下村敦史のレビュー一覧
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大人気ミステリー作家御津島磨朱李の新邸披露会に招かれた7人。何かが起こりそうな洋館をあえて建てた御津島は、「あるベストセラー作品が盗作であることを公表する」と宣言した後姿を消す。余興なのか事件なのか判断がつかないまま、吹雪に閉じ込められた7人は不安な2日間を過ごすことに。
作者下村敦史の自邸をそのまま利用したミステリーといういうことで、見取り図だけではなく写真が頻繁に登場してイメージが湧きやすい。冒頭の建築士との打ち合わせの会話もリアルで楽しかった。しかし、そこで得た情報を“読者だけが知っている”と錯覚して読んでいたため、作者の術中に嵌った感がある。思い込みにやられた。
最後の大オチは概ね予 -
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まんまと騙された!やっぱり固定観念はいけないなぁと思いつつも、固定観念がないと、こうしたどんでん返しが楽しめないから、これでいいのかな。
この小説にはヴィクトリアン・ホテルに宿泊するそれぞれの人物の章があって、キモとなるワードは『優しさ』。
みんな『優しさ』に反応し、苦い思いをしている。
途中から、あれ?あれ?と違和感に気づいていくんだけど、最後にはあからさまな答え合わせが。読者には優しいのかもしれないけれど、ここまでのヒントは必要ないんじゃないかなとも思ってしまった。
あー、色々書きたいんだけど、すこしでも書いたらネタバレになってしまうので、そこは読んでのお楽しみということで -
Posted by ブクログ
「闇に香る嘘」は下村敦史さんのデビュー作品であり、2014年の「第60回江戸川乱歩賞」の受賞作品でもあります。
実は下村さんは2006年から9年連続で江戸川乱歩賞に応募していて、9年目にしてようやく受賞できたそうです。作家さんの苦悩については当然知るべくもないですが、普通は5年くらい連続で落選してしまったら、心が折れてしまうのではないでしょうか?諦めずに挑戦し続けたことには心から敬意を表します。
子供の頃、満州で亡くなったと思っていた兄が、中国残留孤児として日本に帰国し、実家で母と暮らすようになりますが、69歳で盲目の主人公はその兄に違和感を感じ、兄の存在を疑い始めます。
至る所に散り -
Posted by ブクログ
ネタバレあらすじを読んで、どうなるんだろうと気になり読む。
謎の核の部分は戦争のあまりにも暗い影によって読むのがしんどいかと思ったが、物語の推進力が強く、読むのをやめられなかった。
物語の骨格がとても重厚で、叙述もフェアで、読み終わったとき、大掛かりでダイナミック(かつ、もちろん安全)なアスレチックで遊び終わったような充足感があった。
差別の気持ちを持っていた属性が実は……というところはやりきれない気持ちになる。
ずっと失明した主人公の視点で語られており、最後の方、色の描写が出てきておや?と思ったら語り手が変わっていた。つまりずっと色の描写はなかった(はず)。私も失明した人の目線でずっと謎解き