【感想・ネタバレ】コープス・ハントのレビュー

あらすじ

※本書は、角川書店単行本『コープス・ハント』を加筆修正のうえ、文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。

「1件は俺の犯行じゃない。“思い出の場所”に真犯人の遺体を隠した。さあ、遺体捜しのはじまりだ」8人を殺害したとして死刑判決を受けた猟奇殺人鬼・浅沼聖悟の告白は世間を震撼させた。事件に疑問を抱く刑事の折笠望美は真相解明に乗り出す。一方、引きこもりの中学生・福本宗太は動画配信仲間から誘われ「遺体捜し」に出かけるが……。2つの物語が交わる時、驚愕の真実が浮かび上がる。予測不能のサスペンス・ミステリ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「1件は俺の犯行じゃない。"思い出の場所”に真犯人の遺体を隠した。さあ、遺体捜しのはじまりだ」8人を殺害したとして死刑判決を受けた猟奇殺人鬼・浅沼聖悟の告白は世間を震撼させた。事件に疑問を抱く刑事の折笠望美は真相解明に乗り出す。
一方、引きこもりの中学生・福本宗太は動画配信仲間から誘われ「遺体捜し」に出かけるが……。2つの物語が交わる時、驚愕の真実が浮かび上がる。予測不能のサスペンス・ミステリ。
【あらすじより引用】
ここからは感想。
とにかくテンポよく進むストーリー。ページを捲る手が止まらなくなる。基本は主人公の刑事・望美が事件を捜査するパートと宗太が遺体探しをするパートが繰り返されていくので「このピンチをどうやって切り抜けるの!?」「この後どうなるの!?」とハラハラドキドキ。
終盤にはある仕掛けがあったため「あー、そういう……」と唖然としてしまった。
それ以上に現代日本の世相の描き方がリアル過ぎて、「あったあった!こういう事件!」と思わず頷くことも。
読み終えた後に複雑な感情が澱になって沈んでいくが、この作品は読んでよかったと思う。

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2023年12月03日

Posted by ブクログ

最初、ミステリーにありそうなベタな犯罪から始まったので、読むのを止めようかと思いつつも、読み進めると、スタンドバイミーっぽくなってきて、何だかワクワクしてきた。
でも、思いもよらぬ展開になり、犯人は彼だったのか〜と、ミステリー小説を堪能できた。

しかし、内容的には、とても重く、
毒親、ひきこもり、SNSでの誹謗中傷や偏見等、、、。

最後に、命を救われた宗太が、にしやんの祖母と話し、きちんとにしやんの想いを理解できたところに救いがあった。

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2023年04月19日

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テンポ良く物語が進むので
寝るタイミングを失うタイプの本(笑)

イケメンの連続殺人犯に死刑判決が言い渡された。
判決が覆る状況ではないにも関わらず、
黙秘を貫いていた彼が初めて発したことは

連続殺人のうちの一人は自分ではない。
しかもその真犯人たちを知っており、
うち1人は自分が殺し「思い出の場所」に埋めた。

というもの。
当時から真犯人がいると思っていた
刑事の望美は独自に捜査を進めることに。

また世間では面白がり、
遺体探しをする人も出始めていた。

YouTuber仲間のにしやんに誘われ、
自身もYouTuberである宗太は
同じくYouTuberのセイと共に遺体探しを始める。

ストーリーは刑事の望美と
YouTuberの宗太と交互にくり広げられている。

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2025年05月25日

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ネタバレ

真犯人の遺体を探せという連続殺人犯の一連の事件について真犯人の目星がついているが色々あって休職させられている女刑事と、遺体探しをするユーチューバー少年たち、2つの話が同時に進められていく形式。
展開として真新しいものがあるかというとそうでもないのだが、読みやすくてさっくり読めるし、読んだ後にしっくりきた!で終われる良い作品でした。

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2025年05月06日

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初作家さん!!!いや〜初っ端から怖った。久しぶりに心臓バクバクしながら読んでました笑

2つのストーリーが1つになったとき、なるほどそういうことか!ってなりました(;☉_☉) YouTuberやSNS関連の話題が出てきて現代っぽくておもしろさも増しました。
あとセイの親が毒親すぎてドン引きでした、、

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2023年05月22日

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プロローグから、読者は一気に小説世界に引き込まれる。
本章に入ると、猟奇殺人者の告白に、女性刑事が真相を究明せんと捜査を開始する。それを妨害しようと、闇の勢力が彼女の前に立ちはだかる。その戦いは、女性版ダイ・ハードか。
一方、3人のユーチューバーが「遺体探し」に出かける(現代の出来事に、ユーチューバーの存在は欠かせないようで、テレビドラマでもしばしば登場する)。
本書では、彼らの行動は途中まで、青春小説かのよう。
著者は、女性刑事とユーチューバーたちとのそれぞれの行動を交互に描写する。しかしここに、著者の巧みな仕掛けがあろうとは。
山岳小説、冒険小説、医療小説等々作品ごとに分野を変える著者が、また新しい領域を開いたようだ。

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2022年05月11日

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ネタバレ

8人の女性を殺害した連続殺人犯・浅沼聖悟が、1人だけ自分の犯行ではないと告白。彼が「思い出の場所」に埋めたという真犯人の遺体を探す少年たちの話と、女刑事・折笠望美による真相究明の話が、どう繋がっていくかが気になるポイントでした。

青春ロードムービーみたいな話と、真犯人関係者に襲われるスリリングなお話は、それぞれ引き込まれるところはありつつも、なかなか真相に近づかない展開に少々ヤキモキ。

しかし、少年たちが目的地で遺体を発見したとき「あれ?もしかして……」と思ったことが次の女刑事のパートでそのままの内容で明かされ、久々にしてやられたというか、作者の手のひらで転がされたようなサプライズ感がありました。

エンタメとして十二分に楽しませてもらいつつ、有害コンテンツに関する考察も盛り込まれており、その内容に共感するところがあったのも個人的に好ポイントでした。

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2022年04月18日

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下村敦史『コープス・ハント』角川文庫。

『コープス』とは「死体(corpse)」という意味なので、タイトルの『コープス・ハント』は「死体狩り」という意味か。

ミステリー小説。終盤の怒濤の展開から明らかにされる真相に読者は大きく二つのことで、見事に騙されていたことに気付く。一つは作者により、もう一つは連続殺人の浅沼聖悟によって……

相変わらず最後まで面白く読ませる技量は素晴らしい。しかし、結末には少ししっくり来ないところがあるのも事実だ。

虐待される子供、異常に純粋培養され過ぎた子供。将来を決定するのは自身のはずが、歪んだ心は……

ミステリー小説にもしばしばユーチューバーが登場するようになった。そういう時代なのか。

8人の女性を殺害したとして死刑判決を受けた猟奇殺人鬼の浅沼聖悟は、8件のうち1件は自分の犯行ではなく、その犯行の真犯人を殺害し、思い出の場所に遺体を隠したと主張する。当初から浅沼とは違う真犯人が居るのではないかと事件に疑問を抱いていた休職中の刑事、折笠望美は真相解明に乗り出す。

一方、引きこもり中学生の福本宗太はネット動画配信仲間のにしやんに誘われ、にしやんの知り合いのセイと3人で死体捜しに出掛ける。

やがて、折笠刑事により明らかにされる事件の真相……

本体価格740円
★★★★

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2022年03月04日

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本作品の社会に向けている方向性については共感が持てる!

毒親、暴力的・性的嗜好が強い漫画、過剰な人権派、振りかざされる見識の狭い正義・・・

中庸の徳と言う言葉が示すとおり何方かに全フリでは無く、何でも程よく出来る事と、完璧と潔癖を他者に求めない余裕が欲しいと私は思います。


8人の主婦を殺害し死刑判決を受けた殺人鬼が【7件は自分の犯行で1件は別な奴の犯行!更にその犯人の一人は既に殺して埋めてます】なんて言い出した!
SNSやYouTubeでは真犯人の遺体捜しが大盛り上がり!

休職中の女性刑事が事件の真相を追うA面と死体探しの動画を撮影する少年YouTuber達のB面の物語が交互に展開される!!!



少年YouTuber達のパートは正に現代のスタンドバイミー!

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2022年02月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずっと気になってた初読みの作家さん。
先の展開が気になり、一気に読めました。
面白かった。
刑事の折笠視点と、中学生youtuberの宗太くん視点が入れ替わるように話が展開していきます。宗太くんの繊細な心理描写が上手。宗太くんパートは、途中まで青春小説みたいなんだけど終盤一気にホラーになったw
セイが聖悟なんだろうなというのはすぐ気がつくけど、それがどう終盤に収束していくのか分からなくて楽しめました。それにしてもセイが怖すぎ。嘘を吹き込んでから殺すの怖すぎる。
にしやんが死んじゃったのはかなりショック。花穂ちゃんが地獄から抜け出せたのは救いか。宗太くんに一番感情移入して読めたかな。


以下付箋貼ったところ。

なぜ正しい主張をする者の中に、世の多くの悪人と同じように罪を犯している人間がいるのか。聖職者が男児や女児に性的虐待を加え、児童ポルノの反対者が未成年を強姦し、人権派のジャーナリストやカメラマンが人権を蹂躙する。
幸せをことさらアピールする人間が実は不幸や寂しさを抱えていたりするように、犯している後ろめたい罪の発覚を恐れる人間ほど、類似行為を公然と批判していたりする。世の中の人々は、まさか不道徳な行為を否定している人間がそんな罪を犯しているとは夢にも思わないのだから。

自分が男社会で男たちに負けじと対抗心を燃やして働いていたからか、平凡な専業主婦を望む女性が存在するなどとは想像もしなかった。心のどこかに、今の時代の女性なら専業主婦を自ら望むはずがない、専業主婦に甘んじているのは日本が女性の社会進出に不寛容だからだ、という決めつけがなかったか。
無意識のうちに、一昔前の価値観を持っている女性を見下してしまっていた。女性の個々の価値観を認めていなかった。

あなたが何かを楽しむことに罪悪感を持つ必要はありません。人に後ろめたさを与えてくる人間は、世の中に多いです。女性であること、男性であること、過激な漫画やゲームや性的なコンテンツが好きであること。何でもそうですが、自分の属性や好きな物に後ろめたさを植えつけられそうになったら、その相手とは縁を切った方がいいです。真面目で誠実な人間ほど、思い詰めるものですから。

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2025年05月23日

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連続猟奇殺人犯・浅沼聖悟が1件の犯行は否認する。それを追求する女刑事・折笠望美。一方で遺体探しを始める3人のユーチューバー。本当に遺体は見つかるのか?うーん、解決はしたが、スッキリしないなー。

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2025年03月26日

Posted by ブクログ

「加害者と被害者」「偏見と決めつけ」「自己と他者」
「ジェンダー観」「SNS」
問題提起が盛りだくさんな感じで、読後もスカッと爽やかではないけれど、テンポ良く面白かった。
↓ネタバレあり
途中まで折笠望美軸と福本宗太軸は同時進行だと思っていたし、セイ=浅本聖悟もまっったく気づいていなかったから、それらがわかった時はめっちゃ声出た。恥ずかしながらこういう推理ものは、なかなか勘が当たらないので、もういっそ毎回素直に驚けるのは徳だなと思うようになってきた。

作中にも出てきた映画『スタンド・バイ・ミー』
夏にぴったりの作品だし、また見返したいなあ(もう夏終わるけど)
stand by me = そばにいて、私の力になって

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2024年09月28日

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下村敦史作品は初、もう1作品くらい読みたい…という気になりますね。
追記
今回、読切に時間掛かってしまったけど、短時間で読切る方が物語に入れる気がしますよねー

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2024年06月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

先に似たような叙述トリックものをよんでしまっていたせいかそれと比較して荒削りに感じてしまいました。
また、猫を弱らせていって…という話がネットに転がっている有名なサイコパス診断の内容そのままなのが気になってしまいました…。
物語自体はそこそこ面白く(特に女性刑事視点が)スラスラと読み進められたのですが最後の最後で毒親や漫画・アニメが犯罪に与える影響について説教臭い内容が長々と書かれていたのに少しげんなりしてしまいました。

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2023年01月31日

Posted by ブクログ

異常殺人者による発言により、世間のトレンドは死体探しに。

YouTuber達による死体探しと、主人公刑事の望による捜査が行われる…

それぞれの話はテンポ良く進む。
最後の仕掛けも面白いとは思ったが、この作者の他の作品も知ってるだけにもう一捻り欲しかったというのが正直なところ。

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2022年11月14日

Posted by ブクログ

202203/結末や展開でうーんと思う箇所もあるんだけど、設定の独創的な面白さと途中でやめられない巧みなリーダビリティは今作もさすが下村敦史だった。

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2022年09月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

死刑判決を受けた連続猟奇殺人鬼・浅沼聖悟の1件の犯行否定と遺体捜しの告白を受けて、真相解明に動き出す女刑事の折笠。
一方で三人の少年YouTuberの「遺体捜し」も進んでいく。
この2つの話、それぞれ謎を絡めてハラハラ緊張感を保って読ませるなぁ。それが見事に交わった時、一気に緊張から興奮へと変わりサスペンス・ミステリの持ち味をたっぷり味わえる。
異常な人間性は生まれつきなのか後天的なものなのか。答えの出ない重いテーマの中に、過去の自らの罪に向き合う宗太とにしやんという一筋の光を残してくれて救われた。

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2022年05月25日

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