下村敦史のレビュー一覧
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「フィクションの〝表現〟が人を傷つけることには敏感なくせに、自分が実在の人間に吐いた言葉の〝表現〟が人を傷つけることに鈍感」
「思いやりでさえ人を傷つけるんだよ」
今の時代そのものだなと思った。
特別に恵まれたわけでもなく平凡に生きてるつもりだけれど、昔と違うのは、育った環境も何もかも違う人と、望む望まざるを得ず交流したり意見を見聞きする機会が多くなったところだと思う。
誰かの日常は誰かにとってマウントになり、誰かの優しさは誰かの傷を抉る。そう感じるのは受け手である自分の問題でしかないのに、「社会的な道徳」「社会的な正義」「必要な配慮」が足りていないと批判される。
そんなのおかしいよね -
Posted by ブクログ
小説紹介クリエイターのけんごさんのオススメ本。
日本中を騒がせた女児惨殺事件の犯人の名前は大山正紀。将来有望なサッカー部、コンビニのバイト、アニオタ、家庭教師、研究者の大山正紀など同姓同名の人物たちの人生が狂い出す物語。
登場人物が同姓同名だからこそ可能な内容で最後は予想してなかった展開と結末で面白く読ませてもらいました。ただ、誰がどの大山正紀なのか混乱しながら、ページを戻りながら読み進めたので少し疲れたのも事実です。
SNSで身勝手な正義感から容疑者を特定しようとしたり拡散したりと聞きますね。本人が良かれと思ったことが、むしろ迷惑なことや自身が傷付くこともあり得るのでSNSを利用する時は良 -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公は全盲の村上和久。確執のある娘との仲を修復したいという思いもあり、孫娘への腎臓の提供を申し出るもそれは叶わなかった。そこで自身の兄に頼むも、兄は検査さえも拒絶する。兄は満州から引き上げてきた残留孤児で、再会したときにはすでに村上は失明していた。そんな背景もあり、村上は次第に兄に対して疑念を抱き始める。果たしてこの男は本当に自分の兄なのだろうか。
そうして兄の素性を調べ始めた村上の周囲で、それを妨害しようとする謎の勢力が動きだす。
主人公が全盲ということもあり他のミステリー以上にもどかしく、読者自身も先の見えない迷宮に迷い込んだような感覚に陥る。また伏線が巧妙に張られており、それが最後に回 -
Posted by ブクログ
女児が惨殺され、その犯人は16歳の大山正紀だった。少年法により犯人の名前は出ないはずなのに、週刊誌が報道したことをきっかけに、SNS等で拡散してしまい、それにより同姓同名の彼らの人生が歪んでしまう。
同姓同名の彼らは被害者の会を設立し、自分たちの人生を取り返そうとする。
同じ名前しか出て来ないので、登場人物の混乱が起きるのでは?と危惧しましたが、そんなこともなく、一気に読めました。寧ろ、同姓同名であるが故のトリックというか技巧に唸らされました。お話も二転三転して、とても楽しめました。
同姓同名というシンプルなアイデアなのに、ここまでお話を面白くできるのが本当に凄い。