考え方の基礎的なことが列挙されているため、勉強になる。

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    2021年05月08日
  • 教育の力

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    教育哲学者である筆者が、拡散しがちな教育議論に対して、原理的な部分から掘り返し、どのような教育が良いのかという点について論じた本。序章において、教育における「自由、自由の相互承認、一般福祉」という納得のいく基盤を据え、それをもとに学びや学校、社会の望ましい姿について論じているので、話が拡散せず、多くの事象について適応可能である。このような教育、社会を望むことが実現への第一歩だと思うので、協力していきたい。

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    2021年04月07日