下村敦史のレビュー一覧

  • 緑の窓口 樹木トラブル解決します
    市役所新しくに設置された樹木に関する相談窓口「緑の窓口」に異動になった天野くんと、たまたま知り合った樹木医の柊紅葉さんによる樹木関連の日常の謎

    まがりなりにも森林生態系の学問を修めた身として、樹木に関する知識が少しはあったので、よく理解できるものもあったりツッコミを入れられるものもあったり
    でもま...続きを読む
  • 真実の檻
    これは怖い話だったな。

    大学生の洋平は母の遺品整理の際、本当の父親が元検察官で「赤嶺事件』と呼ばれる殺人事件を犯した死刑囚であることを知る。まだ刑が執行されていないこと、事件は冤罪の可能性があることを知った洋平は、父の無実を明らかにするために事件について調べ始める…といったお話。
    その調査の過程で...続きを読む
  • 真実の檻
    真相に近づくにつれ、育ての親と血縁の親を両天秤にかけなくてはならない状況で、「葛藤」を描いた秀逸の内容。主人公の洋平が母の遺品整理中に見つけた写真。時期的前後関係から自分の父親が違うことに気付く。父親に聞いてみると「赤嶺事件」にたどり着く。赤嶺信勝は母の両親を殺害し死刑判決により執行待ちだが、冤罪の...続きを読む
  • サハラの薔薇
    考古学者がフランスへの移動中に乗っていた飛行機が
    サハラ砂漠に墜落
    他数名の生存者あり
    そこに残るものとオアシスを求めて移動するもの
    そのあとは追うもの追われるものの展開など
    いろいろ盛り込まれています

    砂漠を何日も歩き続ける大変さって
    どんだけだろうなぁと
  • 真実の檻
    母の死がきっかけで父とは血が繋がっていないことと実の父は死刑囚として収監されていることを知ってしまった大学生の主人公。
    実の父が起こした事件を調べるうちに冤罪の可能性を書いた記事を発見し、その記者に協力を求める。
    彼女と調べを進めていくうちに協力者も増え、真相に迫っていくが、真相はまた主人公には受け...続きを読む
  • サイレント・マイノリティ~難民調査官~
    難民調査官?

    初めて聞く職業の名称


    本作では激化するパレスチナ情勢の下日本に難民申請するシリア人に視点を合わせた社会派小説か?と思いきや、冒頭でシリア人が殺される!?
    しかも難民申請するシリア人の父と娘の食い違う証言?と周囲の人達の発言が謎を更に深めていく。
    更に出て来る雑誌記者が今の日本を象...続きを読む
  • 真実の檻
    大学生の洋平が、母親の遺品整理をしていた際に、天井裏に置かれていた小箱を見つける。中身は手紙と写真。その写真に写っていたのが、母親と見知らぬ男。手紙には妊娠を喜ぶ内容が書いてある。日付から考えてその子供は自分であると気づく。手紙に書いてある名前をネットで検索すると、その男は夫婦2人を殺した殺人犯で死...続きを読む
  • 失踪者
    途中までなかなか物語に入り込めず、もどかしかったが、大満足のエンディング!自分自身も登山は好きだが雪山に登る勇気は出ず、夏山止まり。
    なのでもちろん八千メートル級なんて想像もできないけど、物語としてその過酷さを読み、また山頂への道のりにロマンがありとても面白かった。

    ミステリーの構成としても、登場...続きを読む
  • サハラの薔薇
    この間、著者ほどフィールドの広い作家は稀ではないかと書いたが、今作は何と冒険小説。
    また、新しい分野を読者に提供してくれた。
    しかし、解説によると、著者は80年代の冒険小説の時代に生まれたから冒険小説の申し子といえるそうだ。
    舞台はサハラ砂漠、主人公は発掘調査を行う考古学者。
    この考古学者、発掘した...続きを読む
  • 刑事の慟哭
    評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    新宿署の刑事・田丸は、本部の方針に反して連続殺人事件の捜査を行い、真犯人を挙げた。結果、組織を敵に回し、署内で厄介者扱いされていた。管内でOLの絞殺体が見つかった。捜査の主軸から外された田丸は、帰宅途中に歌舞伎町の人気ホストの刺殺体を発見する。二人の思い...続きを読む
  • サイレント・マイノリティ~難民調査官~
    著者も何とフィールドの広い作家なのだろう。
    全盲者を主人公に、中国残留孤児問題を扱ったデビュー作の乱歩賞受賞作を皮切りに、山岳ミステリー、リーガルミステリー、さらに医療ミステリーと続く。
    今作(シリーズ第2弾とは知らなかった)は、一般にはあまり馴染みのない専門職ともいえる難民調査官が主人公。
    難民申...続きを読む
  • 刑事の慟哭
    まったく!! 警察って所の人間関係は、なんなんだー!!って
    小説だと分かっていても頭くる(笑)

    また、道化師役をする主人公にも
    頭くるー(笑)

    そして・・・最後の最後にホロッと泣かすのが
    下村作品です。
  • 真実の檻
    メインの事件の真相に迫るのに
    ほかの事件をひとつひとつ調査していく
    流れでした
    いろいろ、そういうことか、そうだったのかと
    思わせるところもあり
    最後まで楽しめました
  • 刑事の慟哭
    するっと読めて読みごたえもある。すっかり忘れていたけれど奥付を見て、同じ著者の「闇に香る嘘」も読んでいてやはり同じ印象を持ったのを思い出した。「闇に」のほうがゴツゴツした読み心地?だったけど。
    冤罪事件に読者として「目撃者、居るのにー!!」と思っていたけれど、あのおじさんも日常の中ですっかり忘れてい...続きを読む
  • 失踪者
    山岳ミステリー。10年前に滑落して失踪した相棒の遺体を回収しに行くと、明らかに年を取っていた。なぜか?相棒の足取りを追うと、別名で8000m峰を登りまくる謎の日本人にたどり着く。しかし相棒は5年前に死んでいた、では今の謎の登山家は誰なのか?
    登山の描写はまあまあのリアリティ。ストーリーの展開も早く読...続きを読む
  • 告白の余白
    双子の弟英二が自殺した兄の不思議な遺言の謎に迫るべく京都で謎を解いていく。
    こんなストーリーですが、果たして今まで高知で農業を営んできた弟が各地を放浪してきた兄になり変われるのかという疑問さえ克服できれば、真実は何かを探る楽しいミステリの世界に浸れます。
    「京都」の色々な風習や考えが伏線であったり、...続きを読む
  • 告白の余白
    自殺した兄の遺書の真相を確かめるため、京都に赴いた双子の弟。
    訪ね当てた恋人に兄と間違われ、そのまま成り済ます。
    京都人の本音を見せない躱し方やはぐらかし方に惑わされる弟、謎めいた手紙の意図は、そして成り済ましはいつばれるのか、ハラハラしながら頁をめくる。
    しかし、終盤にきての意外や意外・・・・
    ...続きを読む
  • 失踪者
    生還者 に続く下村さんの 山岳ミステリー
    10年前の転落事故でクレバスに置き去りになっている親友樋口を迎えに行く真山…が氷漬けの遺体が何故か年老いていた!? 樋口はあの時亡くなったはず!それとも?
    この謎を軸に真山と樋口の出会いまで遡り、そこからぐいぐい話に引き込まれます。
    さすが下村さん。今回もほ...続きを読む
  • 失踪者
    ストイックに山と向き合う真っ直ぐな山男同士の友情は静かな情熱を帯び、ひしひしと胸に迫る。氷の底で二度命を落とした真実が明らかになった時、涙が滲み心が震えた。
    孤高の頂にいたミステリアスな樋口も魅力的だったが、真山との絆に溶かされ、悲しみや埋めようのない空白を知って弱さを垣間見せる彼の姿もまた人間らし...続きを読む
  • 生還者
    闇に香る嘘」を初読みし、心を掴まれた下村さん!
    今作、評判通りの面白さでした✧‧˚
    この本で登山の知識も少し得ることができた…かな?と思わせる程の専門知識が沢山織り込まれ、「ほぅほぅ」と新しい知識を頭に入れることで、ミステリーを読む時によくやりがちな先読みをする暇がなく、作品の内容と同じスピードで楽...続きを読む