下村敦史のレビュー一覧

  • 緑の窓口 樹木トラブル解決します

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    去年の春に購入したのに読む時期を逸しました。今年こそは。しかし『闇に香る嘘』とはおよそ同じ作家とは思えないこの表紙。読み始めてもやはり同じ作家だとは信じがたい文体。

    区役所に新設された「緑の窓口」。木に関する何でも相談室。あの木が邪魔だとか倒木があるとか、そんな程度の相談しか思いつかないし、その通りの相談事が寄せられるわけですが、そこには木を眺めて暮らしてきた人の気持ちが存在している。その木をどうすべきか診断するのは樹木医の柊さん。柊さんの診断を聴き、謎を解きつつ人の気持ちに寄り添った解決方法を考える天野くん。

    軽く読めて楽しいけれど、こうして樹木がらみのミステリーまで出てくると、ミステリ

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    2021年04月01日
  • 悲願花

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    一家心中の生き残りの少女だった幸子は、一家心中を図って生き残ってしまった母親であり雪絵と出会う。自分の過去を隠しながら雪絵に母親を投影しながらかかわり続ける幸子。そのような壮絶な体験をしたことのない私から見れば、どうしてそこまで過去に囚われて、いろいろ許したくない人たちがいるんだろうと思うが、当人にしかわからないトラウマのようなものがあるのだろうと思った。
    幸子が過去にとらわれず、幸せになることを願いたい。

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    2021年03月14日
  • 告白の余白

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    双子の兄が自殺し、残された遺言から京都に住む兄の恋人のもとへいろいろなことを探りに行く弟。京都という土地柄と、恋人が老舗和菓子屋の一人娘ということもあり、簡単には兄の情報がわからない。
    京都ならではの「よそさん」には本音を明かさない文化が面白いが、自分はそのような文化に溶け込むのは無理だと思った。

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    2021年02月24日
  • 真実の檻

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    02月-15。3.0点。
    大学生の主人公、母の遺品から実の父親が殺人犯で死刑だと知る。しかし冤罪の疑いもあり。。

    主人公が冤罪を信じる過程が、非常に安易のような気がした。次々と推理が当たっていき、ご都合主義的な感じが強い。

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    2021年02月16日
  • 告白の余白

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    ミステリー(どんでん返し)、京都の伝統、女心のキーワード。
    設定としてはあり得ないと思うが、引き込まれた。
    やや解説が長いが、京都の雰囲気をよく引きだしていると思う。
    何が真実かわからないという状態が最後まで残るがこういう小説もありだと思う。

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    2020年10月31日
  • 真実の檻

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    法曹界の在り方について問題提起をしつつ、逮捕→起訴→判決に至る過程で冤罪が生み出される構造を詳細に描いている。

    警察、弁護士、検察官、裁判官、それぞれの立場でそれぞれの「正義」がある。
    しかし、「真実」はひとつしかない。
    それは権力の渦に飲み込まれ、埋もれてしまってはならないもの。
    権力を持つ強者が勝つのではなく、たったひとつの真実が勝つ、そんな世の中であってほしいと願う。

    冤罪によって苦しむ人が一人でも少なくなってほしい。

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    2020年10月29日
  • 緑の窓口 樹木トラブル解決します

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    ネタバレ

    樹木医が探偵役のミステリということで、役場の樹木医(とその相棒?たち)がその知識を活かして民間トラブルを解決していくお話。これまでに読んだ下村作品の印象は「シリアスで重厚」という印象があったので、やけに爽やかで明るい雰囲気の表紙にビックリ。

    実際、話の雰囲気やキャラの造形なども穏やかでラブコメっぽい要素もあるなど、なんだか違う人が書いたみたい。

    ただ、そのテイスト故か犯人?とその動機はある程度予想がついてしまったかも。基本、悪い人がいない世界観に感じたので、紅葉とその母の関係のように、一見険悪そうに見えて実は……とか、善意のすれ違いみたいなのを予想しちゃいます。

    でもソメイヨシノの章は、

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    2020年07月22日
  • 告白の余白

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    実家を飛び出した双子の兄が突然帰省し、生前贈与を持ちかけた。
    両親が生前贈与を認めた矢先、ある理由から兄が自殺してしまう。
    部屋で見つけた手紙をきっかけに、兄になりすまして京都で真相を探る。
    なるほど。
    京都が舞台だからこそ《会話すべてが伏線》っていうのが成立するのね。
    面白い発想だわ。

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    2020年06月17日
  • 緑の窓口 樹木トラブル解決します

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    下村敦史『緑の窓口 樹木トラブル解決します』講談社文庫。

    下村敦史の作品にしては珍しくラノベチックな表紙に読み始めるのを躊躇していた。

    新設された区役所の緑の窓口に異動した天野優樹と花粉症で樹木嫌いの先輩・岩浪、樹木医の柊紅葉が樹木に関係する様々なトラブルを解決するという内容の連作短編ミステリー。

    これまで硬質なミステリーを書いてきた著者が新たな分野で恋愛ドラマの要素もあるユーモラスなミステリーに初挑戦したという感じ。

    いずれの短編も当たり障りの無い、無難な内容で、これまでの硬派な下村敦史作品を読んで来た読者には非常に物足りない。ラノベチックな軟派な小説は他の作家に任せ、下村敦史には是

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    2020年05月08日
  • 告白の余白

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    高知で農家を手伝う北嶋英二の双子の兄が自殺した。「農地を祇園京福堂の清水京子に譲る」と書かれた遺書を持ち英二は京子を訪ねるが、彼を兄と間違い〝失踪した恋人〟との再会を喜ぶ姿に真実を伝えられない。ところが翌日、京子と職人の密会が発覚。京子は兄を愛していたのかそれとも――。ここは腹黒の街。美しき京女の正体を〝よそさん〟は暴けるか。

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    2020年01月04日
  • サイレント・マイノリティ~難民調査官~

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    難民の話なので、社会的な話だと思ったが、それだけではなくミステリーの要素も大きかった。「内戦」や「難民」など、自分にはかかわりのないことだったが、これからは興味を持って情報収集をしてみようと思った。

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    2019年09月16日
  • フェイク・ボーダー~難民調査官~

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    下村敦史『フェイク・ボーダー 難民調査官』光文社文庫。

    『難民調査官』の改題、文庫化作品。下村敦史はデビュー以来、当たりの多い、信頼出来る作家であるのだが、本作は残念ながら外れであった。

    難民調査官の如月玲奈は日本に難民申請したクルド人・ムスタファの調査を行うが、彼は何故か嘘を繰り返す。如月が調査を続けると、上司や公安から難民申請を却下するように圧力が掛かる……

    本体価格700円
    ★★★

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    2019年07月14日
  • 失踪者

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    ネタバレ

    雪山で亡くなったはずの親友を迎えに行くが、氷河の底にある遺体は、当時よりも年老いていた。

    あの時死んだのではなかったか??

    あらすじにひかれて読んでみた。

    ミステリー要素を楽しみに読んだけど、過去の話が長すぎて、ミステリー部分はほとんどなかった。だんだん真実が明らかになる様子を楽しみたかったけど、過去の登山家たちの確執などが出てくるだけで、真実は最後の最後にちょっぴり出てくるだけ。

    専門用語が多すぎて、感情移入できなかった。
    残念。

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    2019年04月13日
  • 告白の余白

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    下村敦史『告白の余白』幻冬舎文庫。

    『魔都京都』……そんな言葉が頭の中を過る作品だった。ただ、それだけ。これまでに下村敦史の作品の中では一番面白くない。京都に対する悪口を書いているとしか思えない不快な作品なのだ。

    高知の農家を飛び出し、放浪を続けていた双子の兄が高知の実家に戻るや否や謎の言葉を残し自殺する。兄の過去を知るために兄が最後に過ごした京都へ行った双子の弟は……

    京都の歴史や本質を知るには良い作品なのかも知れないが、面白くはない。

    『告白の余白』と、その姉妹作『算段』を収録。

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    2018年12月07日
  • 生還者

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    ネタバレ

    次々に明らかになっていく真実に様々な角度からライトが当たって違う一面が顔を出し、生還者二人に最後まで翻弄される。
    美月が絡んだ遭難事故の真実は、どんなに魅力的な人でも極限状態では正直に行動してしまうある意味非情な描かれ方がこれぞ人間。
    自分は山国育ちで過去の登山に纏わる経験から山は死に直結していて畏怖が先に立つ。命を預け預けられる仲間との信頼の絆がいとも簡単に断ち切られ、生還してもとてつもない苦悩を背負う山、何より人の本性が剥き出しにされる山の印象は相変わらず怖い。でもこの本はその怖さ以上におもしろかった。

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    2017年11月24日
  • アイアムアヒーロー THE NOVEL

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    そもそも漫画を全く読んだことがないからか、浅井リョウさんの話と、その次以降の方々の話の展開がよくわからなかった。

    でも、浅井リョウさんのは良かった。

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    2016年10月02日
  • 同姓同名

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    難しい…

    難しかった… 頭を使って読まないといけないので好みが分かれるかなと思います

    #深い

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    2023年03月29日
  • 闇に香る嘘

    nao

    購入済み

    皆さん結構絶賛されているので読んでみましたが。
    すみません、最初の密入国の部分で私が勝手に新宿鮫っぽい話になるんだろうと思い込んでしまったのが悪かったです。おかしいな、ならないなーと思っている内に終わってしまいました。
    しかも、えっ終わり?どうするの、この人今後の人生って感じに終わったのでびっくりです。いいのか本当に。
    大陸へ渡った方々、残留孤児の方々のご苦労が並々ならぬものなので、主人公(結構わがまま)の悩みに感情移入できず、もうこの人が兄でいいんじゃないのかなと思って読んでいました。

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    2018年09月01日