苫野一徳のレビュー一覧
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麹町中学校に民主主義を実践しながら改革をしてきた工藤氏と、教育哲学者の苫野氏による対談本です。テスト廃止・制服変更など、学校改革の実践例を交えつつ、現代教育が抱える問題点と、民主主義教育の本質を説いています。
生徒はもちろんですが、保護者や教員も巻き込んで現場を改革していった工藤氏。苦労も滲み出るその言葉には実践者ならではの説得力があります。
工藤氏は、民主主義の象徴ともいえる多数決について再考を促しています。多数決は少数派を切り捨てる「多数者の専制」に陥りやすく、これだと「誰一人置き去りにしない社会」は実現できないと述べています。多数決は「どちらでもいい」場合のみ使い、対立の場面では第3の -
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個人的まとめ
〇日本人が民主主義を理解しづらい理由
日本人が「民主主義」に持っているイメージ
多数決、人権擁護、弱者保護、自治、自由など
このように意見が分かれること自体民主主義が根付いてない証拠
〇多数決の危険
「多数決= 民主主義ではない(ルソー)」。
しかし、どちらを選んでも誰の利益も損ねることがない時は多数決で決めても良い
〇ヘーゲルは「なぜ人間だけが戦争を無くせないのか?」その根本的な理由を人間だけが「生きたいように生きたい」という欲望があるから。と言っている
〇憲法解釈の誤解
憲法は国家権力から国民への命令ではなく、その反対の「国民から国家権力への命令」
〇民主主義では何を -
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教育改革と言いながら、なかなか現状維持からの脱却ができない現実がある。この本を読んで、学校の制度や、学級のあり方、教育に対する考え方に思っていた以上に不都合が生まれてきていることを感じた。けれども、変えていくには時間と労力が必要で、それを進める意志の力もいる。多忙な現場では負のスパイラルに陥っていることを感じることも多い。けれども、本著では、教師を信頼し、その成長を長期的に支援することの必要性が書かれており、相互承認を基盤としたあり方だなぁと、感じた。最後の長期的なヴィジョン、実現していくといいなぁ。子どもが自分の力を実感しながら、満たされて伸びていける、自由感のある学校になるといいなぁ。
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『ルポ 誰が国語力を殺すのか』の中で哲学対話が紹介されていたので関連書籍を読んでみようと思い立ち、購入。
内容はとても興味深く、小学校教師を目指す者として哲学対話を学校で取り入れたいと感じた。
一方で今の子どもたちに答えのない議論をさせるのは難しいのではないかという不安もある。
著者の娘さんたちは自分の軸を持っていて、考えを言語化できている。すごい。
なんならそこらの大人よりしっかりしてる。
しかし学級ではそうはいかない。
発言はおろか、考える行為自体困難な子どもだっている。中途半端に導入すれば、たちまち授業が成り立たなくなるだろう。
だからこそ指導者の腕が試される。
哲学対話について色々調 -
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竹田青嗣先生と苫野一徳さんの初の対談本、
一気に読んでしまいました。
普遍暴力をいかに逓減するか、という問いかけ。
ずっと頭にこびりつきながら問いかけていたことは、
「ではどうやったら具体的に、日常においてそれが可能か」
ということ。
仕事や、家庭、あるいはそれぞれの共同体の中で、
「場」を創設していくには?
あるいは確かによくできた原理かもしれないが、
覇権主義の現在の世界システムで、「相互承認」の感度を世界的に育んでいくことはできるのか?
人間には理性とは別のエゴイズムの原理があって、道徳はおろか法をも掻い潜ってそれが制御不能なものになるのが人間の常ではないか。
(いじめや学級崩壊や -
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工藤勇一さんの対談内容がとても刺激的で、私が理想とする学校教育を提示されていて一気読みしてしまいました。「誰1人置き去りにしない」が心の軸に、いえ、生き方の軸になっていて、民主主義とか自由の相互承認とか難しい言葉を使われてますが。本質は「対話」。このスキルを私も学んでこなかった。自分と違う考え方を否定したり論破するのが強さであり正しさだと思っていたし、何かを生み出せるスキルではない事にも気づいていた。
日本の教育は、ドラマ「御上先生」のように上手くいかないだろうけど、保育者である私自身がこ」なら、言葉を獲得する時期の幼児期の子どもたちとが変わっていく中で、対話の力が芽吹くような保育を展開したい -
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# 物事の本質についての考察
- 絶対的な本質は存在せず、「人それぞれ」という面がある
- しかし「人それぞれ」で終わると議論が進まない
- 個々の経験(例:良い教育の経験)を共有し対話することが重要
- 多くの人が納得できる共通点を探すプロセスこそが「本質」を見出す道
- この対話は他者との違いの発見と自己理解にもつながる
# 対話の進め方
- まず「本質」を探りたいテーマを設定する(友情、自由、幸せ、良い社会など)
- できれば自分の最近の体験や選んだ理由に基づくテーマが良い
- 参加者がテーマに関する具体的な経験や考えを持ち寄る(例:最近感じた幸せな瞬間)
- 共有された経験から -
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世の教育に携わる人は必読だと思った。これからの公教育の目指すものは学びの個別化と、自ら学ぶ力だと言ってる。
苫野一徳
1980年生まれ。熊本大学准教授。博士(教育学)。関西学院高等部、早稲田大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程単位取得満期退学。早稲田大学教育・総合科学学術院助手、日本学術振興会特別研究員などを経て現職。専攻は、哲学・教育学。
自身の著書『子どもの頃から哲学者』において、17歳から8年続いた躁鬱病(双極性障害)を哲学によって克服したことを告白している。
教育の力 (講談社現代新書)
by 苫野一徳
教育の世界に身を置いていていつも心苦しく思うのは、みんな -
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ネタバレ何度も読み直したいと思う本に出会えた。
民主主義と誰1人取り残さない。
色々な考えを受け入れて、自分の思いを一方的にぶつけない、そんな教師でありたいと思った。
以下本文抜粋
3つの問いかけ
1.どうしたの?
2.どうしたいの?
3.何か手伝える事はある?
日本型教育の問題点の解決のポイント
1.心の教育
思いやりだけで問題は解決しない
2.いじめ問題
ちょっとしたトラブルもいじめ扱いし、大人が過度に介入することが、子供の自立や問題解決力を奪ってしまう
3.教員養成
教師の仮面を被る練習をさせない。教師も失敗することのある1人の対等な人間
4.理不尽な校則
理不尽な校則が民主主義社会に