苫野一徳のレビュー一覧

  • 教育の力
    とかく頭の良い人は白か黒かの0ー100思考で、一気呵成に仕組みを変えたがる傾向があるが、この著者はそういった極端な考え方を戒め、ゆるやかな変革を是としている点で好感が持てる。教育の目的が自由の相互承認という主張は「本当にそれだけか?」という疑問が最後まで残ったが、主張が最初から最後まで首尾一貫してお...続きを読む
  • 子どもたちに民主主義を教えよう――対立から合意を導く力を育む
    苫野さんと工藤さんが対話することで工藤さんの独りよがりにならない実践となっている。
     簡単に読めるし、教員養成としても考えさせる面もあるので、ぜひ読んでみることをお勧めする。
  • 子どもたちに民主主義を教えよう――対立から合意を導く力を育む
    学校は民主主義の土台をつくる場である、という常日頃考えていたことを言語化してくれた本です。

    本書では、理想的な民主主義とは何か?ということをはっきりと示しています。「誰一人置き去りにしない社会をつくる」ということです。
    この定義、すごい!と心から感じました。
    今の日本も、民主主義を謳う諸外国も、こ...続きを読む
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体
    今から3年前2019年、当時の首相による日本学術会議の会員任命拒否問題は、政府による自由・学術・教育に対する介入であると大変な危機感をつのらせることになった出来事でしたが、自分の周りでこの件について同じようなことを考えていたり意見を交換したりということがあったのは、小学校教員である友人ただ一人との間...続きを読む
  • 未来のきみを変える読書術 ──なぜ本を読むのか?
    中高生向けに分かりやすく作られている。
    が、社会人でも何故本を読むのか、説明するのは難しいのではないか。
    電子書籍でレジュメ作成容易化など参考になった。
  • 子どもたちに民主主義を教えよう――対立から合意を導く力を育む
    <目次>
    序章   学校は何のために存在するのか
    第1章  民主主義の土台としての学校~全員が合意できる「最上位目標」を探せ
    第2章  日本の学校の大問題~民主主義を妨げる6つの課題
    第3章  学校は「対話」で変わる~教育現場でいますぐできる哲学と実践
    終章   教育を哲学することの意味

    <内容>...続きを読む
  • 子どもたちに民主主義を教えよう――対立から合意を導く力を育む
    「いじめ調査の目的は、苦しんでいる子どもがいないかどうかを探し出すことで、いじめの件数を減らすことではありません」。数字目標が自己目的化し、問題解決を置き忘れる公務員組織に対する痛烈な批判である。
  • はじめての哲学的思考
    経験を一般化してはいけない
    問い方のマジックに気をつけろ(どちらかが正しいなんでことはほぼない)
    帰謬法は思考をストップさせてしまう⇒共通了解を導き出すべし
    事実からすべし(当為)を導くべからず
    命令の思想ではなく条件解明の思想(人に思いやりをもて、ではなくどうしたら人は思いやりをもてるのか)
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体
    一部ネットで嫌われてそうな論客たちからのメッセージ集。みなさん、日本から少しずつ自由が奪われていると危惧している。
    ある一面の行動・発言が切り取られて批判されることが多い方々だが、その考えに直に触れると、国の在り方や自由について真剣に考えているのが分かる。

    例えば表現の不自由展に携わった津田大介氏...続きを読む
  • 未来のきみを変える読書術 ──なぜ本を読むのか?
    大学で哲学を教えている苫野先生が書いた本。
    沢山の読書体験を積み、Googleマップになって欲しい、
    蜘蛛の巣電線流しによって、膨大な知識から瞬時に情報を引っ張ってこれるようになって欲しいと。
    中学生でも読める文章で、読書初心者の私にはちょうど良かった。

    私はアイデア力が自分に足りない、もっと欲し...続きを読む
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体
    「知る」ことで「知らない」では感じられなかった物事が立体的に色彩を持って立ち上がってくる。
    ニュースを見て感想を抱くだけといった姿勢では流れに逆らうことはできないが、思考し行動することは人を新たな場所へ連れて行ってくれる。
    本書では各分野の著名人が各々の視点から考えを述べており、他人の視点、思考、背...続きを読む
  • はじめての哲学的思考
    哲学とは何か。
    ただ、哲学者達が出してきた答えを知識として並べるのではなく、そこからさらに思考を展開させていく。社会や時代によって答えは変わっていくかもしれない。絶対的な真理なんてない。だから、自分達で考えて答えを出していく。
    その思考の奥義を惜しみなく伝えてくれている。繰り返し、繰り返し、自身に相...続きを読む
  • はじめての哲学的思考
    二項対立という安易な立ち回り方がはびこる今、自分と、そして自分と違う考えの人と第三の答えを探すことの大切さを学んだ。考える機会が失われる昨今、今一度まわりにはびこる二項対立に自分が甘えていないか考え、自分の確信を言葉にすることを習慣化しようと思う。
  • 愛

    自分が語っていた愛をより解像度高く言語化している

    未だ自分の恋愛関係は合一感情→存在意味の合一まで育て上げられていないのだと理解した。

    絶対分離的尊重には自由と責任を理解するだけの人格的な発達が必要

    弁証法の考え方っていいねなんかパズルみたいで面白い
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体
    第二章 文化芸術の自由は誰のためにあるのか
    から読み始めました

    「芸術」の周辺にいらっしゃる
    人たちの 肌感覚による発言が
    そのままストレートに伝わってきます

    いつの世でも
    どの国でも
    「弾圧」「排除」は
    ピンポイントで行われる

    危うい この国では
    よほど意識しておかなければ
    いつのまにやら ...続きを読む
  • 未来のきみを変える読書術 ──なぜ本を読むのか?
    〈自分だけの「グーグルマップ」をつくろう!〉

    哲学者・教育学者である筆者が、自身の経験を混じえながら、(主に専門書や実用書の)読書の良さや読書術について記している一冊。

    筆者は、膨大な量の読書量によって、自分の中に「グーグルマップ」をつくることができると言っています。つまり、知識や物事を上から見...続きを読む
  • はじめての哲学的思考

    哲学
    と思って構えてしまったが

    後半は読む手が止まらず
    ふむふむと
    一気に読み終えた

    世界は常に僕たちの欲望の色を帯びている
    欲望を知ることで自分と折り合う

    不幸だと生きづらいと思うのは
    欲望とのギャップによる感情
    確かにその通りかもしれない


    哲学について考える
    価値観や感受性を刺激する...続きを読む
  • 教育の力
    人間がもとめる「自由」というものをぐっと深く考えた末に得られる社会の根本原理から立ちあげた教育論でした。そもそも教育はどうして必要なのか。それは各人の自由を担保するためなのだと著者は論じます。

    古代、農業の勃興によって蓄財が生まれたのち、人々はそれを奪い合うようになります。そのような争い、戦争は、...続きを読む
  • 子どもの頃から哲学者
    躁鬱と戦いながら、苫野さんが哲学者になるまでの半生を綴った一冊。章ごとにコンパクトにまとめられた偉人たちの哲学が平易でかつ本質的。高校生とか大学生が読むと、受け取れるインスピレーションが多そう。「知らぬが仏」ではあるんだけど、深く考えることでしか得られない発想の境地はある。
  • 「学校」をつくり直す
    「探究」的なものを学校教育の核にするという発想は、戦後何度も説かれてきた。問題解決学習、ゆとり教育、アクティブラーニング…。しかしそれらはいずれも学校教育の現場に定着しなかった。教育予算をケチり、そのツケを現場教員に押しつけ、それでも教員が言う事をきくように教員管理を強くしてきた。そうした政治の力に...続きを読む