苫野一徳のレビュー一覧

  • 『エミール』を読む

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    ルソーの「エミール」を現代の教育に役立つようにかなり噛み砕かれて、わかりやすく解説されてとても読みやすかったです。

    現代の考え方に近いものが正しいとは限りませんが、現代にも通用する進歩的な考えと、若干古臭い差別的な考えも含めて、人種と時代をも超えたところで、考え方の合意形成を図っているような知的なロマンを感じました。

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    2024年04月07日
  • 別冊NHK100分de名著 読書の学校 苫野一徳 特別授業『社会契約論』

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    一般意志は個別意志の総和から衝突し合う私的な利益を差し引いて、みんなの利益になるものとして見出された合意。p.90

    一般意志はそれがみんなの利益をめざすものであるというその概念の定義上、常に正しい。みんなの利益をめざすものは政治的に正しい。一般意志はみんなの利益をめざすものだから政治的に正しい。p.87

    一般意志はすべての人の利益になる合意なので、誰かの自由を犠牲にする全体主義と同一視できない。p.67 ※アーレントは「同一視」しているのではなく、全体主義への道が潜んでいると指摘しているのでは。

    一般意志は実現しなければ意味のない原理ではなく、政治権力や法の正当性をはかる基準として意味を

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    2024年04月07日
  • 未来のきみを変える読書術 ──なぜ本を読むのか?

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    35才、子どもが3人もいる大人の私が読みました。
    学生向けに書かれた本でしょうが、大人の私でも学ぶ事が沢山書いてありました。学生の頃に出会いたかったなあ~なんて。
    本を読むという事の面白さと大切さを、優しく伝えてくれる本です。

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    2024年03月30日
  • 教育の力

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    ネタバレ

    苫野先生のVoicyを聴いて、興味が湧き読破。
    この本を買ったのは、何年か前。
    その時は、パラパラと中身を見て「なんか小難しそうだな…」と思い、読んでいなかった。

    読んでみると思ったよりも読みやすく、最後まで興味を持って読むことができた。
    哲学的な難しい話も少し出てくるので、その部分は軽く読み流すところもあった。

    子どもに学び続ける力(学力)をつけるという点は大賛成で、私が目指している教育の姿でもある。
    絶えず自己更新をしていく必要があるのは、子どもだけでなく教師も同じであり、省察的実践家として在るべきというのも納得。

    自由になるために学び、教育の土台には「自由の相互承認」があるという点

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    2024年03月29日
  • はじめての哲学的思考

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    ネタバレ

    確信や信憑のような意識作用を疑うことはできない。
    →思考の出発点
    確信や信憑は自分たちの欲望に応じて抱かれる。
    →欲望相関性の原理
    お互いの欲望・関心を明らかにした上で、納得できる共通了解を見出すことが哲学的思考である。

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    2024年03月18日
  • 子どもの頃から哲学者

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    哲学って難しいという先入観があったけど、この本は哲学初心者にも役立てられるように書かれている。
    そこに、作者さんの優しさを感じる。
    どんな学びも基礎から積み上げることが大切。

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    2024年03月08日
  • はじめての哲学的思考

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    ネタバレ

    若年層を対象に書かれた本だと思うけど、知識のない自分にはちょうど良かった。職業柄「事実」を大事にしがちだけれど、そこから「当為を導かない」って本当に大事だなと、特にコロナ禍を経たのもあって、思った。

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    2024年02月18日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    今、私が自由だと思っているものは本当に自由なのだろうかと考えた。秩序はたしかに大事だけれど秩序以上に大事なものを蔑ろにしていないか。
    国は私を守ってくれるが同時に傷付けも見捨てもする。安易にぬるま湯に浸かっていることの危険性。
    これから先の時間を生きる人が傷付き見捨てられないように今を大事にしようと改めて感じた。

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    2024年01月29日
  • はじめての哲学的思考

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    ネタバレ

    「苫野一徳」月間、2冊目
    最初の一冊にはこれがベストか?!
    哲学的思考の奥義(一般化のワナ・問い方のマジック・超ディベート・欲望相関性の原理)に加えて、哲学対話も本質観取の実例はとても興味深かった
    とはいえ、やっぱりこれは実際にやってみないと実感が伴ってこないかも
    最近は学校でも探求の授業等での取り組みをよく目にする
    高校生でこういう時間が持てたら面白いだろうなぁ〜

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    2023年10月10日
  • 教育の力

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    この本は、では今、教育をどうするかを考えるのにとても良い。誰でも語れる教育論に疑問を抱いたことのある人や、教育に絶望した人、諦めてしまった人には一度読んでいただきたい。

    苫野先生の声や言葉の選び方が本当に好きで、もはやファン。

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    2023年09月02日
  • はじめての哲学的思考

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    Voicyでの放送で著者の話に惹かれて読んでみた。放送でお話されてことが、そのまま書かれている。
    改めて文字として見ることで話をより深く理解できたように感じる。
    本書の中で特に印象に残ったのが第10の信念の対立をどう乗り越えるかだ。この世に絶対の正解がないことを肝に銘じつつ、お互いに分かり合えるはずだと信じて共通了解を作り上げていく。この姿勢を大事にしていきたいと強く感じた。

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    2023年04月09日
  • はじめての哲学的思考

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    「事実」を理解しようとする科学に対し、哲学の意義は「意味」を理解しようとすることである。
    「意味」には絶対的な真理は存在しないため、さまざまな信念や認識の中から「共通了解」を見出していくことが哲学のプロセスとなる。この信念や認識は、人の欲望や関心から生じるものであり、この欲望こそが哲学の原理となる。
    とても平易な文章で読みやすく、哲学へのとっかかりとしてとてもいい本だと思った。その分、筆者の主張への反論や再反論については十分に検討されていないように感じるので、もっと哲学の本を読みたいと思った。

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    2023年04月02日
  • 「学校」をつくり直す

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    探求を中心としたカリキュラムづくり憧れる。

    学び
    自由の相互承認があって、全ての子どもが生きたいように生きる教育を目指す
    学びのコントローラーを手にした時やる気になる
    幼少期の遊び浸りがその後の学び浸りに

    To do
    サークル対話
    教室リフォーム
    自分の経験を過度に一般化しない

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    2023年04月01日
  • 未来のきみを変える読書術 ──なぜ本を読むのか?

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    「速読家の知識は、単なる脂肪である」という平野啓一郎さんの言葉の引用に、ギョッとした。本を読み終わったらちゃんとメモや目次を見返して、知ったこと、学んだことをメタ認知して、「無理のない多読」にしていきたいです。それにしても、ちくまのこのシリーズは良いですね。

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    2023年01月28日
  • 教育の力

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    とかく頭の良い人は白か黒かの0ー100思考で、一気呵成に仕組みを変えたがる傾向があるが、この著者はそういった極端な考え方を戒め、ゆるやかな変革を是としている点で好感が持てる。教育の目的が自由の相互承認という主張は「本当にそれだけか?」という疑問が最後まで残ったが、主張が最初から最後まで首尾一貫しており理解はしやすい。
    ただやはり著者が期待するような時間軸で、著者が期待する方向に教育が変わっていくとは思えなかった。つまるところ資本家や支配層がどういう人材を必要とするかで教育の方向性が決まるのであって、一概に「よい」方向に改革が進むとは限らない。むしろ支配層のお仲間だけが競争せずして支配権力を継承

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    2023年01月12日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    今から3年前2019年、当時の首相による日本学術会議の会員任命拒否問題は、政府による自由・学術・教育に対する介入であると大変な危機感をつのらせることになった出来事でしたが、自分の周りでこの件について同じようなことを考えていたり意見を交換したりということがあったのは、小学校教員である友人ただ一人との間でした。
    そこにあるものの不穏さを感じ取った人が自分の周りにはあまりにも少なかった、と思います。
    それから現在までを振り返ってみるとたった3年の間に自由というものがとても堅苦しく緊張の伴うものになってしまっており今なお進行形であると感じます。

    気づいたら周りから固められてて自分は奇特な意見を述べる

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    2022年11月14日
  • 未来のきみを変える読書術 ──なぜ本を読むのか?

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    中高生向けに分かりやすく作られている。
    が、社会人でも何故本を読むのか、説明するのは難しいのではないか。
    電子書籍でレジュメ作成容易化など参考になった。

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    2022年11月12日
  • はじめての哲学的思考

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    経験を一般化してはいけない
    問い方のマジックに気をつけろ(どちらかが正しいなんでことはほぼない)
    帰謬法は思考をストップさせてしまう⇒共通了解を導き出すべし
    事実からすべし(当為)を導くべからず
    命令の思想ではなく条件解明の思想(人に思いやりをもて、ではなくどうしたら人は思いやりをもてるのか)

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    2022年08月06日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    一部ネットで嫌われてそうな論客たちからのメッセージ集。みなさん、日本から少しずつ自由が奪われていると危惧している。
    ある一面の行動・発言が切り取られて批判されることが多い方々だが、その考えに直に触れると、国の在り方や自由について真剣に考えているのが分かる。

    例えば表現の不自由展に携わった津田大介氏。近年、アートの世界では政権の意向に沿った展示しかできなくなってきたと言う。意向に反せば、補助金が下りないなど不自由を強いられるそうだ。

    詳しく知らないが、おそらく、この展示は慰安婦像などを展示するのが目的ではなく、賛否両論のものを公の場で示すこと自体が目的だったのではないか。こうした国の動きに対

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    2022年08月01日
  • 未来のきみを変える読書術 ──なぜ本を読むのか?

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    大学で哲学を教えている苫野先生が書いた本。
    沢山の読書体験を積み、Googleマップになって欲しい、
    蜘蛛の巣電線流しによって、膨大な知識から瞬時に情報を引っ張ってこれるようになって欲しいと。
    中学生でも読める文章で、読書初心者の私にはちょうど良かった。

    私はアイデア力が自分に足りない、もっと欲しいという思いから効率のよい読書術を期待して、この本を手に取った。
    結果的に急がば回れであることが分かった。
    大量の知識をコツコツ積み上げ、いつか自分の脳内でスパークする日がくること夢見てがんばろうと思った。

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    2022年07月02日