下村敦史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
満足の面白さ。けどすごく印象深いトリックではないかな。多少予想もできたし。
舞台が本当に著者の家なのがすごい。館ものは館の構造や間取りが複雑で説明が長くなりがちでついていくのが難しいものも多いけどこれは部屋数も少なく割とシンプルな館なのでついていきやすい。テンポもよく読みやすくて、これが伏線ですよ!って主張しているかのごとくたくさんある伏線も最後にしっかり回収。視点がコロコロ変わるのは最初のうちは慣れなくてちょっと混乱したりもしたけど、読んでいるうちに慣れて最後に意味が分かるので面白い。
何枚か挿絵的に部屋の写真があるけど、先に見てはいけません!私は見てしまってちょっとネタバレしてしまった。まあ誰もが予想した通りだからそこまで落胆はしないかな。
しかし殺された方、可哀想すぎるだろ。。笑 -
Posted by ブクログ
8人を殺害したとして死刑判決を受けた浅沼聖悟。
彼は法廷で一件の犯行を否定し、その模倣犯は殺して"思い出の場所"に隠したと告白する。
事件の真相を追う女刑事と遺体捜しをする少年達が出会うとき、驚愕の真実が明らかになる…。
物語は刑事の望美と、遺体探しに出掛ける引きこもりの中学生YouTuber・宗太の視点が交互に展開されます。
特に後半はホラー(人怖)要素が加速し、段々と浅沼の内面に触れていく構成にドキドキしました。
毒親や親ガチャと言う言葉が浸透する程親から子供への精神的・身体的虐待は後を絶たず、その被害者だったはずの子供が加害者になってしまうこともある。
そのとき外野は直ぐに生い立ちの偏見や決めつけによって加害者を読み解くが、本当に加害者を形作った分かりやすい元凶を見出すことは出来ない。
自分の基準を他人に当てはめ憶測するのがいかに傲慢か、最近のSNS論争を見て共感するばかりです。
この事件は望美さんが諦めずに追い続けたからこそ表に出たのだと思うと、最後まで勇敢で好感が持てました。(個人的に強い女性刑事が好きなので嬉しい…!)
エピローグでもやるせなさが残り、心抉られ、自分では思い至らなかった人間の深層心理に気付かされる、複雑な読後感です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ実際の作者が建築した自宅(館)が舞台の小説。
写真が出てくるたびに、『いや、こんな家ほんとに住んでるのかこの作者(笑)』と思ってしまう。
内容としては家の中の描写が多くて想像する頭が疲れてしまう(立体図形苦手)ので、同作者のほかの作品より進みが遅く、一気読みできなかったが、
ラストの謎解きシーンは一気に回収して気持ちよかった。
あまりに回収早すぎて、『あっけなかったなー』からのひとひねり。
これがこの作者だなぁ、と思わせられるオチでよかった。
全く関係ないが
錦野ォ!!気持ち悪いぞ!!!
と定期的につっこんでいた。
あと途中退場した子どもが気になる。
子ども目線だとこの館での記憶、嫌な記憶すぎるだろーなー -
Posted by ブクログ
中国残留孤児という、とても重い出来事がテーマの作品。
恥ずかしながら私はその言葉を知っているだけだったので、この作品を通して当時の歴史について学ぶことができた。
「兄」は本当に実の兄なのか。
母の命を狙っているのは誰なのか。
そして、本当の「兄」とは誰なのか。
主人公が盲目ということもあり、不安感や猜疑心がより強く伝わってきて、後半は読む手が止まらなくなった。
後半では驚くべき真実が明らかになるが、主人公を取り巻く人々の温かさに、私の心も救われた。
この小説を通して、戦争の悲惨でつらい歴史の中にも人間性の尊さや愛があることを感じ、静かな感動を得ることができた。 -
Posted by ブクログ
『アルテミスの涙』は、医療ミステリーとしての緊張感と、人間の尊厳や生命倫理について考えさせるテーマが印象的な作品だった。
物語は、閉じ込め症候群(ロックドイン症候群)の患者・岸部愛華の妊娠という衝撃的な出来事から始まる。まばたきだけでしか意思を伝えられない愛華の思いを、産婦人科医の水瀬真理亜が懸命に読み取ろうとする姿に強く引き込まれた。
事件の真相が明らかになるにつれ、「命とは何か」「本人の意思をどう尊重すべきか」という重い問いが浮かび上がる。予想を超える展開に驚かされる一方で、登場人物たちの葛藤や選択には深く考えさせられた。読後には切なさとともに大きな余韻が残る、印象深い作品だった。