下村敦史のレビュー一覧
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母の死がきっかけで父とは血が繋がっていないことと実の父は死刑囚として収監されていることを知ってしまった大学生の主人公。
実の父が起こした事件を調べるうちに冤罪の可能性を書いた記事を発見し、その記者に協力を求める。
彼女と調べを進めていくうちに協力者も増え、真相に迫っていくが、真相はまた主人公には受け入れがたい事実だった。
裁判官の実情や検察と警察の関係など、人を裁く人たちは本当に公正なのかということも問うている。
意外と読み応えがあった。
冤罪がテーマのように見えるが、司法の正当性や公正性が本筋のテーマだと思う。
最後の展開はなんとも言えず、全てを失ってしまったほうは自業自得とは言え、仕打ち -
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ネタバレ大学生の洋平が、母親の遺品整理をしていた際に、天井裏に置かれていた小箱を見つける。中身は手紙と写真。その写真に写っていたのが、母親と見知らぬ男。手紙には妊娠を喜ぶ内容が書いてある。日付から考えてその子供は自分であると気づく。手紙に書いてある名前をネットで検索すると、その男は夫婦2人を殺した殺人犯で死刑囚。しかも殺された2人は母親の両親だった。突然知った事実。そこからこの物語が始まる。
真実はなんなのか。展開が早くてスラスラ読めました。これはフィクションだけど、いろんなところに冤罪はあるかもしれないと思わせる。痴漢の件のところは本当にありそうで怖いと思ったし、警察の組織による隠ぺい疑惑もきっとあ -
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この間、著者ほどフィールドの広い作家は稀ではないかと書いたが、今作は何と冒険小説。
また、新しい分野を読者に提供してくれた。
しかし、解説によると、著者は80年代の冒険小説の時代に生まれたから冒険小説の申し子といえるそうだ。
舞台はサハラ砂漠、主人公は発掘調査を行う考古学者。
この考古学者、発掘した遺跡の一部を転売してしまうという、こ狡いオヨヨな男。それでも、物語の進展とともに”たくましく”?なって行く。
搭乗した飛行機が砂漠に墜落し、生き残った者たちと砂漠からの脱出を図る。しかし、同行者は皆ワケ在りな者たちばかり。
本性を現した採掘の盗人と戦い、砂漠の危険な動物に遭遇し、ゲリラに襲い掛かられ -
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下村敦史『サハラの薔薇』角川文庫。
サハラ砂漠を舞台にした冒険小説。砂漠や辺境の地を舞台にした冒険小説と言えば船戸与一を思い出すが、本作には船戸作品のような砂漠の匂いは感じられなかった。主人公の峰が発掘調査費を捻出するために発掘品を横流しするようなセコい考古学者という人物造詣が作品を台無しにしているように思う。
エジプトで発掘調査を行う考古学者の峰はついに念願の石棺を発掘するが、石棺に納められていたのは死後数ヵ月のミイラだった。発掘調査は失敗に終わり、峰が講義先のパリに向かう道中で飛行機が墜落し、サハラ砂漠に不時着する。峰は生命を懸け、生き残った仲間とオアシスを目指すのだが……
峰が何者 -
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著者も何とフィールドの広い作家なのだろう。
全盲者を主人公に、中国残留孤児問題を扱ったデビュー作の乱歩賞受賞作を皮切りに、山岳ミステリー、リーガルミステリー、さらに医療ミステリーと続く。
今作(シリーズ第2弾とは知らなかった)は、一般にはあまり馴染みのない専門職ともいえる難民調査官が主人公。
難民申請したシリア人が、突如申請を撤回する。その豹変に不自然さを感じた主人公は、認定するか不認定とするか、自分の決断が直接人命を左右すると思い知り、逡巡する。さらに、誘拐事件も勃発し、殺人事件も絡み、混迷の度合いは増すばかり。
一方、主人公の先輩のジャーナリストは、シリアで内戦に遭遇し、テロリストの人質に -
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ネタバレ山岳ミステリー。10年前に滑落して失踪した相棒の遺体を回収しに行くと、明らかに年を取っていた。なぜか?相棒の足取りを追うと、別名で8000m峰を登りまくる謎の日本人にたどり着く。しかし相棒は5年前に死んでいた、では今の謎の登山家は誰なのか?
登山の描写はまあまあのリアリティ。ストーリーの展開も早く読みやすい。
主人公のがっかりを払うために8000m峰に登って強さを証明し、最後は病気で死ぬ前に、クレパスに自ら戻って死ぬという、主人公と相棒の友情が、というか樋口の主人公ラブ度がすごすぎ。あと、宮崎というキャラの性格がくそ過ぎて逆にすがすがしいほど。 -
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双子の弟英二が自殺した兄の不思議な遺言の謎に迫るべく京都で謎を解いていく。
こんなストーリーですが、果たして今まで高知で農業を営んできた弟が各地を放浪してきた兄になり変われるのかという疑問さえ克服できれば、真実は何かを探る楽しいミステリの世界に浸れます。
「京都」の色々な風習や考えが伏線であったり、謎であったりして楽しめました。
京都の人がここで描かれているような人でないとは思いますが、いかにもありそうと思えるところが怖いです。
作者はまさしくここに描かれた高知出身の父と京都出身の母の子で、編集者が京都出身というのも、物語を読み終わって納得感がありました。 -
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自殺した兄の遺書の真相を確かめるため、京都に赴いた双子の弟。
訪ね当てた恋人に兄と間違われ、そのまま成り済ます。
京都人の本音を見せない躱し方やはぐらかし方に惑わされる弟、謎めいた手紙の意図は、そして成り済ましはいつばれるのか、ハラハラしながら頁をめくる。
しかし、終盤にきての意外や意外・・・・
著者の巧みなミスリード(漢字ではなく、かなを使うなど)に、主人公ともども惑わされてしまった。
京都祇園や舞妓の裏話的な詳述は、花街探訪を体験したかの如くであり、また、直接的な物言いをしないという京都の土地柄及び京都人の人柄についても、読後少し参考になったかな。 -
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10年前転落事故で死亡した友の遺体を収容しに、主人公は南アンデスのシラウ・グランデ峰に向かう。しかし、その事故現場で見つけたのは、数年分歳を取っていた友の遺体だった。
その理由(わけ)は?
さらに死んだはずの友と同じ登攀スタイルの人物が現れ、オカルト的な謎がさらに深まる。
そして小説は、2016年の現代と事故当時の06年、大学時代の1991年や92年、さらには99年、03年、04年と、目まぐるしく過去と現代を行き来する。
著者の巧みな手法に翻弄されながら、読者は頁を捲らざるを得なくなる。
随所に記される登山シーンは、その場に臨場しなければ描けないほど見事な迫力がある。
しかし、著者に本格的な登 -
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悔しい!ヤラレタ
真相が分かったとき、何故その可能性にもっと早く気づかなかったのか、悔しさがこみあげた。
ミステリーにおいては、この悔しさは満足度と同義語だ。
少しだけ残念なのは、せっかくタイムリミット付きの誘拐事件まで発展させたにも関わらず、えらくあっさりした解決。
もう少しハラハラドキドキさせてもらっても良かったかも、
なので⭐️一つすくなめ。
ミステリーとしては⭐️5つ間違いない。 -
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元ネタのアイアムアヒーローを読んだことも観たこともないのですが、好きな作家さんが多かったので手に取ったら個人的にはあたりのアンソロジー。
朝井リョウくんの話もさみしい青春、恋愛小説ですき。いじめっ子と人気者と一匹狼的なこのカースト。
藤野可織さんの話も久しぶりに読んだけどよかったな。やっぱりさみしい。仲間内って難しい。
最高だったのは佐藤友哉、島本理生夫婦の合作。こんな豪華な作品が辞めるなんて…!!! よかった、かなりよかった。引きこもりと心に傷を負ったシスターの話でよかった
全部にもちろんゾンビのような感染症の元ネタの設定が絡んでいるのですが話を知らなくても面白かったです