下村敦史のレビュー一覧
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ネタバレはじめの事件現場で、だいたいは読めていたが、最後の2発はわからなかった。でも、ミステリーでここまで読めたのは初めてか、まぁ久しぶりかも!
ただ、ストーリー以上に言葉の面白さと検察官と弁護人の賢さに興味惹かれた。同じことの説明でも、どんな印象を与えたいのかでどう問いかけて説明させるか、どの言葉を繰り返し使うか、心証を勝ち取るための工夫がすごい。ただ、依頼者の意に沿って情報を集めたり、誰もが納得しやすいストーリーを考えるだけでなく、それをどう見せるのかを含めて、こんなことまで考えているんだ!って驚き。ミステリーの謎解き部分より、個人的に裁判所でのやり取りが面白かった!!最後、ちゃんと報われるような終わり方でよかった。話の中だけじゃなくて、現実世界もそうであってほしい。 -
Posted by ブクログ
緻密なミステリーでありながら、濃厚な人間ドラマとしても楽しめる、どんな人にもおすすめできる一冊。
物語の中で主人公の志穂の立場に立つと、状況が二転三転し、どんどん何もかもが信じられなくなっていく不安感があった。しかし、登場人物たちそれぞれに抱えている想いがあり、最終的な結末は良かった。
言語や文化の背景を活かした見事な仕掛けに「なるほど!」と素直に唸らされた。そして、物語の結末。ガウディが遺したメッセージの「真実」を知ったとき、彼の壮大な心意気と建築へのロマンを感じた。サグラダ・ファミリアやスペインの歴史描写があまりにもリアルで、「果たしてこの物語はどこまでがフィクションなのだろうか?」と錯覚してしまうほどの没入感だった。 -
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私は同姓同名の方と会わずに死ぬでしょう。と言っても過言ではないほどに珍しい名前です。苗字もある地域にしかおらず、下の名前はありふれた読み方なのですが「え、これでこう読むの?」というものです。顔はどこにでもいそうな顔なんですけどね笑
なので彼らのように悩むことはないでしょうが、確かに名前って早い者勝ち?不便?な部分があるなとこの作品を読んで改めて思いました。
同じクラスに「なな」という子が2人いたのですが、苗字から1文字取って「『ふ』なな」と「『た』なな」と呼ばれていました。今思うともう少しいいあだ名の付け方があったのではないか?という疑問を持ちます(^^;;
珍しい姓名だと間違われて書かれたり読まれたりして不快な思いをすることが多々ありますが、同姓同名である方々にも私には想像できない苦悩があり、こんな風にミステリーに落とし込む作家さんはすごいなと思いました。
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面白かった。前半はスペインの文化、歴史、スペイン語、ガウディという人物、ガウディの建造物などを主人公の志穂と一緒に学んでいくストーリーのため、個人的には物語というよりも教科書のような感覚になった。ここら辺を学びたい人にはとても面白く感じると思う。が、私のようにミステリーとしてこの本を手に取った人には少々退屈に感じる瞬間がある。中盤からはいよいよこの物語の核である、父の友人を殺したのは誰か。という謎解きに入っていく。ここで前半の学びがかなり生きてくるし、謎を全て知ると、前半部分に散々伏線が貼られていたなぁという感じになる。そのため前半部分でつまづいた人もぜひ終盤まで頑張って読み進めてみてほしい。(終盤に入るとかなりドキドキハラハラする場面も多く面白い!)
また、この物語にはもう一つ「家族とは」というテーマがある。(まさにサクラダファミリア=聖家族(スペイン語で))このテーマに関してはかなり読み手それぞれの感想になると思う。
余談ですがこれを読んで、サクラダファミリアは立派な観光地になっているが、何かの宗教を信仰している人はここ行けるのかな、、?と思った。それくらい自分が想像していたよりも宗教感が強い建物だと感じた。
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2026/02/21読破
伏線回収が気持ちいい!
登山について詳しくないので、道具や縄の縛り方など分からない部分が出てはくるが、分かるように説明されたり、多少曖昧でも気にせず読めました。
それよりも、生還者2人の証言の違いから、主人公が気づいた違和感、それが最後にどんどん回収されていくのが読んでいて気持ちいです。
ミステリーでも、殺人のためのトリックというわけでなく、真実を解き明かすためのさりげない矛盾を突いていくので楽しく読めました。
正直、主人公のフラフラ感にはイライラしてしまったので、葉子は離れることをすごく勧めたい。。
結婚しても幸せにはなれない気がしてしまう。
常に山登りとそこで出会った人が一番になってしまうタイプに見えてしまう。 -
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面白かった。
全盲の施設入居者が、施設長を殺害した疑いで裁判になるが、その行方は…という話。
犯人は別にいることは最初から匂わされているので、冤罪をどのように防ぐのかという展開を楽しめた。
被告人が何かを隠している様子があったが、その真実には驚き、また納得させられた。
ただ、警察の捜査はもっと緻密と思うし、検察官や裁判官をいかにも頭が硬そうなのに対し、刑事弁護人が殊更正義の人のように描くのは違和感があった。
多分、作者は刑事弁護人への取材や刑事弁護人の著者を見て、刑事弁護人のいいところだけ見ているのだろう。
刑事弁護人は冤罪を防ぐための最後の砦であるが、被疑者、被告人の権利を守り、少しでも有利な判決を得るためには被害者を傷つけるなど手段も選ばない部分が多くあることも忘れてはいけない。
今回は、明らかに犯人は別にいるので、刑事弁護人を応援できた。 -
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後天的に障害を抱えてしまった人が、ケアやリハビリを行うために入所する施設「天使の箱庭」。
施設内で施設長が刺殺される事件が起こる。容疑者は全盲の女性。しかし、女性は殺人を否定。でも、女性は何かを隠している様子。
弁護士の竜ヶ崎は無罪を勝ち取れるのか。
といったあらすじ。
実際に裁判を見たことはないのですが、裁判のシーンは、かなりの臨場感。
劇場型裁判で、ゲームの「逆転裁判」をプレーしているかのようでした。
弁護士、検察官は頭がいいですね。
証人から、本来聞き出したい言葉を出すために、まずは別の質問で逃げ道を塞いで、それか本来聞き出したい言葉を引き出す。
実際の裁判もこんな駆け引きがあるのかな?
物語自体は、なかなかのどんでん返しミステリー。実際に裁判中にこんなことが起きたら、大問題ですね。
全盲の依頼人、耳が聞こえない証人、失語症の少女だからこそ使えるトリックが秀逸でした。
以前読んだ裁判ミステリーの中で出てきた、「推定無罪」「善意の第三者」などの法律用語が本作でも登場。
法律用語を調べずに理解できた自分の成長を確認できました。
見える障害もあれば、見えない障害もある。
見える病気もあれば、見えない病気もある。
外見だけで人を判断するような、理解した気になるような、そんな傲慢な人にはならないように、改めて気をつけたいと思いました。
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Posted by ブクログ
中国残留孤児問題を軸に、家族と血のつながりを描いたミステリー。
全盲の主人公は、腎臓移植を必要とする孫を救うため検査を受けるが適合せず、27年ぶりに帰国した中国残留孤児の兄に提供を頼む。しかし兄は検査すら拒み、その態度に小さな違和感が生まれていく。
兄の帰国時、主人公はすでに視力を失っており、その顔を確認していない。兄は本当に兄なのか。
見えないからこそ、声や言葉、空気の揺らぎから真実を探ろうとする過程が静かな緊張感を生む。疑いはやがて、家族の過去や母の死へとつながっていく。
満州からの避難行の描写は胸に迫り、中国では「日本人」、日本では「中国人」とされる残留孤児の孤独が丁寧に描かれる。
重い歴史を背景にしながらも語り口は穏やかで、終盤の反転する展開には深い納得とあたたかな余韻が残った。家族とは何か、血の絆とは何かを静かに考えさせられる一冊。