下村敦史のレビュー一覧

  • 警官の道

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    警察もの 読んだことない作家さんも入っていたので 短編ならサクッと読めていいよね~と 読みました
    好きな 呉勝浩さん柚月裕子さんはもちろん面白かったです 初めての作家さんも追ってみたくなりました。

    「聖」は うるっときちゃいました。

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    2024年06月17日
  • 白医

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    安楽死について考えることがあったので、とても胸にささる内容だった。
    私は長く生きることよりも、短くても自由に動き回れる体で好きな事をして生きたい。
    むしろ年老いて一日中ベットで何もすることも無く過ごすのは生き地獄だなと小さい頃から思っていた。
    それプラス生きてるだけで苦痛を伴うとなると、尚更安楽死を望む気持ちは理解できる。
    これは今のところ死が身近じゃないから思うことで、実際に死が迫って来たらやっぱり死にたくと思うのかなぁ…
    大切な人であればあるほど、苦しんで死んでいくくらいなら早く楽にしてやりたいと思ってしまうのは間違いなんだろうか

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    2024年05月28日
  • 白医

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    今まで無かった視点でした。

    安楽死を与える事は誰にとっての救いなのか?
    そして、救われた人と同じ数だけ苦しむ人が増えてしまう・・・

    下村さんの小説ですから 仕掛けが無いわけが無いと思い読み進めていくうちに、安楽死に関わる医師の少しずつゆっくりと蝕まれていく何かを少しだけ感じる事が出来ました。

    何処からが安楽死=犯罪で、何処までが医療行為に当たるのかにも疑問を感じました。
    安楽死を犯罪と定義しているのは法律で、法律は人の命が一番大事という前提で作られているため死に加担する行為を只々禁止しているだけであり、法律自体が人の尊厳を傷つけている可能性があるかもしれない・・・
    一方で医療行為ではある

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    2024年05月27日
  • アルテミスの涙

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    デビュー作『闇に香る嘘』への著者による再挑戦と、解説者が述べているとおり、障害によるコミュニケーションが困難な状態で生きる意味を問うミステリー。
    確かにデビュー作に匹敵する、それ以上の傑作と言える。
    産婦人科医の水瀬真理亜は、「閉じ込め症候群」で入院している女性患者岸部愛華が体調を崩したので診察すると、彼女は妊娠していることが判明。
    寝たきりで身体が動かせない彼女に誰が妊娠させたのか。病院は騒然となり、マスコミも知るところとなり、騒ぎは拡大し、愛華の両親は病院を非難する。
    真相を探ろうと水瀬真理亜は、話すことが出来ない愛華のために、文字盤を使い彼女の声を聞く。
    そして驚天の事実が明らかになるが

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    2024年01月16日
  • 悲願花

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    なんちゅうシチュエーションを考えるのか…
    無理心中の生き残りとは…
    それも2人。
    無理心中され、唯一生き残る。
    無理心中をはかったが生き残る。
    主人公は、自分以外、家族全員亡くなった前者。
    被害者と加害者という相反する2人やけど、これもいつひっくり返るか分からんねんな。
    「"加害者"と"被害者"は紙一重」
    復讐した瞬間から、加害者に…
    復讐された瞬間から、被害者に…

    でも、無理心中をさせるまで、追い込まれた、追い込んだ人らを何も責められる事なく、批判の嵐を起こす世間もええ加減で、何だかなぁ〜って感じ。
    今も現在進行形で進んでいるネットでの炎上などやな。

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    2023年12月29日
  • 悲願花

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    『あなたの罪は、生き延びてしまった事です』
    一家心中の被害者と加害者、2人の女性が出会う時、いったい何が起きるのか。

    作者の下村さんは、よくこの様なシチュエーションが生み出せますね、凄いです。

    様々な思惑や過去の経緯など、見えていた景色が、ラストで一変します。
    まさに、オセロで盤面が黒から白に一気に変わるように。

    細かい伏線が後で効いて来ます、なるほどあそこはそういう意味であったのか!
    一気読み必須の作品です。

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    2023年12月24日
  • コープス・ハント

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    ネタバレ

    「1件は俺の犯行じゃない。"思い出の場所”に真犯人の遺体を隠した。さあ、遺体捜しのはじまりだ」8人を殺害したとして死刑判決を受けた猟奇殺人鬼・浅沼聖悟の告白は世間を震撼させた。事件に疑問を抱く刑事の折笠望美は真相解明に乗り出す。
    一方、引きこもりの中学生・福本宗太は動画配信仲間から誘われ「遺体捜し」に出かけるが……。2つの物語が交わる時、驚愕の真実が浮かび上がる。予測不能のサスペンス・ミステリ。
    【あらすじより引用】
    ここからは感想。
    とにかくテンポよく進むストーリー。ページを捲る手が止まらなくなる。基本は主人公の刑事・望美が事件を捜査するパートと宗太が遺体探しをするパートが繰り返さ

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    2023年12月03日
  • アルテミスの涙

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    下村敦史『アルテミスの涙』小学館文庫。

    冒頭からの驚きの展開にあれよと言う間もなく物語の中に引き込まれていく。見事な感動のミステリーであった。

    千街晶之は解説で、この作品をデビュー作『闇に香る嘘』への著者自身の再挑戦と評しているが、まさにその通りだと思った。


    江花病院に7ヶ月もの間、入院している交通事故による『閉じ込め症候群』で、意識がありながら、身体を動かすことが出来ない女性患者の岸辺愛華が深夜に体調を崩す。当直の産婦人科医・水瀬真理亜が診察すると、愛華が妊娠していることが判明する。

    寝たきり状態の愛華は誰に妊娠させられたのか、病院は騒然となり、政治家である愛華の父親は激怒する。前

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    2023年11月17日
  • 生還者

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    『生還者』
    緊張感     ★★★★★
    ラストシーン  ★★★★★★
    意外性     ★★★★★
    ――――――――
    (小説より)
    「山では自分の命を預け、相手に命を預けられる。絶対的な信頼がなきゃ、相棒はつくれない。人と信頼を繋げないなら、いつか死ぬ。」
    ――――――――
    舞台は「山」です。しかも冬山です。この冬山で遭難事故が起こり、亡くなるひと、そして生き残ったひと(生還者)が生まれます。

    生還者が抱く気持ちは「助かった・・・。有難い」という単純なものではありません。なぜならば、一緒に山にアタックした仲間が、目の前で命を落としているのですから・・・。

    行間から、すさまじい吹雪、そして氷点

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    2023年11月02日
  • 黙過

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    ネタバレ

    下村さんの作品は今のところハズレなし。
    本作は特に優れたミステリーでした。
    「優先順位」「詐病」「命の天秤」「不正疑惑」「究極の選択」からなる医療ミステリーの短編集。
    それぞれ異なる話のはずが「究極の選択」で全てが繋がり、各編で解決したはずの謎がひっくり返されます。見事な構成で不自然さや違和感もありません。
    この構成だけでもすごいのに、問題提起もお見事。深く深く考えさせられました。

    「命の天秤」では人間が食べるために動物を殺すことの是非を問いかけられ、私もこどもに聞かれたら答えに窮するかもしれないと気付かされました(この点はきちんと学び、自分なりの答えを持たなければ)。
    また「究極の選択」は

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    2023年09月08日
  • 生還者

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    面白かった。

    全然知らない世界だから、ちっちゃいことに気にせず(つい重箱の隅をつついてしまう)
    一気にすすめて良かった。

    最後、自分が思う嫌な展開だったら
    読んだことを後悔するだろうと思ったけど
    主人公はちゃんと大切なことを気づいてくれて良かった。

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    2023年08月29日
  • 生還者

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    本作はBOOKOFFで購入!

    以前から読みたいなぁと思っていたところ目についたので手に取りました♪


    さて、私にとっての山登りは小説の中だけでの話で実際に登山をしてみた事はありません。
    →湊かなえさんの小説を読んで登りたいと思ったことはあります。
    本作の主人公達は山に登る理由があり、困難に挑もうとしております。
    私的には命を賭ける事と登山の面白味には吊り合いを取る事は出来ませんが、危険な事が色々と取り除かれていく世の中に、未だそんな趣味が残っていてもいいだろうと思います。

    ヒマラヤの雪崩で兄が死亡した!?
    兄の遺品を整理しているうちにザイルに施された仕掛けに気付いた、弟の増田直志は兄の死

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    2023年08月16日
  • ガウディの遺言

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    サグラダ・ファミリアに関するミステリーだけど
    面白い
    スペインの歴史 文化の香り
    ガウディの想像力
    その意志を継いで聖堂にハンマーを振るう石大工
    建設中の聖堂の中で起きた殺人事件に
    巻き込まれた日本人親子
    何となく関係の中に違和感があった親子だが
    イタリア旅行中に殺された母親のことも絡んで
    解決する
    イタリアの情婦やスリの子どもなど
    生活も想像できて読みごたえがあった

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    2023年07月27日
  • 法の雨

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    成年後見人制度の恐ろしさが分かります。
    弁護士や司法書士の先生方の小遣い稼ぎでは?と疑いたくなる様な制度です。

    更に、裁判とは起訴されたらこんなにも有罪率が高いのかというのにも驚きました。


    主人公の一人である大神検事は度重なる逆転無罪を一人の裁判からくらい打ちひしがれていた・・・

    ヤクザの組長殺しの疑いで一審で有罪判決を受けていた看護師の高裁での裁判でまたしても、無罪病判事が無罪判決を宣言した直後裁判官が倒れた?

    物語にはもう一人の主人公、幸彦は医大に合格し、友人達から祝杯を受けている時にある事実が知らされる・・・

    二つの物語は交錯していく!!!



    作者の小出し小出しにする技術

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    2023年07月15日
  • 緑の窓口 樹木トラブル解決します

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    『全ては樹木が語ってくれました。』
    柊さんの決め台詞が出ると、スカッとします。

    樹木にまつわるトラブルを請け負う『緑の窓口』。
    まるで新幹線の窓口の様ですが、ここは区役所の一部署。
    異動初日に、区役所職員の天野くんは、人より植物を愛する不思議な樹木医・柊 紅葉さんと出会う。

    様々な揉め事に巻き込まれる天野くん達。
    しかし、柊さんの知識に助けられて、徐々に成長する自分に気づく。
    そして、柊さんと天野くんの仲も?
    心温まるハートウォームミステリー。

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    2023年06月24日
  • コープス・ハント

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    最初、ミステリーにありそうなベタな犯罪から始まったので、読むのを止めようかと思いつつも、読み進めると、スタンドバイミーっぽくなってきて、何だかワクワクしてきた。
    でも、思いもよらぬ展開になり、犯人は彼だったのか〜と、ミステリー小説を堪能できた。

    しかし、内容的には、とても重く、
    毒親、ひきこもり、SNSでの誹謗中傷や偏見等、、、。

    最後に、命を救われた宗太が、にしやんの祖母と話し、きちんとにしやんの想いを理解できたところに救いがあった。

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    2023年04月19日
  • ガウディの遺言

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    「情熱の砂を踏む女」に続く下村スペイン作品第2弾。サグラダファミリアやアントニオ・ガウディを題材にしながら、バルセロナ・カタルーニャの迫害の歴史も学べる、超お得な歴史ミステリー。すごく準備されて上梓されたことがわかる歴史部分もミステリー部分も中身の非常に濃い内容で、超絶面白かった。何か賞を取らせてあげて、もっと売れて、下村作品を読む人が一人でも増えてほしいと思う。

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    2023年03月08日
  • ガウディの遺言

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    ガウディの遺したものに関する事件で、ミステリーとしてとても面白かったし、何よりスペインの歴史やガウディについて非常にわかりやすく書かれている。スペインでは、一般的にスペイン語とされるカスティーリャ語とカタルーニャ語があることも私は知らなかったが、カタルーニャ人のアイデンティティについても知ることができた。日本人は自分の国の言語を話してはいけないと制限されたことはないが、侵略や戦争の結果、そのような扱いを受けてきた国や地域があることは知っておかなくてはいけない。

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    2023年03月01日
  • 失踪者

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    ネタバレ

    3日前に読み終えた著者の山岳ミステリー「生還者」からの続け読みとなりましたが、しっかりと完成度が上がってますねぇ〜(^^)

    同じ山岳ミステリーですが、登場人物も含めて全く別の作品で決して前作の続編ではありません。

    主人公は真山道弘、助演が真山の親友である樋口。

    10年前の転落事故でクレバスに置き去りにした樋口を真山が迎えに行くシーンから物語は始まります。

    クレバスの底で発見した樋口の遺体は10年前より歳を重ねていた。

    これが本作最大のミステリー。

    その謎を解き明かす為、真山は樋口の過去を追うことを決意する。

    そして、2人が山岳部に所属していた過去へと物語は遡り、過去と現在を行き来

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    2022年12月14日
  • 真実の檻

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    人間ドラマとミステリの面白さ、そしてなにより社会派の絡み合いが良くて引き込まれなおかつ意外な結末に感情がうってなりました。

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    2022年09月30日