苫野一徳のレビュー一覧
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「俺の考えは正しい。
お前は絶対に間違っている!」の乗り越え方。
みんなが「そうだ」と言える本質を見出していくということ。
なるほどーーー!と思うことばかりです。
哲学教育や哲学イベントに関わる者として、
苫野さんと、
故・池田晶子さんに負うところは大きいです。
●理性がある限り、絶対的に正しいことはわからない(!)
●自分の体験を普遍化しない。
●自分の「信念」に気をつける!
●「偽の問題」に騙されないこと。
●相手を言い負かすための方法:例外を出す。
→でもむなしい。
→共通了解しながら第三の道を建設的に志向していく対話。
●絶対に疑えない原理
デカルト「我思う故に我あり」
フッサール「感 -
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ネタバレ筆者の半生と、哲学者の考え方を関連付けながら書き上げた哲学の入門書。
筆者も文中に書いているが、哲学書というのは小難しく書いてあることが多いが、それを身近な、それでいて説得力のある形で紹介されていて、今回のテーマの一つである「哲学は役に立つ」がスッと入ってくる。
以下、心に残ったことを、記録のためにも抜粋して…
○哲学というのは、誰もがみんな「なるほど、その通りだ」ということを掲げる学問。
○カントによって、「絶対の真理なんて究極的には分からない。」という思考法が生まれた。それを求めて争うなんて、馬鹿みたいではないか。
○ヘーゲルの人間洞察、「承認」を求めて、あがく様子を克明に記した。「スト -
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ネタバレ絶対的な答えのない哲学を敬遠し、あまり面白くないと思ってきたが、哲学的思考は魅力的かつ人間にとって非常に重要なものであるということを認識することができた。誰かと議論をするとき、建設的ではない議論になってしまうことが度々あった。そのようなとき、「なぜ自分の考えを理解してくれないのか」「自分の意見の方が圧倒的に正しい」などという考えを持ってしまっていた。しかし、自分の主張を全面的に押し出すのではなく、自分の主張の根底にある欲望と、相手の主張の根底にある欲望それぞれをすり合わせることが必要であるということに気づかされた。本書にあるような考え方、議論の仕方を実践していき、より良い第3の意見を創り上げら
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超お勧めです!
哲学対話、本質観取をやってみたいと思いました。
答えの出ないもやもや、そもそも答えはあるのは、私たちが知ることが出来るのか。
なぜ人を殺してはならないのか、生きる意味とは何だろうか、人生に関するものから社会の難問までを解き明かす、哲学の考え方を知ることができます。
一般化の罠、問い方のマジックなどにも注意が必要です。
サンデル教授の白熱教室に意味が見いだせなかった理由も、本書を読むとよく分かり、整理され、納得しました。
「あったのいっていることは絶対に正しいといえるの? それって絶対なの?ぜぇぇぇったいなの?」
と。
こういわれれば、どんな人でも「い、いや、絶対かっていわれた -
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*哲学とは、さまざまな物事の
「本質」を捉える営みのこと*
・本質とは、「共通了解」のこと
・哲学は人間的な「意味の世界」を扱うもの
・科学は「事実の世界」を観察や実験によって明らかにするもので、哲学があって初めて成り立つもの
・宗教は絶対的な正解のない問いに「神話」で答えを出すもの
*哲学の最大の意義は
「思考の始発点」を敷くこと*
◇思考の始発点とは?
・わたしたちの「確信」や「信憑」であり、その原点は「欲望」
・欲望は、確かめ可能な最後の地点
◇なぜ思考の始発点を敷くことが必要か?
・誰もが納得できる思考の始発点を定めることができれば、その土台の上により実践的な力強い思考を積み -
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「ほんとう」の愛とは?
それはいかにして可能か?
友愛、性欲、性愛、恋、恋愛、キリスト教の無償の愛などとの違いは何か。
それぞれの言葉の使い方や自らの体験を道具に、考え抜いていきます。
著者20年の思索の結果が解き明かす、愛のすがたとは?
深いところまで徹底的に考えていく哲学書ですが、難しすぎず、分かりやすく、丁寧に書かれています。
お勧めです。
確かに、わたしたちは、“真の愛”と呼びうるような「愛」に浸されている時、それが無 条件の「愛」であることを感じる。わたしは、この人が美しいからとか、才能があるからとか、わたしを愛してくれているからとかいった理由によって愛しているわけではない。わたし -
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AIとの共存がこれからの時代のテーマの一つである中、今は人間にしかできない仕事の価値がどんどん高まっている。
日本は、知識詰め込み型の教育やいかに早く正確に問題を解くかという能力を問うセンター試験のような入試対策向けの授業がこれまで一般的であり、そこでは計算力や暗記力、スピードが重視されてきた。しかし、これらの能力は全てAIが人間より優れた部分である。
よって、これからの教育はAIにはできず人間にしかできない創造力や思考力、課題解決力などの能力を育んでいく教育が行われるべきだし、まさにずっと前からそれは改革中なのだろう。筆者も言うように、学びの個別化・協同化・プロジェクト化や学校空間の再設計な