名前が明記されている登場人物の大半が同姓同名・大山正紀で構成されているため、物語の中で"どの"大山正紀が出てきたか判断するには"その"大山正紀の容姿や職業といった文章内で表すことのできる特徴しかなく、言動はわかっていても"どの大山正紀"の言動か後に明かされるまでわからないところが面白かった。これはドラマでも映画でも漫画でもアニメでもなく、明確に容姿を表すことができない、すなわち文字でしか表すことができない小説だからこそ出せる面白さだと思った。
普段小説を読んでいる時、脳内で勝手に映像を作り上げて物語を噛み砕いていくためここはメディア化するならどう表現されるだろう、キャスティングはどうしよう、などと考えているがこの作品に関してはメディア化しないでほしいとまで感じた。