下村敦史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
100年の歴史に幕を閉じる ヴィクトリアン・ホテル。その最後の夜の宿泊客たちが織りなす人間模様。登場人物も多く、舞台もあちこちするのにとっちらかっておらず、読みやすかった。
それだけでもすごい。
で、読みながらちょっとした違和感は覚えるものの、それを序盤ではトリックと気づかせないのも見事。
そして、後半でヒントを少しづつ小出しにして、ラストで一気に解決編。鮮やかでした。
人が死ぬこともなく、傷ついたままの人もなく、全員が救われて終わる、とても優しいミステリーでした。
めっちゃおもしろい!!読まなきゃ損!!必読!!ってテンションで勧める感じじゃないけど、いいお話だから一回読んでみてよ。程度に -
Posted by ブクログ
ネタバレ※とてもネタバレです
社長は社長室で首吊り自殺。
集められたメンバーは皆SHIKAGAWA社に関係する人物たち。
最初に違和感があったのはトイレ。和式って出てきたはずが「フタを閉める」「便座に手をつく」「座る」って表現が出てきて、あれ?和式じゃなかったの?と思った。
あと途中で入ってきた男の子。さすがに意味不明だし無理やり感。あんな山奥に親とはぐれた男の子いるわけないww
加奈恵と竜胆の不倫も読み通り。若いイケメンとおばさん出てくるときは大抵不倫^^
実際に廃墟で起こったことと回想が入り混じるのも、ミスリード誘ってる感じがあった。
生き残ったのは神嶋。死んだのは社長の恭一じゃなくて、双 -
Posted by ブクログ
★3.4
名前が、人生を狂わせる。
同姓同名という偶然が、同じ名前を持つという、それだけのことで。
名前はただの記号じゃない。ときに人生すら、ねじ曲げてしまう。
本書は個人を識別する「ラベル」の怖さを描く物語。
著者の筆致は、現代社会の情報過多や個人の特定性について切り込む。同じ記号を持つだけで、人生が狂っていく様を描いた。
いささか、ご都合的に下落していった気もするが。
情報社会というフィルターを通してみたとき、人はどこまで「自分」でいられるのか。
「たまたま一致しただけ」なのに、どうしてこんなにも運命は過敏に反応するのか。
名前とは、自分の輪郭を作るものようなもの。他人が貼った -
Posted by ブクログ
ネタバレずっと気になってた初読みの作家さん。
先の展開が気になり、一気に読めました。
面白かった。
刑事の折笠視点と、中学生youtuberの宗太くん視点が入れ替わるように話が展開していきます。宗太くんの繊細な心理描写が上手。宗太くんパートは、途中まで青春小説みたいなんだけど終盤一気にホラーになったw
セイが聖悟なんだろうなというのはすぐ気がつくけど、それがどう終盤に収束していくのか分からなくて楽しめました。それにしてもセイが怖すぎ。嘘を吹き込んでから殺すの怖すぎる。
にしやんが死んじゃったのはかなりショック。花穂ちゃんが地獄から抜け出せたのは救いか。宗太くんに一番感情移入して読めたかな。
以下付 -
Posted by ブクログ
冤罪がテーマの社会派。
ちょっとバタバタしてるときに読んでしまった。それほど厚さもないし、時間をかけて読む本でもないけれど。
個人的にいちばん印象に残ったのは検察側のこと。
日本の裁判での有罪率99.9%のなかで、無罪判決を出してしまった検察官ってそんなに無能扱いされるんだ、そりゃ大変だと思った。
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生き別れの父は、殺人犯?--家族の絆と法廷の闇に迫るミステリ!
亡き母は、他の人を愛していた。その相手こそが僕の本当の父、そして、殺人犯。しかし逮捕時の状況には謎が残っていた--『闇に香る嘘』の著者が放つ渾身のミステリ
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