下村敦史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ一つの事件を追っているのかと思えば、なるほど。
改装のため、百年の歴史にいったん幕を下ろすことになった格調高いホテル。その最後の夜に宿泊した様々な人々の運命の岐路を描く。
人も事件も混沌としているように見えて、登場人物たちの時系列をカチッと一つずらしてみたらまったく別の一夜に変わる。最後まで読んでみて、それが二度あることに気づき唸ってしまった。
文学賞授賞式のやり取り、優しさを非難された女性、窮屈な社会に対して伝えたいメッセージも散りばめられていた。こんなに複雑な時代になってしまって、いろいろと疲れる日々だけれど、最後はみんな前を向く姿があってほっとした。 -
Posted by ブクログ
100年の歴史に幕を閉じる。ビクトリアンホテルの最後の日。それぞれの登場人物のシーンが目まぐるしく入れ替わる展開。こういうホテルを題材にした小説や作品は多々あり、なんとなくの騎士感があるシーンがしばしばあった。最後の展開も、ミステリー好きならば「ホテル物の小説ってこういう展開よね」とうすうす気づくトリックでちょうどいい程度に楽しめました。登場人物が多すぎず、それぞれのキャラクターもイメージしやすく、最後のトリックも複雑になりすぎず読者に伝わりやすい内容で、下村淳史さんは作品作りの時に、いかに上手に読者に伝わるかを意識されてるんだろうなと勝手に思いました。