下村敦史のレビュー一覧
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本作品の社会に向けている方向性については共感が持てる!
毒親、暴力的・性的嗜好が強い漫画、過剰な人権派、振りかざされる見識の狭い正義・・・
中庸の徳と言う言葉が示すとおり何方かに全フリでは無く、何でも程よく出来る事と、完璧と潔癖を他者に求めない余裕が欲しいと私は思います。
8人の主婦を殺害し死刑判決を受けた殺人鬼が【7件は自分の犯行で1件は別な奴の犯行!更にその犯人の一人は既に殺して埋めてます】なんて言い出した!
SNSやYouTubeでは真犯人の遺体捜しが大盛り上がり!
休職中の女性刑事が事件の真相を追うA面と死体探しの動画を撮影する少年YouTuber達のB面の物語が交互に展開さ -
Posted by ブクログ
作品ごとにジャンルを変える著者が今回挑むのは、相続法をテーマに遺産を巡っての相続人たちの愛憎劇。
膵臓がんに冒された昭和の大物相場師が自宅から失踪。
彼の子供たちー長男、長女、次男(後妻の息子)の三人は、失踪宣告の成立を今か今かと待ち構えていた。が、成立直前に彼のブログが更新され、さらに彼にしか知り得ない事柄が綴られる。彼は生きているのか。
次々と更新されるブログに、とんでもない仕掛けがされていたとは、相続人たちとともに読者もアッとさせられる手品のようなどんでん返し。
著者の謀に見事に欺される。
「飢えた狼が餌を欲するように人が金を求めれば、目の前にある幸せも見落とし、人間性を失うのかもしれな -
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ネタバレいやいやいや、たまげました。60頁前後の短編4つと160頁ほどの中編1つ。久坂部羊っぽいなと思いながら読み始めた短編4つは、完全に独立した読み物でした。いえ、そう思われました。
病院から突然消えた危篤患者。重病人のふりをする元官僚。子豚が忽然と消えた養豚場。科研費の不正受給に関わっていたと見られる研究者の自殺。
それが中編に入ろうというときに、前の4つを必ず先に読むように言われる。えーっっっ、これが全部ひとつにまとまるのか。
正直なところ、その4つはさして心に響くものではなかったのですが、最後にこうなるとは。お見事としか言いようがありません。 -
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作品ごとに新しいジャンルを開拓する著者が今回取り組むのは、警察小説。
主人公に据えるのは、過去に単独行動で真犯人をあげ、警察内で厄介者扱いされている刑事・田丸。
「きっと、人は誰しも居場所を探して生きているのではないか」と、惑う刑事の孤独=「居場所がない」が、テーマでもある。
今また、捜査本部が捉えた容疑者は冤罪だと見抜き、「組織が動かなければ個人が動くしかないでしょう」と、独自の捜査を続ける。
しかし、容疑者は起訴され、裁判員裁判へ。
田丸と思いを同じにする弁護士が、検察と丁々発止に弁論対決する法廷場面は、この箇所だけでも一冊の小説になりそうな見応えがある(それは、巻末の参考文献の数を見ても -
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本書に登場するマスコミ、組織の縦社会、個人の正義を振りかざす人々が実際に存在している事に対して非常に残念に思う・・・
裁判員裁判、ブラック企業、メディアの切り取り報道と出し抜き報道、熱しやすく冷めやすい割にネチネチしている世論などが物語の主軸に組み込まれている。
新宿署の刑事【田丸】は捜査本部の方針に逆らって真犯人を挙げた事がある!?その結果、組織からは干され、重要な捜査からは外されてしまい、どうでもいいような事ばかり押し付けられてしまう・・・
ある時,管内で起きた二つの殺人事件に共通点を見つけるのだが、干されている田丸の話は重要視されない・・・
しかし、そんな田丸に手を差し伸べてくれる -
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下村敦史『刑事の慟哭』双葉文庫。
警察ミステリー小説。
プロローグに描かれたブラック企業の化粧品会社を狙った爆弾事件、本編に描かれる裁判員候補者の選任拒否を考える中沢剛、新宿警察署管内で起きたOLの絞殺事件を捜査する刑事の田丸と全く関係無さそうな事件と人物はこの先、どんな関わりを見せるのか……
余りにも偶然が重なり過ぎた事件の真相に今一つ納得出来なかった。偶然が重なれば必然性が生じるのかも知れないが、ストーリーからは説得力が感じられなかったのだ。
1年前に連続殺人事件を巡り、捜査本部の捜査方針に独り逆らい、真犯人を逮捕してから、組織の裏切者と疎まれ続ける刑事の田丸。田丸は新宿警察署管内