下村敦史のレビュー一覧
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本音と建前とがありますが、言葉の裏側を考えさせられる事には慣れておりません。
京都という街のイメージがピッタリとハマる小説でした→行った事はありませんが
花街の話や寺社仏閣、文化の話などを見ると、京都に旅行する前に読んだ方が良い一冊と思えました。
しかし、作中の京都人達の会話が日常的に行われているのであれば、東北人の私からすると非常に疲れるなぁと思いました。
でも東北人は京都人達から詰られても気が付かないかもしれないとも思いました。
それと、下村作品の文章のくどさ(良い意味で)と伏線の貼り方にに京都のルーツを感じました。
親と一緒に農業を営む英二のもとに突然帰省してきた双子の兄妹の -
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全員犯人、だけど被害者、しかも探偵
下村 敦史
メインの舞台は密室デスゲーム
ジェットコースターのような作品だった。じわじわと期待や緊張感そして違和感が積み重なっていき、最後の最後に落とされ、回され、宙返りさせられる
各キャラクターと氏名のイメージが一致してて、"全員"が登場していても読みやすさがあり、これは著者の工夫なのかなと想像。物語の主観も細かく切り替わるが、そこにも分かりやすさの工夫がある。ただ、こんなにも切り替える必要はあるのか疑問に思ってしまったが…が、これは読み返したくなる
タイトルの意味、散りばめられた謎、
「結末であり、始まり③」という節から始まる本 -
Posted by ブクログ
普段からChatGPTとかに頼ることが多い自分には、読んでいて背筋がぞっとする一冊でした。物語は「誰かにプロデュースされる」ことの怖さを描いていて、言われた通りに動くのがどれだけ簡単か、でもその先で自分の意思はどうなっちゃうのか…って考えさせられました。
テンポも良くてスリリングに進むんだけど、「これ自分のことかも?とか、こんなに簡単に事が進むなら頼っちゃうよね。」と思う瞬間が何度もあって、妙にリアル。便利さや指示に従う安心感が、逆に怖さにつながっていく描写が特に印象に残りました。
最後までスッキリ答えが出るわけじゃないけど、その余白がむしろリアルで余韻も強いです。「自分の行動って本当に自 -
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本の裏表紙に…
ここは腹黒の街。美しき京女の正体を"よそさん"は暴けるか。
って…なんちゅうお題目やねん!笑
ミステリーやねんやろうけど、半分、京都案内みたいな感じ。
それも花街とか、古い京都の伝統も含めての。京都の人の裏表の態度も入ってる。
「都をどり」「鴨川をどり」「壬生狂言」、地名の由来(ドロドロやけど)などなど。
京都の年中行事を含めて。祭りは、祇園祭やなく、葵祭を中心に!
更に、闇の京都みたいなのも。
裏表は、洛中の商売人らの話なんやろうな。老舗の。和菓子とか、西陣織とか…
私は京都市出身とはいえ、洛中やないからね。京都ちゃう!って言われる…
(伏見出身です) -
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幼い頃、貧しい暮らしの中で家族と出掛けた遊園地。
両親はいつもと違い穏やかで、夢のような時間だった。
そして、幸せな時間の後に両親は一家心中を図った。
何かそのことに違和感を抱いていた幸子だけが生き残った。
17年後の幸子は事務員として働いていたが、両親への恨みを抱えたままだった。
お見合いパーティーで出会った男性と交際するも、心を開くことが出来ず、過去と決別しなければと両親の眠るお墓を訪れるが…
そこで出会ったのは、一家心中を図り生き残ったという母親の雪絵だった。
雪絵に出会い、また周りで出会う人たちに幸子は様々な思いをぶつける。
加害者と被害者との関係や憎しみや恨み。
幸子の思いは一体どこ