苫野一徳のレビュー一覧
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<目次>
はじめに
第1章 何が問題の本質なのか?
第2章 先生もつらい
第3章 学校をこう変える①~「探究」をカリキュラムの中核に
第4章 学校をこう変える②~「ゆるやかな協同性」に支えられた「個」の学び
第5章 私たちに何ができるか?
<内容>
隔靴掻痒な感じの本。「わかっているが、それができるのか?」。学校現場にいると、問題点はわかり、変えていきたいが、日々の活動の中になかなか落とし込めない。毎日どんどん進んでいくし、こうしたことに気づかない(気づかないふりをしている)同僚を口説く労力も浮かばないし…。理論はわかっているが、実践の効果が数年後だろう、という感じがまた行動を遅ら -
Posted by ブクログ
著者は若手哲学者・苫野先生。
5年前のNHK「日本のジレンマ」を観て以来、気になる存在でありました。
※あの番組はイケてる人とイケてない人が大きく分かれる。
ご自身のイタくてこじらせていた青年時代を引き合いに、
哲学がいかに生きづらさを救う学問であることを語っております。
哲学の目的を絶対の真理の探究でなく、
共通了解を得る知恵としているスタンスが、気楽で良いなと思いました。
その他、人は世界を欲望を通じてできている。
欲望と能力のギャップこそ、悩みの原因。
絶望した人には可能性を与えよ。
近く(自分)ではなく、遠く(社会)をみよ。
など「絶望からの脱出」語録満載です。 -
Posted by ブクログ
入門書的に書かれていることもあって、平易な言葉とシンプルな文章で大変読みやすかった。
哲学アレルギーの人でもおそらく読み終えることができるはず。
教育をとりまく多くの疑似問題を俯瞰するかのように、哲学的な観点から、「よい」教育とは何か、教育の本質とは何かについて問い直す。
さんざん論理の欠陥を指摘されてきた、教育問題に対する理想・当為主義および相対主義に対し、現象学を援用した欲望論を展開する。
自らが「よい」「悪い」と感じたことを疑いも否定もせず、「~したい」「~でありたい」という欲望(関心)を基本とする。
この純朴な根拠は斬新で非常に興味深い概念だと思う。
書いてあることはおおよそ賛成で