【感想・ネタバレ】緑の窓口 樹木トラブル解決しますのレビュー

あらすじ

「全ては樹木が語ってくれました」

『闇に香る嘘』『生還者』で注目の乱歩賞作家が挑む新境地。
樹木トラブルの裏には、人の“想い”が隠れている!
笑って泣ける、人の心と樹木をつなぐ6つの連作ミステリー


新設された「緑の窓口」への異動を言い渡された区役所職員の天野優樹。
えっ…、それって切符を買うところじゃ……。
疑問を抱いたのも束の間、「庭にあるスギの伐採をめぐって家族仲がギスギスしています。なんとかしてください」との依頼が届く。
そう、ここは市民の樹木トラブルを解決する部署だった!
花粉症で樹木嫌いの先輩・岩浪とともに依頼先に向かった天野。
しかし、そこにはスギを愛でる先客が。
「柊紅葉といいます。樹木医です。」
清楚な美人の登場に胸をときめかせる天野だったが、事態は意外な展開を見せ……。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

最初は市役所の仕事ってこんなに緩くないだろうな、と思ってしまったが、そこにこだわらないと面白かった。
樹木の知らない事が知れて良かった。
自分の思い込みだけではなく、冷静に物事をみるのは大切。

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2024年09月30日

Posted by ブクログ

『全ては樹木が語ってくれました。』
柊さんの決め台詞が出ると、スカッとします。

樹木にまつわるトラブルを請け負う『緑の窓口』。
まるで新幹線の窓口の様ですが、ここは区役所の一部署。
異動初日に、区役所職員の天野くんは、人より植物を愛する不思議な樹木医・柊 紅葉さんと出会う。

様々な揉め事に巻き込まれる天野くん達。
しかし、柊さんの知識に助けられて、徐々に成長する自分に気づく。
そして、柊さんと天野くんの仲も?
心温まるハートウォームミステリー。

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2023年06月24日

Posted by ブクログ

区役所の新設部署「緑の窓口」に配属された主人公が、樹木医の柊さんや役所の仲間たちと一緒に、樹木にまつわる人間トラブルを解決していく心温まるストーリー。
チャボヒバのお話には少しうるっときました。
最後に柊さんが、お母さんの本当の想いを知ることができて良かったです。

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2025年02月07日

Posted by ブクログ

改めて緑の大切さが分かり、自然をもっと大切にしてどんどんふれあっていこうと思える1冊でした。
「樹木が全てを語ってくれました。」
これ、めっちゃかっこいいですねw

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2024年06月26日

Posted by ブクログ

作品ごとに新しい分野を小説世界にする著者が、今回取り上げたのは、マイナーな存在とも言える樹木医。
樹木に関する相談を受け付けるために新設された『緑の窓口』に配属された、真面目でお人好しの区役所職員天野と、人とのコミュニケーションに難があるが植物に関しては無敵の美人樹木医柊紅葉。
区民から寄せられる揉め事に携わるうちに、二人の仲はほんわかムードに。
著者の今までの作品とは一線を画するような、文庫の表紙とも相まってライトノベル的感覚の心温まるミステリー。
しかし、巻末の参考文献で、この作品に対する著者の並々ならぬ創作スタイルが感じ取れる。

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2023年01月29日

Posted by ブクログ

作者の作風らしからぬカジュアルな雰囲気が良かった。
割と怖さのある物語が多いイメージだったので。

樹木の何気ない様相でとんでもないトラブルが起こってるなんてよっぽど木が好きじゃないと気づかないよ。

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2022年08月08日

Posted by ブクログ

市役所新しくに設置された樹木に関する相談窓口「緑の窓口」に異動になった天野くんと、たまたま知り合った樹木医の柊紅葉さんによる樹木関連の日常の謎

まがりなりにも森林生態系の学問を修めた身として、樹木に関する知識が少しはあったので、よく理解できるものもあったりツッコミを入れられるものもあったり
でもまぁ、個別の品種の特性までは知らないからなぁ

収録されているエピソードは6つ

・スギを診せてください
・クヌギは嘘をつきません
・モッコクの落とし物です!
・ソメイヨシノは実は、
・チャボヒバを前に無力です…・・・
・全ては、樹木が語ってくれました


・スギを診せてください
スギを伐りたい嫁と伐りたくない姑のお話

スギの花粉症の人にとっては「スギの木なんて残らず伐ってしまえ!」と思うだろうけど
木材の生産性を考えるとスギって優秀なんだよなぁ
まぁ、だからといって納得できるものでもないだろうけどね

・クヌギは嘘をつきません
クヌギが倒れてきて壊れた車を弁償しろというトラブルのお話

針葉樹と広葉樹の幹の肥大の仕方が違うのは知ってたけど、それをこんな形で利用するなんてね
枝の特性に関しては知らなかったけど、さもありなん

・モッコクの落とし物です!
認知症の症状が出たおじいちゃんがダニをモッコクにかけたりサイレンを空襲警報と勘違いしてモッコクの下に避難しようとするお話

ハダニは大抵水に弱いので、葉っぱにまんべんなく水をかければある程度は駆除できるけど
作中でも語られているように、大きな木には難しいものね

・ソメイヨシノは実は、
父への手紙に書かれたタイムカプセル的なものを桜の木の下から掘り起こそうとするが見つからないお話

これは相談内容を聞いたときから違和感を感じた部分があったので、展開が読めた
ってか、ソメイヨシがクローンだっていうけど、それでも変異はするから全部が全部全く同じ遺伝子というわけでもないんだけどね
あと、植物の「接ぎ木」って言うのも不思議だよね
属どころか科が同じくらいの遠い種でも成り立つというね
でもまぁ、人間の臓器を他の動物で作ったりとかってのも同じようにいびつではあるんだけどね

ただ、最終的な真相は結構意外というか、重めというか
それもサクラの木の真相とダブっている構造がいいな

・チャボヒバを前に無力です…・・・
チャボヒバの木に自分を重ねた患児のお話

登場人物達の構図がよく考えられているよね
自分の姿になぞらえている対象がなぁ~

・全ては、樹木が語ってくれました
紅葉さんのお母さんの依頼でサクラの木の不調の原因を探りに田舎の村に行くお話

そして最後にぶっこんでくれる隠された関係性
まぁ、伏線があると言えばあるんだけど、ねぇ?

そして紅葉さんの妹の件
何か理由があるんだろうとは思ってたけどね

いちおうきれいな形で終わってはいるけど、もし続編が出たら嬉しいなぁ



あと、どうでもいいけど天野くんの語った木に助けられたエピソード
北条司のマンガ「桜の花 咲くころ」が元ネタか?(笑)

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2020年09月04日

Posted by ブクログ

購入して数日後に、ほんタメで下村先生のご自宅訪問が配信されて、そこでこの本に関することも少しだけお話されていた!

下村さんらしくない作品という感想を目にしていたので、そのつもりで読み始めた。
確かにらしくない作品で少し物足りないなぁと思ったけど、全体として良いお話。チャボヒバが良かった。

紅葉を大人しい女性と想像していたが全然違った(笑)
花粉症を軽く見られた先輩にちょっと同情。

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2025年11月03日

Posted by ブクログ

去年の春に購入したのに読む時期を逸しました。今年こそは。しかし『闇に香る嘘』とはおよそ同じ作家とは思えないこの表紙。読み始めてもやはり同じ作家だとは信じがたい文体。

区役所に新設された「緑の窓口」。木に関する何でも相談室。あの木が邪魔だとか倒木があるとか、そんな程度の相談しか思いつかないし、その通りの相談事が寄せられるわけですが、そこには木を眺めて暮らしてきた人の気持ちが存在している。その木をどうすべきか診断するのは樹木医の柊さん。柊さんの診断を聴き、謎を解きつつ人の気持ちに寄り添った解決方法を考える天野くん。

軽く読めて楽しいけれど、こうして樹木がらみのミステリーまで出てくると、ミステリーもニッチ産業のように思えてしまいます(笑)。

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2021年04月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

樹木医が探偵役のミステリということで、役場の樹木医(とその相棒?たち)がその知識を活かして民間トラブルを解決していくお話。これまでに読んだ下村作品の印象は「シリアスで重厚」という印象があったので、やけに爽やかで明るい雰囲気の表紙にビックリ。

実際、話の雰囲気やキャラの造形なども穏やかでラブコメっぽい要素もあるなど、なんだか違う人が書いたみたい。

ただ、そのテイスト故か犯人?とその動機はある程度予想がついてしまったかも。基本、悪い人がいない世界観に感じたので、紅葉とその母の関係のように、一見険悪そうに見えて実は……とか、善意のすれ違いみたいなのを予想しちゃいます。

でもソメイヨシノの章は、桜の母の真相を予想できなかったのと、比較的身近な存在のソメイヨシノの知らなかった特徴に関心しきりで、めちゃめちゃ興味津々で読んでました。

トータルとして悪くない内容でしたが、やはり「シリアスで重厚」な作品のが好きかも。樹木医を題材にしたサスペンスみたいのは難しいだろうけど(笑)

あと、杉とアジサイについて……岩手の「みちのくあじさい園」という、あじさいで根元を埋め尽くされた杉林があるらしく……ここは水源が豊かだから大丈夫なのかな?重箱隅ですが、ちょっと気になっちゃいました。

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2020年07月22日

Posted by ブクログ

下村敦史『緑の窓口 樹木トラブル解決します』講談社文庫。

下村敦史の作品にしては珍しくラノベチックな表紙に読み始めるのを躊躇していた。

新設された区役所の緑の窓口に異動した天野優樹と花粉症で樹木嫌いの先輩・岩浪、樹木医の柊紅葉が樹木に関係する様々なトラブルを解決するという内容の連作短編ミステリー

これまで硬質なミステリーを書いてきた著者が新たな分野で恋愛ドラマの要素もあるユーモラスなミステリーに初挑戦したという感じ。

いずれの短編も当たり障りの無い、無難な内容で、これまでの硬派な下村敦史作品を読んで来た読者には非常に物足りない。ラノベチックな軟派な小説は他の作家に任せ、下村敦史には是非とも硬派な問題作を書いてもらいたいものだ。

本体価格740円
★★★

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2020年05月08日

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