苫野一徳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2002年に『幸せについて本気出して考えてみた』という楽曲をポルノグラフィティがリリースしているが、本書はまさに’愛について本気出して考えてみた’と言うべき一冊。
言葉のニュアンスの上では「愛」と「恋愛」は何となく違うものかな?ぐらいのボンヤリとした感覚はあっても、その違いを言葉で説明出来る日本人が果たしてどのくらいいるだろう。
日常において氾濫する「愛」について、哲学の視点から鋭く整然と簡潔に考察が述べられている。
実生活において’君の言っていることは愛ではなくて愛着、いやむしろ執着だよ’なんて指摘する場面はまず無いであろうが、知っているのといないのとでは例えば愛をテーマにした物語に触 -
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Posted by ブクログ
まず著者群の面子を見て、少なくとも既知の名前において、それぞれの発信することばを追いかけている人が多いことを確認。演繹的に、その他の著者についても、かけ離れた立場にはないであろうと判断。あわよくば、今後の人生指針になり得る存在と出会えることも期待。前置き長いけど、そんな考えの下、発売前から気にかけていた本書。日本学術会議任命拒否問題についても、どこかでちゃんと読まなきゃと思っていたけど、その欲求も本書で満たされた。中曽根時代から綿々と受け継がれて今に至るってのも、何とも根深くて嫌な感じ。そのあたりまで遡って、ちゃんと勉強しなきゃ。あとは、己でさえままならない自由の取り扱いを、更に次世代に伝える
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Posted by ブクログ
非常に面白かった。
現代はテクノロジーの発展で豊かになったと思っていたが、本当は哲学によって発展した世界なのだと分かった
対立する意見はそれぞれの経験から導き出された物で、どちらが正しいかは本来なら決めることはできない。
「なぜ人を殺してはいけないのか」の節もとても理解しやすい
死刑は容認されて、戦争も容認されて正当防衛も勘案され得る
でも人を殺してはいけないのは長い争いの末に掴み取った、「自由の相互承認」という原理を元にしたルールであるということ。
この誰もが納得できる"共通了解"を見出そうとすることが哲学なのだということが分かった。
世の中色々な問題があるが、長い