下村敦史のレビュー一覧

  • 闇に香る嘘

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     失明した主人公が二十七年前に帰ってきた中国残留孤児の兄が本人かどうか探っていくというシンプルな謎でありながら、頁を読み進める度に明らかになる中国残留孤児達の悲惨な運命や目が見えない主人公の視点の緻密な描写、そして明かされる驚愕の真相まで最後まで重厚な社会派ミステリーだった。

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    2025年02月23日
  • 闇に香る嘘

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    下村敦史さんの初読みです。
    主人公、全盲の村上和久は孫への臓器移植を望むも、検査の結果、自分の臓器は孫に適さないと診断される。
    そこ兄の竜彦を頼るが、兄は移植どころか検査すらも拒否する。その頑なな姿勢に、和久はとある疑念を持つ。
    「兄は本当に兄なのか?」
    兄弟、親子の温かいお話です。

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    2025年02月22日
  • 闇に香る嘘

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    中国残留孤児と視覚障害の話を軸に家族のアレコレを交えて巧みに話が進む展開は秀逸です。謎解きの要素も加わって飽きずに読み進めました。中国残留孤児の話は最近はあまり耳にしませんが、初めてどういう境遇の人たちなのかを知りました。

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    2025年02月10日
  • アルテミスの涙

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    寝たきりで身体が動かせないが意識はある
    「閉じこめ症候群」の女性が入院中に妊娠してしまう…。彼女を妊娠させたのは誰なのか?

    倫理をつきつける医療ミステリでした。
    設定上いやーな気持ちになって始まりますが、
    命とは?尊厳とは?を考えさせられる良い作品だったと思います。

    とても読みやすい文体で一気に読めてしまいました。下村先生の別作品も読んでみたいな。

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    2025年01月30日
  • 黙過

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    医療ミステリーの短編集のようで、最後の「究極の選択」ですべての物語の伏線回収
    ひとつの物語にもテーマが複数あり、倫理、臓器移植、詐病、安楽死、政治との癒着、収賄容疑、ジャーナリズム、畜産、反種差別、助成金の不正受給、異種移植…と、目を逸らしてはいけないものばかり
    作者の伝えたかったことは…命の選別の是非、ということになるのだろうか

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    2025年01月16日
  • 闇に香る嘘

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     目が見えないことで心が猜疑心でいっぱいになってしまった主人公が、手探りで正体不明に感じられる兄を探る、というお話。満州や戦後の話のリアリティが織り込められた話で、ミステリだけでなく、歴史物としても読み応えがある。
     目が見えない状態での一人称視点で進むミステリーは珍しい。それでも本作はしっかりとそれを描写し切っており、常人ではあまり感じられない視点に共感できるようになっている。何より、主人公がいちいち過去を反省し、悔いてそれでも折れずになんとか頑張っている様が本当にカッコよく感じられた。
    傑作。

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    2024年12月19日
  • 緑の窓口 樹木トラブル解決します

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    最初は市役所の仕事ってこんなに緩くないだろうな、と思ってしまったが、そこにこだわらないと面白かった。
    樹木の知らない事が知れて良かった。
    自分の思い込みだけではなく、冷静に物事をみるのは大切。

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    2024年09月30日
  • 白医

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    現代社会が抱える様々な課題をテーマに、作品を次々に著す著者が今回選んだのは、終末期医療及び安楽死。
    この重たいテーマを主題にした6話からなる連作短編ミステリー。超高齢社会の日本で、誰もが避けることの出来ないこの問題。
    ホスピスで起きた不審死で裁判にかけられる神崎医師を主役に、助かる見込みがなく耐えがたい痛みに苦しむ患者とその家族を前にした後輩医師や看護師の苦悩が各話に描かれる。
    第4話では、シベリアで抑留されていた男と彼の妹とを主役に展開する。
    男の、希望のない永久凍土の地獄で奴隷にされる毎日と妹の癌に冒され耐えがたい痛みに苦しむ毎日とを、オーバーラップさせ小説に膨らみを持たせて、特に印象深い

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    2024年07月02日
  • 警官の道

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    警察もの 読んだことない作家さんも入っていたので 短編ならサクッと読めていいよね~と 読みました
    好きな 呉勝浩さん柚月裕子さんはもちろん面白かったです 初めての作家さんも追ってみたくなりました。

    「聖」は うるっときちゃいました。

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    2024年06月17日
  • 白医

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    安楽死について考えることがあったので、とても胸にささる内容だった。
    私は長く生きることよりも、短くても自由に動き回れる体で好きな事をして生きたい。
    むしろ年老いて一日中ベットで何もすることも無く過ごすのは生き地獄だなと小さい頃から思っていた。
    それプラス生きてるだけで苦痛を伴うとなると、尚更安楽死を望む気持ちは理解できる。
    これは今のところ死が身近じゃないから思うことで、実際に死が迫って来たらやっぱり死にたくと思うのかなぁ…
    大切な人であればあるほど、苦しんで死んでいくくらいなら早く楽にしてやりたいと思ってしまうのは間違いなんだろうか

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    2024年05月28日
  • 白医

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    今まで無かった視点でした。

    安楽死を与える事は誰にとっての救いなのか?
    そして、救われた人と同じ数だけ苦しむ人が増えてしまう・・・

    下村さんの小説ですから 仕掛けが無いわけが無いと思い読み進めていくうちに、安楽死に関わる医師の少しずつゆっくりと蝕まれていく何かを少しだけ感じる事が出来ました。

    何処からが安楽死=犯罪で、何処までが医療行為に当たるのかにも疑問を感じました。
    安楽死を犯罪と定義しているのは法律で、法律は人の命が一番大事という前提で作られているため死に加担する行為を只々禁止しているだけであり、法律自体が人の尊厳を傷つけている可能性があるかもしれない・・・
    一方で医療行為ではある

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    2024年05月27日
  • アルテミスの涙

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    デビュー作『闇に香る嘘』への著者による再挑戦と、解説者が述べているとおり、障害によるコミュニケーションが困難な状態で生きる意味を問うミステリー。
    確かにデビュー作に匹敵する、それ以上の傑作と言える。
    産婦人科医の水瀬真理亜は、「閉じ込め症候群」で入院している女性患者岸部愛華が体調を崩したので診察すると、彼女は妊娠していることが判明。
    寝たきりで身体が動かせない彼女に誰が妊娠させたのか。病院は騒然となり、マスコミも知るところとなり、騒ぎは拡大し、愛華の両親は病院を非難する。
    真相を探ろうと水瀬真理亜は、話すことが出来ない愛華のために、文字盤を使い彼女の声を聞く。
    そして驚天の事実が明らかになるが

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    2024年01月16日
  • 悲願花

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    なんちゅうシチュエーションを考えるのか…
    無理心中の生き残りとは…
    それも2人。
    無理心中され、唯一生き残る。
    無理心中をはかったが生き残る。
    主人公は、自分以外、家族全員亡くなった前者。
    被害者と加害者という相反する2人やけど、これもいつひっくり返るか分からんねんな。
    「"加害者"と"被害者"は紙一重」
    復讐した瞬間から、加害者に…
    復讐された瞬間から、被害者に…

    でも、無理心中をさせるまで、追い込まれた、追い込んだ人らを何も責められる事なく、批判の嵐を起こす世間もええ加減で、何だかなぁ〜って感じ。
    今も現在進行形で進んでいるネットでの炎上などやな。

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    2023年12月29日
  • 悲願花

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    『あなたの罪は、生き延びてしまった事です』
    一家心中の被害者と加害者、2人の女性が出会う時、いったい何が起きるのか。

    作者の下村さんは、よくこの様なシチュエーションが生み出せますね、凄いです。

    様々な思惑や過去の経緯など、見えていた景色が、ラストで一変します。
    まさに、オセロで盤面が黒から白に一気に変わるように。

    細かい伏線が後で効いて来ます、なるほどあそこはそういう意味であったのか!
    一気読み必須の作品です。

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    2023年12月24日
  • コープス・ハント

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    ネタバレ

    「1件は俺の犯行じゃない。"思い出の場所”に真犯人の遺体を隠した。さあ、遺体捜しのはじまりだ」8人を殺害したとして死刑判決を受けた猟奇殺人鬼・浅沼聖悟の告白は世間を震撼させた。事件に疑問を抱く刑事の折笠望美は真相解明に乗り出す。
    一方、引きこもりの中学生・福本宗太は動画配信仲間から誘われ「遺体捜し」に出かけるが……。2つの物語が交わる時、驚愕の真実が浮かび上がる。予測不能のサスペンス・ミステリ。
    【あらすじより引用】
    ここからは感想。
    とにかくテンポよく進むストーリー。ページを捲る手が止まらなくなる。基本は主人公の刑事・望美が事件を捜査するパートと宗太が遺体探しをするパートが繰り返さ

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    2023年12月03日
  • アルテミスの涙

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    下村敦史『アルテミスの涙』小学館文庫。

    冒頭からの驚きの展開にあれよと言う間もなく物語の中に引き込まれていく。見事な感動のミステリーであった。

    千街晶之は解説で、この作品をデビュー作『闇に香る嘘』への著者自身の再挑戦と評しているが、まさにその通りだと思った。


    江花病院に7ヶ月もの間、入院している交通事故による『閉じ込め症候群』で、意識がありながら、身体を動かすことが出来ない女性患者の岸辺愛華が深夜に体調を崩す。当直の産婦人科医・水瀬真理亜が診察すると、愛華が妊娠していることが判明する。

    寝たきり状態の愛華は誰に妊娠させられたのか、病院は騒然となり、政治家である愛華の父親は激怒する。前

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    2023年11月17日
  • 生還者

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    『生還者』
    緊張感     ★★★★★
    ラストシーン  ★★★★★★
    意外性     ★★★★★
    ――――――――
    (小説より)
    「山では自分の命を預け、相手に命を預けられる。絶対的な信頼がなきゃ、相棒はつくれない。人と信頼を繋げないなら、いつか死ぬ。」
    ――――――――
    舞台は「山」です。しかも冬山です。この冬山で遭難事故が起こり、亡くなるひと、そして生き残ったひと(生還者)が生まれます。

    生還者が抱く気持ちは「助かった・・・。有難い」という単純なものではありません。なぜならば、一緒に山にアタックした仲間が、目の前で命を落としているのですから・・・。

    行間から、すさまじい吹雪、そして氷点

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    2023年11月02日
  • 黙過

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    ネタバレ

    下村さんの作品は今のところハズレなし。
    本作は特に優れたミステリーでした。
    「優先順位」「詐病」「命の天秤」「不正疑惑」「究極の選択」からなる医療ミステリーの短編集。
    それぞれ異なる話のはずが「究極の選択」で全てが繋がり、各編で解決したはずの謎がひっくり返されます。見事な構成で不自然さや違和感もありません。
    この構成だけでもすごいのに、問題提起もお見事。深く深く考えさせられました。

    「命の天秤」では人間が食べるために動物を殺すことの是非を問いかけられ、私もこどもに聞かれたら答えに窮するかもしれないと気付かされました(この点はきちんと学び、自分なりの答えを持たなければ)。
    また「究極の選択」は

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    2023年09月08日
  • 生還者

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    面白かった。

    全然知らない世界だから、ちっちゃいことに気にせず(つい重箱の隅をつついてしまう)
    一気にすすめて良かった。

    最後、自分が思う嫌な展開だったら
    読んだことを後悔するだろうと思ったけど
    主人公はちゃんと大切なことを気づいてくれて良かった。

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    2023年08月29日
  • 生還者

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    本作はBOOKOFFで購入!

    以前から読みたいなぁと思っていたところ目についたので手に取りました♪


    さて、私にとっての山登りは小説の中だけでの話で実際に登山をしてみた事はありません。
    →湊かなえさんの小説を読んで登りたいと思ったことはあります。
    本作の主人公達は山に登る理由があり、困難に挑もうとしております。
    私的には命を賭ける事と登山の面白味には吊り合いを取る事は出来ませんが、危険な事が色々と取り除かれていく世の中に、未だそんな趣味が残っていてもいいだろうと思います。

    ヒマラヤの雪崩で兄が死亡した!?
    兄の遺品を整理しているうちにザイルに施された仕掛けに気付いた、弟の増田直志は兄の死

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    2023年08月16日