下村敦史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ多くの大山正紀が登場する作品。
現代のSNSの問題と絡めたミステリーでありとても面白かったです。
ただ、どの大山が話しているのかが分からなくなることが少しありました。
どの大山が話しているのかが分からないとトリックに気づくことも出来ないので、しっかり理解することをお勧めします。
サッカー部だった大山正紀さんはとても強い人だなと思いました。後日談が描かれることはないと思いますが、プロ目指して頑張ってほしいです。
本屋で見かけた時そんなミステリーを描くことが出来るのかと不思議に思いましたが、想像以上の面白さで楽しませてくれる作品でした。 -
Posted by ブクログ
中国残留孤児だった兄を、ある出来事から偽物ではないかと疑い始める。視覚障害を持つ主人公は一人で調査を始める…
読み始めてすぐに、先に読んだ下村作品の「同姓同名」とかなり異なる空気を感じて驚いた。
あちらは一つの事件からある日突然、運命がガラリと変わってしまった若い世代の人たちのストーリーだったが、本作は日本政府や戦争によって、長年蔑ろにされ苦しんだ年配者たちにスポットライトが当てられている。
共通するのは、どちらもSNSと政府という、どこか漠然とした大きな存在によって、日常を脅かされ不安に苛まされる人々の姿を描いている。全体を通して漂うその不安感は、物語をどんどん前に進め、読むのがやめられな -
Posted by ブクログ
読み終わってから約1か月経つけど、
なんだか忘れられないので感想を。
ストーリー展開としては、割とサクサク進んでいき、途中でなんとなく、こういう結末になるのかな…?と思った通りになった。
印象に残っているのは、元裁判官の方にお話を聞きに行った場面。
死刑に関する考え方も、もちろんだけど(今までちゃんと考えたこともなかったけど)、人間の器を決める水瓶を、何で満たすかについて。
これまで私がどれだけ水瓶を満たすことができたかわからないけど、これからどんどん歳を重ねていっても、水瓶に水を汲み続けられる人になりたいと思う。
ストーリーの本筋ではないし、この本で最も伝えたいメッセージではないと思 -
Posted by ブクログ
テンポ良く物語が進むので
寝るタイミングを失うタイプの本(笑)
イケメンの連続殺人犯に死刑判決が言い渡された。
判決が覆る状況ではないにも関わらず、
黙秘を貫いていた彼が初めて発したことは
連続殺人のうちの一人は自分ではない。
しかもその真犯人たちを知っており、
うち1人は自分が殺し「思い出の場所」に埋めた。
というもの。
当時から真犯人がいると思っていた
刑事の望美は独自に捜査を進めることに。
また世間では面白がり、
遺体探しをする人も出始めていた。
YouTuber仲間のにしやんに誘われ、
自身もYouTuberである宗太は
同じくYouTuberのセイと共に遺体探しを始める。
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Posted by ブクログ
下村敦史『逆転正義』幻冬舎文庫。
6編収録のどんでん返しミステリー短編集。何れの短編も設定やテイスト、仕掛けが異なり、十二分に楽しめる。
『見て見ぬふり』。理屈っぽい感じのどんでん返しで、その真相は言い訳にしか聞こえない。
報道などで知る限り、最近の虐めはかなり陰湿で執拗になっているようだ。さらにはSNSの普及が、陰湿な虐めに輪を掛けているらしい。昔は虐めなどは余り無く、子供同士の喧嘩はあったが、決着が着けばまた普通に遊んでいた。
高校のクラスで、ある日突然始まった陰湿で過激な虐め。主人公の冬樹が見るに見兼ねて職員室に向かい、担任に密告するのだが、担任は見て見ぬふりを決め込む。冬樹は堪