下村敦史のレビュー一覧
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読み終わったとき、「どんな人生を歩めばこんな話を書けるんだ?」と思いました。
最後に向かうに連れ、逆転、逆転のどんでん返し…
それが答えか〜!となる結末でした。
読んでる最中、「みんな一般人なのにトリック思いつくの早いな、頭良すぎ」とか、のほほんと思ってました…いや、本職探偵かい…
登場する全員に良くも悪くも人間味がある。
実際似たような状況に陥ったら同じ行動を取ろうとする人もいるだろうし、避難するとき他の人を陥れたり攻撃したりして自分が助かろうとする人もいると思います。そういうときに自分はどういう行動を取るか。まあ、本書のような事件には巻き込まれないと思いたいですね。
事件自体が再現劇 -
Posted by ブクログ
私は同姓同名の方と会わずに死ぬでしょう。と言っても過言ではないほどに珍しい名前です。苗字もある地域にしかおらず、下の名前はありふれた読み方なのですが「え、これでこう読むの?」というものです。顔はどこにでもいそうな顔なんですけどね笑
なので彼らのように悩むことはないでしょうが、確かに名前って早い者勝ち?不便?な部分があるなとこの作品を読んで改めて思いました。
同じクラスに「なな」という子が2人いたのですが、苗字から1文字取って「『ふ』なな」と「『た』なな」と呼ばれていました。今思うともう少しいいあだ名の付け方があったのではないか?という疑問を持ちます(^^;;
珍しい姓名だと間違われて書か -
Posted by ブクログ
面白かった。前半はスペインの文化、歴史、スペイン語、ガウディという人物、ガウディの建造物などを主人公の志穂と一緒に学んでいくストーリーのため、個人的には物語というよりも教科書のような感覚になった。ここら辺を学びたい人にはとても面白く感じると思う。が、私のようにミステリーとしてこの本を手に取った人には少々退屈に感じる瞬間がある。中盤からはいよいよこの物語の核である、父の友人を殺したのは誰か。という謎解きに入っていく。ここで前半の学びがかなり生きてくるし、謎を全て知ると、前半部分に散々伏線が貼られていたなぁという感じになる。そのため前半部分でつまづいた人もぜひ終盤まで頑張って読み進めてみてほしい。
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2026/02/21読破
伏線回収が気持ちいい!
登山について詳しくないので、道具や縄の縛り方など分からない部分が出てはくるが、分かるように説明されたり、多少曖昧でも気にせず読めました。
それよりも、生還者2人の証言の違いから、主人公が気づいた違和感、それが最後にどんどん回収されていくのが読んでいて気持ちいです。
ミステリーでも、殺人のためのトリックというわけでなく、真実を解き明かすためのさりげない矛盾を突いていくので楽しく読めました。
正直、主人公のフラフラ感にはイライラしてしまったので、葉子は離れることをすごく勧めたい。。
結婚しても幸せにはなれない気がしてしまう。
常に山登りとそこで -
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面白かった。
全盲の施設入居者が、施設長を殺害した疑いで裁判になるが、その行方は…という話。
犯人は別にいることは最初から匂わされているので、冤罪をどのように防ぐのかという展開を楽しめた。
被告人が何かを隠している様子があったが、その真実には驚き、また納得させられた。
ただ、警察の捜査はもっと緻密と思うし、検察官や裁判官をいかにも頭が硬そうなのに対し、刑事弁護人が殊更正義の人のように描くのは違和感があった。
多分、作者は刑事弁護人への取材や刑事弁護人の著者を見て、刑事弁護人のいいところだけ見ているのだろう。
刑事弁護人は冤罪を防ぐための最後の砦であるが、被疑者、被告人の権利を守り、少しでも有利 -
Posted by ブクログ
後天的に障害を抱えてしまった人が、ケアやリハビリを行うために入所する施設「天使の箱庭」。
施設内で施設長が刺殺される事件が起こる。容疑者は全盲の女性。しかし、女性は殺人を否定。でも、女性は何かを隠している様子。
弁護士の竜ヶ崎は無罪を勝ち取れるのか。
といったあらすじ。
実際に裁判を見たことはないのですが、裁判のシーンは、かなりの臨場感。
劇場型裁判で、ゲームの「逆転裁判」をプレーしているかのようでした。
弁護士、検察官は頭がいいですね。
証人から、本来聞き出したい言葉を出すために、まずは別の質問で逃げ道を塞いで、それか本来聞き出したい言葉を引き出す。
実際の裁判もこんな駆け引きがある -
Posted by ブクログ
中国残留孤児問題を軸に、家族と血のつながりを描いたミステリー。
全盲の主人公は、腎臓移植を必要とする孫を救うため検査を受けるが適合せず、27年ぶりに帰国した中国残留孤児の兄に提供を頼む。しかし兄は検査すら拒み、その態度に小さな違和感が生まれていく。
兄の帰国時、主人公はすでに視力を失っており、その顔を確認していない。兄は本当に兄なのか。
見えないからこそ、声や言葉、空気の揺らぎから真実を探ろうとする過程が静かな緊張感を生む。疑いはやがて、家族の過去や母の死へとつながっていく。
満州からの避難行の描写は胸に迫り、中国では「日本人」、日本では「中国人」とされる残留孤児の孤独が丁寧に描かれる。
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Posted by ブクログ
江戸川乱歩が還暦のとき創設された江戸川乱歩賞、推理作家の登竜門として歴史を重ね、賞として還暦を迎えた年に、本作が受賞した。主人公が盲目というユニークな設定で、主人公が常闇の中で、歯痒いながらも推理を重ねて、真実に近づいていくプロセス、読んでいる途中で、謎が複線化していき、人間関係に違和感を感じた推理が、最後にどんでん返しにあうか、主人公と同じ真実の闇の中で手探りする感覚が味わえる。
満州開拓団として満州に送り込まれた人々、終戦間際にソ連が攻めてくる情報から、日本を目指して過酷な帰国路を歩む。幼い主人公も、母と兄とともに川を渡って逃れる途上、兄が流されていき、生き別れになる。戦後結婚するが、無理