下村敦史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
去年の春に購入したのに読む時期を逸しました。今年こそは。しかし『闇に香る嘘』とはおよそ同じ作家とは思えないこの表紙。読み始めてもやはり同じ作家だとは信じがたい文体。
区役所に新設された「緑の窓口」。木に関する何でも相談室。あの木が邪魔だとか倒木があるとか、そんな程度の相談しか思いつかないし、その通りの相談事が寄せられるわけですが、そこには木を眺めて暮らしてきた人の気持ちが存在している。その木をどうすべきか診断するのは樹木医の柊さん。柊さんの診断を聴き、謎を解きつつ人の気持ちに寄り添った解決方法を考える天野くん。
軽く読めて楽しいけれど、こうして樹木がらみのミステリーまで出てくると、ミステリ -
Posted by ブクログ
ネタバレ樹木医が探偵役のミステリということで、役場の樹木医(とその相棒?たち)がその知識を活かして民間トラブルを解決していくお話。これまでに読んだ下村作品の印象は「シリアスで重厚」という印象があったので、やけに爽やかで明るい雰囲気の表紙にビックリ。
実際、話の雰囲気やキャラの造形なども穏やかでラブコメっぽい要素もあるなど、なんだか違う人が書いたみたい。
ただ、そのテイスト故か犯人?とその動機はある程度予想がついてしまったかも。基本、悪い人がいない世界観に感じたので、紅葉とその母の関係のように、一見険悪そうに見えて実は……とか、善意のすれ違いみたいなのを予想しちゃいます。
でもソメイヨシノの章は、 -
Posted by ブクログ
下村敦史『緑の窓口 樹木トラブル解決します』講談社文庫。
下村敦史の作品にしては珍しくラノベチックな表紙に読み始めるのを躊躇していた。
新設された区役所の緑の窓口に異動した天野優樹と花粉症で樹木嫌いの先輩・岩浪、樹木医の柊紅葉が樹木に関係する様々なトラブルを解決するという内容の連作短編ミステリー。
これまで硬質なミステリーを書いてきた著者が新たな分野で恋愛ドラマの要素もあるユーモラスなミステリーに初挑戦したという感じ。
いずれの短編も当たり障りの無い、無難な内容で、これまでの硬派な下村敦史作品を読んで来た読者には非常に物足りない。ラノベチックな軟派な小説は他の作家に任せ、下村敦史には是 -
購入済み
皆さん結構絶賛されているので読んでみましたが。
すみません、最初の密入国の部分で私が勝手に新宿鮫っぽい話になるんだろうと思い込んでしまったのが悪かったです。おかしいな、ならないなーと思っている内に終わってしまいました。
しかも、えっ終わり?どうするの、この人今後の人生って感じに終わったのでびっくりです。いいのか本当に。
大陸へ渡った方々、残留孤児の方々のご苦労が並々ならぬものなので、主人公(結構わがまま)の悩みに感情移入できず、もうこの人が兄でいいんじゃないのかなと思って読んでいました。