あらすじ
~ミステリ作家からの挑戦状~
登場人物全員、同姓同名!
大胆不敵、大混乱ミステリ待望の文庫化。
大山正紀はプロサッカー選手を目指す高校生。いつかスタジアムに自分の名が轟くのを夢見て
練習に励んでいた。そんな中、日本中が悲しみと怒りに駆られた女児惨殺事件の犯人が捕まった。
週刊誌が暴露した実名は「大山正紀」ーー。報道後、不幸にも殺人犯と同姓同名となってしまった
“名もなき"大山正紀たちの人生が狂い始める。
これは、一度でも自分の名前を検索したことのある、
名もなき私たちの物語です。
書き下ろし短編「もうひとりの同姓同名」収録
感情タグBEST3
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めちゃくちゃ好き
同姓同名だからどの人だっけとかややこしくなるかなって思ったけどそんな事なくて分かりやすかったし、結びつくから面白かった
本だからこその叙述トリック満載で大好物でした
どちらの最後もちょっと胸糞だったけどね
Posted by ブクログ
同姓同名の人が犯した犯罪によって同姓同名たちが苦しんでいる。。。誰が誰だかわからないはずなのにちゃんと読める。何度も繰り返される反転のミステリー。すごく読みやすく読み進めたくなる本。
現代社会の問題点にも気付かされた本です。
Posted by ブクログ
「大山正紀」が次から次へと出てきたが頭の中で整理しながら読み進めることができた。何回か騙されることがあって、次はどうなるのか?次は??とページを捲るのが楽しみでサクサク読むことができた。
・1番怖いのは自分には誹謗中傷していい人間を決める権利がある、と信じている人間たちである。
・ 奴は俺たちの人生に踏み入ってはいないんです。俺が、俺たちが大山正紀であることは変えられないし、犯人が大山正紀であることも変えられないんです。
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日本を騒がせた猟奇殺人犯と同姓同名で人生を狂わされた10人がオフ会で集まり状況を打開しようと奔走する斬新な切り口のミステリーで、終始「どのような結末を迎えるんだろう?」というドキドキでいっぱいだった。事件に決着がついたと思いきやエピローグで…
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2025年 第6冊目
この本は前から面白そうだなと思っていて、中古屋さんにこの本があったので買ってみました!
本のタイトルの通り、この物語に出てくる人は全員同姓同名で、ある日女児を殺害した凶悪犯が逮捕されるのですが、その犯人の名前は主人公たちと同じ名前でそこから彼らの人生がどんどん犯されていくという物語です。最後まで結末がわからなくてとても面白かったのですが、みんな同姓同名なのでどの人だっけ??とこんがらがってしまって、少しだけ読みにくいなーと思いました。
しかし、それを超えるくらいめちゃくちゃ面白かったのでぜひ読んでみてください!
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同姓同名が起した犯罪のせいで、別の同姓同名が生きづらい思いをする。
しかし、その犯罪者も実は同姓同名の影響で本件犯行に及んでいた。
それが、負の群集心理やSNSの同調圧力などを交えながら描かれています。
文章が整理されており、複数の同姓同名が登場しますが、紛らわしさや混乱はありませんでした。
SNSには「誹謗中傷していい人間を決める権利があると勘違いする人がいて、その人は相手がたまたま生きていることで“人殺しの罪”を免れている」ということを学びました。
内容も期待以上で読み応え抜群でした。
おすすめです。
Posted by ブクログ
凶悪犯だか少年法で守られてメディアでは名前も顔も伏せらた。
しかしSNSで名前が『大山正紀』晒され
同姓同名の『大山正紀』が人生を狂わされる。
多くの『大山正紀』の登場で少し混乱したが読みやすかったが頭をフル回転で読んだ
最後は、そうなんだこの『大山正紀』か‥
推理の様なパズル様な小説だった
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犯罪者と同姓同名だったことで誹謗中傷される、今どきはネットで瞬く間に広まり晒し者にされる。この怖さを存分に味わえる。サッカー部だった大山正紀が自力で自分を再生する行動を取るのが強く印象に残る。気になるからネットから距離をとる、そうだよね。
文字のみでたくさんの大山正紀を書き分けた筆力はさすが!
Posted by ブクログ
登場人物全員、同姓同名という設定に興味を惹かれて手に取った。
被害者の会が結成されてからの犯人は誰なのかを探っていく過程は、同姓同名だからこそできるトリックもあったり、ちょっとした描写が伏線になってたり、ミスリードもあり、展開が予想できず面白かった。
ただ登場人物がやや他責だったりイラっとするところもあった。そこを回収してくれる展開もあるんだけど、少し説教臭いなぁとは感じてしまった。
エピローグで本当の真実が明かされて後味が…でも同姓同名の人達はきっと前を向いて生きていけるでしょう!
そして全員正紀なのに混乱しないで読める文章がすごい。
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多くの大山正紀が登場する作品。
現代のSNSの問題と絡めたミステリーでありとても面白かったです。
ただ、どの大山が話しているのかが分からなくなることが少しありました。
どの大山が話しているのかが分からないとトリックに気づくことも出来ないので、しっかり理解することをお勧めします。
サッカー部だった大山正紀さんはとても強い人だなと思いました。後日談が描かれることはないと思いますが、プロ目指して頑張ってほしいです。
本屋で見かけた時そんなミステリーを描くことが出来るのかと不思議に思いましたが、想像以上の面白さで楽しませてくれる作品でした。
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久々のミステリー。面白かった。
自分と同じ名前だ!とか、人生で一回はみんな思ったことあると思う。でも、自分と同じ名前が殺人犯だったら?とは考えたことがなかった。
ただのミステリーではなくて、昨今の日本でよく見る光景への問題意識や自分の持っている偏見などを見直すきっかけにもなるそんな本!よかった!
Posted by ブクログ
同姓同名の別人が殺人事件を起こした
同姓同名の人、学生時代に同じクラスにいたことあるけど、〜部の誰々って言うふうに分けてたなあ
あまり考えたことはなかったけど、テレビで自分の名前が殺人者として読み上げられる気持ちってどんなものなんやろう?
いい気分ではないやろうな、、、
でもだからと言って、自分に振りかかる“悪いこと”全てを名前のせいにするのは違うんやろうな。
そこに縋りたくなってしまう気持ちも、わかる。
今まで考えたことない視点で考えさせられた。
ミステリーとしても、同姓同名を生かしたミスリードがあって楽しかった!
Posted by ブクログ
伏線がすごかったし騙されました。
途中で会が暴走していくところは恐怖だった。
久々にゾワっとするミステリーを読んだ。
嫌いではない。
けどものすごく考えさせられた。
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主要人物ほぼ大山正紀というタイトル通りの同姓同名ミステリー。
場面が何度も変わり、どの大山正紀も怪しく見えるが…展開は読めそうなものの見事に騙されてしまいました。
エピローグ含めて裏切りの連続でした。
同姓同名にあったことはあるものの偽物と思ったり、嫌悪感を抱いたりなどなかったので共感しきれない部分もありましたが、事件に関係するとまた考え方は変わるのかなと感じました。
感想を書いている間も殺人事件についての報道が流れ、加害者と被害者と同姓同名の方は思うことがあるのかなと考えさせられました。
Posted by ブクログ
面白いが、伏線、ひっかけ、社会的なメッセージなどがぱんぱんに詰まりすぎていて読み終わった後も一息つきながらしっかり反芻する時間が必要な複雑な一冊だった。
「同姓同名である」というなかで、でき得る全てのひっかけがしっかりと隠されており、見破ってやると意気込んで読み始めたものの、しっかりとひっくり返されてしまった。そして、このひっかけをこんがらがらずに最後まで読者を引っ張っていった著者の力に感動する。
個人的には、この本にでてくる正義を主張する人たちの苛烈な誹謗中傷の恐ろしさに震えつつも、なくはない…と更にぶるってしまった。
Posted by ブクログ
女児惨殺事件の犯人と同姓同名の人たちのストーリー。SNSやネットの情報だけで無関係の人を非難したり、現代的な問題だと思った。同姓同名がたくさん出てきて少々混乱する。
Posted by ブクログ
登場人物が大山正紀だらけという突飛な設定ではあるものの、加害者・被害者と同姓同名という経験はあり得なくもない。
ただその名前を果たして世間の人はどれほど覚えているだろうか。世間を騒がせた事件について、事件の名前や犯人のキャッチコピー(頂き女子りりちゃんなど)は知っていても、関わった人のフルネームは正直覚えていない。作中にもそのような心理描写があったけれど、結局渦中の外の人間にとっては良くも悪くもそんなもんなんだと思う。
だからもしこの作品の世界線で生きていたとして、大山正紀に出会ったとき、私は何の感情も抱かないだろう。大山正紀が同姓同名を理由にこれほど生きづらさを感じているとしたら、同情はするけれど、少々それを言い訳にしすぎている側面もあると思ってしまう。
ただこの作品の本質は同姓同名という突飛な設定ではなく、罵詈雑言で簡単に人を殺めてしまうSNSでもなく、それらから展開される魅力的なミステリーだ。誰が誰に対峙しているシーンなのか、まるで分からない手探りの状態のまま読み進めるうちに、読み手は不思議な世界に入り込み、ストーリーは予想外の展開になっていく。
ユニークな設定の小説という枠を大きく超えた奥深いミステリー作品だった。
Posted by ブクログ
やっとゲット。
なんとなく気づいたものもあり、完全に騙されたものもあり。ホント色々仕掛けてくる。
ズルい!(良い意味で)
一気読みではなく、所々立ち止まって、一旦本を置き考える。前のページも見返す。
何故あの人はあんなことを?という疑問や違和感が結構出てきたせいで、
そうでもしないと頭の中が整理できなかった。
複雑!(良い意味で)
真相はなんとも理不尽。可哀想。
序盤はコンビニ女子に、中盤からは"細目"にずっとイライラさせられた。
コンビニ女子さ、別人だと分かってるのに名前だけであんなに毛嫌いするもの?
Posted by ブクログ
ミステリーではあるが、社会問題も鋭くえぐった社会派ミステリーでもある。SNS問題は、まさに同意だが、それを呟いたら、ボコボコになりそうだ。
自分の同姓同名の人も、平凡な名前なので、日本にいるんだろと思うが、検索は止めておこう。
肝心の小説は、作者に翻弄された。最終的に大山正紀は何人いたんだっけ?
Posted by ブクログ
登場人物の多さ、物語が過去と現在を行き来して、混乱する。そして、伏線が多すぎて疲れる。
素晴らしいミステリー小説である分、読み手がかなり頑張らないといけない。
Posted by ブクログ
話題だった時に、積読リストに入れていました。
凶悪犯罪者が自分と同じ名前「大山正紀」だったために、理不尽に人生を振り回された「大山正紀」たちの物語です。
凶悪犯罪とはいえ少年犯罪だったため名前や顔は伏せて報道されていたのに、正義を振りかざした人々がSNSで犯人のプライバシーを明かしてゆきます。
その結果、犯人ではない「大山正紀」は名前を明かすだけで嫌悪感をあらわにされたり、学校推薦や就活で不利になったり、いじめにあったり・・・
更に、同姓同名の無関係者を犯人だと決めつけて拡散されるという悪循環が続いてゆく・・・
誰にもわかってもらえないこの苦しみを慰みたいと、SNSで同じ被害にあっている人々を募り、「大山正紀」を名乗る人物が9名集まって・・・というお話です。
展開にちょっと無理があるのですが、現実の世の中でもマスク警察など、正義を振りかざす人々は出現しますし、TV報道はされていなくてもネットの世界ではプライバシーがない、という状況はよく見かけます。
なぜそんな、会った事もないような他人のことが気になるんでしょうかね。
SNSで批判したり暴露したりがエスカレートしたら誰も幸せになれないのに・・・
そして、その延長でエコーチェンバー現象(共鳴室現象)が起こる・・・
これはSNSなどで同じ主張の者同士が集まり、互いの主張を肯定し合ううち、この主張が絶対的に正しく常識的だと思い込み、他の主張を一切認めなくなる現象。閉鎖的なコミュニティは必ず攻撃的になるそうです。
SNS上ではいわずもがな、「大山正紀」の会でもそうなったし、なんか本当に現代って生きづらいとうんざりしながら読みおえました。
SNSとの付き合い方はなんとかしないと、特に若い子は世界が狭いから本当に救いがなくなるよ。
Posted by ブクログ
同姓同名の大山正紀が犯罪をしたことで、大山正紀は人生を狂わされる。
人生がうまくいかないのは大山正紀のせいか、人生を取り戻すためにはどうすればいいか、ミステリー、SNSの社会問題、自己啓発などの一面がある面白い題材の小説。
ただ最後は、下村さんらしくしっかりしたミステリーで着地させてました。
Posted by ブクログ
タイトルとあらすじを読んで設定が面白いと思って読んでみました……猟奇殺人の加害者と同姓同名の登場人物が合計10人登場して確かに面白かったけど…物語の途中で語り手が変わってると思うんだけど名前が同じだから誰が誰だかわからなくなっちゃって混乱してしまった…2度3度と読めばもっと理解できるかもしれないけど約500頁もある長編だからもう一度読む元気はないかも…どんでん返しとか伏線回収とか終盤いろいろあったけど結局複雑な人物相関に「?」が拭えなかったです…
Posted by ブクログ
読む前は割とファンタジー色強めの作品かと思ったがそんなこと無かった
名前というあまり意識することの無いことで巻き起こる色々な弊害
自分はそこまで多くない名前で報道に出るような事件とか起きたことはなく作中のような苦労は無かったけど現実問題としてその立場になったらそういうこともあるんだろうなと思いながら読破
Posted by ブクログ
深刻なんだけど、読んでいるとなぜか可笑しくなる。笑い事じゃないんだけれど。
あらすじからして面白そう。実際、凶悪犯と同姓同名というのは嫌なものだろうし、就職試験で内定がもらえないのも名前が原因かもしれないと思いたくなるだろう。
それでも、実際の被害者遺族や加害者家族よりましだと言われてしまう。微妙な被害。
被害者の会が迷走していくのもとてもリアルだし、最後のどんでん返しは意外だった。
そして、終盤で登場する「大山正紀」の切々とした言葉は、同姓同名とまったく関係が無い私も考えさせられるものだった。
名前に負けない生き方をする。
彼のこれからを応援したい。
そして、本当に最後の最後、名前から逃げた「大山正紀」。
彼のこれからの人生は、いったいどんなものになるのだろうか。
Posted by ブクログ
★3.4
名前が、人生を狂わせる。
同姓同名という偶然が、同じ名前を持つという、それだけのことで。
名前はただの記号じゃない。ときに人生すら、ねじ曲げてしまう。
本書は個人を識別する「ラベル」の怖さを描く物語。
著者の筆致は、現代社会の情報過多や個人の特定性について切り込む。同じ記号を持つだけで、人生が狂っていく様を描いた。
いささか、ご都合的に下落していった気もするが。
情報社会というフィルターを通してみたとき、人はどこまで「自分」でいられるのか。
「たまたま一致しただけ」なのに、どうしてこんなにも運命は過敏に反応するのか。
名前とは、自分の輪郭を作るものようなもの。他人が貼ったシールではないはずだ。
稀に、結婚で姓が変わると作り上げた自分自身も変わったかのようだった、という話を聞く。
これも大げさではなく感じる。アイデンティティは名にも宿る。
確実に迫ってくる不穏さ。
まだまだ情報社会は過渡期だ。
名を持つ者、つまりすべての人に突きつけられた鏡のようだった。
Posted by ブクログ
同姓同名ってややこしいですね。今一体どの大山正紀さんの視点なのか散々迷子になりました。先を知りたすぎて駆け足で読んでしまったせいかもしれないので、結末が分かった上でもう一度読み返してみたいと思います。
自分の名前は漢字や名前そのもののについては至って平凡な名前なのですが、キラキラネームでもないのに一発で読んでもらえることはない名前です。同じ漢字で同じ読み方の人とも出会ったことがないです。
子供の頃全校集会で読書感想文や習字の表彰をされるとき、必ず校長先生が間違えて名前を呼ぶので男子が誂ってくるのがウザイ!という程度の嫌な思いしかしたことありません。初対面で間違えられても今後そんなにこの人と付き合わないなと思うと訂正せずに違う名前のまま返事もします。思い入れがないわけではないですが、結局名前に対してその程度なんでしょう。
ではもし自分と同姓同名の殺人犯がいたら…。
やっぱりネタにするくらいで、思い詰めることはないだろうなと思います。だからいくら小説の中とはいえ、登場する大山正紀さんたちの深刻な空気がちょっと理解できませんでした。そもそも自分たちが周りと信頼関係が築けていたらこんな風にならなかっただろうと思われる大山正紀さんが多かったです。
事の発端を遡ると、かなり伏線が張られてて物語としてはとても面白かったです。
その代わり登場人物に全く共感できなかったので肩透かしを食らった気分にはなりました。自分がもっと名前に思い入れがあったら違っていたのかもとは思います。