下村敦史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
脳内カロリーの消費が凄まじい……!
主要な登場人物が「大山正紀」だらけ。どの大山正紀なのか混同しないように、そして何より仕掛けに騙されないぞ!と神経を尖らせながらの読書だった(汗)
物語は、世間を騒がせた女児惨殺事件の犯人と同姓同名であったがために、人生を狂わされた男たちの群像劇。失われた平穏とアイデンティティを取り戻すべく、「大山正紀同姓同名被害者の会」を立ち上げるが…。
そんなに都合よく大山正紀さんが何人も集まるの?という野暮なツッコミはこの際置いといて、何ともアクロバティックな設定の妙にワクワクしながら読んでいく。個性豊かな大山正紀たちが織りなす奮闘劇の末路には驚かされた。
本作が描くのは、名前が持つイメージや先入観の恐ろしさがあるけど、一方で作中のSNSを通じて暴かれる人々の無自覚な攻撃性には恐怖を感じた。誹謗中傷、同調圧力。なぜ人はネットの舞台に立つと、これほどまでに過剰な正義を振り翳し、攻撃的になるのだろうか。現代社会の歪みが、生々しく突き刺さる。
兎にも角にも、本作は一気読みがオススメ。間を開けると、ん?どの大山正紀だっけ?と、こんがらがってしまうので、まとまった時間を確保して一気に読んでしまうのがイイと思う。
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Posted by ブクログ
2026.05.06
長らく積読していたけど、今回のGWでやっと読み終えられた。
貴志祐介「クリムゾンの迷宮」と、「一次元の挿し木」を合わせたような内容で、ハラハラドキドキの展開が続き、多々ご都合主義な場面があるものの、次々と危機が襲い、息をつく暇もないようなエンタメ小説だった。
肩を撃たれているのにずっと危機を脱せられるほど主人公に体力があったとは思えない笑
地獄の行軍なのにその後ゲリラに襲われても対抗できるほどの体力がみんなに残されていたとは思えないし、広いサハラで遊牧民のキャラバンに出会うのも奇跡だし、その後ずっと付き添って役立ってくれるなんてありえないなーと思うし、そのあたりにご都合主義みを感じて少し冷めてしまった。
そして主人公がポンコツというか、情けない笑。決断しなければいけないシーンではどうする?という葛藤ばかりでなにも決められず、うだうだしている場面が多い。
シャリファにも「あなたが最後だと尻込みするから私より先に行って」と言われるほど。
シャリファのその後はあったけど、カリームは無事に村に戻れたのだろうか。
エンタメ小説なだけではなく、社会派問題もうまく盛り込まれていて、満足度の高い小説だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ何が起きているのか、それとも何も起きていないのか、そういった『人は消えるが何が起きているかわからない時間』が長すぎて、少し間延びを感じてしまいました
あと、これは自分の思い込みが原因なのですけど、裏表紙のあらすじを見て邪推をしてしまいまして、
「仕掛けに満ちた『館』で巻き起こる怪事件の真相とは?」
という一文を読んで、ああ怪事件ね、殺人ではないのね、ふーん、なんて決めつけながら読んでしまいました
それでなおさら『何かが起きそうで起きない時間』を、はいはい、でも何も起きてないんでしょ?みたいな感じで読み進めたために、余計に物語の間延びを感じてしまったりして、そこは素直に作品に対してごめんなさいと言いたいです
実際にこの館に作者が住んでいる、という部分にはとても興奮しました
隠し部屋の存在、そしてそこへの入室スイッチは本棚に偽装されているとか、もうロマンですよロマン、素敵