下村敦史のレビュー一覧

  • 法の雨

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    有罪率99.7%の日本で、無罪判決を出し続ける嘉瀬裁判長。
    今度も無罪となった看護師の暴力団組長殺人事件。
    担当検事の大神は、打ちひしがれる。

    しかし、裁判長が判決の直後に法廷で倒れた。更に、無罪となった看護師が何者かに殺害された。
    病床の裁判長を尋ねた大神。しかし、更に事件の謎は深まるばかり...

    検事、弁護士、被害者と加害者、刑事、そして判事、それぞれの思惑がうごめく。
    複雑に絡み合うリーガルミステリー。

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    2026年05月30日
  • 口外禁止

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    冒頭の主人公は引っ込み思案で人と関わりたくないくせに察してちゃんなところもあって正直少々イラついた。その位はちゃんと口にしろよと何度思ったか。そんな主人公がロペと出会いどう変わるのだろうかと期待したのだが、今度は何でもロペの言いなりに。ヒロインとの仲が少しずつ進むうちに、これは一体誰と誰が恋愛しているのだろうかと不安を覚えた。しかし不安をよそに本編は恋愛からは逸れて犯罪に巻き込まれて行くことになる。
    作中で言及されたシムズというゲームは自分も好きでプレイしていた。シムと呼ばれるゲーム中のキャラクター達はパラメーターによって自律的にアクションを起こして生活するのだが、そこに介入するのがプレイヤー

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    2026年05月29日
  • 全員犯人、だけど被害者、しかも探偵

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    あー、そういう構造だったのか!
    途中のあの変なノリの理由が終盤で明かせれ、合点が入った。
    人を追い詰め過ぎてはいかんなあという自分なりの結論。

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    2026年05月28日
  • 全員犯人、だけど被害者、しかも探偵

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    クローズドサークルというミステリーでは定番の設定だけど、登場人物たちが「犯人になろうとする」側でもあるのが斬新だった。お互いのトリックの穴を指摘し合う展開も新鮮で、ずっと飽きずに読めた。

    主な登場人物は7人と多いのに、全員キャラが立っていて、すぐ覚えられたのも読みやすかった。

    中盤でタイトルの意味が一度わかるんだけど、ラストの仕掛けで「全員犯人、だけど被害者、しかも探偵」というタイトルがもう一段深い意味を持つ。
    サブタイトルの意味も含め、最後にそこが繋がった瞬間、かなりゾクッとした。

    この作品はミステリーとして面白いだけじゃなく、現代のネット社会の怖さも描いているのが印象的だった。
    ネッ

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    2026年05月26日
  • 全員犯人、だけど被害者、しかも探偵

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    すごいタイトルですが、読み終わってみると、なるほどなーってなりました。
    クローズドサークルものの本格ミステリーです。
    こんな設定を思いつく著者に脱帽です。

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    2026年05月25日
  • 暗闇法廷

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    ネタバレ

    全盲の容疑者の無実を証明するリーガルミステリー。検察側に聴覚障害の証人、弁護側に失語症の少女、これだけ揃えばおそらく無実なのだろう…とミステリー好きなら誰でも思う登場人物ばっかり!
    でも、読んでて思い込みで補完してしまった部分もあり話が明らかになるにつれて「あっ…えっ…まじで?!」の連続でした。
    確かに聴こえてなければ口パクでもそれを読み取ってしまうし、幼い子どもが教わった手話の正誤なんて分かるわけがないし。
    いかに自分が相手の立場に立って物事を考えずに読み進めていたか、ということが分かりました。
    めっちゃ面白かった!

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    2026年05月23日
  • ヴィクトリアン・ホテル

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    ヴィクトリアン•ホテルを舞台に様々な人の視点からストーリーが進行していき、やがてそれらが繋がり、一つの大きな河になっていくような、仕掛けも込みで読み応えのある物語。

    さらにメインのテーマとして、"善意"の是非が
    問われるような内容。

    見える部分が全てではなく、1人の人間にしても多様な面があり、それを"善"ととるか"悪"ととるかは、それはまた捉える側のどの面に反応するかによって変わる。そして、人は変われる。

    人の可能性を信じて、自分の"善"を持つことの大切さを後押ししてくれるような、優しさあふれる作品でした。

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    2026年05月23日
  • ヴィクトリアン・ホテル

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    「フィクションの〝表現〟が人を傷つけることには敏感なくせに、自分が実在の人間に吐いた言葉の〝表現〟が人を傷つけることに鈍感」
    「思いやりでさえ人を傷つけるんだよ」

    今の時代そのものだなと思った。

    特別に恵まれたわけでもなく平凡に生きてるつもりだけれど、昔と違うのは、育った環境も何もかも違う人と、望む望まざるを得ず交流したり意見を見聞きする機会が多くなったところだと思う。

    誰かの日常は誰かにとってマウントになり、誰かの優しさは誰かの傷を抉る。そう感じるのは受け手である自分の問題でしかないのに、「社会的な道徳」「社会的な正義」「必要な配慮」が足りていないと批判される。

    そんなのおかしいよね

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    2026年05月23日
  • 全員犯人、だけど被害者、しかも探偵

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    かなり矛盾したようなタイトルのミステリー。不祥事を起こした社長の死に関与する面々が閉じ込められて…というありがちな設定だが自らが犯人に名乗りをあげていくスタイルは斬新。
    興を削ぎたくないので終盤には触れないが、よくこんな事思いついたなぁというのが正直な感想。話はちとくどくなる点もあるがアイデアは面白いと思う。

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    2026年05月22日
  • 同姓同名

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    小説紹介クリエイターのけんごさんのオススメ本。
    日本中を騒がせた女児惨殺事件の犯人の名前は大山正紀。将来有望なサッカー部、コンビニのバイト、アニオタ、家庭教師、研究者の大山正紀など同姓同名の人物たちの人生が狂い出す物語。

    登場人物が同姓同名だからこそ可能な内容で最後は予想してなかった展開と結末で面白く読ませてもらいました。ただ、誰がどの大山正紀なのか混乱しながら、ページを戻りながら読み進めたので少し疲れたのも事実です。
    SNSで身勝手な正義感から容疑者を特定しようとしたり拡散したりと聞きますね。本人が良かれと思ったことが、むしろ迷惑なことや自身が傷付くこともあり得るのでSNSを利用する時は良

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    2026年05月22日
  • 暴走正義

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    前作同様サクサクと読めて、正義の難しさを感じることができた。
    後半のどんでん返しがどれも鮮やかで爽快感が味わえる(内容的にはビターなものも多いが)。

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    2026年05月17日
  • ヴィクトリアン・ホテル

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    ネタバレ

    一気読み&二度読み必至!と書かれていた意味に、「なるほど」と言ってしまったほど。まんまと騙されてました!

    優しさって深く考えれば考えるほど、確かに難しい。
    ”優しさは誰もが持っているべき、美徳”にしっくり来た。

    SNSでの批判ももう一種の呪いだよね、って読みながら今のSNSを思い浮かべて思った。

    仕掛けが面白く、テーマが程よく重く考えさせられる作品だった!

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    2026年05月12日
  • 闇に香る嘘

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    ネタバレ

    主人公は全盲の村上和久。確執のある娘との仲を修復したいという思いもあり、孫娘への腎臓の提供を申し出るもそれは叶わなかった。そこで自身の兄に頼むも、兄は検査さえも拒絶する。兄は満州から引き上げてきた残留孤児で、再会したときにはすでに村上は失明していた。そんな背景もあり、村上は次第に兄に対して疑念を抱き始める。果たしてこの男は本当に自分の兄なのだろうか。
    そうして兄の素性を調べ始めた村上の周囲で、それを妨害しようとする謎の勢力が動きだす。
    主人公が全盲ということもあり他のミステリー以上にもどかしく、読者自身も先の見えない迷宮に迷い込んだような感覚に陥る。また伏線が巧妙に張られており、それが最後に回

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    2026年05月10日
  • 逆転正義

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    久しぶりにかなりおもしろい小説に出会えた!
    短編集なのは知らずに読んだけど、すべてどんでん返し、叙述トリックが仕掛けられており楽しみながら読めた。また物語を楽しめただけではなく、倫理観や価値観を改めて考えるきっかけとなるような感じですごく興味深かった。下村さん、いくつかしか読んだことないけどほかのものも読んでみたいな。いくつか漁ります!

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    2026年05月10日
  • ガウディの遺言

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    そこまで知識はないですが、タイトルに惹かれて購入した作品
    あらすじからは想像していませんでしたが、親子や家族愛が感じられる作品でした。
    また、宗教的なものに触れてきていない立場からすると非常に根深いものがあるんだなと考えさせられました。
    ガウディもサグラダ・ファミリアも興味がある程度でしたのではじめて知る内容がほとんどでしたが、読みやすかったという印象です。
    完成までの間に是非行ってみたいという気持ちにもなれました。

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    2026年05月09日
  • ガウディの遺言

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    作品ごとに新しい世界を提供してくれる著者の今回は、何とガウディのサクラダ・ファミリアが舞台のミステリー。
    サクラダ・ファミリアの建設に関わる石工を父に持った佐々木志穂が主人公。
    父の友人の遺体がサクラダ・ファミリアの尖塔につるされており、父の失踪はそれに関係するのか、志穂は友人のホリヘとともに父の行方を探す。
    「ガウディの設計図」を巡り、石工たちの陰謀に巻き込まれた志穂は・・・。
    スペインやバルセロナ、ガウディに関するなどの膨大な参考文献を駆使した著者の労作。
    謎解きに、カタルーニャ語とカスティーリャ語の違いが絡むとは。

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    2026年05月08日
  • 同姓同名

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    女児が惨殺され、その犯人は16歳の大山正紀だった。少年法により犯人の名前は出ないはずなのに、週刊誌が報道したことをきっかけに、SNS等で拡散してしまい、それにより同姓同名の彼らの人生が歪んでしまう。
    同姓同名の彼らは被害者の会を設立し、自分たちの人生を取り返そうとする。
    同じ名前しか出て来ないので、登場人物の混乱が起きるのでは?と危惧しましたが、そんなこともなく、一気に読めました。寧ろ、同姓同名であるが故のトリックというか技巧に唸らされました。お話も二転三転して、とても楽しめました。
    同姓同名というシンプルなアイデアなのに、ここまでお話を面白くできるのが本当に凄い。

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    2026年05月06日
  • ヴィクトリアン・ホテル

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     なるほど、こう繋がっていたのかと唸らされる平和なミステリー。最初特に広告代理店の男がいけ好かなく気に入らなかったが、最終的にはまとまっていたので良しとしよう。正義の名のもとに、傷ついているであろう人を庇う体で展開される鋭い批判に晒され、心を痛める優しい人たち。彼らが皆自分なりに悩みを昇華し、大きく成長する物語としても楽しめた。再読も面白そう。

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    2026年05月05日
  • 暗闇法廷

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    ネタバレ

    被告人が犯人ではないという前提に立てば、真犯人にはある程度簡単に辿り着けるし、「襲われた」という点も含めケースセオリーの構築も難しいものではない。しかし、口パクや入れ替わりについては、気づくためのヒントがありつつ巧妙にカムフラージュされており、明かされた時には驚きと悔しさを覚えた。
    検察官と弁護人の関係性や「善意の第三者」という言葉の使い方等気になる点もなくはない。また、今回のようなトリックに警察・検察が気づかずに公判までたどり着いてしまうというのも些か現実味を欠く。
    とは言え、物語としては非常に読みやすく、結論の納得感もある。また公判廷での尋問に関する描写はリアルで、筆者が刑事弁護についてし

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    2026年05月05日
  • アルテミスの涙

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    閉じ込め症候群の女性患者・岸部 愛華。
    指一本動かせない患者が妊娠した。
    寝たきりの愛華は、誰に妊娠させられたのか?

    病院は騒然となり、政治家の父は激怒するが、マスコミが動き出し、、、

    産婦人科の女医・水瀬 真里亜は、真相を探るべく、会話ができない患者と、まばたきを通じて彼女の声を聞こうとするが、、、
    やがて、驚愕の真実が明らかとなる。

    至る所に伏線がありますね。
    人間の尊厳と命の倫理に迫る医療ミステリー。

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    2026年05月04日