苫野一徳のレビュー一覧

  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    今から3年前2019年、当時の首相による日本学術会議の会員任命拒否問題は、政府による自由・学術・教育に対する介入であると大変な危機感をつのらせることになった出来事でしたが、自分の周りでこの件について同じようなことを考えていたり意見を交換したりということがあったのは、小学校教員である友人ただ一人との間でした。
    そこにあるものの不穏さを感じ取った人が自分の周りにはあまりにも少なかった、と思います。
    それから現在までを振り返ってみるとたった3年の間に自由というものがとても堅苦しく緊張の伴うものになってしまっており今なお進行形であると感じます。

    気づいたら周りから固められてて自分は奇特な意見を述べる

    0
    2022年11月14日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

    Posted by ブクログ

    一部ネットで嫌われてそうな論客たちからのメッセージ集。みなさん、日本から少しずつ自由が奪われていると危惧している。
    ある一面の行動・発言が切り取られて批判されることが多い方々だが、その考えに直に触れると、国の在り方や自由について真剣に考えているのが分かる。

    例えば表現の不自由展に携わった津田大介氏。近年、アートの世界では政権の意向に沿った展示しかできなくなってきたと言う。意向に反せば、補助金が下りないなど不自由を強いられるそうだ。

    詳しく知らないが、おそらく、この展示は慰安婦像などを展示するのが目的ではなく、賛否両論のものを公の場で示すこと自体が目的だったのではないか。こうした国の動きに対

    0
    2022年08月01日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

    Posted by ブクログ

    「知る」ことで「知らない」では感じられなかった物事が立体的に色彩を持って立ち上がってくる。
    ニュースを見て感想を抱くだけといった姿勢では流れに逆らうことはできないが、思考し行動することは人を新たな場所へ連れて行ってくれる。
    本書では各分野の著名人が各々の視点から考えを述べており、他人の視点、思考、背景等を感じながら読み進められるという点で対話的な(厳密には違うが)一冊になっている。
    自由を重んじる立場の方々の考えに多く触れることができて心地良さすら覚えるが、逆に反論する立場の人の意見にも触れたい気持ちになった。

    0
    2022年06月01日
  • 愛

    Posted by ブクログ

    自分が語っていた愛をより解像度高く言語化している

    未だ自分の恋愛関係は合一感情→存在意味の合一まで育て上げられていないのだと理解した。

    絶対分離的尊重には自由と責任を理解するだけの人格的な発達が必要

    弁証法の考え方っていいねなんかパズルみたいで面白い

    0
    2022年03月23日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

    Posted by ブクログ

    第二章 文化芸術の自由は誰のためにあるのか
    から読み始めました

    「芸術」の周辺にいらっしゃる
    人たちの 肌感覚による発言が
    そのままストレートに伝わってきます

    いつの世でも
    どの国でも
    「弾圧」「排除」は
    ピンポイントで行われる

    危うい この国では
    よほど意識しておかなければ
    いつのまにやら 加害者側に取り残されている
    ことになってしまうことが多いように思う

    本書を(肯定的に)読んでいる人たちとは
    どこかで しっかり つながっておきたい

    0
    2022年03月08日
  • 教育の力

    Posted by ブクログ

    人間がもとめる「自由」というものをぐっと深く考えた末に得られる社会の根本原理から立ちあげた教育論でした。そもそも教育はどうして必要なのか。それは各人の自由を担保するためなのだと著者は論じます。

    古代、農業の勃興によって蓄財が生まれたのち、人々はそれを奪い合うようになります。そのような争い、戦争は、「生きたいように生きたい」という種類の「自由」によって起きている、と二百数十年前の哲学者たちは見抜きました。つまり「自由」への欲望が、争いを生んでいるのだ、と。そこで考えられたのが公教育でした。ヘーゲルのよると、「自由」でありたければ、お互いの「自由」を認めあわなければならない。これを「自由の相互承

    0
    2022年03月05日
  • 「学校」をつくり直す

    Posted by ブクログ

    「探究」的なものを学校教育の核にするという発想は、戦後何度も説かれてきた。問題解決学習、ゆとり教育、アクティブラーニング…。しかしそれらはいずれも学校教育の現場に定着しなかった。教育予算をケチり、そのツケを現場教員に押しつけ、それでも教員が言う事をきくように教員管理を強くしてきた。そうした政治の力に抗えないできた文科省が、人手のかかる「探究」を上位下達で唱えても、疲弊した現場は日々を乗り切るために「探究」をも「スタンダード化」してしまう。「探究」を提唱するならば、それ以上の熱量で学校予算・人手の大幅増を唱え、そちらを先ず実現しなければ、結局これまでのムーブメントと同様、いくつかの「成功例」を残

    0
    2022年01月15日
  • 別冊NHK100分de名著 読書の学校 苫野一徳 特別授業『社会契約論』

    Posted by ブクログ

    ルソー「社会契約論」を通して、高校生向けの講義録と(自由学園の)高校生との対話録などで、あっという間にルソー哲学のエッセンスが学べてしまう良書。

    0
    2021年12月06日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

    Posted by ブクログ

    初めて読む方の文章が新鮮で特に印象に残った。山田和樹さん、永井愛さん等。既によく読んでいる方の名前につられて本を手に取り、新しい方のご研究などに興味が広がっていくのがうれしい。
    この本を読んで逆に「自由」という言葉を簡単に定義し使うことが難しくなったが。
    自由を手放したくないし、奪われそうなら戦う!新たな自由をつかみ取りたい!そして次の世代に手渡したい。

    0
    2021年09月20日
  • 教育の力

    Posted by ブクログ

    著者は自分と同世代の教育哲学者。
    就学時の子供を持つ親にとって考えさせられる内容。
    自分たちが当たり前のように受けてきた、画一的・一斉型の学びから、「個別化」「協同化」「プロジェクト化」を基軸とした学びへの転換を提唱する。
    ドイツの哲学者ヘーゲルが考えた〈自由の相互承認〉の原理が根底にある。これは自分が〈自由〉になるためには、他者の〈自由〉も承認し合う必要があるというもの。自分の〈自由〉ばかりを主張し続けても終わりのない闘争が続くだけで。
    この〈自由の相互承認〉を教育を通して子どもたちに育ませることが著者の教育の理想である。
    教育現場の慣習や様々なコストをあり実現するには容易ではないのは見てと

    0
    2021年06月19日
  • 「学校」をつくり直す

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ■ひとことで言うと?
     子どもたちの「探求する力」を伸ばす学校をつくる

    ■キーポイント
     ・画一的な学習スタイルからの脱却
      →スタンダード化は「自分で考える力」を奪う
     ・「探求する力」の育成
      →自分なりに問いを立て、自分なりの方法で、自分なりの答えにたどり着く力
       →子どもたちの学びたい欲求を活かす
       →教師は探求をサポートする「共同探究者」「探究支援者」
     ・探究型教育
      →学びの個別化・協同化・プロジェクト化の融合を核とする
      →探究の方法論
       →1.テーマ:探求するテーマを決める
       →2.問い:解決したい問いを立てる
       →3.方法:問いの解決方法を検討

    0
    2021年06月18日
  • 教育の力

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ■ひとことで言うと?
     自由に生きられる力=「学ぶ力」を養う学校教育を

    ■キーポイント
     ・教育の目的
      →1.自由に生きるための力を育む
      →2.自由の相互承認の土台をつくる
     ・これからの時代の「よい」教育
      →学力=「学ぶ力」を育む教育
       →自分に必要な知識・情報を自ら学ぶ能力
      →「よい」教育は時代によって変わる
     ・「よい」教育の実践
      →1.学びの個別化:各人の興味に沿った内容・スケジュールで学ぶ
      →2.学びの協同化:生徒どうしが互いに教え合う
      →3.学びのプロジェクト化:プロジェクト遂行の過程で学び方を学ぶ
       →3つの学びを融合させ、生徒の「学ぶ力」を

    0
    2021年06月16日
  • 教育の力

    Posted by ブクログ

    教育哲学者である筆者が、拡散しがちな教育議論に対して、原理的な部分から掘り返し、どのような教育が良いのかという点について論じた本。序章において、教育における「自由、自由の相互承認、一般福祉」という納得のいく基盤を据え、それをもとに学びや学校、社会の望ましい姿について論じているので、話が拡散せず、多くの事象について適応可能である。このような教育、社会を望むことが実現への第一歩だと思うので、協力していきたい。

    0
    2021年04月07日
  • 「学校」をつくり直す

    Posted by ブクログ

    教育の力を読んでいたので、基本的な部分はおさえつつ、時代の変遷によりさらなる議論が追加されている。

    プロジェクトの三類系は見直しを行うのに参考になる。課題解決型、知的発見型、創造型。

    低次の忍耐力ではなく、自分が探究したいことのために粘り強く探究する能動的忍耐力が必要。この議論はとても重要。やらされやただの理不尽を押し付ける意見に対して、目的を見た上で議論することができる。

    また、義務教育学校では指導要領の何学年で何を学ぶかの規定が緩いというのは知らなかった。小中学園構想で行うのと、義務教育学校として行うことでは、進め方がかわりそうだ。

    0
    2021年02月16日
  • 「学校」をつくり直す

    Posted by ブクログ

    教職,教職志望者,教員養成に関わる大学教員にお勧め。
    当たり前(みんなと同じ内容を同じペースで同じくらいできるようになる)が当たり前なのか,当たり前でないならどうするのか考えて実行することでしか「変わらない」と説く。

    いろいろな大人の事情はある。制度運用者は制度が悲鳴を上げなければ変えようとは思わない。であるならば,現場に一番近い者が信念を持って主張し実行していくしかない。それをする価値があると思うならば。

    0
    2020年12月28日
  • 教育の力

    Posted by ブクログ

    なぜ教育は必要なのかという問いに対する筆者なりの答えに共感した。

    自由に生きられるようになるためには教育が必要。誰しも自由に生きたいと思うが、みんながみんなやりたい放題してしまったら、争いが起こる。この争いを無くす、もしくは少なくするために秩序を設ける。学校内で決まりやルールを守るのはそのため。また、学校で様々な人と接する中で、他者の自由も尊重することを学ぶことで、自分の自由と他者の自由を上手に調整する術を体得していく。そうすれば、社会には、自分と他者の自由双方を大切にできる人が増えていく。

    自分も大切に、他者も大切にすることは必要だし、それは家庭で学ぶことも出来るが、学校という環境の方が

    0
    2020年04月17日
  • 「学校」をつくり直す

    Posted by ブクログ

    一言で言うと、一斉画一授業改革の提案である。これまで教育改革が何度も行われてきたものの、ずっと課題が山積してきたのは、エビデンスに「哲学」が加わらなかったからだとしている。そもそも、子どもはもとより学ぼうとしている存在であると言う教育観のもと、これからの教育は行われなければならないことやさらには探究的な学習(探求プロジェクト)を学校教育の中心に今よりさらに位置付けていくことで、子どもたちはより能動的に学んでいくとの主張がわかりやすく書かれていた。

    0
    2020年04月13日
  • 愛

    Posted by ブクログ

    何回も読みたい本。
    ぼんやりとは理解したような…。

    「愛は、わたしたちが自分の尻で座り、自らの意志をもって、育て上げていくもの」

    大人は子どもに、愛される経験まではないにしても、承認される経験をさせることが大切で、愛の皮を被った調教的要望ではないか常に省みる必要がある。
    合一感情・分離的尊重の話があったからこそ、すんなり理解できた。年齢を重ねてきて、子どもと関わる機会が増えたからこそ、忘れたくない。

    0
    2020年02月25日
  • 愛

    Posted by ブクログ

    愛とは何か?

    この深い問いに哲学的アプローチで答えんとする本著。

    最終章とあとがきで収斂された一つの回答は、非常に説得力のあるものだ。

    思えば、小中学の頃、「自分は誰のことも嫌っていない。人を嫌うなどできない」と嘯いていた時期が私にもあった。それは苫野先生が唱え、後に否定した「人類愛」に通底するものが多少あったように感じられる。私のそれは、「誰からも嫌われたくない」という思いの反動だったに違いない。

    私も、子の親となり、苫野先生が本著で説く愛の本質に迫っているように思われ、そのことを本著が言語化してくれたことで幾分スッキリしたようにも思う。

    やや難しい点もあるが、その分読み応えもある

    0
    2020年02月21日
  • どのような教育が「よい」教育か

    Posted by ブクログ

    どんな問いには正解がなく(正解をめぐって議論しても意味がなく)、どんな問いなら答えうるかという視点で話がすすんでいくので、すっきりした。自分の体験を一般化してしまうことなく、また相対主義で止まってしまうのでもなく、教育についての話を前にどう進めるか、というのはとても興味深かった。結論として、よい教育とは、社会における「自由の相互承認」を、より実質化できる教育であるとのこと。

    個々人の自由、そしてそのための「自由の相互承認」を最終目標にするという視点は確かに反論のしようがない気がする。(個人的な感覚としてはとても賛成)
    専門家たちの間ではこのあとどう議論が進んだんだろうということも気になった。

    0
    2020年02月15日