下村敦史のレビュー一覧
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1991年、バルセロナ。
佐々木志穂25歳は13年前、サクラダ・ファミリアの石工となった父に連れられてバルセロナにやってきます。
母は志穂が小学生の時にバルセロナのグエル公園で強盗に刺されて亡くなっているので、志穂にとっては忌むべき土地でした。
志穂には恋人のホルヘがいて、結婚を望まれています。
父の仲間で伯父のように慕っていたアンヘルが、アントニオ・ガウディの先端で首を縛られ吊られて殺されているのが発見されます。
ちょうどその頃志穂の父は行方不明になり、刑事から、犯人は石工である可能性が高く、父には当日のアリバイがないとされ、殺人犯ではないかと糾弾され追われてしまいます。
志穂は父から -
Posted by ブクログ
亡くなった母親の遺品を整理する最中、大学生の石黒洋平は「赤嶺信勝」という差出人からの手紙を複数見つける。他にもその男と思われる人物が母親の腹部をなでるようなポーズを撮った写真もあった。もしかしてこれは、自分の本当の父親ではないのか。気になって調べ始めた洋平はやがて、赤嶺信勝が母親の両親を殺した連続殺人犯として逮捕され、死刑判決を受けた人物であると知る。
冤罪を扱った作品ではあるが、単純に悪意によって作られたものではなく、大切な人を思って自ら望んだ冤罪というものも存在するのだというのを知らされる。真実を追求したことで、次々と自分の首を絞めていくような展開に陥っていく主人公だったが、最後には -
Posted by ブクログ
久しぶりに読む山岳ミステリー。
解説にもありますが、やや稚拙さが気になる仕上がり。
けれど下村氏の作品には常に何かしらの新しさを感じます。
登山をやめたはずの兄が雪山の雪崩で死亡。
遺品のザイルに人為的な傷を見つけた増田は兄の死因が本当に雪崩だったのか疑うようになる。
そんなとき、同じ雪崩に遭うも生還した2人の男性がメディアの前に現れ、真っ向から食い違う主張をする。
嘘をついているのはどちらか、その理由はー?
「なんでもっと早く気付かないの?」と聞きたくなるような箇所があったり、トントン拍子に話が進みすぎたりするきらいはありますが、構成はよいです。
まずまず楽しめました。
でも「闇に香