下村敦史のレビュー一覧

  • 逆転正義

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    題名通りに、それまでの話が最後に逆転する6編の短編集。
    どの短編も読者の思い込みをひっくり返し、特に『保護』や『完黙』や『ストーカー』には、「やられた!」と、著者の企みに翻弄された。

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    2025年07月29日
  • 闇に香る嘘

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    主人公が盲目であることで、主人公(および読者)が視覚情報を得られないというもどかしさが斬新。そして前半に多く発生するちょっとした違和感が、終盤に次々と種明かしされるためカタルシスがある。
    一方、登場人物のことごとくが辛い過去を持っており、全体として陰鬱な印象がある。

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    2025年07月19日
  • 闇に香る嘘

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    中国残留孤児についてよく分かっていなかった自分を恥ずかしく思った。歴史では学んだはずだけど理解していなかったことをこの本を読んで気付かされた。

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    2025年07月02日
  • 白医

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    ホスピスで起きた3件の医師による安楽死事件。
    内部告発により、医師の神崎が裁判にかけられる。
    患者思いと評判の彼がなぜ、3件もの安楽死に手を染めたのか…
    神崎は沈黙を貫くが、そこには患者や家族にも及ぶ深い理由があった。
    末期癌患者のためのホスピスでも、痛みを完全に取ることは難しい。
    本人、家族、医師にもそれぞれの思いがあるが、安らかな死とは一体何なのか…
    将来自分が直面した時、どんな風に思うだろうか。

    2025.6.29

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    2025年06月29日
  • アルテミスの涙

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    最後の展開は、えっていう感じだった。
    何が正解なのか分からなかったけど
    何となく良かったと思えるラストでした。

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    2025年06月28日
  • 失踪者

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    ネタバレ

    真山が樋口の遺体を見つけてからは、樋口との出会いや山登りの思い出、仕事のことなど過去のことが書かれていて「それで、遺体はどうなったの?!」とモヤモヤすることが多かった。
    山を大好きな樋口が、榊の口車にのせられて代わりに登頂するかなぁ?榊が樋口に代理を頼んでいたからバチがあたって、奥さん死んじゃったんだよね。
    神様はいるんだな。
    失踪者より生還者の方がドキドキして楽しかった。

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    2025年05月29日
  • コープス・ハント

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    ネタバレ

    ずっと気になってた初読みの作家さん。
    先の展開が気になり、一気に読めました。
    面白かった。
    刑事の折笠視点と、中学生youtuberの宗太くん視点が入れ替わるように話が展開していきます。宗太くんの繊細な心理描写が上手。宗太くんパートは、途中まで青春小説みたいなんだけど終盤一気にホラーになったw
    セイが聖悟なんだろうなというのはすぐ気がつくけど、それがどう終盤に収束していくのか分からなくて楽しめました。それにしてもセイが怖すぎ。嘘を吹き込んでから殺すの怖すぎる。
    にしやんが死んじゃったのはかなりショック。花穂ちゃんが地獄から抜け出せたのは救いか。宗太くんに一番感情移入して読めたかな。


    以下付箋貼ったところ。

    なぜ正しい主張をする者の中に、世の多くの悪人と同じように罪を犯している人間がいるのか。聖職者が男児や女児に性的虐待を加え、児童ポルノの反対者が未成年を強姦し、人権派のジャーナリストやカメラマンが人権を蹂躙する。
    幸せをことさらアピールする人間が実は不幸や寂しさを抱えていたりするように、犯している後ろめたい罪の発覚を恐れる人間ほど、類似行為を公然と批判していたりする。世の中の人々は、まさか不道徳な行為を否定している人間がそんな罪を犯しているとは夢にも思わないのだから。

    自分が男社会で男たちに負けじと対抗心を燃やして働いていたからか、平凡な専業主婦を望む女性が存在するなどとは想像もしなかった。心のどこかに、今の時代の女性なら専業主婦を自ら望むはずがない、専業主婦に甘んじているのは日本が女性の社会進出に不寛容だからだ、という決めつけがなかったか。
    無意識のうちに、一昔前の価値観を持っている女性を見下してしまっていた。女性の個々の価値観を認めていなかった。

    あなたが何かを楽しむことに罪悪感を持つ必要はありません。人に後ろめたさを与えてくる人間は、世の中に多いです。女性であること、男性であること、過激な漫画やゲームや性的なコンテンツが好きであること。何でもそうですが、自分の属性や好きな物に後ろめたさを植えつけられそうになったら、その相手とは縁を切った方がいいです。真面目で誠実な人間ほど、思い詰めるものですから。

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    2025年05月23日
  • 真実の檻

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    冤罪がテーマの社会派。
    ちょっとバタバタしてるときに読んでしまった。それほど厚さもないし、時間をかけて読む本でもないけれど。

    個人的にいちばん印象に残ったのは検察側のこと。
    日本の裁判での有罪率99.9%のなかで、無罪判決を出してしまった検察官ってそんなに無能扱いされるんだ、そりゃ大変だと思った。


    ====データベース======
    生き別れの父は、殺人犯?--家族の絆と法廷の闇に迫るミステリ!

    亡き母は、他の人を愛していた。その相手こそが僕の本当の父、そして、殺人犯。しかし逮捕時の状況には謎が残っていた--『闇に香る嘘』の著者が放つ渾身のミステリ

    ========

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    2025年04月06日
  • コープス・ハント

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    連続猟奇殺人犯・浅沼聖悟が1件の犯行は否認する。それを追求する女刑事・折笠望美。一方で遺体探しを始める3人のユーチューバー。本当に遺体は見つかるのか?うーん、解決はしたが、スッキリしないなー。

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    2025年03月26日
  • 生還者

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    ヒマラヤ山脈東部カンチェンジェンガの雪崩事故から2人が生還するが、2人は全く違う証言をする。山岳ミステリー。山岳での描写はわかりにくい部分もあるが、割とシンプルな展開。

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    2025年03月16日
  • ガウディの遺言

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    期待しすぎてた。
    いまいち。もっと面白い話かなと期待してた。

    強引、無理矢理に感じる伏線回収は、私が求めてる心地良さとは違うものだった。

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    2025年03月08日
  • サハラの薔薇

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    エジプトで発掘調査を行う考古学者の峰は、念願の石棺を発掘するが、見つかったのは死後数ヶ月のミイラだった。失意の中、何者かの襲撃を受け、峰は危うく難を逃れる。だが今度は講義先のパリへ向かう飛行機がサハラ砂漠に墜落する。
    僅かな食料と水を分け合い、歩く自信が無い者は飛行機のそばに残った。
    オアシスを目指して歩き始めた何人かは、それぞれに秘密を抱え、やがては殺しあう事態になるのだが、私的には殺しあう事態になる後半は興味が削がれた。

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    2025年02月17日
  • 警官の道

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    警官にまつわる有名作家たちの小説まとめ集で、半分以上は面白かった。私の好きな中山七里はもちろん面白いが、深町秋生のクローゼットも良かった。最後の柚月裕子の作品は心を掴まれうるっとくる。

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    2025年01月21日
  • 告白の余白

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    古本屋さんで見つけて、興味が湧いたので購入。
    京都の人が嫌いになったとか、怖いというクチコミが多いと感じたが、わたしは嫌味や皮肉を上品に相手にぶつける様が面白かった。言い回しやその意図から学ぶこともあったし、言葉の裏の意味が明かされていくのも楽しかった。後半はこの台詞はどんな意味か予想しながら読んでいた。
    最後まで本心が分からない京子に、怖さを感じながら上品で美しくも感じた。

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    2025年01月06日
  • 真実の檻

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    ネタバレ

    展開やストーリーは面白かったが、重ーい結論の割にサクサクと進んだ。
    もっと登場人物の心情などに深掘りしてほしかった

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    2024年12月22日
  • 真実の檻

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    冤罪をテーマにした物語

    題材は興味深く読めましたが、登場人物のセリフや行動原理がイマイチよく分からなかった

    初めて読む作家さんでしたので文章の特徴が好みに合わなかったのかもしれません

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    2024年11月08日
  • 同姓同名

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    小説紹介本を読んで気になっていた作品。

    一件の猟奇殺人事件をきっかけに、犯人と同姓同名の人々の人生が狂っていくー…。登場人物全員同姓同名!前代未聞のミステリー。

    登場人物が全員同姓同名なのだが、その数、なんと、10人以上…!!
    一場面で10人出てくる時もあった。
    それなのに、一人一人の個性が強くて、ちゃんと区別して読めるのがすごい!!
    それでも時々混乱した。
    それも計算済みなんだろうなぁ。

    事件に絡めて様々な社会問題が扱われている。
    少年法、実名報道、死刑、私刑など…
    一番印象的だったのが、SNSでの誹謗中傷、倫理の同調圧力。
    登場人物の投稿が炎上していく様はリアルそのもので、恐ろしかった。
    時には人の命まで奪ってしまうが、取り締まろうとすると他の法律が関係してくる。難しい問題だ。

    収録されている「もうひとりの同姓同名」は、とある事件の被害者と同姓同名の人の短編。
    どちらも新たな視点でのミステリーだった。

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    2026年04月25日
  • 白医

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    安楽死やターミナルケアが題材のお話ですが、程よいミステリー要素のおかげで、すごく読みやすくて驚きました。
    ずっとシリアスな展開が続く話ではあるんだけど、わたし個人としては、読んでいて過度に不安を煽られたり苦しくなったりすることはなかった。
    終末期医療について初めて知る部分もあり、物語を通して安楽死について色々考えさせられる、道徳的な教科書みたいな本でした。
    あらすじを見て、気になっている方にはオススメの一冊です。

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    2024年10月18日
  • 情熱の砂を踏む女

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    下村敦史『情熱の砂を踏む女』徳間文庫。

    何時も様々なミステリーやサスペンスで楽しませてくれる下村敦史であるが、今回ばかりは少し空回りが過ぎたようだ。

    スペインの闘牛界を舞台にミステリーを描いたという点は面白いのだが、設定や展開が余りにも強引過ぎるし、終盤に明かされる驚愕の真相も乱暴過ぎたようだ。

    例えるなら素晴らしい小説を原作に二流映画監督が無理矢理、2時間の映画に仕立てたというような作品だった。

    日本人には余り馴染みの無い闘牛であるが、スペインでは文化の一つであり、宗教的な意味合いもあり、儀式的な部分もあるようで、日本の大相撲にも似ている。


    スペインで闘牛士となり、闘牛中の事故で亡くなった兄の進藤大輔を悼むためにスペインに向かった妹の怜奈はその死に疑念を持つ。始めは兄の生命を奪った闘牛を嫌っていた怜奈だったが、次第に闘牛に魅せられ、数少ない女性の闘牛士になろうとスペインに留まる。

    2年の月日が流れ、怜奈は念願の闘牛士となる。闘牛士として闘牛場で演技を続けるうちに兄の死の真相に近付いていく。

    本体価格820円
    ★★★

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    2024年10月09日
  • 告白の余白

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    京言葉?のもつ特性をこの小説からだけで判断することはかなり怖いことだと思いますが、この小説でのローカルルールだと認識するのであれば、なるほど面白い試みだと思いました。

    中盤まではいつまで京都の話するんだ…?と思わなくもなかったですが、終盤で小出しに情報が更新され、二転三転する展開と心情は読んでいて面白かったです。
    こういうミステリーの作り方もあるんですね。

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    2024年10月07日