下村敦史のレビュー一覧
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最近テレビでご本人をお見かけした。
ご自宅で取材を受けていらっしゃって、とにかく色々面白い方で、早速読んでみようと思って選んだ一冊目。
ずっと、登場人物の人となりを見ている感じで話が進む。個性豊かと言うより…何だこの感じ…。
と思って中盤以降、自分なりに考察するもそんな訳ないでしょうよ、ぐらい陳腐な考えしか出てこなかった。
終盤も終盤あたりで、ようやく、あれ⁈あれ⁉︎が増えて、一気にそうゆう事ぁ!と色々繋がった。
ミステリーとかで、何だこの感じ…となる時は、作者にいいように転がされてる時だと、何度も経験しているじゃないか。
人の死なないミステリーは優しさで溢れていたけれど、人の善意とは何か -
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大人気ミステリー作家御津島磨朱李の新邸披露会に招かれた7人。何かが起こりそうな洋館をあえて建てた御津島は、「あるベストセラー作品が盗作であることを公表する」と宣言した後姿を消す。余興なのか事件なのか判断がつかないまま、吹雪に閉じ込められた7人は不安な2日間を過ごすことに。
作者下村敦史の自邸をそのまま利用したミステリーといういうことで、見取り図だけではなく写真が頻繁に登場してイメージが湧きやすい。冒頭の建築士との打ち合わせの会話もリアルで楽しかった。しかし、そこで得た情報を“読者だけが知っている”と錯覚して読んでいたため、作者の術中に嵌った感がある。思い込みにやられた。
最後の大オチは概ね予 -
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まんまと騙された!やっぱり固定観念はいけないなぁと思いつつも、固定観念がないと、こうしたどんでん返しが楽しめないから、これでいいのかな。
この小説にはヴィクトリアン・ホテルに宿泊するそれぞれの人物の章があって、キモとなるワードは『優しさ』。
みんな『優しさ』に反応し、苦い思いをしている。
途中から、あれ?あれ?と違和感に気づいていくんだけど、最後にはあからさまな答え合わせが。読者には優しいのかもしれないけれど、ここまでのヒントは必要ないんじゃないかなとも思ってしまった。
あー、色々書きたいんだけど、すこしでも書いたらネタバレになってしまうので、そこは読んでのお楽しみということで -
Posted by ブクログ
登場人物が大山正紀だらけという突飛な設定ではあるものの、加害者・被害者と同姓同名という経験はあり得なくもない。
ただその名前を果たして世間の人はどれほど覚えているだろうか。世間を騒がせた事件について、事件の名前や犯人のキャッチコピー(頂き女子りりちゃんなど)は知っていても、関わった人のフルネームは正直覚えていない。作中にもそのような心理描写があったけれど、結局渦中の外の人間にとっては良くも悪くもそんなもんなんだと思う。
だからもしこの作品の世界線で生きていたとして、大山正紀に出会ったとき、私は何の感情も抱かないだろう。大山正紀が同姓同名を理由にこれほど生きづらさを感じているとしたら、同情はする